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02 ぽめ太は新米2
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隣で全裸になったイシュレイに、俺はぎょっとなった。
「ん? どうかした?」
「昨日のお客様、高藤様だったんだ。すごい痕だね、痛そう」
イシュレイの体中に縄目の痕がくっきり残っていた。
高藤様は緊縛趣味の方なんだ。すごいイケメンでお金持ちなのに、残念な方なんだよ。
「全然痛くないよぉ。ぽめ太は誰だったの?」
「リロイ様」
「げ」
湯船の奥から、もう一人声がした。
同じく同室で、ほぼ同期のヨーランだ。
イシュレイと同じ美少年なのに、おっとりしたイシュレイと違って、猫目のヨーランの方が気が強い。
「いたんだ、ヨーラン」
「お前らの前から入ってたわ」
「ヨーランってリロイ様嫌いだよねぇ」
「だって、勃たねえだろ?」
そうなのだ。リロイ様は勃たない。
ものっすごいイケメンというか、正統派美形で持ち物も大変ご立派なのに、何をどう頑張ってもふにゃちんなのだ。
でも、蔭間茶屋の常連で、何故か俺を贔屓にしてくれる。
「時間中ずっとフェラだろ? 俺、無理」
リロイ様は大抵3時間フルコースの太っ腹なお客様だ。けど、最初に食事と湯浴みをしたあとはずっとフェラなんだ。
勃たないから仕方ないけど、挿入なしお手軽プランもあるのにお金持ちの考えることは分からない。
「口は疲れるけど、穴は楽だからなぁ」
二人と違って、俺には勃たせようってプロの気概もないしテクもない。
陰間は自分磨きに余念がなく、あそこのムダ毛処理やら全身に美容液やらを塗り込みだしたので、俺は先に上がることにした。
「ぽめ太」
オーナーだ。
「今日も指名が入ってるぞ」
「誰?」
「リロイ様だ」
毎日かよ。
「暇なんですかね、何の仕事してんだろ」
「お客様の詮索はするなって言ったろ」
「ハイハイ。貸し切りなら楽なんだけどなぁ」
「毎日リロイ様ばかりじゃお前の尻も訛っちまうだろ、仕込み直してやるから部屋に来い」
いいよぉ。もう、余計なこと言わなきゃよかった。
何を隠そう、俺の処女を奪ったのは、このオーナーだ。
陰間には金剛って呼ばれる世話役がいて、お店に出る前の作法や仕込みは金剛さんがする。
そのあとに、最終的な確認ってことでオーナーが初店前に食ってるんだって。
「うん、上手上手。ぽめ太は可愛いね」
リロイ様はベッドの端に腰掛けて、前を寛けただけの格好だ。
俺は全裸で、リロイ様のを咥えてる。
竿やカリを舐めても先端をつついても、口全体で扱くように上下して舌を絡ませても、ふにゃちんだ。
口の周りが唾液でベタベタだし縮れ毛が口に残るし、顎も口も疲れるけど、どうやっても勃たない。
こんなとこ来てるより、医者に通うレベルだよなぁ。
「リロイ様、なんか疲れてます?」
「ん? どうして?」
「目の下に隈が出来てますよ」
ぽめ太は優しいねって俺の頭を撫でる。
優しいのはリロイ様の方だ。テクなしの俺を叱らないんだから。
「知り合いに聞いた話なんだけどね」
リロイ様はしゃぶらせながら、いろいろな話をしてくれる。
まだこの世界に詳しくないから、これが結構面白いし、ためになる。
「ある富豪が殺されたんだ。篤志家で人に恨まれるような人じゃない。犯人が分からなくて困ってるそうだよ」
リロイ様はいつもと違う、風変わりな話を始めた。
「ん? どうかした?」
「昨日のお客様、高藤様だったんだ。すごい痕だね、痛そう」
イシュレイの体中に縄目の痕がくっきり残っていた。
高藤様は緊縛趣味の方なんだ。すごいイケメンでお金持ちなのに、残念な方なんだよ。
「全然痛くないよぉ。ぽめ太は誰だったの?」
「リロイ様」
「げ」
湯船の奥から、もう一人声がした。
同じく同室で、ほぼ同期のヨーランだ。
イシュレイと同じ美少年なのに、おっとりしたイシュレイと違って、猫目のヨーランの方が気が強い。
「いたんだ、ヨーラン」
「お前らの前から入ってたわ」
「ヨーランってリロイ様嫌いだよねぇ」
「だって、勃たねえだろ?」
そうなのだ。リロイ様は勃たない。
ものっすごいイケメンというか、正統派美形で持ち物も大変ご立派なのに、何をどう頑張ってもふにゃちんなのだ。
でも、蔭間茶屋の常連で、何故か俺を贔屓にしてくれる。
「時間中ずっとフェラだろ? 俺、無理」
リロイ様は大抵3時間フルコースの太っ腹なお客様だ。けど、最初に食事と湯浴みをしたあとはずっとフェラなんだ。
勃たないから仕方ないけど、挿入なしお手軽プランもあるのにお金持ちの考えることは分からない。
「口は疲れるけど、穴は楽だからなぁ」
二人と違って、俺には勃たせようってプロの気概もないしテクもない。
陰間は自分磨きに余念がなく、あそこのムダ毛処理やら全身に美容液やらを塗り込みだしたので、俺は先に上がることにした。
「ぽめ太」
オーナーだ。
「今日も指名が入ってるぞ」
「誰?」
「リロイ様だ」
毎日かよ。
「暇なんですかね、何の仕事してんだろ」
「お客様の詮索はするなって言ったろ」
「ハイハイ。貸し切りなら楽なんだけどなぁ」
「毎日リロイ様ばかりじゃお前の尻も訛っちまうだろ、仕込み直してやるから部屋に来い」
いいよぉ。もう、余計なこと言わなきゃよかった。
何を隠そう、俺の処女を奪ったのは、このオーナーだ。
陰間には金剛って呼ばれる世話役がいて、お店に出る前の作法や仕込みは金剛さんがする。
そのあとに、最終的な確認ってことでオーナーが初店前に食ってるんだって。
「うん、上手上手。ぽめ太は可愛いね」
リロイ様はベッドの端に腰掛けて、前を寛けただけの格好だ。
俺は全裸で、リロイ様のを咥えてる。
竿やカリを舐めても先端をつついても、口全体で扱くように上下して舌を絡ませても、ふにゃちんだ。
口の周りが唾液でベタベタだし縮れ毛が口に残るし、顎も口も疲れるけど、どうやっても勃たない。
こんなとこ来てるより、医者に通うレベルだよなぁ。
「リロイ様、なんか疲れてます?」
「ん? どうして?」
「目の下に隈が出来てますよ」
ぽめ太は優しいねって俺の頭を撫でる。
優しいのはリロイ様の方だ。テクなしの俺を叱らないんだから。
「知り合いに聞いた話なんだけどね」
リロイ様はしゃぶらせながら、いろいろな話をしてくれる。
まだこの世界に詳しくないから、これが結構面白いし、ためになる。
「ある富豪が殺されたんだ。篤志家で人に恨まれるような人じゃない。犯人が分からなくて困ってるそうだよ」
リロイ様はいつもと違う、風変わりな話を始めた。
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