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学院中等部 7学年生
ピアーズ家周辺の現状
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武術魔法披露会が無事に終わった。すべてを片付けて、薬草研究会に向かう。サミュエル先生から慰労会を行おうと薬草研究会の部員に提案があったのだ。もちろんみんな、嬉々として片付けを終わらせ、薬草研究会の部室に集まった。
「お疲れ様だったね。バージェフ君が卒業して、最初の武術魔法披露会だったけど、混乱もなくスムーズに役割を終えられた。ありがとう。ブランジット公爵家から菓子や飲み物を運ばせたから、おおいに食べて飲んでもらいたい。まぁ、でも、はしゃぎすぎないようにね」
「「「「「はーい」」」」」
みんなの明るい返事が、部室内に響く。ブランジット公爵家から届けられたお菓子や飲み物はとても美味しくて、特にプディングが大好評だった。プディングはプリンとは違う食べ物だ。種類も多い。現代日本でいうプリンは、カラメルカスタードという。スタヴィリス国ではデザート全体が、プディングと呼ばれたりするんだけどね。デザート全体というか、プディングは小麦粉に卵や牛乳を混ぜて、肉やフルーツなどの食材を生地に詰め込んで調理したものだからソーセージもプディングの1種だ。
他にもクランブルプディングやブレッドプディング、スティッキートフィープディングという、伝統的な激甘プディングもあって、男性陣が「うへぇ」ってなっていた。スティッキートフィープディングはスポンジケーキに濃厚なカラメルソースをたっぷりと絡める製法のプディングだから、気持ちは分かる。私も激甘すぎるのは苦手だ。歯に染み入る甘さで虫歯でもないのに歯が痛くなるんだもん。
そんな中、秘密裏にわたしはサミュエル先生に呼ばれた。
「それで、キャシーちゃんの聞きたい事って 何だったのかな?」
「ピアーズ様のお家の事です。どうなったのかと思いまして」
「ピアーズ家の乗っ取りは、実際に画策されていたようだね。シドニー・ピアーズに光魔法が発現しなければ、事故に見せかけて始末する予定だったようだし」
「ピアーズ様を呼んでこなくても良いのでしょうか?」
「呼ばない方がいい。ピアーズ家の親族の自由農民は、違法行為で捕縛されたから」
「捕縛って、何を?」
「違法奴隷売買」
それってさっきファレンノーザ公爵が話していた?
「自分の所の小作人を奴隷として売り飛ばしていたらしい。代わりに国外の奴隷を安く買って、働かせていた。けっこう大きな組織となっていて、今回国軍が一斉摘発したんだそうだ」
気分が重くなった。元日本人として、奴隷という言葉には忌避感がある。でもこの世界では認められていて、スタヴィリス国では法整備もされている。
奴隷の主人にもいろんな人がいて、お義父様のように法を守り奴隷だからと過度に虐げたりせず、家族の一員として接している人が多い。
少数派ではあるけれど過度に搾取し、虐げ、物のように扱う貴族も居ると聞いている。ただしこのような貴族だからと即座に処罰出来ない。なぜなら家庭内の事は治外法権に近い権利が認められているから。これは貴族だけでなく、平民でも同じだ。逃げ場が無いんだよね。
だからこそ私は『教会を逃げ場に出来るように』と、お義父様やお義母様、エドワード様やミリアディス様に話して理解を求め、そうなるように動いてもらっている。
教会に逃げてきてもらえれば、それを理由に教会が介入出来る。あまりにも酷いと感じれば調査権と保護権を行使出来る。そんな場所を作りたい。それが私の願いだ。
「キャシーちゃん?何を考えているんだい?」
「こういった問題は無くならないなと思いまして」
「奴隷問題かい?」
「納得して奴隷となった方は良いのですよ。労働力として奴隷を買って、きちんとした扱いをしている人達も。でも違法奴隷は……」
「キャシーちゃんのゼンセには、奴隷は居なかったの?」
「少なくとも私の国には居ませんでした。奴隷に近い扱いを受けている外国人の方はいらっしゃいましたが、それも一部だったと信じております」
「私の国にはって他の国は?」
「調べた事があるのですが、世界規模で約150人にひとりが現代奴隷制度の被害者だと。5000万人が奴隷制度の被害者だと記憶しています」
「けっこうな数だね。現代奴隷制度って?」
「この世界の今の奴隷制度とたいして変わりませんよ。2,800万人は強制労働、2,200万人は強制結婚を強いられているという状況ですね。強制結婚の場合は、子を産む道具か、賃金の要らない家庭内労働力としか存在価値がないようですし。児童婚も後進国では良くある事だったようです。児童婚は暴力、虐待、搾取の被害の温床となりやすいんですよね」
「なるほどね」
「先程後進国ではと言いましたが、先進国とされる国でも起こっていた事なんです」
「へぇ。色々なんだね。ラッセル氏ならもっと色々知っているかな?」
「そうですわね」
サミュエル先生の執務室から出て、しれっとみんなの輪に入る。私がサミュエル先生に呼ばれるのはしょっちゅうだから、みんなも何事も無かったかのように、自然に受け入れてくれた。
「あれ?フェルナー様、どこに行っていたんですか?」
「サミュエル先生とお話ししておりましたの。お探しになられまして?」
「急に居なくなったのでどこに行ったのかな?って思って。何の話をしていたんですか?」
「ファレンノーザ公爵閣下のお話ですわ。それと救民院についての相談を少々」
「フェルナー様ってスゴいんですね」
「凄いのは周りの方々ですわ。こちらでは何か気になるお話はございまして?」
「えっと、ポーションの使い道というか、使い方が気になった人が居たみたいです。傷に直接掛けて効かないって騒いだりとか。かけて効くポーションって無いんですか?」
「ございますけれど、そちらは飲めませんから。学院で作製出来るポーションは飲用の物のみですのよ」
「そうなんですか?」
「種類を間違うと大変ですからね」
「そうなんですね」
ピアーズ君は素直な性格だから、言われた事は素直に理解する。もしピアーズ君の伯父家族の計画が邪魔が入る事なく実行されていたら、たいした苦もなく成功していただろうと思う。そう思うと光魔法が発現して本当に良かったと思うし、ピアーズ君が学院に居る時に伯父家族が捕縛されたのは、何らかの御意志が働いたのだろうと思ってしまう。
慰労会は各々節度を守りながらも盛り上がり、この先も頑張っていこうと謎の団結力を見せて終了した。
その後、ピアーズ君の周辺は劇的に変わったらしい。ピアーズ君本人は全く変わらないんだけど、伯父家族が丸ごと捕縛された事により、ピアーズ家の治める領地が広がり、ピアーズ準男爵は男爵に昇爵された。その上、伯父が所持していた土地の所有権がピアーズ君の父親に移り、奴隷の所有権も移譲された。
保護されていた奴隷の処遇は、劇的に改善されたらしい。売り飛ばされた小作人達の捜索も行ってはいるけれど、外国に売り飛ばされたから捜索は困難らしい。
保護されていた奴隷達の処遇は改善されたけど、本人達の意識はそうすぐに切り替えられない。洗脳状態だったらしいし、こればかりは時間をかけて接して、意識を正常に戻していくしかない。だから奴隷達は今、ピアーズ領には居ない。ピアーズ家も急に領地が増えて大変だし、しばらくは国軍預かりだそうだ。
ピアーズ君は『ピアーズ男爵嫡男』になって、ちょっと戸惑っていた。そこまで変わらないと思ったら、ピアーズ領についての勉強が増えたからジャクソン先輩が色々教えている。ピアーズ領に詳しくなくても領地経営の勉強はしていたから、ピアーズ君が覚えている領地の事に置き換えて教えているらしい。とはいってもピアーズ君はまだ初等部1学年生。そこまで詳しい勉強はしていないと、ジャクソン先輩は言っていた。
「お疲れ様だったね。バージェフ君が卒業して、最初の武術魔法披露会だったけど、混乱もなくスムーズに役割を終えられた。ありがとう。ブランジット公爵家から菓子や飲み物を運ばせたから、おおいに食べて飲んでもらいたい。まぁ、でも、はしゃぎすぎないようにね」
「「「「「はーい」」」」」
みんなの明るい返事が、部室内に響く。ブランジット公爵家から届けられたお菓子や飲み物はとても美味しくて、特にプディングが大好評だった。プディングはプリンとは違う食べ物だ。種類も多い。現代日本でいうプリンは、カラメルカスタードという。スタヴィリス国ではデザート全体が、プディングと呼ばれたりするんだけどね。デザート全体というか、プディングは小麦粉に卵や牛乳を混ぜて、肉やフルーツなどの食材を生地に詰め込んで調理したものだからソーセージもプディングの1種だ。
他にもクランブルプディングやブレッドプディング、スティッキートフィープディングという、伝統的な激甘プディングもあって、男性陣が「うへぇ」ってなっていた。スティッキートフィープディングはスポンジケーキに濃厚なカラメルソースをたっぷりと絡める製法のプディングだから、気持ちは分かる。私も激甘すぎるのは苦手だ。歯に染み入る甘さで虫歯でもないのに歯が痛くなるんだもん。
そんな中、秘密裏にわたしはサミュエル先生に呼ばれた。
「それで、キャシーちゃんの聞きたい事って 何だったのかな?」
「ピアーズ様のお家の事です。どうなったのかと思いまして」
「ピアーズ家の乗っ取りは、実際に画策されていたようだね。シドニー・ピアーズに光魔法が発現しなければ、事故に見せかけて始末する予定だったようだし」
「ピアーズ様を呼んでこなくても良いのでしょうか?」
「呼ばない方がいい。ピアーズ家の親族の自由農民は、違法行為で捕縛されたから」
「捕縛って、何を?」
「違法奴隷売買」
それってさっきファレンノーザ公爵が話していた?
「自分の所の小作人を奴隷として売り飛ばしていたらしい。代わりに国外の奴隷を安く買って、働かせていた。けっこう大きな組織となっていて、今回国軍が一斉摘発したんだそうだ」
気分が重くなった。元日本人として、奴隷という言葉には忌避感がある。でもこの世界では認められていて、スタヴィリス国では法整備もされている。
奴隷の主人にもいろんな人がいて、お義父様のように法を守り奴隷だからと過度に虐げたりせず、家族の一員として接している人が多い。
少数派ではあるけれど過度に搾取し、虐げ、物のように扱う貴族も居ると聞いている。ただしこのような貴族だからと即座に処罰出来ない。なぜなら家庭内の事は治外法権に近い権利が認められているから。これは貴族だけでなく、平民でも同じだ。逃げ場が無いんだよね。
だからこそ私は『教会を逃げ場に出来るように』と、お義父様やお義母様、エドワード様やミリアディス様に話して理解を求め、そうなるように動いてもらっている。
教会に逃げてきてもらえれば、それを理由に教会が介入出来る。あまりにも酷いと感じれば調査権と保護権を行使出来る。そんな場所を作りたい。それが私の願いだ。
「キャシーちゃん?何を考えているんだい?」
「こういった問題は無くならないなと思いまして」
「奴隷問題かい?」
「納得して奴隷となった方は良いのですよ。労働力として奴隷を買って、きちんとした扱いをしている人達も。でも違法奴隷は……」
「キャシーちゃんのゼンセには、奴隷は居なかったの?」
「少なくとも私の国には居ませんでした。奴隷に近い扱いを受けている外国人の方はいらっしゃいましたが、それも一部だったと信じております」
「私の国にはって他の国は?」
「調べた事があるのですが、世界規模で約150人にひとりが現代奴隷制度の被害者だと。5000万人が奴隷制度の被害者だと記憶しています」
「けっこうな数だね。現代奴隷制度って?」
「この世界の今の奴隷制度とたいして変わりませんよ。2,800万人は強制労働、2,200万人は強制結婚を強いられているという状況ですね。強制結婚の場合は、子を産む道具か、賃金の要らない家庭内労働力としか存在価値がないようですし。児童婚も後進国では良くある事だったようです。児童婚は暴力、虐待、搾取の被害の温床となりやすいんですよね」
「なるほどね」
「先程後進国ではと言いましたが、先進国とされる国でも起こっていた事なんです」
「へぇ。色々なんだね。ラッセル氏ならもっと色々知っているかな?」
「そうですわね」
サミュエル先生の執務室から出て、しれっとみんなの輪に入る。私がサミュエル先生に呼ばれるのはしょっちゅうだから、みんなも何事も無かったかのように、自然に受け入れてくれた。
「あれ?フェルナー様、どこに行っていたんですか?」
「サミュエル先生とお話ししておりましたの。お探しになられまして?」
「急に居なくなったのでどこに行ったのかな?って思って。何の話をしていたんですか?」
「ファレンノーザ公爵閣下のお話ですわ。それと救民院についての相談を少々」
「フェルナー様ってスゴいんですね」
「凄いのは周りの方々ですわ。こちらでは何か気になるお話はございまして?」
「えっと、ポーションの使い道というか、使い方が気になった人が居たみたいです。傷に直接掛けて効かないって騒いだりとか。かけて効くポーションって無いんですか?」
「ございますけれど、そちらは飲めませんから。学院で作製出来るポーションは飲用の物のみですのよ」
「そうなんですか?」
「種類を間違うと大変ですからね」
「そうなんですね」
ピアーズ君は素直な性格だから、言われた事は素直に理解する。もしピアーズ君の伯父家族の計画が邪魔が入る事なく実行されていたら、たいした苦もなく成功していただろうと思う。そう思うと光魔法が発現して本当に良かったと思うし、ピアーズ君が学院に居る時に伯父家族が捕縛されたのは、何らかの御意志が働いたのだろうと思ってしまう。
慰労会は各々節度を守りながらも盛り上がり、この先も頑張っていこうと謎の団結力を見せて終了した。
その後、ピアーズ君の周辺は劇的に変わったらしい。ピアーズ君本人は全く変わらないんだけど、伯父家族が丸ごと捕縛された事により、ピアーズ家の治める領地が広がり、ピアーズ準男爵は男爵に昇爵された。その上、伯父が所持していた土地の所有権がピアーズ君の父親に移り、奴隷の所有権も移譲された。
保護されていた奴隷の処遇は、劇的に改善されたらしい。売り飛ばされた小作人達の捜索も行ってはいるけれど、外国に売り飛ばされたから捜索は困難らしい。
保護されていた奴隷達の処遇は改善されたけど、本人達の意識はそうすぐに切り替えられない。洗脳状態だったらしいし、こればかりは時間をかけて接して、意識を正常に戻していくしかない。だから奴隷達は今、ピアーズ領には居ない。ピアーズ家も急に領地が増えて大変だし、しばらくは国軍預かりだそうだ。
ピアーズ君は『ピアーズ男爵嫡男』になって、ちょっと戸惑っていた。そこまで変わらないと思ったら、ピアーズ領についての勉強が増えたからジャクソン先輩が色々教えている。ピアーズ領に詳しくなくても領地経営の勉強はしていたから、ピアーズ君が覚えている領地の事に置き換えて教えているらしい。とはいってもピアーズ君はまだ初等部1学年生。そこまで詳しい勉強はしていないと、ジャクソン先輩は言っていた。
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