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49. ナギエと湊

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《創造》スキルは2人分の魂の恩恵を受けて文字どうり強化されていた。そのため、自分のイメージ通りの物を作り出すことができた。
「ふぅ、これでよしっと。」
と呟く。目の前には前世の僕そっくりな人間の体が横たわっていた。
そこに僕は《付与術》スキルで僕(湊の方)の魂を付与する。そこで僕は力つき、その場に倒れた。
「「…何この状況…」」
とルイトとナギエの分の食事を持って来たシエンとダイヤは呆然とその光景を眺めた。

チュン…チュン…と小鳥のさえずりが聞こえる…目を覚ますと、僕は見覚えのある…今までナギエとして過ごしていた学校の保健室だった。
「一応、成功したみたいだな。」
と言いながら僕…結月湊は体を起こした。
「ステータスオープン。」
と僕は呟いた。すると僕の目の前に見慣れたステータスウィンドウが現れた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ユズキ・ミナト  14歳   

生命力   1,482,000/1,482,000

魔法力   21,836,000/21,836,000

・スキル
・全魔法適正     ・付与術

・調理術       ・超直感

・鑑定        ・錬金術

・神々の加護

<能力>
時間遡行
・自分が触れたものを任意の時間巻き戻すことができる。
(※ただし、巻き戻せる範囲は5年間)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

このステータスウィンドウを見た僕は苦笑する。
「やっぱり基礎ステータスのこの二つは人外レベルだな。まあ薄々勘づいてはいたんだけどね…」
と言いながらスキルなども見ていく。見慣れたものも多いが、《創造》などいくつかのスキルが消えている。それよりも…
「の、能力が違う…」
と呟いた。今まで…ナギエとしてこの世界に行った時の能力は“反転させる”能力だったのだが…今は時間を遡る系統の能力になっている。
「つまりはこう言うことなのか?」
と言い僕は近くの戸棚にあった薬の瓶を取り出し、振りかぶって床に叩きつけた。パーンと言う音と共に瓶は粉々に砕け散る。そうして粉々になったカケラのうちの一つを手に取り、能力を発動させると、パッと一瞬光り、粉々になる前の状態に戻った。
「おお、これ結構便利だな…」
と呟いていると、
「おい!誰だお前!」
と後ろから声がした。そうして後ろを向くと、ダイヤとシエン。それにノールンディ先生とアーノル先生がいた。
「あっ、ダイヤとシエンじゃん。…それに貴族派の先生2人も…どうしたんですか?」
と聞くと、
「あれ?私たち面識ありましたっけ?」
とダイヤに言われて気づく。そういえば今まで僕は“ナギエ”として接してきたため、“ミナト”としての僕とは完全初対面なのだ。
「ええっと…」
と言葉を濁す…さて、どう説明しようかな…と考えながら僕は天井を仰いだ。
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