15 / 28
第14話 モブ、危機一髪?
しおりを挟む
体育祭が無事に終わった。
なのに、俺への嫌がらせは地味に続いている。
「これもう、嫌がらせじゃないんじゃないかなぁ」
「なんで?」
「小坂のことが好きなんだよ」
下足箱の手紙を見ながら、同じクラスの小笠原が言う。
お前はこの「呪」をびっしり書かれた手紙を見ても、そんなことを言うのか。
「精神攻撃に来たなぁ」
「物理攻撃がポンコツだからね」
「斎木先輩に相談したら?」
加賀谷だけが、心配してくれる。
でも、言えないよ。
先輩は忙しいし、8月に大会を控えているし。
大体の高校は、春か夏で生徒会が改選されると思うけど、ここは、BL王道学園、任期はあってないようなものだ。
設定上、秋の文化祭イベントに、生徒会役員を絡ませるためだろう。
第一、選挙でなく、人気投票で選ばれる時点で、常識は通用しない。
というわけで、先輩は、生徒会、剣道部、これから受験と超多忙なんだ。
心配症の人だから、これ以上、俺のことで迷惑はかけられない。
と、思っていた数時間前の俺。
大言壮語するなら、スマホくらい持ち歩こう。
俺は今、裏の第二体育倉庫に、閉じ込められていた。
4限目が終わった後、「体育の先生が倉庫で呼んでる」って伝言を貰ったんだ。
行ったら誰もいなくて、中に入ったら鍵を掛けられた。
これ、嫌がらせかな?
ちょっと、これまでとは毛色が違う。
普段使わない倉庫だから、すぐに誰かが通りかかるって期待は出来ないし。
教室出る前に「先輩に少し遅れます」って連絡したけど。
先輩ずっと待って、食べ損ねたりしないよな?
この学園、金持ち学校のくせに、こういう人気のない場所やセキュリティ緩いのが多すぎなんだよ。
主人公と攻略対象者達が人目をはばからずイチャイチャしたり、エッチするためだろうけど。
なんか、外で人の声がする。
「ここかぁ?」
「タダでヤらせてくれるんだって?」
鍵がガチャガチャ開けられる音がした。
「なーんだ、可愛くねぇじゃん」
「ま、穴がありゃなんでもいいだろ」
上級生らしき、ガラの悪いひょろっとしたのが、二人入ってきた。
マジか、絶対絶命です。
なのに、俺への嫌がらせは地味に続いている。
「これもう、嫌がらせじゃないんじゃないかなぁ」
「なんで?」
「小坂のことが好きなんだよ」
下足箱の手紙を見ながら、同じクラスの小笠原が言う。
お前はこの「呪」をびっしり書かれた手紙を見ても、そんなことを言うのか。
「精神攻撃に来たなぁ」
「物理攻撃がポンコツだからね」
「斎木先輩に相談したら?」
加賀谷だけが、心配してくれる。
でも、言えないよ。
先輩は忙しいし、8月に大会を控えているし。
大体の高校は、春か夏で生徒会が改選されると思うけど、ここは、BL王道学園、任期はあってないようなものだ。
設定上、秋の文化祭イベントに、生徒会役員を絡ませるためだろう。
第一、選挙でなく、人気投票で選ばれる時点で、常識は通用しない。
というわけで、先輩は、生徒会、剣道部、これから受験と超多忙なんだ。
心配症の人だから、これ以上、俺のことで迷惑はかけられない。
と、思っていた数時間前の俺。
大言壮語するなら、スマホくらい持ち歩こう。
俺は今、裏の第二体育倉庫に、閉じ込められていた。
4限目が終わった後、「体育の先生が倉庫で呼んでる」って伝言を貰ったんだ。
行ったら誰もいなくて、中に入ったら鍵を掛けられた。
これ、嫌がらせかな?
ちょっと、これまでとは毛色が違う。
普段使わない倉庫だから、すぐに誰かが通りかかるって期待は出来ないし。
教室出る前に「先輩に少し遅れます」って連絡したけど。
先輩ずっと待って、食べ損ねたりしないよな?
この学園、金持ち学校のくせに、こういう人気のない場所やセキュリティ緩いのが多すぎなんだよ。
主人公と攻略対象者達が人目をはばからずイチャイチャしたり、エッチするためだろうけど。
なんか、外で人の声がする。
「ここかぁ?」
「タダでヤらせてくれるんだって?」
鍵がガチャガチャ開けられる音がした。
「なーんだ、可愛くねぇじゃん」
「ま、穴がありゃなんでもいいだろ」
上級生らしき、ガラの悪いひょろっとしたのが、二人入ってきた。
マジか、絶対絶命です。
24
お気に入りに追加
383
あなたにおすすめの小説
私が攻めで大丈夫なのか?!
琴葉悠
BL
東雲あずさは、トラックの事故に巻き込まれたと思ったら赤子になっていた。
男の子の赤ん坊に転生したあずさは、その世界がやっていた乙女ゲームの世界だと知る。
ただ、少し内容が異なっていて──
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
【完結】攻略は余所でやってくれ!
オレンジペコ
BL
※4/18『断罪劇は突然に』でこのシリーズを終わらせて頂こうと思います(´∀`*)
遊びに来てくださった皆様、本当に有難うございました♪
俺の名前は有村 康太(ありむら こうた)。
あり得ないことに死んだら10年前に亡くなったはずの父さんの親友と再会?
え?これでやっと転生できるって?
どういうこと?
死神さん、100人集まってから転生させるって手抜きですか?
え?まさかのものぐさ?
まあチマチマやるより一気にやった方が確かにスカッとはするよね?
でも10年だよ?サボりすぎじゃね?
父さんの親友は享年25才。
15で死んだ俺からしたら年上ではあるんだけど…好みドンピシャでした!
小1の時遊んでもらった記憶もあるんだけど、性格もいい人なんだよね。
お互い死んじゃったのは残念だけど、転生先が一緒ならいいな────なんて思ってたらきましたよ!
転生後、赤ちゃんからスタートしてすくすく成長したら彼は騎士団長の息子、俺は公爵家の息子として再会!
やった~!今度も好みドンピシャ!
え?俺が悪役令息?
妹と一緒に悪役として仕事しろ?
そんなの知らねーよ!
俺は俺で騎士団長の息子攻略で忙しいんだよ!
ヒロインさんよ。攻略は余所でやってくれ!
これは美味しいお菓子を手に好きな人にアタックする、そんな俺の話。
婚約破棄が始まる前に、割と早急にざまぁが始まって終わる話(番外編あり)
雷尾
BL
魅了ダメ。ゼッタイ。という小話。
悪役令息もちゃんと悪役らしいところは悪役しています多分。
※番外編追加。前作の悪役があんまりにも気の毒だという人向け
もう一度、貴方に出会えたなら。今度こそ、共に生きてもらえませんか。
天海みつき
BL
何気なく母が買ってきた、安物のペットボトルの紅茶。何故か湧き上がる嫌悪感に疑問を持ちつつもグラスに注がれる琥珀色の液体を眺め、安っぽい香りに違和感を覚えて、それでも抑えきれない好奇心に負けて口に含んで人工的な甘みを感じた瞬間。大量に流れ込んできた、人ひとり分の短くも壮絶な人生の記憶に押しつぶされて意識を失うなんて、思いもしなかった――。
自作「貴方の事を心から愛していました。ありがとう。」のIFストーリー、もしも二人が生まれ変わったらという設定。平和になった世界で、戸惑う僕と、それでも僕を求める彼の出会いから手を取り合うまでの穏やかなお話。
好きになるつもりなんてなかった
いちみやりょう
BL
高校から外部生として入学した学校で石平 龍介は生徒会長の親衛隊長をお願いされてしまう。
龍介はおじさんの教えで“情けは人のためならず”を思い出して引き受けてしまった。
ゲイやバイを嫌っているという噂の生徒会長。
親衛隊もさることながら親衛隊長ともなればさらに嫌われると言われたが、
人を好きになったことがない龍介は、会長のことを好きにならなければ問題ないと思っていた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる