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本編
第10話_叛意への仕置き-2
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蒼矢は後ろからついていき、烈の背中越しに陳列棚を眺めていたが、ふと彼の仕草に気付く。
「…痒いのか? 背中」
「ん? んー、なんか最近からな。虫に刺されたみたいでさ」
Tシャツの中に手を入れ、ぽりぽりと首の下辺りの背中を掻く烈をぼんやり見ていた蒼矢は、何かに思い至ったのか僅かに目を見開く。
――彼には"種"を植え付けてあってね…――
「……!」
そしてひとつ溜飲し、彼の背後へ近寄っていく。
「…ちょっと見せて」
「! あぁ。なんかどこ掻いても、刺されたっぽい所がいまいちつきとめられなくってさー。多分膨らんでると思うんだけど」
そう言うと、烈は蒼矢の背丈に合わせるよう、少し屈んでみせる。
蒼矢はシャツの襟首に軽く手を引っかけ、彼の背中を覗く。
「…」
「どうだ? なんかある?」
問いかけてくる烈へ応じないまま、蒼矢は背中に手を入れ、肌を触る。
「…!?」
ひやりと冷たい感触が背筋を走り、烈は目を丸くし思わずびくりと身体を跳ねらせるが、掻き毟って少し火照った背中が程良く冷やされ、すぐに心地良さへ変わっていく。
蒼矢は真剣な眼差しで烈のシャツの中へ視線を巡らせながら、手のひらで背中の凹凸を確かめていき、無意識の内に奥へ進んでいく。
「…!」
「…? あの、蒼矢…?」
次第に動きが大胆になっていく幼馴染へ、さすがに動揺し始めた烈が軽く振り向いたところで、ふたりの背後でにわかに人の気配が現れた。
「――今日は」
烈と蒼矢は同時に振り返る。
店先に掛かる暖簾の下をくぐったすぐのところに、柄方がロングコートのポケットに手を入れた姿勢で立っていた。
外からの陽が逆光になり表情の仔細は窺い難かったが、口元には笑みをたたえているようだった。
「…痒いのか? 背中」
「ん? んー、なんか最近からな。虫に刺されたみたいでさ」
Tシャツの中に手を入れ、ぽりぽりと首の下辺りの背中を掻く烈をぼんやり見ていた蒼矢は、何かに思い至ったのか僅かに目を見開く。
――彼には"種"を植え付けてあってね…――
「……!」
そしてひとつ溜飲し、彼の背後へ近寄っていく。
「…ちょっと見せて」
「! あぁ。なんかどこ掻いても、刺されたっぽい所がいまいちつきとめられなくってさー。多分膨らんでると思うんだけど」
そう言うと、烈は蒼矢の背丈に合わせるよう、少し屈んでみせる。
蒼矢はシャツの襟首に軽く手を引っかけ、彼の背中を覗く。
「…」
「どうだ? なんかある?」
問いかけてくる烈へ応じないまま、蒼矢は背中に手を入れ、肌を触る。
「…!?」
ひやりと冷たい感触が背筋を走り、烈は目を丸くし思わずびくりと身体を跳ねらせるが、掻き毟って少し火照った背中が程良く冷やされ、すぐに心地良さへ変わっていく。
蒼矢は真剣な眼差しで烈のシャツの中へ視線を巡らせながら、手のひらで背中の凹凸を確かめていき、無意識の内に奥へ進んでいく。
「…!」
「…? あの、蒼矢…?」
次第に動きが大胆になっていく幼馴染へ、さすがに動揺し始めた烈が軽く振り向いたところで、ふたりの背後でにわかに人の気配が現れた。
「――今日は」
烈と蒼矢は同時に振り返る。
店先に掛かる暖簾の下をくぐったすぐのところに、柄方がロングコートのポケットに手を入れた姿勢で立っていた。
外からの陽が逆光になり表情の仔細は窺い難かったが、口元には笑みをたたえているようだった。
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