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10. スタンピード その2

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足を一歩踏み出した。途端にブレスを打ち出される。
「ダイヤ、“結界”。」
「はいよ。」
と私はダイヤに結界を張らせる。ブレスが晴れると間も変わらずそこにはドラゴンが立っている。
「あれ?おかしいな?確かダイヤの“結界”は魔法系統完全反射の効力があったはずなんだけど…」
と疑問を口に出す。
「ほう、面白いことを言う小娘ね。」
とドラゴンが話しかけてくる。
「うわぁぁ、しゃ、しゃべったぁ!」
と足元に転がっている冒険者の人たちが叫ぶ……うん、うるさい。まぁでも気持ちわかるよ。今まで喋るってわかんないもんね。
「何のこと?」
とドラゴンの話に乗ってみる。
「その人形、面白いわね。自我を持ち、人と共に戦う。こんな芸当ができるのはそうね…転生者…あるいは愛し子…このどちらかね。違う?おチビさん?」
と図星をつかれる。なんてことを言うんだ!今までずっと隠し続けてきたことだぞ?まずい…このままじゃ…と僕はこれから起こるであろう未来を考える…最悪だ…
「…らせる」
と呟く。
「な、ナギ…ちゃん?」
とルイトは戦慄したような声で僕を呼ぶ。
「ねぇ、ルイくん、」
と僕はにっこりと笑ってから
「これからのこと誰にも話したらダメだからね?」
と言うと青ざめた顔でコクコクと頷く。よしこれで口止めはできたはず。僕はとりあえず面倒なことは一切したくないのだ。
「“飛行”」
と私は空へと登る。
「ほぉ、飛行魔法…理外の術の一つだな…これを使えるとはやはり…」
とさらにそのドラゴンは思案する。
「ぶつくさと呟くな!あんたはやけにずうたいがでかいせいで独り言が丸聞こえなんだよ~!」
と赤面して叫ぶ。
「僕の秘密のプライベート事情をべらべらと暴露するなぁ!」
と本気でドラゴンの横っ面を殴り飛ばす
「ぐげがっ⁉︎」
と言い吹っ飛ぶドラゴンを僕は追いかける。
「そう言うのはなぁ、デリカシーに欠けるんだよ!どうせおまえ天蓋独身だろ!」
と言い叫ぶと、
「!?な、なぜわかるんだ!?」
と驚いた顔で言われる。しかも心底傷ついているようだ。気にしてんのか?と言ってやろうと口を開く。すると、
「ち、違うんだ。お、俺は他人に興味がないだ…ブベッヘ!」
と言おうとしていたので土魔法の巨石飛ばしメテオショットを顔面に直撃させる。
「だったら私のことばっかべらべらと語ってんじゃねぇよこのクソトカゲ!」
と言い、火魔法のミラージュ・ノヴァを放つ。
「あ、熱、熱い熱いっす。す、すみ、すみませんでした。ダンジョンに、ダンジョンに戻るんで…み、見逃して下さい!」
と命乞いをするドラゴンクソトカゲ
「いやです!」
「何で?」
「お前が生きてたらいつお前がこの秘密を外部に漏らされるかが気になって夜眠れねーからだよ!」
と言い、空間魔法でドラゴンの胴体を削りとって殺そうとしたが、空間魔法が暴発した。
「ちょっ…」
と何か言おうとしたドラゴンが右腕一本だけ残して後が消滅した…
「あれ?」
と間の抜けた声を出してしまう。誰か~ドラゴンどこやったか知らない?~
ひとまず地面に降り立つ。気配の察知をしてみるが、ドラゴンの反応はなかった。
「ふう、終わったよルイくん」
と言うと
「アバッバ、バ、バ、バ」
と言いガクブルしている。ドラゴンがそんなに怖かったのかな?なんて思っていると、
「お、俺もう二度とナギちゃんに逆らわないようにするわ…」
と言われた…何だよもう…すっごい失礼だな。
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