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番外編
番外編① ゴールデンウィーク 序
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ピピピッと目覚ましが鳴るその音で目を覚ました僕はのっそりと起きた。目覚ましを止めてスマホを確認すると、メッセージが届いていた。
「誰からだ?」
と訝しみ、僕はMERTを開いた。
____________________
→新規メッセージ5件
・つばき 2件
・ゆーっすけ 2件
・MERT(公式) 1件
→メッセージを送る
…
____________________
「ん~やっぱこの公式ウザいな…ゆーすけはなんかな?」
と呟き、ゆーっすけのメッセージを開いた。
____________________
・なあ、ゴールデンウィークだし、どっかで
コラボしない?
・あ、俺は5月ならいつでもいいぞ。
____________________
文面で察しがついているかもしれないが、ゆーっすけことユースケは配信者だ。もっと言えば僕は人口音声と立ち絵を用いた動画を主にしていて、普通に配信する動画は少ない実況者と呼ばれる類、ユースケは美琴のようにキャプチャボードなどを用いて立ち絵を動かしながら生声で実況している。まあいわゆるライバーという類の配信者だ。ちなみに美琴もこっちのタイプの配信者だ。とりあえず無視して椿先輩のメッセージを見る。
____________________
・入学式の日のあの約束覚えてる?あの約束
GWのどこかでもいい?
・GW中だったら私はいつでもいいよ。
_____________________
と椿先輩からメッセージが来ていた。
「GW中か。確か明後日が美琴と一緒に身内大会に出るし、ユースケからコラボの誘いも来てるし、今日か明日しか空いてないな。」
と呟く。そして僕は先輩に、
_____________________
・今日か明日なら空いています。
どちらがいいでしょうか?
_____________________
と送ると、すぐに、
_____________________
・じゃあ今日の3時に駅前の銅像前ね!
_____________________
とメッセージが帰ってきた。と言うことは必然的に明日はユースケとのコラボの日と言うことだ。
「さて、じゃあ準備でもしておくか。」
そう言うと僕は立ち上がった。
そうして階下に降りると、美琴たちがリビングに集まって話をしていた。時刻はまだ8時前だそれだと言うのに全員起きている。この光景を見ると、母さんから逃げ切れたことを実感できる。そんな嬉しさを感じつつ、僕は
「おはよう。みんな朝早いな。」
と言いながら食卓の椅子に座る。すると真由と優木が朝食を持ってきてくれた。
「おお、ありがとう。2人とも。」
「いえいえ。とーぜんのことです。」
「まぁまぁ。たまの休みですしゆっくりしたら?」
と持ってきてくれた2人がやけに優しいが、そこにツッコんだら、機嫌が悪くなってしまうかもしれないので触れずに、目の前に並んだ朝食に目を向ける。ご飯に味噌汁、昨日の残り物の唐揚げなどなど、大体が昨日の夕食のものだ。
「いただきます。」
と言い、手を合わせた僕は唐揚げを口に運ぶ。この時、僕は知らなかった。まさか、こんなことになるなんて…
「誰からだ?」
と訝しみ、僕はMERTを開いた。
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→新規メッセージ5件
・つばき 2件
・ゆーっすけ 2件
・MERT(公式) 1件
→メッセージを送る
…
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「ん~やっぱこの公式ウザいな…ゆーすけはなんかな?」
と呟き、ゆーっすけのメッセージを開いた。
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・なあ、ゴールデンウィークだし、どっかで
コラボしない?
・あ、俺は5月ならいつでもいいぞ。
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文面で察しがついているかもしれないが、ゆーっすけことユースケは配信者だ。もっと言えば僕は人口音声と立ち絵を用いた動画を主にしていて、普通に配信する動画は少ない実況者と呼ばれる類、ユースケは美琴のようにキャプチャボードなどを用いて立ち絵を動かしながら生声で実況している。まあいわゆるライバーという類の配信者だ。ちなみに美琴もこっちのタイプの配信者だ。とりあえず無視して椿先輩のメッセージを見る。
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・入学式の日のあの約束覚えてる?あの約束
GWのどこかでもいい?
・GW中だったら私はいつでもいいよ。
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と椿先輩からメッセージが来ていた。
「GW中か。確か明後日が美琴と一緒に身内大会に出るし、ユースケからコラボの誘いも来てるし、今日か明日しか空いてないな。」
と呟く。そして僕は先輩に、
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・今日か明日なら空いています。
どちらがいいでしょうか?
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と送ると、すぐに、
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・じゃあ今日の3時に駅前の銅像前ね!
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とメッセージが帰ってきた。と言うことは必然的に明日はユースケとのコラボの日と言うことだ。
「さて、じゃあ準備でもしておくか。」
そう言うと僕は立ち上がった。
そうして階下に降りると、美琴たちがリビングに集まって話をしていた。時刻はまだ8時前だそれだと言うのに全員起きている。この光景を見ると、母さんから逃げ切れたことを実感できる。そんな嬉しさを感じつつ、僕は
「おはよう。みんな朝早いな。」
と言いながら食卓の椅子に座る。すると真由と優木が朝食を持ってきてくれた。
「おお、ありがとう。2人とも。」
「いえいえ。とーぜんのことです。」
「まぁまぁ。たまの休みですしゆっくりしたら?」
と持ってきてくれた2人がやけに優しいが、そこにツッコんだら、機嫌が悪くなってしまうかもしれないので触れずに、目の前に並んだ朝食に目を向ける。ご飯に味噌汁、昨日の残り物の唐揚げなどなど、大体が昨日の夕食のものだ。
「いただきます。」
と言い、手を合わせた僕は唐揚げを口に運ぶ。この時、僕は知らなかった。まさか、こんなことになるなんて…
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