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本編
49話 過去との決別、そして今後の身の振り方②
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「久しぶり、母さん。元気にしてた?」
と僕は対面した母に対しそう切り出した。
「ま、マコト!?あ、あんたどうしてここに!」
と母さんは驚いていた。にしても改めて見ると母さんもだいぶ変わっていた。母さんは若い頃はモデルの仕事をしていたらしいため、小学生頃まではお母さん若くていいねなんてよく言われていた。でも今の母さんにはそんな物面影すらなかった。
「どうしても何も…母さんが捕まったからじゃないか…何やってんだよ。」
と僕は言う。正直こんなこと昔は言えるわけもなかった。でももう今は違う。僕の為に怒ってくれる人が出来た。僕のために泣いてくれる人ができた。僕のことを大切にしてくれる家族もできた。そんな人たちの為にも僕は母さんと別れることを選ぶことを望んだ。
「マコト!聞いてるの!?」
「ん?ああ、なんだって?よく聞こえなかった。」
「だから、あなたはその身元何ちゃらで来たってことよね?そうよね?」
…一体何を言っているのだろうか…
「…三日月さん?このバカは何言ってるんですか?」
と聞くと
「あー、なんだ、お前がこの人の身元引き受け人…つまりはこいつを責任もって家で監視して二度と事案が起こらないようにするようにできるかってこと。」
と説明する。
「あ、はい。無理ですそんなことやりたくもないです。」
と言うと、
「はあ?ふざっけんなよ!お前のためにこっちはクソきついことをお前のためにしてきたんだよ!ちょっとは親孝行をしたらどうなの!?」
と母さんが座っていたスツール椅子をひっくり返すぐらいの勢いで立つとそう叫びながら僕に掴み掛からんと飛びかかってくるが、
「あー、うん。そういう感情的なところを見るとムショ行きだな。あ、そこに座ってるだけでいいから。」
と三日月さんに止められる
「ちょっと!話しなさいよ!」
と暴れるが、
「ウルセェ、これ以上騒ぐと公務執行妨害で罪重くすんぞ。」
と言うとピタッと静かになった。
「それで?これが母親なのは確定でいいんだな?」
と三日月さんが確認をしてくる。
「はい。」
「それで身内は夫か君しかいないと言うのは?」
「本当です。」
「君のお父さんは身元引き受けを拒否しているけど君は?」
「あ、父さんと同じです。しっかりと罪を償わせてください。」
と言った。すると母さんは青ざめた顔で、
「ちょ、ちょっと!?マコト!お母さんを見捨てるの!?お願い、お母さんを助けてよ。」
と喚く。僕は
「育て上げることはできない。この言葉僕、忘れてないから。なんでそんなこといきなり言ってきたかも知ってるから。もう母さんの元には二度と戻らないし顔も見せないから。」
と言うと扉の近くの窓からこちらを見ていた砂田さんに合図を送ると砂田さんは外から鍵を開けてくれた。
「お疲れ様。捜査協力ありがとう。三日月さん、彼を送ってきますね。」
「母さん、僕を刺したことも含めて今までの罪をちゃんと償うんだよ。」
と言うと僕は砂田さんと一緒に警察署を出て砂田さんの車に乗り込む。
「…大丈夫?」
と砂田さんは聞いてくる。
「何がです?」
と聞くと、
「お母さんが捕まっちゃったし、あの態度からして多分だけど刑務所行っちゃうけどいいの?」
と聞いてきた。
「ああ、そんなことですか。」
「いや、そんなことで片付けられる物じゃないでしょ?」
「………」
「最後に何か伝えることがあるなら伝えておくよ…何かあるかい?」
「…じゃあ、母さんと母かたのばあちゃんたちにそれぞれ…………と伝えてください。」
と言うと砂田さんは嬉しそうに
「わかった。」
と言ってくれた。
と僕は対面した母に対しそう切り出した。
「ま、マコト!?あ、あんたどうしてここに!」
と母さんは驚いていた。にしても改めて見ると母さんもだいぶ変わっていた。母さんは若い頃はモデルの仕事をしていたらしいため、小学生頃まではお母さん若くていいねなんてよく言われていた。でも今の母さんにはそんな物面影すらなかった。
「どうしても何も…母さんが捕まったからじゃないか…何やってんだよ。」
と僕は言う。正直こんなこと昔は言えるわけもなかった。でももう今は違う。僕の為に怒ってくれる人が出来た。僕のために泣いてくれる人ができた。僕のことを大切にしてくれる家族もできた。そんな人たちの為にも僕は母さんと別れることを選ぶことを望んだ。
「マコト!聞いてるの!?」
「ん?ああ、なんだって?よく聞こえなかった。」
「だから、あなたはその身元何ちゃらで来たってことよね?そうよね?」
…一体何を言っているのだろうか…
「…三日月さん?このバカは何言ってるんですか?」
と聞くと
「あー、なんだ、お前がこの人の身元引き受け人…つまりはこいつを責任もって家で監視して二度と事案が起こらないようにするようにできるかってこと。」
と説明する。
「あ、はい。無理ですそんなことやりたくもないです。」
と言うと、
「はあ?ふざっけんなよ!お前のためにこっちはクソきついことをお前のためにしてきたんだよ!ちょっとは親孝行をしたらどうなの!?」
と母さんが座っていたスツール椅子をひっくり返すぐらいの勢いで立つとそう叫びながら僕に掴み掛からんと飛びかかってくるが、
「あー、うん。そういう感情的なところを見るとムショ行きだな。あ、そこに座ってるだけでいいから。」
と三日月さんに止められる
「ちょっと!話しなさいよ!」
と暴れるが、
「ウルセェ、これ以上騒ぐと公務執行妨害で罪重くすんぞ。」
と言うとピタッと静かになった。
「それで?これが母親なのは確定でいいんだな?」
と三日月さんが確認をしてくる。
「はい。」
「それで身内は夫か君しかいないと言うのは?」
「本当です。」
「君のお父さんは身元引き受けを拒否しているけど君は?」
「あ、父さんと同じです。しっかりと罪を償わせてください。」
と言った。すると母さんは青ざめた顔で、
「ちょ、ちょっと!?マコト!お母さんを見捨てるの!?お願い、お母さんを助けてよ。」
と喚く。僕は
「育て上げることはできない。この言葉僕、忘れてないから。なんでそんなこといきなり言ってきたかも知ってるから。もう母さんの元には二度と戻らないし顔も見せないから。」
と言うと扉の近くの窓からこちらを見ていた砂田さんに合図を送ると砂田さんは外から鍵を開けてくれた。
「お疲れ様。捜査協力ありがとう。三日月さん、彼を送ってきますね。」
「母さん、僕を刺したことも含めて今までの罪をちゃんと償うんだよ。」
と言うと僕は砂田さんと一緒に警察署を出て砂田さんの車に乗り込む。
「…大丈夫?」
と砂田さんは聞いてくる。
「何がです?」
と聞くと、
「お母さんが捕まっちゃったし、あの態度からして多分だけど刑務所行っちゃうけどいいの?」
と聞いてきた。
「ああ、そんなことですか。」
「いや、そんなことで片付けられる物じゃないでしょ?」
「………」
「最後に何か伝えることがあるなら伝えておくよ…何かあるかい?」
「…じゃあ、母さんと母かたのばあちゃんたちにそれぞれ…………と伝えてください。」
と言うと砂田さんは嬉しそうに
「わかった。」
と言ってくれた。
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