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本編
第3話_秘密の逢瀬-3
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烈は居間に落ち着いてお茶を貰いながら、葉月から簡単にいきさつを聞く。
「へー、葉月さんは内容知ってるんすか?」
「うん、日取りが決まった時に聞かせてくれたよ。でもあまり口外したくないらしいから、蒼矢と僕以外には秘密にしてて欲しいって」
「秘密かぁ…めっちゃ気になりますね。でもまぁ苡月が楽しそうでなによりっす」
「そんなわけで、今日は夜まで帰って来ないんだ。蒼矢と食べるようにって、夕飯も持たせたしね…、って、あぁ!」
何かに気付いたのか、あまり聞いたことのない叫び声を漏らすと、葉月は慌てた風にキッチンへ走っていき、とぼとぼと戻ってくる。
「…参ったな、メインを持たせるのを忘れちゃったよ。持っていかせた分だけじゃ足りないよなぁ…」
「俺が届けてきますよ」
肩を落とす葉月へそう言い、烈は湯呑みをぐいっと傾け、立ちあがる。
「配達ここが最後だったんで、もう帰るだけだし。…渡すだけにしてちゃちゃっと退散しますから」
「悪いね、気遣って貰っちゃって」
「うっす」
葉月から炊き込みご飯の入ったタッパーを預かると、烈は楠瀬家を後にし、颯爽と軽トラへ乗り込んだ。
線路をくぐる地下道を越え、ほどなくして烈の配達トラックは髙城家前に着く。
夕食の入った風呂敷包みを手に載せ、呼び鈴を鳴らす。が、なかなか応答が無い。
「…? いるはずだよな」
反応の無い様子に再度ボタンを押しかけたところで、スピーカーがONになる。
『――はい』
「あ、俺」
『……。何の用?』
「えっと、葉月さんから今日のお前らの晩飯渡し忘れたのがあったって、預かってきたんだけど…」
『……今出る』
蒼矢は終始声のトーンが暗く、最後にそうぼそりと聞こえ、通話が切れた。
「?」
そんな彼の様子に、烈はやや違和感を覚える。
いちいち応答が鈍いような、どことなくぎこちないような。
「へー、葉月さんは内容知ってるんすか?」
「うん、日取りが決まった時に聞かせてくれたよ。でもあまり口外したくないらしいから、蒼矢と僕以外には秘密にしてて欲しいって」
「秘密かぁ…めっちゃ気になりますね。でもまぁ苡月が楽しそうでなによりっす」
「そんなわけで、今日は夜まで帰って来ないんだ。蒼矢と食べるようにって、夕飯も持たせたしね…、って、あぁ!」
何かに気付いたのか、あまり聞いたことのない叫び声を漏らすと、葉月は慌てた風にキッチンへ走っていき、とぼとぼと戻ってくる。
「…参ったな、メインを持たせるのを忘れちゃったよ。持っていかせた分だけじゃ足りないよなぁ…」
「俺が届けてきますよ」
肩を落とす葉月へそう言い、烈は湯呑みをぐいっと傾け、立ちあがる。
「配達ここが最後だったんで、もう帰るだけだし。…渡すだけにしてちゃちゃっと退散しますから」
「悪いね、気遣って貰っちゃって」
「うっす」
葉月から炊き込みご飯の入ったタッパーを預かると、烈は楠瀬家を後にし、颯爽と軽トラへ乗り込んだ。
線路をくぐる地下道を越え、ほどなくして烈の配達トラックは髙城家前に着く。
夕食の入った風呂敷包みを手に載せ、呼び鈴を鳴らす。が、なかなか応答が無い。
「…? いるはずだよな」
反応の無い様子に再度ボタンを押しかけたところで、スピーカーがONになる。
『――はい』
「あ、俺」
『……。何の用?』
「えっと、葉月さんから今日のお前らの晩飯渡し忘れたのがあったって、預かってきたんだけど…」
『……今出る』
蒼矢は終始声のトーンが暗く、最後にそうぼそりと聞こえ、通話が切れた。
「?」
そんな彼の様子に、烈はやや違和感を覚える。
いちいち応答が鈍いような、どことなくぎこちないような。
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