◯モノクローム●

LAP篇

第132話 驚愕

飛びかかった6人は、その瞬間、乱雑な攻撃を繰り出すように見せかけて、見事な連携で葛幸卿を抑え付けた。サクラがその場を固め、直樹が左腕をつかみ、優が右腕を押さえる。武義と光一が脚をがっちりと押さえ込む様子は、一見すると単なる乱戦のようだったが、実際には完璧なチームワークの賜物だった。

「今だ、明！」直樹の声が響くと、明は全力で飛び込んだ。彼の手に握られた刃は、一閃のもとに葛幸卿の心臓を掴み取る。そして、狙った位置を一気に狙い、心臓を突き抜けるように攻撃を繰り出した。

「さっきの報復だ！」明は嬉しそうに言い放った。しかし、その瞬間、驚愕の事実が彼の心に冷や水を浴びせた。葛幸卿はその圧倒的な生命力故に、心臓のダメージを受けたにもかかわらず、すぐに再生を始めた。あっという間に、彼の表情には冷酷さが戻り、目の中には形勢逆転への自信が浮かんでいた。

「これでは…！」明の心に不安がよぎる。葛幸卿を前にし、これまでの苦戦がどれほど彼らを消耗させたかを思い出す。どんなに攻撃を加えても、彼の再生力は決して侮ることはできない。