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本編
47話 バイバイ、母さん
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マコトが退院してから3日後、僕は家で料理をしていた。1ヶ月近く眠っていただけだったので、筋肉が多少衰えているのでリハビリを兼ねた料理だ。高校生とはいえ僕はまだ一応思春期に片足を突っ込んでいるため、体がタンパク質を欲しているため、今日はグラタンにたっぷりのチーズとパスタ、鳥ささみを入れたミートグラタンだ。人数分だけを作るつもりが、久々の料理にテンションが上がり、つい作り過ぎてしまった。
「…やっちまったな…これどうしようかな…」
目の前にはグラタンの入った大皿が6つあった。女性陣は大皿一つでお腹一杯になるだろうし、それは僕とて同じだ。お弁当でも一皿の半分消費できれば良い方だ。
「…お隣さんにでもお裾分けしようかな…」
なんて考えているとピンポーンとチャイムが鳴った。
「あ、私が出てくるよ。」
とリビングでくつろいでいた真由がソファから立ち上がると玄関に向かった。僕はそれ以上気にする事はなく、炊飯器のお米をほぐしていると、
「マコト~!お客さん!」
と玄関から声がする。
「わかった、今行く!」
と僕は玄関に向かいながら着ていたエプロンを脱ぐ。脱いだエプロンを左腕にかけると、リビングの扉を開けた。玄関に行くと、玄関先に、真由と男の人が2人いた。どちらもスーツ姿でクールビズ仕様のサラリーマンといった風だ。でも2人の顔には見覚えがあった。
「えっと…確か警察の方ですよね?記憶が正しければ…三日月さんと、砂田さん…でしたっけ?」
と言うと、2人は頷き、
「久しぶり、その様子だと元気そうだね。よかったよかった。ねえ、三日月さん?」
と砂田さんが三日月さんに話を振った。
「そうだが今回ここに来た理由は仕事だろう?ほらお前の仕事だ、最後までちゃんとやれ。」
と三日月さんは冷たく突き放す。
「はいはい。わかりましたよ…」
と言うと砂田さんは雰囲気を変えた。
「まずね、マコトくん。君には一回警察署に来てほしいんだ。」
と言う。僕は話の見えなさにポカンとすると、
「お前、本当に説明下手だな…もういい…俺が話す。」
三日月さんが呆れながら言う。なぜか長くなりそうな予感がしたので、
「あの、お話長くなりそうですので一旦中に入りませんか?」
ときくが、
「いや、結構。」
と断られてしまった。
「で、話というのがだね…今回、今まで意味が入院していた病院があっただろう?」
「ああ、あの総合病院ですか。あの病院がどうかしたんですか?」
「あの病院で、ついさっき事件があった。」
「えっ…」
「犯人は30~40代で割腹のいい女性で、刃物を所持していてな、受付の人にマコトはいるかと聞かれ、そのような患者はいないと言うと、激昂し、持っていた刃物を取り出し受付を脅迫、止めようとやってきた警備員2人を持っていた刃物で切りつけるも、そのまま鎮圧されたんだ。」
「なるほど、犯人は僕を探しているわけですか…僕の母の可能性が高いです…本当に申し訳ないです。あの、それで切り付けられた2人は…?」
「命に別状はない。傷も浅いから小枝を引っ掛けた時と状況はあまり変わらないそうだ。」
「それはよかったです。で、お話の内容に戻りますけど、それで僕の母かどうかと言うところを判断するために僕が必要…そう言うわけでしょうか?」
「話が早くて助かる…では、ついてきてくれるか?」
「わかりました。じゃあ真由、後は頼んだよ。余った分はラップして冷蔵庫の中にでも入れといて。」
と言うと僕は持っていたエプロンを渡す。
「ええ?あ、ちょ、ちょっと!?」
と真由は慌てふためいているがお構いなしに玄関を出た。
「いいんですか?妹さんほっといて。」
と砂田さんに聞かれる。
「大丈夫ですよ。」
と僕は自信たっぷりに言った。
「だって彼女たちはその辺の人よりずっと家事上手いんで。」
「…やっちまったな…これどうしようかな…」
目の前にはグラタンの入った大皿が6つあった。女性陣は大皿一つでお腹一杯になるだろうし、それは僕とて同じだ。お弁当でも一皿の半分消費できれば良い方だ。
「…お隣さんにでもお裾分けしようかな…」
なんて考えているとピンポーンとチャイムが鳴った。
「あ、私が出てくるよ。」
とリビングでくつろいでいた真由がソファから立ち上がると玄関に向かった。僕はそれ以上気にする事はなく、炊飯器のお米をほぐしていると、
「マコト~!お客さん!」
と玄関から声がする。
「わかった、今行く!」
と僕は玄関に向かいながら着ていたエプロンを脱ぐ。脱いだエプロンを左腕にかけると、リビングの扉を開けた。玄関に行くと、玄関先に、真由と男の人が2人いた。どちらもスーツ姿でクールビズ仕様のサラリーマンといった風だ。でも2人の顔には見覚えがあった。
「えっと…確か警察の方ですよね?記憶が正しければ…三日月さんと、砂田さん…でしたっけ?」
と言うと、2人は頷き、
「久しぶり、その様子だと元気そうだね。よかったよかった。ねえ、三日月さん?」
と砂田さんが三日月さんに話を振った。
「そうだが今回ここに来た理由は仕事だろう?ほらお前の仕事だ、最後までちゃんとやれ。」
と三日月さんは冷たく突き放す。
「はいはい。わかりましたよ…」
と言うと砂田さんは雰囲気を変えた。
「まずね、マコトくん。君には一回警察署に来てほしいんだ。」
と言う。僕は話の見えなさにポカンとすると、
「お前、本当に説明下手だな…もういい…俺が話す。」
三日月さんが呆れながら言う。なぜか長くなりそうな予感がしたので、
「あの、お話長くなりそうですので一旦中に入りませんか?」
ときくが、
「いや、結構。」
と断られてしまった。
「で、話というのがだね…今回、今まで意味が入院していた病院があっただろう?」
「ああ、あの総合病院ですか。あの病院がどうかしたんですか?」
「あの病院で、ついさっき事件があった。」
「えっ…」
「犯人は30~40代で割腹のいい女性で、刃物を所持していてな、受付の人にマコトはいるかと聞かれ、そのような患者はいないと言うと、激昂し、持っていた刃物を取り出し受付を脅迫、止めようとやってきた警備員2人を持っていた刃物で切りつけるも、そのまま鎮圧されたんだ。」
「なるほど、犯人は僕を探しているわけですか…僕の母の可能性が高いです…本当に申し訳ないです。あの、それで切り付けられた2人は…?」
「命に別状はない。傷も浅いから小枝を引っ掛けた時と状況はあまり変わらないそうだ。」
「それはよかったです。で、お話の内容に戻りますけど、それで僕の母かどうかと言うところを判断するために僕が必要…そう言うわけでしょうか?」
「話が早くて助かる…では、ついてきてくれるか?」
「わかりました。じゃあ真由、後は頼んだよ。余った分はラップして冷蔵庫の中にでも入れといて。」
と言うと僕は持っていたエプロンを渡す。
「ええ?あ、ちょ、ちょっと!?」
と真由は慌てふためいているがお構いなしに玄関を出た。
「いいんですか?妹さんほっといて。」
と砂田さんに聞かれる。
「大丈夫ですよ。」
と僕は自信たっぷりに言った。
「だって彼女たちはその辺の人よりずっと家事上手いんで。」
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