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第8話 料理人 (改)
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クープ「クレール!クレール!」
クレール「ん、んん?」
クープ「おはようクレール!僕の言葉分かる?」
クレール「クープ!すごい!本当に言葉がわかるよ!」
クープ「やったね!これで会話ができる!」
スポンド「ん?なんだ騒がしいな…」
クレール「スポンド!クープの言葉がわかるよ!」
クープ「おはよう!スポンド!」
スポンド「おぉ!本当だ!分かるぞ!スゲェなあのジイさん。」
すると、外からバサバサと音がした。
ピーコ「おはようございます。同志。」
スポンド「おぉ!そんなとこから…」
クレール「おはよう、ピーコ。よく眠れた?」
ピーコ「森より幾分硬い地面でしたが、中々静かでいいところです。」
クープ「クレール、お腹すいた。朝ごはん食べよう!」
スポンド「なんか、クープはイメージのまんまだな。」
クレール「そうだね。じゃあ、朝ごはん行こうか。」
僕たちが食堂へ行くと、もうすでに朝の準備が済んだところだった。
アリー「おはようございます!ちょうどご飯ができたんです!」
クレール「美味しそうだね。早速いただこうかな。」
レヴェントン「どうぞお召し上がりください。」
スポンド「いただきます!」
クレール「いただきます!」
クープ「クー!」
クレール「クープは喜んだ時はそのままなんだね。」
ピーコ「今日はどうしますか?」
クレール「そうだな、しばらく働けるところを探さないと…僕とスポンドは得意分野が違うから各々で探したほうがいいかも。」
スポンド「俺は郊外で傭兵職でも探してみるよ。」
クレール「僕は街で料理かな。」
クープ「僕はクレールについて行くよ!お店手伝う!」
ピーコ「俺はスポンド様の背中を守ります。」
スポンド「頼もしいな…」
クレール「じゃあ決まりだね。とにかく落ち着ける仕事を探そう。」
クープ「クー!」
ピーコ「ギュルル!」
スポンド「よっしゃ、いっちょやるか!」
ご飯を食べ終わると僕たちはそれぞれ街と郊外へ向けてホテルを出た。
クレール「さて、どこのお店がいいかな…」
僕とクープが大通りを歩いていると、1つの小さなカフェから人が出てきた。
「お願い~!その子捕まえて~!」
見ると大通りを1匹のウサギが走っていた。
クレール「よしよし、こっちだ。」
僕はちょうどその前に立ちウサギを抱きとめた。
「はぁ、はぁ、あ、ありがとうございます。ドア開けたすきに逃げちゃって。」
クレール「いえいえ、お店ですか?」
「はい、持ち帰れる軽食を売ってるんです。新鮮素材が売りなんですよ。」
クレール「よかったら、僕たちを雇ってくれませんか?料理なら得意ですよ。」
「そうですか。ちょうど人手が足りてなくて、お願いします。」
クープ「クー!」
「あれ?そちらのは?」
クレール「木霊のクープです。あ、僕はクレールって言います。」
キャンベラ「私はキャンベラと言います。それじゃあ、早速お店に案内しますね。」
僕たちはキャンベラの後ろに続いて歩いた。
キャンベラ「クレールさんは調教師ですか?」
クレール「そうなんですけど、一応本職はファーマーなんです。畑を買う資金を貯めてて」
キャンベラ「そうですか。じゃあ、毎朝の仕込みをお願いしてもいいですか?野菜の目利きができる人が欲しかったんです。」
クレール「いいですよ。それなら得意です。」
キャンベラ「ありがとうございます。明日市場にも案内しますね。えっと、ここです。」
そこには野菜を象った看板のかかった小さなお店があった。
キャンベラ「ここがベジタリアンです。」
クレール「お一人で切り盛りを?」
キャンベラ「いいえ、妹と一緒にやってるんです。」
クロエ「キャンベラ遅いよ。また逃げちゃったの?」
キャンベラ「あ、クロエ。この人クレールさんとクープちゃん。お店の手伝いしてくれるって。」
クロエ「あら、いいの?」
クレール「お願いします。クロエさんは調理担当ですか?」
クロエ「そうよ。キャンベラってば料理は全くできないんだから。」
クレール「僕も料理が得意なんでお手伝いします。」
キャンベラ「じゃあ、クープちゃんは私と接客ね。」
クープ「クー!」
クレール「それじゃあ、宜しくお願いします。」
クロエ「宜しくね。」
それから僕はこの料理店ベジタリアンで働き始めた。毎朝市場でキャンベラと野菜の仕入れをする。そして大通りを大きな荷車を引いて店まで運ぶのだ。朝の大通りはいつもの活気は身を潜め、静まり返っている。僕はそんな大通りもお気に入りだった。店に戻るとクロエが朝食を準備してクープと待っている。前はよく逃げられていたウサギのジルも最近は懐いてくれてる。このウサギ、クロエが拾ってきたのだと聞いたけど、それにしてもキャンベラに驚くほど懐かない。普段追い回されていたトラウマなのだろうか、キャンベラが通ると逃げるのだ。そんな平和で心地いい日常ができつつあった。山の中で野宿していた頃よりよっぽどいい。食事も風呂も布団も暖かい。それに仲間も増えた。いつも寝食をともにするスポンドとクープとキーコ。それに旅館のアリーとレヴェントンや料理店のキャンベラとクロエ。みんな優しいしとても賑やかだ。こんな生活がずっと続いてくれれば、そう思っていた。
クレール「ん、んん?」
クープ「おはようクレール!僕の言葉分かる?」
クレール「クープ!すごい!本当に言葉がわかるよ!」
クープ「やったね!これで会話ができる!」
スポンド「ん?なんだ騒がしいな…」
クレール「スポンド!クープの言葉がわかるよ!」
クープ「おはよう!スポンド!」
スポンド「おぉ!本当だ!分かるぞ!スゲェなあのジイさん。」
すると、外からバサバサと音がした。
ピーコ「おはようございます。同志。」
スポンド「おぉ!そんなとこから…」
クレール「おはよう、ピーコ。よく眠れた?」
ピーコ「森より幾分硬い地面でしたが、中々静かでいいところです。」
クープ「クレール、お腹すいた。朝ごはん食べよう!」
スポンド「なんか、クープはイメージのまんまだな。」
クレール「そうだね。じゃあ、朝ごはん行こうか。」
僕たちが食堂へ行くと、もうすでに朝の準備が済んだところだった。
アリー「おはようございます!ちょうどご飯ができたんです!」
クレール「美味しそうだね。早速いただこうかな。」
レヴェントン「どうぞお召し上がりください。」
スポンド「いただきます!」
クレール「いただきます!」
クープ「クー!」
クレール「クープは喜んだ時はそのままなんだね。」
ピーコ「今日はどうしますか?」
クレール「そうだな、しばらく働けるところを探さないと…僕とスポンドは得意分野が違うから各々で探したほうがいいかも。」
スポンド「俺は郊外で傭兵職でも探してみるよ。」
クレール「僕は街で料理かな。」
クープ「僕はクレールについて行くよ!お店手伝う!」
ピーコ「俺はスポンド様の背中を守ります。」
スポンド「頼もしいな…」
クレール「じゃあ決まりだね。とにかく落ち着ける仕事を探そう。」
クープ「クー!」
ピーコ「ギュルル!」
スポンド「よっしゃ、いっちょやるか!」
ご飯を食べ終わると僕たちはそれぞれ街と郊外へ向けてホテルを出た。
クレール「さて、どこのお店がいいかな…」
僕とクープが大通りを歩いていると、1つの小さなカフェから人が出てきた。
「お願い~!その子捕まえて~!」
見ると大通りを1匹のウサギが走っていた。
クレール「よしよし、こっちだ。」
僕はちょうどその前に立ちウサギを抱きとめた。
「はぁ、はぁ、あ、ありがとうございます。ドア開けたすきに逃げちゃって。」
クレール「いえいえ、お店ですか?」
「はい、持ち帰れる軽食を売ってるんです。新鮮素材が売りなんですよ。」
クレール「よかったら、僕たちを雇ってくれませんか?料理なら得意ですよ。」
「そうですか。ちょうど人手が足りてなくて、お願いします。」
クープ「クー!」
「あれ?そちらのは?」
クレール「木霊のクープです。あ、僕はクレールって言います。」
キャンベラ「私はキャンベラと言います。それじゃあ、早速お店に案内しますね。」
僕たちはキャンベラの後ろに続いて歩いた。
キャンベラ「クレールさんは調教師ですか?」
クレール「そうなんですけど、一応本職はファーマーなんです。畑を買う資金を貯めてて」
キャンベラ「そうですか。じゃあ、毎朝の仕込みをお願いしてもいいですか?野菜の目利きができる人が欲しかったんです。」
クレール「いいですよ。それなら得意です。」
キャンベラ「ありがとうございます。明日市場にも案内しますね。えっと、ここです。」
そこには野菜を象った看板のかかった小さなお店があった。
キャンベラ「ここがベジタリアンです。」
クレール「お一人で切り盛りを?」
キャンベラ「いいえ、妹と一緒にやってるんです。」
クロエ「キャンベラ遅いよ。また逃げちゃったの?」
キャンベラ「あ、クロエ。この人クレールさんとクープちゃん。お店の手伝いしてくれるって。」
クロエ「あら、いいの?」
クレール「お願いします。クロエさんは調理担当ですか?」
クロエ「そうよ。キャンベラってば料理は全くできないんだから。」
クレール「僕も料理が得意なんでお手伝いします。」
キャンベラ「じゃあ、クープちゃんは私と接客ね。」
クープ「クー!」
クレール「それじゃあ、宜しくお願いします。」
クロエ「宜しくね。」
それから僕はこの料理店ベジタリアンで働き始めた。毎朝市場でキャンベラと野菜の仕入れをする。そして大通りを大きな荷車を引いて店まで運ぶのだ。朝の大通りはいつもの活気は身を潜め、静まり返っている。僕はそんな大通りもお気に入りだった。店に戻るとクロエが朝食を準備してクープと待っている。前はよく逃げられていたウサギのジルも最近は懐いてくれてる。このウサギ、クロエが拾ってきたのだと聞いたけど、それにしてもキャンベラに驚くほど懐かない。普段追い回されていたトラウマなのだろうか、キャンベラが通ると逃げるのだ。そんな平和で心地いい日常ができつつあった。山の中で野宿していた頃よりよっぽどいい。食事も風呂も布団も暖かい。それに仲間も増えた。いつも寝食をともにするスポンドとクープとキーコ。それに旅館のアリーとレヴェントンや料理店のキャンベラとクロエ。みんな優しいしとても賑やかだ。こんな生活がずっと続いてくれれば、そう思っていた。
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