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本編
第20話_確かになる絆
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週が明け、停学が解けて早速登校した影斗は再び生徒指導室へ向かう。
待ち受けていた猿渡は今日も難しい顔をしながら座っていて、影斗が対面に座るとじろっと睨みつけた。
「――ちゃんと家に居ただろうな?」
「心配しなくても居たっすよ。居たくなかったけど」
「課題は」
「さっき出した。ね?」
影斗に振られ、同席していたクラス担任の教員は猿渡へ向けて、ややあわてた風に首を縦に振ってみせた。
「宜しい。今後についてだが――」
そんな頼り無さ気な担任が後方から見守る中、猿渡の口から影斗への校外を含めた素行についてガイドラインが言い渡される。影斗は頷きながらも右から左へ受け流していく。
「――以上だ。守れよ、ちゃんと!」
「はーい」
やや間延びした返事をすると、影斗は表情をがらりと変え、猿渡を凝視した。
「? …何だ?」
「…こんな立場からいうのもなんなんだけどさ…頼みがあるんだけど」
眉をひそめながら視線を返す猿渡へ向けて背筋を伸ばすと、影斗は頭を下げた。
「髙城 蒼矢…君と、付き合いを続けさせて下さい」
今まで頭を悩みに悩まされてきた不良生徒の急な折り目正しい態度と懇願に、猿渡は少し目を見開く。
「もう危ない目には絶対遭わせないし、遊びにも誘わない。…ガッコの中だけでいいから、会わせて欲しい…です。お願いします!」
机に額をつける勢いで頭を下げ続ける影斗を、驚いたような表情で眺めていた猿渡だったが、やがて平静に戻り、椅子に背を預けて腕を組む。
「……」
沈黙が流れる間も、影斗は頭を下げ続けた。
その様子を確認し、猿渡は深くため息をついてから頬杖をついた。
「…顔あげろ。お前の言う通りにしてやるから」
「…え」
「髙城本人も、お前と関係を続けたいそうだ。お互い同意しているなら学校側として制限出来ん。…髙城との交友を認めることにする」
「…まじで!?」
「我々にとっては大変不本意だが…しかし最近までのお前の素行がいくらかマシになったのは、彼の影響もあるようだな。…そこにも期待しての判断だ」
呆けたような表情が驚きと喜びで徐々に見開かれていく様子を見、猿渡はそれを制するように机を軽くパンパンと叩いた。
「言っとくが手放しにはやらせんからな? こちらの目が逐一入った上で、何か問題が起こったら即解消だ! 交友は節度を守って…繁華街に連れてくなんぞもっての外だぞ!!」
「そこはもう、絶対守る。大丈夫!」
「ったく…、くれぐれも同じ過ちを繰り返すなよ。曲がりなりにもお前の方が歳上なんだから、髙城をきちんと導いてやるように」
「…了解!」
猿渡から解放され、影斗は指導室から退室する。
そしてその紅潮した顔に満面の笑みを浮かべながら、静かに拳を握りしめた。
それから数日経った放課後、化学準備室に生徒が一人訪れていた。
淹れ方を教わった蒼矢が、鹿野にコーヒーを差し出す。
「良かったね、検査で異常無くて。通院は?」
「もう来なくていいそうです。…本当に、色々とありがとうございました」
「いやいや、僕は特別なことは何もしてないよ」
「でも、先生からのお口添えが無ければ…今こんな風に穏やかに話せてなかったかもしれません」
「…僕は事実を進言しただけだよ。教員はどうあれ学校としては、なるべく"汚点"を出さない方向に動くだろうと思ったしね」
涼しい顔でコーヒーを一口すすると、鹿野は蒼矢へにやっと笑いかけた。
「それにしても…宮島からの一方的かと思ってたけど、君の方もまんざらじゃなかったとはねぇ」
「! そうですね…気にかけて下さってたのは、わかってましたので…」
「相思相愛ってところかな?」
「…先生は人をからかうのがお好きなんですね」
「あぁ、ごめんごめん。君たち見てると初々しいっていうか、若いっていいなぁって、羨ましく思っちゃうんだよね」
頬を少し染めながらむっとする蒼矢を見、鹿野はあわてて笑ってとりなす。
「…宮島が君と知り合えて良かったよ。密かにだけど、僕は彼と出会った時から三年間できちんと卒業させてあげたいって目標を立てててね。…君が彼の傍にいてくれれば、きっと出来ると思ってる」
「ご期待に沿えるかわかりませんが…」
「いや、髙城はそのままでいいんだよ、これから先は宮島次第だから。…やれば出来る子だからね!」
「よぉっすー」
とそこで、影斗がだるそうな雰囲気をかもしながら遅れて入室してくる。
「お疲れ! ちゃんと授業出てきたようだね」
「出たよ、聞いてないけど」
やつれたような表情を見せてはいるが、それなりに高校生らしい学校生活を送り始めた影斗に、鹿野は満足そうに頷いていた。
引き続き校則違反であるバイク登校はするものの始業時間には間に合うように来れているし、ネクタイもダルダルだが再び着用してくるようになった。
蒼矢との関係の方はというと、彼の"他生徒との関係も大事にしたい"という意向を受け、今までのように昼休みや放課後にはべったりという程にはならずに、蒼矢は同級生などとの余暇も楽しむようになった。このほどの騒動を受け、在校生徒の間には激震が走ったようだが、以降わりと積極的に他生徒達と交流を図っていった彼を周囲もすんなりと受け入れてしまっていた。また、意外な一面が垣間見えたことで彼へのイメージが変わり、邪な思いを抱いて近付く輩の数も減らしたようで、結果的に安全な高校生活を送れるようになったと言えるかもしれない。
影斗とは、新たに所持するようになったスマホで連絡を取り合い、おおむね彼の満足する水準で交友関係が続けていけているようであった。
影斗が意図的に離れていた時期に蒼矢がお弁当を試作していたことも受け、その後も不定期に作って持ってきて影斗がそれを批評したり、レシピを教えたりするようになった。
影斗としては"料理出来ない蒼矢"でも良かったのだが、彼の健康面を考えた鹿野からの後押しもあり、二つ返事で蒼矢の拙い自炊生活を支えることにした。
一時期はその関係性を危ぶんでいた鹿野だったが、嘘みたいに不安は消え去っていた。
…教師の出る幕じゃない。放っておいても、彼らなら大丈夫だ。
「マジ疲れたー。蒼矢、慰めてぇ」
ややオーバー気味にフラつく影斗は正面に座っていた蒼矢にすがりつこうとしたが、当の蒼矢はごく自然な所作で立ち上がってかわす。
「すみません、俺用事があるので…そろそろ帰ります」
「…つれねぇ」
「忙しいね。誰かしらにまた誘われてるの?」
「あ、いえ…今日はプライベートです。習い事の予約を入れてまして…」
「習い事ぉ!? なんだよ、俺聞いてねぇぞ?」
鹿野への返事を受けて影斗に目を剥かれ、蒼矢は上目遣いに見返すと、恥ずかしげに視線を落とした。
「…その…武道を、始めてみようと思って…」
「はぁ?」
「…あぁ…」
影斗は間の抜けたような反応をするものの、鹿野はすぐに合点がいったようで、少し身体を縮めている蒼矢に笑顔を向けた。
「いいじゃない、護身術としてなら。そういうのは身に着けておいて損はないからね!」
「…ありがとうございます」
「習うって、どこでだよ? お前んちの近くにあったっけ?」
「ええ。家の最寄駅の線路挟んで反対側に神社があるんですけど、そこで武道を習えるみたいなんです」
「……!?」
「へぇ、神社で?」
「宮司さんが教えてるらしくて、心身共に鍛えて下さるそうです」
「武闘派宮司さんなんだね。そんなところで教われるなんて、ご利益もありそうだね! …どしたの宮島? 急に黙っちゃって」
「…いや、なんでもねぇ。…まぁ、やってみればいいんじゃねぇの」
「はい。では、失礼します」
「あ、待てって送ってくから」
「いいですよ、どうせ校門前までじゃないですか…」
「だからこそだろぉ? なんならバイクに乗っけてく気満々だぜ?」
「…固く遠慮します」
「じゃな鹿野ちん、また明日!」
そう賑やかに準備室を出ていく生徒二人に手を振り、ドアが閉じられると、鹿野は頭の後ろで手を組みながら椅子に深く寄りかかった。
「…見守るだけの立場ってのも、悪くないかもねぇ」
待ち受けていた猿渡は今日も難しい顔をしながら座っていて、影斗が対面に座るとじろっと睨みつけた。
「――ちゃんと家に居ただろうな?」
「心配しなくても居たっすよ。居たくなかったけど」
「課題は」
「さっき出した。ね?」
影斗に振られ、同席していたクラス担任の教員は猿渡へ向けて、ややあわてた風に首を縦に振ってみせた。
「宜しい。今後についてだが――」
そんな頼り無さ気な担任が後方から見守る中、猿渡の口から影斗への校外を含めた素行についてガイドラインが言い渡される。影斗は頷きながらも右から左へ受け流していく。
「――以上だ。守れよ、ちゃんと!」
「はーい」
やや間延びした返事をすると、影斗は表情をがらりと変え、猿渡を凝視した。
「? …何だ?」
「…こんな立場からいうのもなんなんだけどさ…頼みがあるんだけど」
眉をひそめながら視線を返す猿渡へ向けて背筋を伸ばすと、影斗は頭を下げた。
「髙城 蒼矢…君と、付き合いを続けさせて下さい」
今まで頭を悩みに悩まされてきた不良生徒の急な折り目正しい態度と懇願に、猿渡は少し目を見開く。
「もう危ない目には絶対遭わせないし、遊びにも誘わない。…ガッコの中だけでいいから、会わせて欲しい…です。お願いします!」
机に額をつける勢いで頭を下げ続ける影斗を、驚いたような表情で眺めていた猿渡だったが、やがて平静に戻り、椅子に背を預けて腕を組む。
「……」
沈黙が流れる間も、影斗は頭を下げ続けた。
その様子を確認し、猿渡は深くため息をついてから頬杖をついた。
「…顔あげろ。お前の言う通りにしてやるから」
「…え」
「髙城本人も、お前と関係を続けたいそうだ。お互い同意しているなら学校側として制限出来ん。…髙城との交友を認めることにする」
「…まじで!?」
「我々にとっては大変不本意だが…しかし最近までのお前の素行がいくらかマシになったのは、彼の影響もあるようだな。…そこにも期待しての判断だ」
呆けたような表情が驚きと喜びで徐々に見開かれていく様子を見、猿渡はそれを制するように机を軽くパンパンと叩いた。
「言っとくが手放しにはやらせんからな? こちらの目が逐一入った上で、何か問題が起こったら即解消だ! 交友は節度を守って…繁華街に連れてくなんぞもっての外だぞ!!」
「そこはもう、絶対守る。大丈夫!」
「ったく…、くれぐれも同じ過ちを繰り返すなよ。曲がりなりにもお前の方が歳上なんだから、髙城をきちんと導いてやるように」
「…了解!」
猿渡から解放され、影斗は指導室から退室する。
そしてその紅潮した顔に満面の笑みを浮かべながら、静かに拳を握りしめた。
それから数日経った放課後、化学準備室に生徒が一人訪れていた。
淹れ方を教わった蒼矢が、鹿野にコーヒーを差し出す。
「良かったね、検査で異常無くて。通院は?」
「もう来なくていいそうです。…本当に、色々とありがとうございました」
「いやいや、僕は特別なことは何もしてないよ」
「でも、先生からのお口添えが無ければ…今こんな風に穏やかに話せてなかったかもしれません」
「…僕は事実を進言しただけだよ。教員はどうあれ学校としては、なるべく"汚点"を出さない方向に動くだろうと思ったしね」
涼しい顔でコーヒーを一口すすると、鹿野は蒼矢へにやっと笑いかけた。
「それにしても…宮島からの一方的かと思ってたけど、君の方もまんざらじゃなかったとはねぇ」
「! そうですね…気にかけて下さってたのは、わかってましたので…」
「相思相愛ってところかな?」
「…先生は人をからかうのがお好きなんですね」
「あぁ、ごめんごめん。君たち見てると初々しいっていうか、若いっていいなぁって、羨ましく思っちゃうんだよね」
頬を少し染めながらむっとする蒼矢を見、鹿野はあわてて笑ってとりなす。
「…宮島が君と知り合えて良かったよ。密かにだけど、僕は彼と出会った時から三年間できちんと卒業させてあげたいって目標を立てててね。…君が彼の傍にいてくれれば、きっと出来ると思ってる」
「ご期待に沿えるかわかりませんが…」
「いや、髙城はそのままでいいんだよ、これから先は宮島次第だから。…やれば出来る子だからね!」
「よぉっすー」
とそこで、影斗がだるそうな雰囲気をかもしながら遅れて入室してくる。
「お疲れ! ちゃんと授業出てきたようだね」
「出たよ、聞いてないけど」
やつれたような表情を見せてはいるが、それなりに高校生らしい学校生活を送り始めた影斗に、鹿野は満足そうに頷いていた。
引き続き校則違反であるバイク登校はするものの始業時間には間に合うように来れているし、ネクタイもダルダルだが再び着用してくるようになった。
蒼矢との関係の方はというと、彼の"他生徒との関係も大事にしたい"という意向を受け、今までのように昼休みや放課後にはべったりという程にはならずに、蒼矢は同級生などとの余暇も楽しむようになった。このほどの騒動を受け、在校生徒の間には激震が走ったようだが、以降わりと積極的に他生徒達と交流を図っていった彼を周囲もすんなりと受け入れてしまっていた。また、意外な一面が垣間見えたことで彼へのイメージが変わり、邪な思いを抱いて近付く輩の数も減らしたようで、結果的に安全な高校生活を送れるようになったと言えるかもしれない。
影斗とは、新たに所持するようになったスマホで連絡を取り合い、おおむね彼の満足する水準で交友関係が続けていけているようであった。
影斗が意図的に離れていた時期に蒼矢がお弁当を試作していたことも受け、その後も不定期に作って持ってきて影斗がそれを批評したり、レシピを教えたりするようになった。
影斗としては"料理出来ない蒼矢"でも良かったのだが、彼の健康面を考えた鹿野からの後押しもあり、二つ返事で蒼矢の拙い自炊生活を支えることにした。
一時期はその関係性を危ぶんでいた鹿野だったが、嘘みたいに不安は消え去っていた。
…教師の出る幕じゃない。放っておいても、彼らなら大丈夫だ。
「マジ疲れたー。蒼矢、慰めてぇ」
ややオーバー気味にフラつく影斗は正面に座っていた蒼矢にすがりつこうとしたが、当の蒼矢はごく自然な所作で立ち上がってかわす。
「すみません、俺用事があるので…そろそろ帰ります」
「…つれねぇ」
「忙しいね。誰かしらにまた誘われてるの?」
「あ、いえ…今日はプライベートです。習い事の予約を入れてまして…」
「習い事ぉ!? なんだよ、俺聞いてねぇぞ?」
鹿野への返事を受けて影斗に目を剥かれ、蒼矢は上目遣いに見返すと、恥ずかしげに視線を落とした。
「…その…武道を、始めてみようと思って…」
「はぁ?」
「…あぁ…」
影斗は間の抜けたような反応をするものの、鹿野はすぐに合点がいったようで、少し身体を縮めている蒼矢に笑顔を向けた。
「いいじゃない、護身術としてなら。そういうのは身に着けておいて損はないからね!」
「…ありがとうございます」
「習うって、どこでだよ? お前んちの近くにあったっけ?」
「ええ。家の最寄駅の線路挟んで反対側に神社があるんですけど、そこで武道を習えるみたいなんです」
「……!?」
「へぇ、神社で?」
「宮司さんが教えてるらしくて、心身共に鍛えて下さるそうです」
「武闘派宮司さんなんだね。そんなところで教われるなんて、ご利益もありそうだね! …どしたの宮島? 急に黙っちゃって」
「…いや、なんでもねぇ。…まぁ、やってみればいいんじゃねぇの」
「はい。では、失礼します」
「あ、待てって送ってくから」
「いいですよ、どうせ校門前までじゃないですか…」
「だからこそだろぉ? なんならバイクに乗っけてく気満々だぜ?」
「…固く遠慮します」
「じゃな鹿野ちん、また明日!」
そう賑やかに準備室を出ていく生徒二人に手を振り、ドアが閉じられると、鹿野は頭の後ろで手を組みながら椅子に深く寄りかかった。
「…見守るだけの立場ってのも、悪くないかもねぇ」
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