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本編

 16話 は?なんでここに…?

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風紀委員会…もとい、2年生の先輩方の暴走から1週間が経った。入学してからはだいぶ時間が経ち、だいぶクラスに打ち解けてきた頃だった。いつも通り真由と帰っていると、自宅に一通の手紙が届いた。差出人は不明で、ただ鳴海マコト様へとだけ書いてあった。一応切手は貼ってあるが、ほぼ間違いなく差出人自ら家のポストに投函した物だろう。
しかし、僕は小首をひねる。僕の本当の父さんである神宮和弘さんとは時折国際電話で話をしているし、戸籍上だと僕はまだ絶縁状態ではないため、まだあの母さんの家族ということになってはいる。和弘と離婚した後、まだ幼い僕を連れた母さんは再婚をしていて、その再婚相手のお父さんとも、僕は友好的な関係を築いているため、よくMERT(メルト)というショートメッセージを送り合える…まあ、いわゆるL○NEのようなサービスでよくメッセージのやり取りをしていた。なので、こんな手紙を送りつけてくるような人は思い浮かばない。とりあえず家に持って帰り、荷物を自分の部屋に放り投げると、僕は丁寧に糊付けされた封筒をペーパーナイフであけ、なかの手紙を取り出した。そこにはこう書いてあった。
__________________________________________________________
拝啓、鳴海マコト様

 お久しぶりです。突然のお手紙に驚いていることでしょう。
今回、こうしてお手紙を出すことをお許しください。本当はMERT
などをう買うのが一般的なのですが、あなたのアカウントの連絡先を持っていないのです。
本題なのですが、現在金銭的に困窮しており、金銭面の援助をお願いしたいのです。
現在別居状態ですが、戸籍上まだあなたと私は家族で母子関係なので…………………以下略
                    鳴海美弥子より
__________________________________________________________

フスーと僕は鼻から息を押し出すように吐いた。難しい言葉やよそよそしい言葉を使っているが、文学や小説を中学の頃に読み漁っていたため、容易に意訳できた。つまりは、金がなくなったから金の無心がしたいのだろう。
「…絶対にそんなことしてやるもんか…」
と呟くと持っていた手紙をグシャっと丸めると、近くにあったゴミ箱に投げ捨てた。今夜の夕食は美琴作のサバ味噌。母さ…あの人が好きだった料理だ…と言っても作っていたのは僕なんだけど…なんて思っていると、優木、真由、美琴の3人がリビングに帰ってきていた。優木と美琴は寝巻きに着替えているため風呂上がりだろう。時刻は午後8時前、僕らは少し遅めの夕食を取るのだった。
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