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本編
29話 凶刃②
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「…なんかすごい人だったね…」
と真由は呟いた。
「あれが姉ちゃんたちの学校の生徒会長さんかぁ、面白そうな人だね。私ああいう人好きだよ。面白い人は好き。」
と優木が言った。
「…あの人結構苦労してそうだね…」
と美琴も呟いた。
「…気を取り直してどっかお店で何か食べよっか。」
というと、
「あ、さんせ~い。私ラーメン食べたい!」
と優希が言った。
「いいね。じゃあマコトくん、案内よろしく。」
「ちょっと待って美琴、なんで俺がガイドすることになってるんだよ。この商店街にラーメン屋さんなんて1、2店しかなかった筈だろ?」
というと、
「いやいや、食べ歩きももうしたし、あと1つなんかガッツリ食べてお家に帰るでいいんじゃない?」
と返してきた。
「みんなもそれでいいよね?」
と美琴は真由と優希にも聞く。すると、2人は
「全然、いいよ。」
「マコトくん、美味しいとこ連れてってね。」
と言ってきた。
「真由、ハードル上げるのやめて。」
と言ってから僕は少し思案する。そして、
「よし、じゃあ、あそこに行くか…」
と呟くと、僕は持っていたコロッケを口の中に放り込むと、包み紙を近くのくずかごに捨て、歩き出した。
・そうして数分後、僕らはあるラーメン屋さんの前にいた暖簾には、“神楽錦”と書かれている…まあここは確かにラーメン屋さんだ…なんだけど…
「…屋台?珍しいね。最近だと全く見ないよね。」
と優希がいう。
「まあまあ、見てくれはアレだけど、ここは本当に美味しいから。」
というと、
「見てくれがアレで悪かったな。」
と屋台のおっちゃんが話しかけてきた。
「お久しぶりですね。おっちゃん。元気にしてましたか?」
「おう、相変わらずだけどな。…それより後ろの嬢ちゃんたちはどうしたんだ?」
「親父の子供だよ。最近再開できたんだよ。おっちゃんと初めて会った時よりだいぶいいよ。」
「そうか…それはよかった。実はな、俺も最近嫁さんと子供も帰ってきたんだよ。」
「そうなんですか!よかったですね。あ、僕いつもので。」
と僕はおっちゃんと談笑しながら席に座り注文をする。
「みんなはどうする?」
と聞くと、
「メニューどこですか?」
と美琴が聞く。
「メニューなら上についてあるぞ。」
というと、3人は上の品書きを見て、
「私、ミニチャーハンと豚骨ラーメン。」
と美琴が、
「私はあんかけラーメン。」
と優希。
「私は…そうね、チャーシューメンにしようかな?」
と真由が言った。
「はいよ。」
というとおっちゃんはラーメンを作りながら、
「実はな、俺とこいつはななんやかんやでもう2年の付き合いなんだよ。」
と僕との出会いを話し始めた。
「2年前のこいつはな、辛気臭ぇ面してやがってな、なんかこう…見ててほっとけない奴だったんだよ。だからラーメンを奢ってやって、そん時に何があったか聞いてやったんだよ。」
と言いながらおっちゃんは僕の目の前に餃子を、美琴の前にチャーハンを置いた。僕は早速、餃子を一つタレをつけてから食べる。
「うん、変わってませんね。懐かしい。」
「だろう?こいつはな、その日以来週2で来るようになったんだよ。悩みを聞いたり言ったり、愚痴を言い合ったりして、親友みたいな関係だったな。最近は見ないと思ったら、大変なことになってるじゃねーか」
と言いながら僕らの前にそれぞれ自分の頼んだラーメンを置いた。
「ほい、おまちどうさま。熱いから気をつけろよ。」
と僕は昔よく食べていた特製の醤油ラーメンを啜った。麺は少し硬めの太麺で、スープがよく絡んで美味しい。変わらない美味しさという奴だ。
「お、美味しい!」
と美琴も、真由もみんな驚いていた。とりわけ驚いていたのは優希だった。
「こ、このあんかけラーメン美味しいです!これその辺のお店より断然美味しいですよ!これ作るのすごい手間かかりませんでしたか?」
「お、嬢ちゃん、わかるか?そうなんだよ。このあんかけはこの店の裏メニューのようなものなんだよ。」
とおっちゃんと優希は何やら盛り上がっていた。
と真由は呟いた。
「あれが姉ちゃんたちの学校の生徒会長さんかぁ、面白そうな人だね。私ああいう人好きだよ。面白い人は好き。」
と優木が言った。
「…あの人結構苦労してそうだね…」
と美琴も呟いた。
「…気を取り直してどっかお店で何か食べよっか。」
というと、
「あ、さんせ~い。私ラーメン食べたい!」
と優希が言った。
「いいね。じゃあマコトくん、案内よろしく。」
「ちょっと待って美琴、なんで俺がガイドすることになってるんだよ。この商店街にラーメン屋さんなんて1、2店しかなかった筈だろ?」
というと、
「いやいや、食べ歩きももうしたし、あと1つなんかガッツリ食べてお家に帰るでいいんじゃない?」
と返してきた。
「みんなもそれでいいよね?」
と美琴は真由と優希にも聞く。すると、2人は
「全然、いいよ。」
「マコトくん、美味しいとこ連れてってね。」
と言ってきた。
「真由、ハードル上げるのやめて。」
と言ってから僕は少し思案する。そして、
「よし、じゃあ、あそこに行くか…」
と呟くと、僕は持っていたコロッケを口の中に放り込むと、包み紙を近くのくずかごに捨て、歩き出した。
・そうして数分後、僕らはあるラーメン屋さんの前にいた暖簾には、“神楽錦”と書かれている…まあここは確かにラーメン屋さんだ…なんだけど…
「…屋台?珍しいね。最近だと全く見ないよね。」
と優希がいう。
「まあまあ、見てくれはアレだけど、ここは本当に美味しいから。」
というと、
「見てくれがアレで悪かったな。」
と屋台のおっちゃんが話しかけてきた。
「お久しぶりですね。おっちゃん。元気にしてましたか?」
「おう、相変わらずだけどな。…それより後ろの嬢ちゃんたちはどうしたんだ?」
「親父の子供だよ。最近再開できたんだよ。おっちゃんと初めて会った時よりだいぶいいよ。」
「そうか…それはよかった。実はな、俺も最近嫁さんと子供も帰ってきたんだよ。」
「そうなんですか!よかったですね。あ、僕いつもので。」
と僕はおっちゃんと談笑しながら席に座り注文をする。
「みんなはどうする?」
と聞くと、
「メニューどこですか?」
と美琴が聞く。
「メニューなら上についてあるぞ。」
というと、3人は上の品書きを見て、
「私、ミニチャーハンと豚骨ラーメン。」
と美琴が、
「私はあんかけラーメン。」
と優希。
「私は…そうね、チャーシューメンにしようかな?」
と真由が言った。
「はいよ。」
というとおっちゃんはラーメンを作りながら、
「実はな、俺とこいつはななんやかんやでもう2年の付き合いなんだよ。」
と僕との出会いを話し始めた。
「2年前のこいつはな、辛気臭ぇ面してやがってな、なんかこう…見ててほっとけない奴だったんだよ。だからラーメンを奢ってやって、そん時に何があったか聞いてやったんだよ。」
と言いながらおっちゃんは僕の目の前に餃子を、美琴の前にチャーハンを置いた。僕は早速、餃子を一つタレをつけてから食べる。
「うん、変わってませんね。懐かしい。」
「だろう?こいつはな、その日以来週2で来るようになったんだよ。悩みを聞いたり言ったり、愚痴を言い合ったりして、親友みたいな関係だったな。最近は見ないと思ったら、大変なことになってるじゃねーか」
と言いながら僕らの前にそれぞれ自分の頼んだラーメンを置いた。
「ほい、おまちどうさま。熱いから気をつけろよ。」
と僕は昔よく食べていた特製の醤油ラーメンを啜った。麺は少し硬めの太麺で、スープがよく絡んで美味しい。変わらない美味しさという奴だ。
「お、美味しい!」
と美琴も、真由もみんな驚いていた。とりわけ驚いていたのは優希だった。
「こ、このあんかけラーメン美味しいです!これその辺のお店より断然美味しいですよ!これ作るのすごい手間かかりませんでしたか?」
「お、嬢ちゃん、わかるか?そうなんだよ。このあんかけはこの店の裏メニューのようなものなんだよ。」
とおっちゃんと優希は何やら盛り上がっていた。
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