6 / 29
反撃
しおりを挟む
中村翔は、ごく平凡な家庭に何不自由なく育った少年である。彼にとってトオルは単なるストレス解消のおもちゃで、自分の小遣いを減らさず飲み食いをするための便利な道具だった。
彼がどんなに抗議してもクラスの皆は自分に味方してくれた。どんなに馬鹿にしても人気者の自分が皆に愛され、彼のほうが悪者になっていた。
そんな彼は、今実家のリビングで正座させられている。
テーブルの前には一通の分厚い内容証明があった。
「……ここに書かれていることは事実なのか?」
自分にスポーツを教えてくれた父親が、激怒した顔でにらみつけてくる。
「ち、ちがう……俺はそんなつもりじゃ」
「お前の考えなんてどうでもいい。事実かどうかを聞いているんだ」
体育会系の父親は、怒ると恐ろしい。そして子供が嘘をつくことを絶対に許さなかった。
父親以外にも、優しい母親と可愛い妹が固唾を呑んで見守っている。
「だ、だから、友達にちょっと奢ってもらってただけだって」
「その友達とやらが、わざわざ弁護士を雇って訴えてくるのか」
父親は内容証明を開いてみせる。それは今まで翔に恐喝され続けたことを訴える内容だった。
「被害届はすでに出されている。証拠も同封されているDVDを見れば勝ち目はない。それ以前に私は父親として、お前のような子供を育てたことを情けなく思う」
父親は厳しい顔をしている。母親は涙を流しており、そして妹は軽蔑の視線を翔に向けていた。
「……最低。あんたが苛めなんかする人間だったとは思わなかった。こんな兄がいたら、私までいじめられるじゃん。どう責任とってくれるの?」
昨日までお兄ちゃんと慕ってくれていた妹は、ムシケラのような目で翔をにらんでいる。
「……とりあえず、私から弁護士に連絡を取る。誠心誠意謝るしかないだろうな。覚悟しておけ。場合によっては、せっかく推薦で入った大学にもいけなくなるかもな」
父親の言葉に、翔はがっくりと肩を落とした。
中村翔が父親から説教を受けているころ。
クラスメイトの女子リーダー、真田美穂は必死にスマホの相手に弁解していた。
「だから、全部誤解なの。信じて。私はからかっていただけ。苛めじゃなくて弄りなの!」
彼女が弁解しているのは、大学生の彼氏である。小さいころからの幼馴染で、美穂のとっては最愛の人間だった。
しかし、スマホからは冷たい声が聞こえる。
「動画をみたよ。お前の本性は集団で抵抗できない人間をいたぶるようなやつだったんだな」
それを聞いて、美穂は何もいえなくなる。
「俺もさ。お前が知らない所で苛められたことがあったんだ。だから苛める方の人間の言い訳もよくわかるよ。私たちは弄っていただけ、苛めじゃないって。でも、それをどう受け取るかは相手なんだよ」
電話の向こうの彼氏は、正論で美穂を追い詰める。
「悪いけど別れてくれ。集団で酷い苛めをしたり、かつあげするような人間は顔もみたくない」
その言葉を残し、電話が切れる。あわてて電話やラインをしても、すでに拒否されていた。
「なんでこんなことに……全部神埼のせいよ!絶対に許さない。みんなと協力して、復讐してやるから!」
美穂は自分の部屋の中で、悔しさに唇をかみ締めていた。
理事長室
弥勒学園の理事長である聖清大吾は、娘から延々と訴えられていた。
「お父様の力で、この動画を消してください」
彼女が差し出す動画には、度々トオルに対して寄付の名目で金をせびっていたり、カラオケ店で調子に乗って彼を見下した発言をする様子が再生されていた。
『なんだこいつ。最低だな』
『何思い上がってんだよ。何様のつもりだよ。まさに勘違いしたお嬢様ってとこだな』
『信じられない。こんなこと本気で考えている人がいるなんて。ドラマとか漫画の中の悪役令嬢みたい』
動画のコメントにはさやかを揶揄する発言であふれかえっていた。
「無理をいうな。学校内でのことならどうにでもなるが、それ以外で私にできることなどない。神埼徹はすでに卒業しており、進学もしていないから何の影響も及ぼせないしな」
大吾も困り果てている。さやかはそれを聞いて、初めて何でもできると思っていた父親でも所詮弥勒学園という井戸の中で威張る蛙だったことを思い知った。
そこから一歩でも足を踏み出したら、無力だと散々あざ笑っていたトオルにさえ指一本触れられないのである。
「だ、だったらこっちも弁護士を雇って、あいつを名誉毀損で訴えて」
「それこそ奴の思う壺だ。下手をしたら子供の苛めじゃすまなくなって、この学園にまで飛び火するかもしれん」
さやかや生徒たちをけしかけて、トオルから金を巻き上げていた黒幕は彼である。自分の立場を危うくすることはできなかった。
「なら、どうすればいいのです!」
癇癪をおこすさやかを、大吾は宥める。
「こういう時は相手にせず、騒ぎが沈静化するまで一年でも二年でも無視するのだ。お前は日本の大学をあきらめて、アメリカの大学に留学しなさい。海外でほとぼりを醒ましてもどってくればいい」
「……はい」
さやかはしぶしぶ日本から逃げ出すことを了承するのだった。
都内 某ホテル
「すごいですね。閲覧数100万を超えました」
画面の中のメルが喜んでいる。
「これもメルのおかげだよ」
「い、いや。たいしたことはしていませんから」
顔を赤くするメルだった。
「いや。俺の苛め動画だけじゃ、ここまで拡散されなかっただろう。メルが丁寧に解説してくれたおかげだよ」
トオルは投稿した動画を見る。そこには可愛らしい制服をきたメルが、トオルの苛めについてじっくりと解説する様子が映し出されていた。
『こいつの苛めなんてどうでもいいけど、解説する女の子が可愛い件について』
『誰だ?外国人タレントにこんな子いたか?』
中には動画の内容そっちのけでメル探しに血眼を上げているものたちもいた。
「メル。それじゃ次の段階に入ろう」
「はい。生徒たちの進学情報はすべて抑えていますわ。進学予定先の大学に証拠となる動画を送りつけ、弁護士さんたちが告訴する予定であることを伝えると、大学側も考え直すでしょう」
それを聞いて、トオルは会心の笑みを浮かべる。
「俺のまっとうな高校生活を奪った報いに、奴らの大学生活という未来を奪ってやろう」
トオルは100人を超える自分をいたぶった生徒たち一人ひとりの情報を編集し、彼らが進学する予定の大学におくった。
彼がどんなに抗議してもクラスの皆は自分に味方してくれた。どんなに馬鹿にしても人気者の自分が皆に愛され、彼のほうが悪者になっていた。
そんな彼は、今実家のリビングで正座させられている。
テーブルの前には一通の分厚い内容証明があった。
「……ここに書かれていることは事実なのか?」
自分にスポーツを教えてくれた父親が、激怒した顔でにらみつけてくる。
「ち、ちがう……俺はそんなつもりじゃ」
「お前の考えなんてどうでもいい。事実かどうかを聞いているんだ」
体育会系の父親は、怒ると恐ろしい。そして子供が嘘をつくことを絶対に許さなかった。
父親以外にも、優しい母親と可愛い妹が固唾を呑んで見守っている。
「だ、だから、友達にちょっと奢ってもらってただけだって」
「その友達とやらが、わざわざ弁護士を雇って訴えてくるのか」
父親は内容証明を開いてみせる。それは今まで翔に恐喝され続けたことを訴える内容だった。
「被害届はすでに出されている。証拠も同封されているDVDを見れば勝ち目はない。それ以前に私は父親として、お前のような子供を育てたことを情けなく思う」
父親は厳しい顔をしている。母親は涙を流しており、そして妹は軽蔑の視線を翔に向けていた。
「……最低。あんたが苛めなんかする人間だったとは思わなかった。こんな兄がいたら、私までいじめられるじゃん。どう責任とってくれるの?」
昨日までお兄ちゃんと慕ってくれていた妹は、ムシケラのような目で翔をにらんでいる。
「……とりあえず、私から弁護士に連絡を取る。誠心誠意謝るしかないだろうな。覚悟しておけ。場合によっては、せっかく推薦で入った大学にもいけなくなるかもな」
父親の言葉に、翔はがっくりと肩を落とした。
中村翔が父親から説教を受けているころ。
クラスメイトの女子リーダー、真田美穂は必死にスマホの相手に弁解していた。
「だから、全部誤解なの。信じて。私はからかっていただけ。苛めじゃなくて弄りなの!」
彼女が弁解しているのは、大学生の彼氏である。小さいころからの幼馴染で、美穂のとっては最愛の人間だった。
しかし、スマホからは冷たい声が聞こえる。
「動画をみたよ。お前の本性は集団で抵抗できない人間をいたぶるようなやつだったんだな」
それを聞いて、美穂は何もいえなくなる。
「俺もさ。お前が知らない所で苛められたことがあったんだ。だから苛める方の人間の言い訳もよくわかるよ。私たちは弄っていただけ、苛めじゃないって。でも、それをどう受け取るかは相手なんだよ」
電話の向こうの彼氏は、正論で美穂を追い詰める。
「悪いけど別れてくれ。集団で酷い苛めをしたり、かつあげするような人間は顔もみたくない」
その言葉を残し、電話が切れる。あわてて電話やラインをしても、すでに拒否されていた。
「なんでこんなことに……全部神埼のせいよ!絶対に許さない。みんなと協力して、復讐してやるから!」
美穂は自分の部屋の中で、悔しさに唇をかみ締めていた。
理事長室
弥勒学園の理事長である聖清大吾は、娘から延々と訴えられていた。
「お父様の力で、この動画を消してください」
彼女が差し出す動画には、度々トオルに対して寄付の名目で金をせびっていたり、カラオケ店で調子に乗って彼を見下した発言をする様子が再生されていた。
『なんだこいつ。最低だな』
『何思い上がってんだよ。何様のつもりだよ。まさに勘違いしたお嬢様ってとこだな』
『信じられない。こんなこと本気で考えている人がいるなんて。ドラマとか漫画の中の悪役令嬢みたい』
動画のコメントにはさやかを揶揄する発言であふれかえっていた。
「無理をいうな。学校内でのことならどうにでもなるが、それ以外で私にできることなどない。神埼徹はすでに卒業しており、進学もしていないから何の影響も及ぼせないしな」
大吾も困り果てている。さやかはそれを聞いて、初めて何でもできると思っていた父親でも所詮弥勒学園という井戸の中で威張る蛙だったことを思い知った。
そこから一歩でも足を踏み出したら、無力だと散々あざ笑っていたトオルにさえ指一本触れられないのである。
「だ、だったらこっちも弁護士を雇って、あいつを名誉毀損で訴えて」
「それこそ奴の思う壺だ。下手をしたら子供の苛めじゃすまなくなって、この学園にまで飛び火するかもしれん」
さやかや生徒たちをけしかけて、トオルから金を巻き上げていた黒幕は彼である。自分の立場を危うくすることはできなかった。
「なら、どうすればいいのです!」
癇癪をおこすさやかを、大吾は宥める。
「こういう時は相手にせず、騒ぎが沈静化するまで一年でも二年でも無視するのだ。お前は日本の大学をあきらめて、アメリカの大学に留学しなさい。海外でほとぼりを醒ましてもどってくればいい」
「……はい」
さやかはしぶしぶ日本から逃げ出すことを了承するのだった。
都内 某ホテル
「すごいですね。閲覧数100万を超えました」
画面の中のメルが喜んでいる。
「これもメルのおかげだよ」
「い、いや。たいしたことはしていませんから」
顔を赤くするメルだった。
「いや。俺の苛め動画だけじゃ、ここまで拡散されなかっただろう。メルが丁寧に解説してくれたおかげだよ」
トオルは投稿した動画を見る。そこには可愛らしい制服をきたメルが、トオルの苛めについてじっくりと解説する様子が映し出されていた。
『こいつの苛めなんてどうでもいいけど、解説する女の子が可愛い件について』
『誰だ?外国人タレントにこんな子いたか?』
中には動画の内容そっちのけでメル探しに血眼を上げているものたちもいた。
「メル。それじゃ次の段階に入ろう」
「はい。生徒たちの進学情報はすべて抑えていますわ。進学予定先の大学に証拠となる動画を送りつけ、弁護士さんたちが告訴する予定であることを伝えると、大学側も考え直すでしょう」
それを聞いて、トオルは会心の笑みを浮かべる。
「俺のまっとうな高校生活を奪った報いに、奴らの大学生活という未来を奪ってやろう」
トオルは100人を超える自分をいたぶった生徒たち一人ひとりの情報を編集し、彼らが進学する予定の大学におくった。
0
お気に入りに追加
73
あなたにおすすめの小説
私のスローライフはどこに消えた?? 神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!
魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。
なんか旅のお供が増え・・・。
一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。
どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。
R県R市のR大学病院の個室
ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。
ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声
私:[苦しい・・・息が出来ない・・・]
息子A「おふくろ頑張れ・・・」
息子B「おばあちゃん・・・」
息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」
孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」
ピーーーーー
医師「午後14時23分ご臨終です。」
私:[これでやっと楽になれる・・・。]
私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!!
なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、
なぜか攫われて・・・
色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり
事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!!
R15は保険です。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない
兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる