◯モノクローム●

LAP篇

第119話 明と慈岳

「行け、明！」慈岳の声が響く。彼の後ろで葛幸蝶は次々に倒され、空気の流れが変わっていく。守護されることで、明は心の中の焦りを抑え込み、葛幸卿の元へ進む力を増していった。

目の前に立ちはだかる葛幸卿の姿が、黒いマントで隠されたまま迫る青炎のバールに対し、驚きと恐れの感情を浮かべた。明は一瞬の躊躇もなく、全力で剣を振るった。一撃目、青炎の刃が葛幸卿の右胸を狙い、直撃する寸前まで迫った。

しかし、葛幸卿は冷静にマントを翻し、バールの攻撃をかわしながら、その非人間的な冷酷な眼差しで明を見つめた。「子供のような挑発だ。お前に勝算など皆無だ。」

その瞬間、慈岳がそこに割って入る。彼は鉄球を振りかざし、空中で回転させながら、縦の軌道で葛幸卿を狙った。忠実なサポートをする彼の動きは、葛幸卿の目を一瞬だけでも逸らすことに成功した。明はその隙を見逃さず、再びバールを持ち上げて全力で振り下ろした。

「お前が心配することはなくなったぞ！今こそ、みんなで叩き潰すんだ！」慈岳の掛け声が響き渡り、明の青炎のバールは葛幸卿の左肩に深く突き刺さった。青炎がその場に放たれ、周囲に広がる光が敵の存在を照らし出す。

葛幸卿は悲鳴を上げ、その身体が炎に飲み込まれながらよろめく。明は力強い叫び声を上げ、「これが私の意志だ！仲間のために、私たちの誓いだ！」と叫んだ。生まれた感情が彼の力を大きく後押しし、葛幸卿の支配から解放される瞬間を迎えるべく戦い続ける決意が生まれていた。

互いの力を信じ合い、つながりを強めていく中で、彼らは敵に立ち向かう勇気を持ち続けた。戦いは果てしなく続くが、その先に広がる未来への希望を胸に、ラプの戦士たちは葛幸卿に立ち向かい続ける。