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本編

第15話_凍てつく刃-4

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「……!?」

[侵略者]へは葉月エピドート一択と思われていた中、水属性に最も不利なロードナイトを当ててきた影斗オニキスの策に、全員の眉が顰められた。

「そのざまじゃ、どうせ地上にいたってまともに使えねぇだろ」
「…」

オニキスからそうにべもなく評され、黙ったまま眉を寄せるロードナイトを気遣いつつ、エピドートはオニキスへ振り向く。

「でも…ロードは――」
「さっきの[侵略者]の見てくれが気になってよ。サルファーも"鯰"って言ってたらしいな。…ひょっとしたらあいつ、水属性じゃないんじゃねぇか?」
「…! デンキナマズかぁ!?」

サルファーがいの一番に思い当たり、声高に反応する。
ほか面々も、一様に目を剥いた。

「…風属性の可能性があるってことか!?」
「…確かに…、[彼]は蒼矢アズライトが騙された、とも言ってたね…」
「同じ水属性なら、地力は敵わなかったとしても騙された・・・・ってことにはならねぇ。アズライトに不利な風属性だったとしたら、『火炎』のロードが有利になる」

そう静かに述べると、オニキスはエピドートへ鋭い視線を浴びせた。

「蒼矢がアズライトとして加わるまで、これが当たり前だった。俺たちは判らねぇ中いつもこうやって予測して切り抜けてきた。…だろ?」
「……!!」

凝視し返してくるエピドートへそう言い放つと、ついでオニキスはにやりと笑った。

「…4年余りの間に、随分感覚が鈍っちまったようだな」
「それだけ、アズライトの存在に甘えてしまってたってことだね…」

オニキスの表情を受け、エピドートも息をつき、幾ばかりかの笑みを返すと、深緑の瞳に闘志を呼び戻す。
そして、いまだ言葉を失ったままのロードナイトとサルファーへいつも通りの視線を送った。

「…今話してた通りだ。ロード、[侵略者]の属性を風とみて、向かって欲しい。僕も帯同しよう」
「! 了解っす。でも…エピドートは水の中大丈夫っすか?」
「防御壁があれば、水中の影響は受けないことをサルファーが証明してる。君にとって不利な[異形]も、僕が対処できるしね。…心の準備は十分できてるよ」
「…わかりました、助かります」

「じゃ、分かれて対峙すっか。サルファー! こいつらが[侵略者]仕留めるまで、お前は俺と時間稼ぎだ。…アズライトを丁重にお相手してやろうぜ」
「!? ふっ…ふたりだけで!?」
「怖気づくんじゃねぇよ、数じゃ勝ってるんだ。俺がメインで当たる。…死ぬ気でサポートしろよ」
「っ…わかったよ…っ!!」
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