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本編
第9話_屈辱の隷従-1
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後続の講義を欠席し、大学を後にした蒼矢は、早足で最寄りの駅へ戻り、電車に乗る。
自宅までの帰宅ルートを辿るが途中で乗り換え、別方向へと向かっていく。
やがて電車を降り、使ったことがない駅の改札を抜け、スマホを片手に知らない道を、方々を見渡しながら進んでいく。
目的の建物は駅から程ない距離にあり、蒼矢は初めて間近で見るその外観を前に、緊張感を高める。
入り口を前に立ち止まり、湧き上がる負の感情をなんとか抑え込むと、マフラーで口元を隠し、頭を屈めがちに建物内へ入っていく。
「…」
モダンで落ち着いた色調のエントランスは、なんとなく思い描いていた印象よりもノーマルな雰囲気で、開けた景色の中に人影は無く、少し胸をなでおろした蒼矢は、入ってすぐ目につく場所に構えられたタッチパネル機へ進む。
スマホに表示されている通りに入力し、受け口へ落ちたカードキーを手に取ると、エレベーターに乗って上がっていく。
「――何をもたついていた? 連絡が入ったら30分以内には来い」
目的の部屋へ着き、ドアを開けた途端中から声が飛んできて、奥へ進んでいくと、ベッド脇のコンパクトソファへ[木蔦]が股を大きく開いて座っていた。
正面へ立ち尽くす強張った面差しを、[木蔦]はゆるりと見やる。
「危機感が足りないようだな。大事な友人の命運がかかってるというのに」
蒼矢は噴き上がりそうになる敵意を紛らすように[木蔦]から視線を外し、顔を伏せた。
その心中を察したのか、[木蔦]は蔑むように鼻を鳴らす。
「…まぁ、『セイバー』相手に従順は期待できないだろうな。好きにするといい。――だが、命令違反や抵抗は許さない。…そこのクローゼットの中を見てみろ」
そう粗野に促され、蒼矢は[木蔦]の気配を警戒しつつ、横のクローゼットを開く。
中を見、目に飛び込んできた"光景"に、顔を凍らせた。
「隙を狙って『転送』させようなどとは考えるなよ。…そいつは第二の"保険"だ」
クローゼットの中には、見ず知らずの若い男が裸で手足を縛られ、膝を折り曲げて窮屈そうに収まっていた。
気を失っているのか故意に眠らされているのか、ぴくりとも動かず静かにうずくまっている。
反応を満足気に認めると、[木蔦]は蒼矢を部屋の中央へ戻らせ、ソファへ背中を預けて背もたれに両腕を載せる。
「とりあえず、下着以外全部外せ」
自宅までの帰宅ルートを辿るが途中で乗り換え、別方向へと向かっていく。
やがて電車を降り、使ったことがない駅の改札を抜け、スマホを片手に知らない道を、方々を見渡しながら進んでいく。
目的の建物は駅から程ない距離にあり、蒼矢は初めて間近で見るその外観を前に、緊張感を高める。
入り口を前に立ち止まり、湧き上がる負の感情をなんとか抑え込むと、マフラーで口元を隠し、頭を屈めがちに建物内へ入っていく。
「…」
モダンで落ち着いた色調のエントランスは、なんとなく思い描いていた印象よりもノーマルな雰囲気で、開けた景色の中に人影は無く、少し胸をなでおろした蒼矢は、入ってすぐ目につく場所に構えられたタッチパネル機へ進む。
スマホに表示されている通りに入力し、受け口へ落ちたカードキーを手に取ると、エレベーターに乗って上がっていく。
「――何をもたついていた? 連絡が入ったら30分以内には来い」
目的の部屋へ着き、ドアを開けた途端中から声が飛んできて、奥へ進んでいくと、ベッド脇のコンパクトソファへ[木蔦]が股を大きく開いて座っていた。
正面へ立ち尽くす強張った面差しを、[木蔦]はゆるりと見やる。
「危機感が足りないようだな。大事な友人の命運がかかってるというのに」
蒼矢は噴き上がりそうになる敵意を紛らすように[木蔦]から視線を外し、顔を伏せた。
その心中を察したのか、[木蔦]は蔑むように鼻を鳴らす。
「…まぁ、『セイバー』相手に従順は期待できないだろうな。好きにするといい。――だが、命令違反や抵抗は許さない。…そこのクローゼットの中を見てみろ」
そう粗野に促され、蒼矢は[木蔦]の気配を警戒しつつ、横のクローゼットを開く。
中を見、目に飛び込んできた"光景"に、顔を凍らせた。
「隙を狙って『転送』させようなどとは考えるなよ。…そいつは第二の"保険"だ」
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気を失っているのか故意に眠らされているのか、ぴくりとも動かず静かにうずくまっている。
反応を満足気に認めると、[木蔦]は蒼矢を部屋の中央へ戻らせ、ソファへ背中を預けて背もたれに両腕を載せる。
「とりあえず、下着以外全部外せ」
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