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8、旅立ちます
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七日後。港で船に乗り込むエレオノーラは、もう使用人には見えなかった。美しい令嬢、もしくは若い母親だ。
ラウラは、エレオノーラと手をつなぐのを好んだ。しばしば、オリヴェルとどちらがエレオノーラと手をつなぐかを争うほどだ。
黄昏時の空は、紫や茜の色が深い青に染まっていく。港の海も夕焼けの名残を映して、静かに美しい。
白い花が散るかのように雲がほどけて、流れていく。
見送りは家政婦長のヨンナだけだった。気を利かせてくれたのだろう。オリヴェルとラウラは、護衛と共に少し離れた場所に立っていた。
「お嬢さま、どうかお幸せに」
「ヨンナ。あちらから手紙を書くわ」
「ええ、ええ。お待ちしています」
夜に出港する船の乗客は少ない。本当に静かな船出だ。
ガラガラ、とけたたましい馬車の音が聞こえた。エレオノーラ達のいる埠頭で、馬車は止まる。
エレオノーラは目を見開いた。見覚えのあるワゴンには、アディエルソン子爵家の紋章がついていたからだ。
御者がドアを開けるのも待たずに、ワゴンの中から激しくドアが開く。
「エレオノーラ」
異常を察したオリヴェルが、ラウラを肩に担いで駆けてくる。すぐにエレオノーラを隠すように、オリヴェルが立ちふさがった。
「きゃあっ! なによ」
護衛が、鞘に入ったままの剣で馬車から降りた女性の行く手を阻む。
「我が主と奥方に何用か」
地の底から響くような低い声。ぎらりと鋭い瞳に見据えられて、埠頭に頽れたのはダニエラだった。カツーン、と硬いものが地面に当たる音がした。
それは二本の杖だった。
ダニエラは杖を引き寄せると、苦労しながら立ちあがった。どうやら足を怪我しているらしい。
「エレオノーラにまだ何かするつもりか?」
オリヴェルは、肩から降ろしたラウラを、エレオノーラに預けた。
「噂は聞いたぞ。先日のパーティで、えらく派手に転んだそうじゃないか。まともに歩ける足ではないのだろう?」
指摘されて、ダニエラは顔をまっ赤にした。
エレオノーラも今朝、ダニエラのパーティでの失態を知った。
泊まっていたホテルのロビーで、宿泊客が話しているのが耳に入ったのだ。
――アディエルソン子爵家の娘だったかな。王族の子息とダンスをしているときに、足を滑らせて転んだそうだ。宮廷楽団のなかに突っこんで、めちゃくちゃになったらしい。本人は両足を捻って立ちあがることもできず。王は、パーティを台無しにされたと、それはもうご立腹で。
――王族と上級貴族ばかりが集まった夜会だろう? アディエルソン家は王家に恥をかかせたわけか。この先が危ぶまれるな。社交界から干されるだろうな。
――もともと子爵は悪名が高かったからな。なんでも実の娘、ああ、転んだのとは別の長女だが。長女を使用人としてただ働きさせていたらしい。「家に置いてやるだけ、ありがたく思え」と。転んだ次女もその母親も、長女をひどく虐めていたらしくてな。王家はそんな卑劣な相手を夜会に招いてしまったこと、しかもダンスの相手までして、さらに滅茶苦茶にされたことを許しはしないだろうな。
よほど当時のことが悔しかったのだろう。
ダニエラの目には涙が浮かんでいる。
「子爵家はもう終わりよ」
「だからエレオノーラに戻って来いとでも言うのか? 子爵家を何とかしろと命ずるのか?」
「ちがう。ちがうわよ!」
ダニエラは首をふった。
「確かにお父さまとお母さまは、エレオノーラの夫となるあんたに国王陛下をとりなしてもらえば、って言ってたわ。隣国とはいえ侯爵ですものね、こちらの陛下とも面識があるでしょ。『あの使えない長女が、ようやく役に立つ』と話してたわよ」
なんてこと。
エレオノーラは目の前が真っ暗になった。どこまでも子爵家が自分の足を引っぱってくる。しかもオリヴェルにまで迷惑をかけるのならば、結婚などできるはずがない。
エレオノーラの危惧が分かったのだろう。
ラウラが、ぎゅっと手を握ってきた。オリヴェルもエレオノーラの肩を抱いた。
大丈夫だ、とのふたりの想いが伝わってくる。
「いくらわたしが恥をかいたからといって、そんな……尻ぬぐいなんて頼めるはずないじゃない。この足ではもう二度とダンスはできないって医者に言われたわ。歩くのにも、一生杖が必要って……もう、お父さまたちが何を画策しても無駄なのよ」
震えるダニエラの声に「ユーゲンホルム行きの船が、まもなく出港です。お客さまは乗船なさってください」との呼びかけが重なった。
「ダニエラ。お父さまたちと考えが違うのなら、ここへ何をしに来たの?」
残された時間はもうない。エレオノーラは急く気持ちで問いかけた。
両手でふたつの杖をつきながら、ダニエラが歩きだす。
ぐいっと伸ばされた手。家事など一度もしたことのない、荒れていない手がつきだしたのはリボンだった。
凪の時間が終わり、夜風がリボンをそよがせる。
スミレとスズランの刺繍がしてある、愛らしいリボンだ。
「お姉さまが子どもの頃に大事にしていたものでしょ」
「どうしてこれを? ずっと昔に失くしていたのに」
「わたしが盗んだからに決まってるじゃない!」
ダニエラは声を張りあげた。
「なんでお父さまの愛情を奪っても、令嬢の生活を奪っても、形見を奪っても意味がないの? どんなに虐めても、なんでお姉さまは卑しくならないのよ。どうして恵まれているわたしの方が、卑屈にならなきゃいけないのよ」
「おかしいわよ」と、悲鳴に似た叫びが海風にさらわれる。
懐かしい母の形見のリボンを、ダニエラはエレオノーラの手に押しつけた。
「お父さまもお母さまも、わたしには何でも買ってくれるわ。でも、わたしのために何かを手作りしてくれたことはない」
ぽたりと地面に涙が落ちた。次々とダニエラの足もとが濡れていく。
「分かってるのよ。いまさら形見を返したところで、わたしが許されるはずもないってことは。いまさら善人ぶったところで、わたしに未来がないってことは」
義妹が泣くのを、エレオノーラは初めて見た。
「わたしは……お姉さまが羨ましかった……」
コツン、コツンと杖の音が遠ざかっていく。
「帰るわよ。あなたも乗りなさい。わたしが許可するわ」
ダニエラは家政婦長のヨンナに声をかけると、苦労して馬車に乗りこんだ。
ほんの少し顔を動かし、エレオノーラをちらりと見遣る。義妹の唇がかすかに動いた。
声は届かないのに。「ごめんなさい」と聞こえた気がした。
馬車が動き出しても、ヨンナだけはエレオノーラに手をふり続けた。
ラウラは、エレオノーラと手をつなぐのを好んだ。しばしば、オリヴェルとどちらがエレオノーラと手をつなぐかを争うほどだ。
黄昏時の空は、紫や茜の色が深い青に染まっていく。港の海も夕焼けの名残を映して、静かに美しい。
白い花が散るかのように雲がほどけて、流れていく。
見送りは家政婦長のヨンナだけだった。気を利かせてくれたのだろう。オリヴェルとラウラは、護衛と共に少し離れた場所に立っていた。
「お嬢さま、どうかお幸せに」
「ヨンナ。あちらから手紙を書くわ」
「ええ、ええ。お待ちしています」
夜に出港する船の乗客は少ない。本当に静かな船出だ。
ガラガラ、とけたたましい馬車の音が聞こえた。エレオノーラ達のいる埠頭で、馬車は止まる。
エレオノーラは目を見開いた。見覚えのあるワゴンには、アディエルソン子爵家の紋章がついていたからだ。
御者がドアを開けるのも待たずに、ワゴンの中から激しくドアが開く。
「エレオノーラ」
異常を察したオリヴェルが、ラウラを肩に担いで駆けてくる。すぐにエレオノーラを隠すように、オリヴェルが立ちふさがった。
「きゃあっ! なによ」
護衛が、鞘に入ったままの剣で馬車から降りた女性の行く手を阻む。
「我が主と奥方に何用か」
地の底から響くような低い声。ぎらりと鋭い瞳に見据えられて、埠頭に頽れたのはダニエラだった。カツーン、と硬いものが地面に当たる音がした。
それは二本の杖だった。
ダニエラは杖を引き寄せると、苦労しながら立ちあがった。どうやら足を怪我しているらしい。
「エレオノーラにまだ何かするつもりか?」
オリヴェルは、肩から降ろしたラウラを、エレオノーラに預けた。
「噂は聞いたぞ。先日のパーティで、えらく派手に転んだそうじゃないか。まともに歩ける足ではないのだろう?」
指摘されて、ダニエラは顔をまっ赤にした。
エレオノーラも今朝、ダニエラのパーティでの失態を知った。
泊まっていたホテルのロビーで、宿泊客が話しているのが耳に入ったのだ。
――アディエルソン子爵家の娘だったかな。王族の子息とダンスをしているときに、足を滑らせて転んだそうだ。宮廷楽団のなかに突っこんで、めちゃくちゃになったらしい。本人は両足を捻って立ちあがることもできず。王は、パーティを台無しにされたと、それはもうご立腹で。
――王族と上級貴族ばかりが集まった夜会だろう? アディエルソン家は王家に恥をかかせたわけか。この先が危ぶまれるな。社交界から干されるだろうな。
――もともと子爵は悪名が高かったからな。なんでも実の娘、ああ、転んだのとは別の長女だが。長女を使用人としてただ働きさせていたらしい。「家に置いてやるだけ、ありがたく思え」と。転んだ次女もその母親も、長女をひどく虐めていたらしくてな。王家はそんな卑劣な相手を夜会に招いてしまったこと、しかもダンスの相手までして、さらに滅茶苦茶にされたことを許しはしないだろうな。
よほど当時のことが悔しかったのだろう。
ダニエラの目には涙が浮かんでいる。
「子爵家はもう終わりよ」
「だからエレオノーラに戻って来いとでも言うのか? 子爵家を何とかしろと命ずるのか?」
「ちがう。ちがうわよ!」
ダニエラは首をふった。
「確かにお父さまとお母さまは、エレオノーラの夫となるあんたに国王陛下をとりなしてもらえば、って言ってたわ。隣国とはいえ侯爵ですものね、こちらの陛下とも面識があるでしょ。『あの使えない長女が、ようやく役に立つ』と話してたわよ」
なんてこと。
エレオノーラは目の前が真っ暗になった。どこまでも子爵家が自分の足を引っぱってくる。しかもオリヴェルにまで迷惑をかけるのならば、結婚などできるはずがない。
エレオノーラの危惧が分かったのだろう。
ラウラが、ぎゅっと手を握ってきた。オリヴェルもエレオノーラの肩を抱いた。
大丈夫だ、とのふたりの想いが伝わってくる。
「いくらわたしが恥をかいたからといって、そんな……尻ぬぐいなんて頼めるはずないじゃない。この足ではもう二度とダンスはできないって医者に言われたわ。歩くのにも、一生杖が必要って……もう、お父さまたちが何を画策しても無駄なのよ」
震えるダニエラの声に「ユーゲンホルム行きの船が、まもなく出港です。お客さまは乗船なさってください」との呼びかけが重なった。
「ダニエラ。お父さまたちと考えが違うのなら、ここへ何をしに来たの?」
残された時間はもうない。エレオノーラは急く気持ちで問いかけた。
両手でふたつの杖をつきながら、ダニエラが歩きだす。
ぐいっと伸ばされた手。家事など一度もしたことのない、荒れていない手がつきだしたのはリボンだった。
凪の時間が終わり、夜風がリボンをそよがせる。
スミレとスズランの刺繍がしてある、愛らしいリボンだ。
「お姉さまが子どもの頃に大事にしていたものでしょ」
「どうしてこれを? ずっと昔に失くしていたのに」
「わたしが盗んだからに決まってるじゃない!」
ダニエラは声を張りあげた。
「なんでお父さまの愛情を奪っても、令嬢の生活を奪っても、形見を奪っても意味がないの? どんなに虐めても、なんでお姉さまは卑しくならないのよ。どうして恵まれているわたしの方が、卑屈にならなきゃいけないのよ」
「おかしいわよ」と、悲鳴に似た叫びが海風にさらわれる。
懐かしい母の形見のリボンを、ダニエラはエレオノーラの手に押しつけた。
「お父さまもお母さまも、わたしには何でも買ってくれるわ。でも、わたしのために何かを手作りしてくれたことはない」
ぽたりと地面に涙が落ちた。次々とダニエラの足もとが濡れていく。
「分かってるのよ。いまさら形見を返したところで、わたしが許されるはずもないってことは。いまさら善人ぶったところで、わたしに未来がないってことは」
義妹が泣くのを、エレオノーラは初めて見た。
「わたしは……お姉さまが羨ましかった……」
コツン、コツンと杖の音が遠ざかっていく。
「帰るわよ。あなたも乗りなさい。わたしが許可するわ」
ダニエラは家政婦長のヨンナに声をかけると、苦労して馬車に乗りこんだ。
ほんの少し顔を動かし、エレオノーラをちらりと見遣る。義妹の唇がかすかに動いた。
声は届かないのに。「ごめんなさい」と聞こえた気がした。
馬車が動き出しても、ヨンナだけはエレオノーラに手をふり続けた。
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