上 下
41 / 92

41. 模擬戦⑧

しおりを挟む
~ルイト&ダイヤside~
常々思うのだが、ノールンディ先生はなんで剣を素手で受けられたんだ?と考える。それになんでわざわざこんな夜に模擬戦をするんだ?と考える。
「なぁダイヤ。夜になると強くなる方法?みたいなのってあるのか?」
と先生の格闘技を躱しながら聞くと、
「そうですね…魔道具…と言っても国宝級のものでないと無理ですし、それが無理ならこの先生は人ならざる者それこそ本物の夜の主人ぐらいですし、十中八九魔道具でしょう。」
とダイヤが教えてくれる。魔道具は強力な効果のものこそ発動条件が厳しいものが多い。つまり…
(発動条件さえ分かれば勝てる!)
「けど、今までこれって言う効果のズレがないんだよな…」
と呟く。しばらくは防戦という名の避けゲーを続けるしかないね。
ハァ…ナギエと念話が繋がればなぁ…



~クロエ&シエンside~
「あれ?」
「そうそう…ほらあそこに索敵中ぽく1匹、使い魔が突出してるじゃん、あれに魔法で無力化できれば…」
「お、いいね…ナイスアイデア。…じゃあ行くよ…無属性魔法《スリープ》」
ちなみに無属性魔法は魔法の才能がなくても使える魔法で、圧倒的な構築スピードと使いやすさが特徴的な魔法だ。
「……!」バタッ
と使い魔のオオカミが倒れる。
「!なんだ?オウルとの視覚共有が切れたぞ?」
と2人ほど人が近くのビルから出てきた。ナギエの狙撃を警戒してのことだろうが、この場合は各個撃破できるため相当楽だ。
「行くよ!シエンちゃん!光属性+岩属性魔法!二重合成魔法ミクシーズ!《スターボウ・ストライク》!」
「火属性+スキル発動!多重構築魔法《狐火山の火炎弾》!」
と私たちは魔法を唱え、奇襲する。余談だが、私たち3人は学校内で最速の詠唱速度を待っているため、早打ちの場合よっぽどの事がない限り反撃はされない。
「!?お、お前らはナギe…」ドッゴーン
その2人は驚いたように目を見開き…吹っ飛んだ…
使い魔+2人「」
魔法を受けた2人と1匹は光に包まれて霧散した。これで脱落、このチームはあと2人か…
「よーし、あと2人…頑張ろう!」
とシエンが元気そうに片手を上げ…強風に吹き飛ばされた…
「ふ、ふにゃぁぁぁ!?」
と猫のような叫び声をあげ、後方に飛んで行った。
「そこ!誰かいるでしょ!」
と私は強風が吹いてきたところを指差した。理由は単純。強風の風に魔法力を感じたからだ。
「バレましたか…流石の索敵…いや、魔法力との親和性でしょうか…」
とビルの影から出てきた男子を見て…うへぇとなった。
「お久しぶりです。クロエ。いくら未来の妻とはいえ手加減はしませんよ?」
と出てきたのはシーレクタ・フォン・ルーテンベルグ…入学当初めちゃくちゃ言い寄ってきた男のうちの一人だ。
というか、このチーム自体が私に言い寄ってきたバカたれどもなのだ。ほんまにこいつらは一回ナギちゃんにお願いして《ミラージュ・ノヴァ》で焼き払って欲しい所存だがここには居ない…はぁ~やるしかないのか…
と覚悟を決める。そして先手必勝法に基づき速攻で倒そうとすると…
「ちょぉっとまったぁ!誰か1人忘れちゃぁ居ませんかってんだ!」
と誰かが乱入してきた…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。 自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。 しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。 「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」 「は?」 母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。 「もう縁を切ろう」 「マリー」 家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。 義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。 対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。 「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」 都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。 「お兄様にお任せします」 実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。

引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?

リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。 誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生! まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か! ──なんて思っていたのも今は昔。 40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。 このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。 その子が俺のことを「パパ」と呼んで!? ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。 頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな! これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。 その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか? そして本当に勇者の子供なのだろうか?

没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!

日之影ソラ
ファンタジー
 かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。 しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。  ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。  そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。 こちらの作品の連載版です。 https://ncode.syosetu.com/n8177jc/

私、悪役令嬢に転生してしまいました!?~王子様?攻略対象?私は推し一筋です!~

アリス・ホームズ
恋愛
ある日、池で溺れてしまい前世の記憶を思い出した私、アリスティア・ロッテンシュタイン。 前世の記憶によると、私のいる世界は乙女ゲーム~異世界から来た聖女は王子さまに溺愛される~の世界だっだ!?しかも、私は聖女にいろいろないじめをして王子に処刑される悪役令嬢、、、。 ぶっちゃけそんなのどうでもいい。だって私には前世からの最推し「ルーク」(モブ)がいるのだから!! これは、アリスティアが最推しルーク様に猛アタックするお話。

【完結】地味令嬢の願いが叶う刻

白雨 音
恋愛
男爵令嬢クラリスは、地味で平凡な娘だ。 幼い頃より、両親から溺愛される、美しい姉ディオールと後継ぎである弟フィリップを羨ましく思っていた。 家族から愛されたい、認められたいと努めるも、都合良く使われるだけで、 いつしか、「家を出て愛する人と家庭を持ちたい」と願うようになっていた。 ある夜、伯爵家のパーティに出席する事が認められたが、意地悪な姉に笑い者にされてしまう。 庭でパーティが終わるのを待つクラリスに、思い掛けず、素敵な出会いがあった。 レオナール=ヴェルレーヌ伯爵子息___一目で恋に落ちるも、分不相応と諦めるしか無かった。 だが、一月後、驚く事に彼の方からクラリスに縁談の打診が来た。 喜ぶクラリスだったが、姉は「自分の方が相応しい」と言い出して…  異世界恋愛:短編(全16話) ※魔法要素無し。  《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆ 

婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。

ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。 我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。 その為事あるごとに… 「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」 「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」 隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。 そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。 そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。 生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。 一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが… HOT一位となりました! 皆様ありがとうございます!

異世界に転生したけど…思ってたのと全然違う!!

無糖コウ
ファンタジー
これはごく普通の家庭に生まれたごく普通の青年が交通事故で死に、転生した異世界でごく普通に生活するお話…。 大学生の田中はアルバイト先の居酒屋からの帰宅中に信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれて死んだ。 はずだったが、異世界に転生し、新たな生を受けた。 その異世界は剣と魔法のファンタジーではなく、魔法と科学の現代だった。

知らず識らず

蒸しエビ子
エッセイ・ノンフィクション
生々しいものをまとめてゆきます

処理中です...