◯モノクローム●

黒鼠シラ

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LAP篇

第127話 荒れた斬撃

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前に出た5人のラプのメンバーは、勇気を振り絞って葛幸卿へと迫った。うち3人が赤炎の剣を手にし、残りの2人はそのままの剣で彼に向かって飛びかかる。葛幸卿は初めての攻撃に少し焦りを感じていたせいか、冷静さを失い、手当たり次第に斬撃を放った。

しかし、その斬撃は容易に避けられるものではなく、5人はダメージを負いながら避けることしかできなかった。そして、ついにその斬撃が1人の赤炎遣いに命中し、彼はその場で倒れ込み、大量の血を流しながら絶命した。

この仲間を失った怒りと悲しみが、倒れた仲間のために反撃の意志に変わった。残った4人は無理にでも戦おうと決意した。怯んだ葛幸卿の隙を突いて、彼らの剣がほんの少しでも彼の肉体に刃を入れた。しかし、彼の持つ再生能力は異常で、ほぼ無駄な攻撃となってしまった。

そんな戦いがしばらく続いたところで、葛幸卿は大きな衝撃と共に大量の血を流して倒れ込んだ。
うしろから攻撃されたのであった。我を忘れて攻撃していた葛幸卿は冷静さがなく、うしろから近づいてくる気配に気づけなかったのだった。
そして後ろに立っていたのは先ほど絶命したはずのメンバーだった。
そう、これは全て作戦であった。葛幸卿がくる前に、きっと怒りで我を忘れていることを予測し、あらかじめそのメンバーは服の中に赤いペンキの入った袋をパンパンに詰めていた。怪しまれない程度に。
赤炎の斬撃であっても、全力のものが不意に打ち込まれた葛幸卿は、うなりながら、地面をこちらへと向かって這ってきていた。「殺してやる殺してやる」強い怒りがあらわになった目をした葛幸卿は、すこし無様な気もする姿であった。
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