◯モノクローム●

LAP篇

第125話 ラプは終わりだ

サクラに連れられ、ラプのメンバーたちは明と慈岳の元へと辿り着いた。薄暗い森の中で、二人は倒れ、多くの血を流していた。サクラは必死に応急措置を施し、他のメンバーも協力して二人の傷を止めようと奮闘した。

「明、しっかりして…！」サクラは呼びかけたが、明の顔はあまりにも青ざめていた。彼の状態を見て、仲間たちの不安は募るばかりだった。

「ラプはもう終わりだ。あいつは強すぎる。きっと宗一郎さんだって勝てやしない…」明はかすかな声で呟いた。彼の言葉は、周囲の仲間たちに重くのしかかり、絶望の渦に彼らを引き込んだ。

「とにかく今勝つことは不可能。」慈岳も辛そうに言った。彼は自分の命がかかっていることを理解しつつも、仲間たちを守れなかった自分を責めていた。サクラはその言葉に反論することができず、ただ小さく頷くしかなかった。

「今は、逃げるしかない！」別のメンバーが声を挙げ、緊張した空気を振り払うように言った。数人が二人を担ぎ上げ、全員がその思いを胸に抱いて歩き始めた。しかし、平和な日常がなくなり、目の前には絶望しかないことを実感しながらの逃走だった。

木々の間をすり抜け、急いで行動するが、葛幸卿が追いつくまでの道のりはさほど長くは感じられなかった。追跡者としての彼の気配は、すでに近づいていた。彼の冷え切った笑顔が、果てしない恐怖の象徴として仲間たちの心に穴を空けていく。