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4. 神殿
2. 日記をつける
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神祇伯邸の私の小寝殿のある一角には、小さなお社がある。古くは揖矢津彦様のお母君である海受御霊が祭られていたらしいが、この邸が建ってから神様はお引っ越しされ、今はどなたをお祭りするでもなかった。市中の寺社が災害にあったときにのみ一時的に使われるものらしい。
社の前には三間の広さの素朴な舞殿があって、私はよくそこを訪れ、かつてそこにお祭りされてきた幾柱かの神様に敬意を表しているが、師永津から帰還した翌朝もここに詣でた。
お社まで続く苔むした飛び石には、まだ霜が立っていた。帰ってからほぼ毎日この石には霜が降りている。そのため毎朝の日課として、私は一石一石、この霜を踏みつぶして平らにしながら歩くことになっている。いずれ根がはがれて苔が飛ばされてくれるだろう。この苔は滑りやすくて、これまで幾度も転ばされてきたのだ。今日は一段と霜が深かったから、踏むときの音も派手で楽しかった。暦の上では立派な春なのに、いつになったら暖かい日が来るのだろう。
これらのことを、私はその日の出来事としてしたためた。当初は婿殿に関する備忘録として書き留めるようになったこの手帖だが、最近は日記という体裁で日々のことを描くようにしている。このところ梅太郎の訪れもなく、毎日があまりにも単調すぎて書くこともなかったのだが、今日は書くことを思いつけて良かった。
婿殿の訪れがないというのは、今再び梅太郎は人間界に里帰りしているのだ。新興早々破局しているというわけではないし、もっと言うと、私たちはとてもうまくいっている。とぅふふ。
それにしても年の瀬に帰ったばかりなのに、神祇伯にしては大盤振る舞いである。
「絶間というのは、まるで女性のように気まぐれなんですよ。開いたかと思って行けば実は開いていなかったり、閉じていると思って通わないと、機嫌を損ねてしまうんです。神祇司で長年培ってきた経験と勘と貯蓄をすべて使って、ここぞというときには必ず通行人を出さねばなりません。そうでないと絶間が閉じてしまって梅太郎殿は二度と行き来ができなくなり、新たな婿を新たな絶間からとらねばなりませんからね」
そう言った神祇伯はやつれきっていた。頻繁な抜け毛に苛まれる頭頂部は、髻に結わえられない短い毛が朝日のようにけばだっていた。
別れ際に見た梅太郎に関してはいつものように傲然としていて、危険な絶間を通らねばならない不安も、元の世界に一旦でも帰れる期待も一切見せず、私への名残惜しさも表面上は覆い隠しつつ、簡単な挨拶だけをして帰っていった。
その日の日記には彼の様子が事細かに書いてある。いつものように地味な、ややくすんだ二藍と薄色の狩衣を着ていた。神祇伯邸から足並みそろえて絶間のある馬五井山へ行く予定であったので、梅太郎は前夜から私のところに泊まり、朝そのまま出発ということだった。
夜が明けるとすぐに神祇伯邸に立派な男性が尋ねてきた。
驚いたことに従四位の貴族で、梅太郎とは友人だという。梅太郎は都をしばらく離れるとだけ説明してあるらしかったが、この曖昧な言葉を深く追求しないまま朝早くに見送りにきてくれることに、とても好感が持てた。神祇伯もこの友情の厚さに相好を崩していたが、梅太郎の方はありがたがる素振りもなく、神祇伯の懇切丁寧な旅立ちの言祝ぎにも心ここにあらずの返事をしたのみで、隙さえあればちらちらと私の様子を窺っていた。
私はそういった彼の無礼な態度に内心ハラハラしながらも、ずっとそっぽを向いたままで、彼と目を合わせなかった。そうして時折彼が後ろを振り返ったときに、少し着崩れた襟首から見える項を盗み見るにとどめていた。彼の産毛が朝日で金色に光っていたことがやけに脳裏に焼き付いている。
以上のことはこの日の記録の一部であり、この日はまことに書き留めることが多かった。もちろん機転に満ちた一文があるわけではないが、新妻らしい着眼点から初々しい記述が連なっている。
そもそも、なぜ婿に関する備忘録だったものが日記という体裁になったのかというと、梅太郎の言ったことを真に受けてのことだ。私というのは、ここ最近はやることなすことすべてが婿殿を起点としている。一事が万事そっけない梅太郎にももうちょっと私の入れ込みようを分かち合ってもらいたいほどだ。
梅太郎の言によれば、梅太郎のいる世界はここの千年後の世だという。源氏物語や枕草子は、彼の世に住む人間どもにとっては千年以上前の古典文学であると言うのだ。そのときはちゃんちゃらおかしくって聞いていられない話だと一笑に付した。だって少し聞いただけでも荒唐無稽で噴き出すほどだし、四苦八苦に悩まされ続ける人間界が私たち人が将来的に行きつく先だとは、受け入れがたい話だ。このままいくとさらにその千年後、我らが子孫は修羅の世界の住人となりかねない。そんなんじゃ、なんのために日々祈って暮らしているのかわからんよね、もう。
それでも梅太郎の言うことが正しかったら。
私たち二人はかなぐり抜きの儀がなければ金輪際に会うことができない断絶された世界に隔離されているというわけではなくなる。細々とではあるが、彼につながる道があるということである。
彼があちらにいる間、私たちは文を交わすこともできず、お互いがどうしているかを知る由もない。しかも人間界にいる間、梅太郎はこちらの世界のことを忘れ去っていると言う。こちらが胸を焦がしているというのに、のんきな男である。私としては、次に絶間が開いたときに大地震などがあってかなぐり抜きの儀ができなかったらどうしよう、梅太郎が絶間で物の怪にとりつかれて別人になり果てていたらどうしよう、人間界で火の車に轢かれているかもしれない、今頃彼女とよりを戻しているかしら、などと心配がつきないのに。
だから私は千年後の梅太郎がこの手帖を手に取る万が一の可能性にかけることにしたのだ。彼自身のことに関する備忘録に留まらず、私の気持ちが溢れた日記を読んで、彼が私を思い出してくれることを切に祈っている。
欲を言えば、日記を読んで彼が私を思い出すだけに留まらず、一刻も早くこちらの世界に戻らねばならないと心を燃やしてほしい。彼を焦らせるために他の殿方のことなども書いておこう。
ただ、他の殿方から文をもらったとか、ありもしないことを想像して書くと、とたんに日記が現実味を失っていき、文章が上滑りしていくことに私は気づいた。私は悩んだ挙句、十数年前に権禰宜へ抱いた何とも言えぬ気持ちを思い出し、彼の御霊の平安を祈る一文を折に触れて書き記すことにした。それを日記に時折書き込むだけで、不思議や不思議、私の日記は夫と権禰宜という二人の男への思いに揺れるような大人の読み物になっている気がする。梅太郎は私を不実と思うだろうか。まあ権禰宜と二度と会えることもなし、実際に不実な気持ちはないのだから、梅太郎が帰って来たときには私が二心を持たないことはおのずと分かってもらえるだろう。
社の前には三間の広さの素朴な舞殿があって、私はよくそこを訪れ、かつてそこにお祭りされてきた幾柱かの神様に敬意を表しているが、師永津から帰還した翌朝もここに詣でた。
お社まで続く苔むした飛び石には、まだ霜が立っていた。帰ってからほぼ毎日この石には霜が降りている。そのため毎朝の日課として、私は一石一石、この霜を踏みつぶして平らにしながら歩くことになっている。いずれ根がはがれて苔が飛ばされてくれるだろう。この苔は滑りやすくて、これまで幾度も転ばされてきたのだ。今日は一段と霜が深かったから、踏むときの音も派手で楽しかった。暦の上では立派な春なのに、いつになったら暖かい日が来るのだろう。
これらのことを、私はその日の出来事としてしたためた。当初は婿殿に関する備忘録として書き留めるようになったこの手帖だが、最近は日記という体裁で日々のことを描くようにしている。このところ梅太郎の訪れもなく、毎日があまりにも単調すぎて書くこともなかったのだが、今日は書くことを思いつけて良かった。
婿殿の訪れがないというのは、今再び梅太郎は人間界に里帰りしているのだ。新興早々破局しているというわけではないし、もっと言うと、私たちはとてもうまくいっている。とぅふふ。
それにしても年の瀬に帰ったばかりなのに、神祇伯にしては大盤振る舞いである。
「絶間というのは、まるで女性のように気まぐれなんですよ。開いたかと思って行けば実は開いていなかったり、閉じていると思って通わないと、機嫌を損ねてしまうんです。神祇司で長年培ってきた経験と勘と貯蓄をすべて使って、ここぞというときには必ず通行人を出さねばなりません。そうでないと絶間が閉じてしまって梅太郎殿は二度と行き来ができなくなり、新たな婿を新たな絶間からとらねばなりませんからね」
そう言った神祇伯はやつれきっていた。頻繁な抜け毛に苛まれる頭頂部は、髻に結わえられない短い毛が朝日のようにけばだっていた。
別れ際に見た梅太郎に関してはいつものように傲然としていて、危険な絶間を通らねばならない不安も、元の世界に一旦でも帰れる期待も一切見せず、私への名残惜しさも表面上は覆い隠しつつ、簡単な挨拶だけをして帰っていった。
その日の日記には彼の様子が事細かに書いてある。いつものように地味な、ややくすんだ二藍と薄色の狩衣を着ていた。神祇伯邸から足並みそろえて絶間のある馬五井山へ行く予定であったので、梅太郎は前夜から私のところに泊まり、朝そのまま出発ということだった。
夜が明けるとすぐに神祇伯邸に立派な男性が尋ねてきた。
驚いたことに従四位の貴族で、梅太郎とは友人だという。梅太郎は都をしばらく離れるとだけ説明してあるらしかったが、この曖昧な言葉を深く追求しないまま朝早くに見送りにきてくれることに、とても好感が持てた。神祇伯もこの友情の厚さに相好を崩していたが、梅太郎の方はありがたがる素振りもなく、神祇伯の懇切丁寧な旅立ちの言祝ぎにも心ここにあらずの返事をしたのみで、隙さえあればちらちらと私の様子を窺っていた。
私はそういった彼の無礼な態度に内心ハラハラしながらも、ずっとそっぽを向いたままで、彼と目を合わせなかった。そうして時折彼が後ろを振り返ったときに、少し着崩れた襟首から見える項を盗み見るにとどめていた。彼の産毛が朝日で金色に光っていたことがやけに脳裏に焼き付いている。
以上のことはこの日の記録の一部であり、この日はまことに書き留めることが多かった。もちろん機転に満ちた一文があるわけではないが、新妻らしい着眼点から初々しい記述が連なっている。
そもそも、なぜ婿に関する備忘録だったものが日記という体裁になったのかというと、梅太郎の言ったことを真に受けてのことだ。私というのは、ここ最近はやることなすことすべてが婿殿を起点としている。一事が万事そっけない梅太郎にももうちょっと私の入れ込みようを分かち合ってもらいたいほどだ。
梅太郎の言によれば、梅太郎のいる世界はここの千年後の世だという。源氏物語や枕草子は、彼の世に住む人間どもにとっては千年以上前の古典文学であると言うのだ。そのときはちゃんちゃらおかしくって聞いていられない話だと一笑に付した。だって少し聞いただけでも荒唐無稽で噴き出すほどだし、四苦八苦に悩まされ続ける人間界が私たち人が将来的に行きつく先だとは、受け入れがたい話だ。このままいくとさらにその千年後、我らが子孫は修羅の世界の住人となりかねない。そんなんじゃ、なんのために日々祈って暮らしているのかわからんよね、もう。
それでも梅太郎の言うことが正しかったら。
私たち二人はかなぐり抜きの儀がなければ金輪際に会うことができない断絶された世界に隔離されているというわけではなくなる。細々とではあるが、彼につながる道があるということである。
彼があちらにいる間、私たちは文を交わすこともできず、お互いがどうしているかを知る由もない。しかも人間界にいる間、梅太郎はこちらの世界のことを忘れ去っていると言う。こちらが胸を焦がしているというのに、のんきな男である。私としては、次に絶間が開いたときに大地震などがあってかなぐり抜きの儀ができなかったらどうしよう、梅太郎が絶間で物の怪にとりつかれて別人になり果てていたらどうしよう、人間界で火の車に轢かれているかもしれない、今頃彼女とよりを戻しているかしら、などと心配がつきないのに。
だから私は千年後の梅太郎がこの手帖を手に取る万が一の可能性にかけることにしたのだ。彼自身のことに関する備忘録に留まらず、私の気持ちが溢れた日記を読んで、彼が私を思い出してくれることを切に祈っている。
欲を言えば、日記を読んで彼が私を思い出すだけに留まらず、一刻も早くこちらの世界に戻らねばならないと心を燃やしてほしい。彼を焦らせるために他の殿方のことなども書いておこう。
ただ、他の殿方から文をもらったとか、ありもしないことを想像して書くと、とたんに日記が現実味を失っていき、文章が上滑りしていくことに私は気づいた。私は悩んだ挙句、十数年前に権禰宜へ抱いた何とも言えぬ気持ちを思い出し、彼の御霊の平安を祈る一文を折に触れて書き記すことにした。それを日記に時折書き込むだけで、不思議や不思議、私の日記は夫と権禰宜という二人の男への思いに揺れるような大人の読み物になっている気がする。梅太郎は私を不実と思うだろうか。まあ権禰宜と二度と会えることもなし、実際に不実な気持ちはないのだから、梅太郎が帰って来たときには私が二心を持たないことはおのずと分かってもらえるだろう。
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