真実の愛なんてクソ喰らえ

第一章

銀紙に包まれた秘密⑥

数日後の夜、まるで風船が割れて弾けたように身体の熱が上昇した事で目が覚めた。




「っ、はぁっ、はぁ」




ああ、きたーー…、そう直感した。

ヒート誘発剤を無理やり打たれた後とは比にならないくらいに重い爆発的な発情に、息を荒くしてベッドシーツを握り締める。

予めテーブルの上に用意されていた抑制剤にもう片方の手を伸ばし、震える指先で中から錠剤を押し出した。




「…ぁっ、ぅっ、ぁぁっ」




それを一粒口に含んで水で流し込む。するりと喉を通り抜けていく水の冷たささえ感じられないほど、今回のヒートは酷かった。

早く効け、早く効け、と心の中で何度も呟く。

けれど、薬がそんなに早く効くわけもなく、しばらく身体の熱さに悶え苦しんでいた。

中に埋め込まれたものも動く度に奥に触れ、だらしなく蜜が溢れ出す一方だ。

彼は三日間部屋に姿を現していない為、ヒートに気付いているのかすらも分からない。

もし彼が遠くに居るのなら、もうこの装具を外してしまいたい。

一度果ててしまえば楽になるのに、自分では何も出来なくて嫌気が増した。





「……うっ、ぁぁっ、あっ、」




薬が効くまでこんな状態で居続けろと言うのか。

まるで、地獄だ…。

抱かれるよりはマシだけれど、今の状況もかなり苦しいところまで来ている。