178 / 271
学院中等部 5学年生
友人の心配
しおりを挟む
「別に謝っていただかなくても。何かの意図は感じましたが、それが何かは分かっておりませんし」
「信用出来なくなった?」
「そこまで怒ってはおりません。信用を勝ち取りたければ、もしくは信頼を勝ち取りたければ、真摯な態度が必要になってきますわよ?」
「私は紳士じゃない?」
「先生は紳士でいらっしゃいます。そうではなく真面目に一生懸命に、という意味の方ですわ。分かっておられるでしょうけど」
「キャシーちゃんはいつでも真摯な態度だよね?」
真摯な態度?意味は通じているけど。
「そうあるように心掛けておりますから」
「そういう所が人タラシに通じるんだよね?」
「人タラシ……」
タラシって「人をだます事」や「人をだます人」という意味だよね?先生は「多くの人をとりこにしてしまう人」という意味で言ったんだろうけど、本来は悪い意味なんだよね。
「あれ?キャシーちゃん?」
「タラシってあまり良い意味ではないですわよね?」
「そうだね。でもみんなに好かれるって意味だったんだけど」
「そのような意味がある事も存じております」
「キャシーちゃんは優しいし人の為に一生懸命でしょ?だから人を虜にしちゃうんだよ。これは天性の物だからね。羨ましいよ。私はそういうタイプじゃないから」
「そうでしょうか?先生は悪いように見せる時もありますけれど、本当はお優しいですわよね?人も物事もよく見ていらっしゃいますし」
「キャシーちゃんは人を褒めるのも上手いんだよね」
「事実ですから」
えぇっと、何の話をしてたんだっけ?
「キャスリーン様、そろそろ……」
「そうですわね。先生、申し訳ございません。少し手芸倶楽部に行ってまいります」
「手芸倶楽部?」
「正確には手芸刺繍倶楽部ですわね。教えを請うておりまして」
「あぁ、苦手だって言っていたっけ」
「はい。失礼いたします」
サミュエル先生に挨拶をして部屋を出る。
手芸刺繍倶楽部は手芸倶楽部と刺繍倶楽部から一部の生徒が離脱し、新たに立ち上げた倶楽部だ。離脱といってもクーデターを起こしたとかではなくて、「刺繍もやってみたい」という手芸倶楽部の生徒と「ちょっとした小物も作ってみたい」という刺繍倶楽部の生徒が集まっていたら、お互いの部長から「好きにしなさい」と突き放されたらしい。「好きにしなさい」と突き放した部長達だけど、心配で様子を見に行ってるんだと、それぞれの所属員から教えてもらった。
「キャスリーン様、こちらですわ」
ガブリエラ様が気付いてくれた。ガブリエラ様は薬草研究会の部長だけど、特別参加している。ロゼットを作るんだって。個人でも作れるけど、手芸倶楽部の方がリボンの種類が豊富なんだと言っていた。
「お待たせしました」
この場にシェーン様はいない。女性ばかりだし芸術祭の時から知っていて、万が一も無いだろうと遠慮していただいた。
「そうですわ。フェルナー様、このレース編み、ご存知?」
総レースの大きめの肩掛けを見せられた。背中部分に大きなギプソフィラがレースで編まれている。ギプソフィラ の周りは楕円形の飾り編みがなされていて、まるで額縁のようだ。
「スゴい……」
「王都の教会バザーでお姉様が見つけられたようですわ。タイトルが付いていて『光の聖女様』というんですって」
「……」
もうね。何を言ったら良いのか分かんない。教会のバザーでもタイトルが付いている作品は、たまに出る。そういう作品は貴族が買っていく事が多い。実用的に使わず装飾用だったりするけれど、たいていは良い値が付いている。たまにオークション形式になったりもするけどね。
「売っていたのは男の子で、『光の聖女様に捧げたいから、腕を磨いている』と言っていたそうですわ」
ユリシーズ君?え?このレース編みをひとりで?ひとり、だよね?
刺繍部員に刺繍を教えてもらいながら、考えていた。
「キャスリーン様、集中出来ないようでしたら、休憩なさっては?なんだかずいぶん独創的な図柄になっておりましてよ?」
突然肩をガブリエラ様に揺すられて、ハッとした。
「え?あ、ごめんなさい。あぁ、どうしてこんな色を」
「それ、どなたかにプレゼントされますの?」
「考えておりませんでした」
「あら……」
刺繍していたはずのナーキサスは、みるも無惨に崩れていた。しかも氷の色をと青系の糸を選んでいたのに、なぜかピンクとか黄色とか混ざっている。教えてくれていた刺繍倶楽部員によると、迷いなくピンクの糸を選んで刺し出したそうだ。迷いなくって……。しかも声をかけても答えがなく、仕方なくガブリエラ様を呼んだらしい。
「悩み事でもございますの?」
「特には?先程のレース編みを見て、少し考えてはおりましたが」
教えてくれていた刺繍部員に礼を言って、少しガブリエラ様と話をする。私は刺繍を解きながらだけど。
「キャスリーン様、お疲れでは?刺繍に興味を持ってくださるのは喜ばしい事ですけれど、ご無理はいけませんわ」
私は無理をしているつもりはない。でも無理をしているように見えるのかな?
「無理をしているように見えますか?」
「無理をしているというよりも、余裕がないと申しますか」
「余裕が無い……」
「医師資格取得の特別講座もございますのでしょう?寮ではいつも勉強されているではありませんか。皆、心配しておりますのよ?」
ガブリエラ様の言葉が、静かに染みていった。
「ありがとうございます」
「今日はお休みなさいませ?ね」
「護衛の方をお呼びしてまいりましたわ。ゆっくりされた方がおよろしいわ」
シェーン様が引っ張ってこられた。無抵抗で引っ張られるシェーン様に思わず笑ってしまった。
「キャスリーン様、まいりましょう」
「シェーン様、連れてこられましたの?」
跪いて差し出された手に、自分の手を延ばす。そっと指先に口付けられた。周りからきゃーっと声が上がる。
立ち上がると自然に腕に手を絡ませられる。
「護衛の方はエスコートに慣れておられますの?」
ガブリエラ様が聞いた。
「必要な事でしたので習得いたしました」
素っ気なくシェーン様が答える。
「それでは皆様、失礼いたします」
正直にいうとこの場を離れても解決にはならない。原因は分かってる。同時進行せざるを得ない医師資格取得の特別講座参加と、リーサさんの容態の心配と、ユリシーズ君が無理してないかの心配と、後は私が関われない諸々の心配事。
その中のひとつがシェーン様の事なんだけど。どう考えても護衛の距離じゃないよね?そもそも護衛はエスコートはしないんじゃ?
「どうかなさいましたか?」
「いいえ。聖国行きとそこでの事を考えておりました」
そう。聖国行きも時間が迫ってきている。卒業後すぐに、という事だし、それまでにする事をしておかないと。
「キャスリーン様……。いえ、ご無理だけはなさいませんよう」
何を言いかけたの?聞けないまま寮に着いた。寮母先生に挨拶をして、私にしては早い帰寮に驚かれながらも、学習室の利用許可をもらう。許可をもらわなくても使える学習室だけど、言っておけば何かあった時に寮母先生が探しやすい。
1度部屋に戻って勉強道具を持って、学習室に行く。学習室には個室というか衝立で仕切られたひとり学習用のスペースとオープンな大机のスペースがある。私が今回使用するのはひとり学習用のスペース。
医師資格取得の為には覚えないといけない事が山のようにある。私は前世の知識で多少楽だけど、それでも覚える事は多い。
その内帰ってきたリリス様も一緒になって勉強を教え合って過ごした。当然、ガブリエラ様には休めと言ったのに、と叱られてしまった。
「信用出来なくなった?」
「そこまで怒ってはおりません。信用を勝ち取りたければ、もしくは信頼を勝ち取りたければ、真摯な態度が必要になってきますわよ?」
「私は紳士じゃない?」
「先生は紳士でいらっしゃいます。そうではなく真面目に一生懸命に、という意味の方ですわ。分かっておられるでしょうけど」
「キャシーちゃんはいつでも真摯な態度だよね?」
真摯な態度?意味は通じているけど。
「そうあるように心掛けておりますから」
「そういう所が人タラシに通じるんだよね?」
「人タラシ……」
タラシって「人をだます事」や「人をだます人」という意味だよね?先生は「多くの人をとりこにしてしまう人」という意味で言ったんだろうけど、本来は悪い意味なんだよね。
「あれ?キャシーちゃん?」
「タラシってあまり良い意味ではないですわよね?」
「そうだね。でもみんなに好かれるって意味だったんだけど」
「そのような意味がある事も存じております」
「キャシーちゃんは優しいし人の為に一生懸命でしょ?だから人を虜にしちゃうんだよ。これは天性の物だからね。羨ましいよ。私はそういうタイプじゃないから」
「そうでしょうか?先生は悪いように見せる時もありますけれど、本当はお優しいですわよね?人も物事もよく見ていらっしゃいますし」
「キャシーちゃんは人を褒めるのも上手いんだよね」
「事実ですから」
えぇっと、何の話をしてたんだっけ?
「キャスリーン様、そろそろ……」
「そうですわね。先生、申し訳ございません。少し手芸倶楽部に行ってまいります」
「手芸倶楽部?」
「正確には手芸刺繍倶楽部ですわね。教えを請うておりまして」
「あぁ、苦手だって言っていたっけ」
「はい。失礼いたします」
サミュエル先生に挨拶をして部屋を出る。
手芸刺繍倶楽部は手芸倶楽部と刺繍倶楽部から一部の生徒が離脱し、新たに立ち上げた倶楽部だ。離脱といってもクーデターを起こしたとかではなくて、「刺繍もやってみたい」という手芸倶楽部の生徒と「ちょっとした小物も作ってみたい」という刺繍倶楽部の生徒が集まっていたら、お互いの部長から「好きにしなさい」と突き放されたらしい。「好きにしなさい」と突き放した部長達だけど、心配で様子を見に行ってるんだと、それぞれの所属員から教えてもらった。
「キャスリーン様、こちらですわ」
ガブリエラ様が気付いてくれた。ガブリエラ様は薬草研究会の部長だけど、特別参加している。ロゼットを作るんだって。個人でも作れるけど、手芸倶楽部の方がリボンの種類が豊富なんだと言っていた。
「お待たせしました」
この場にシェーン様はいない。女性ばかりだし芸術祭の時から知っていて、万が一も無いだろうと遠慮していただいた。
「そうですわ。フェルナー様、このレース編み、ご存知?」
総レースの大きめの肩掛けを見せられた。背中部分に大きなギプソフィラがレースで編まれている。ギプソフィラ の周りは楕円形の飾り編みがなされていて、まるで額縁のようだ。
「スゴい……」
「王都の教会バザーでお姉様が見つけられたようですわ。タイトルが付いていて『光の聖女様』というんですって」
「……」
もうね。何を言ったら良いのか分かんない。教会のバザーでもタイトルが付いている作品は、たまに出る。そういう作品は貴族が買っていく事が多い。実用的に使わず装飾用だったりするけれど、たいていは良い値が付いている。たまにオークション形式になったりもするけどね。
「売っていたのは男の子で、『光の聖女様に捧げたいから、腕を磨いている』と言っていたそうですわ」
ユリシーズ君?え?このレース編みをひとりで?ひとり、だよね?
刺繍部員に刺繍を教えてもらいながら、考えていた。
「キャスリーン様、集中出来ないようでしたら、休憩なさっては?なんだかずいぶん独創的な図柄になっておりましてよ?」
突然肩をガブリエラ様に揺すられて、ハッとした。
「え?あ、ごめんなさい。あぁ、どうしてこんな色を」
「それ、どなたかにプレゼントされますの?」
「考えておりませんでした」
「あら……」
刺繍していたはずのナーキサスは、みるも無惨に崩れていた。しかも氷の色をと青系の糸を選んでいたのに、なぜかピンクとか黄色とか混ざっている。教えてくれていた刺繍倶楽部員によると、迷いなくピンクの糸を選んで刺し出したそうだ。迷いなくって……。しかも声をかけても答えがなく、仕方なくガブリエラ様を呼んだらしい。
「悩み事でもございますの?」
「特には?先程のレース編みを見て、少し考えてはおりましたが」
教えてくれていた刺繍部員に礼を言って、少しガブリエラ様と話をする。私は刺繍を解きながらだけど。
「キャスリーン様、お疲れでは?刺繍に興味を持ってくださるのは喜ばしい事ですけれど、ご無理はいけませんわ」
私は無理をしているつもりはない。でも無理をしているように見えるのかな?
「無理をしているように見えますか?」
「無理をしているというよりも、余裕がないと申しますか」
「余裕が無い……」
「医師資格取得の特別講座もございますのでしょう?寮ではいつも勉強されているではありませんか。皆、心配しておりますのよ?」
ガブリエラ様の言葉が、静かに染みていった。
「ありがとうございます」
「今日はお休みなさいませ?ね」
「護衛の方をお呼びしてまいりましたわ。ゆっくりされた方がおよろしいわ」
シェーン様が引っ張ってこられた。無抵抗で引っ張られるシェーン様に思わず笑ってしまった。
「キャスリーン様、まいりましょう」
「シェーン様、連れてこられましたの?」
跪いて差し出された手に、自分の手を延ばす。そっと指先に口付けられた。周りからきゃーっと声が上がる。
立ち上がると自然に腕に手を絡ませられる。
「護衛の方はエスコートに慣れておられますの?」
ガブリエラ様が聞いた。
「必要な事でしたので習得いたしました」
素っ気なくシェーン様が答える。
「それでは皆様、失礼いたします」
正直にいうとこの場を離れても解決にはならない。原因は分かってる。同時進行せざるを得ない医師資格取得の特別講座参加と、リーサさんの容態の心配と、ユリシーズ君が無理してないかの心配と、後は私が関われない諸々の心配事。
その中のひとつがシェーン様の事なんだけど。どう考えても護衛の距離じゃないよね?そもそも護衛はエスコートはしないんじゃ?
「どうかなさいましたか?」
「いいえ。聖国行きとそこでの事を考えておりました」
そう。聖国行きも時間が迫ってきている。卒業後すぐに、という事だし、それまでにする事をしておかないと。
「キャスリーン様……。いえ、ご無理だけはなさいませんよう」
何を言いかけたの?聞けないまま寮に着いた。寮母先生に挨拶をして、私にしては早い帰寮に驚かれながらも、学習室の利用許可をもらう。許可をもらわなくても使える学習室だけど、言っておけば何かあった時に寮母先生が探しやすい。
1度部屋に戻って勉強道具を持って、学習室に行く。学習室には個室というか衝立で仕切られたひとり学習用のスペースとオープンな大机のスペースがある。私が今回使用するのはひとり学習用のスペース。
医師資格取得の為には覚えないといけない事が山のようにある。私は前世の知識で多少楽だけど、それでも覚える事は多い。
その内帰ってきたリリス様も一緒になって勉強を教え合って過ごした。当然、ガブリエラ様には休めと言ったのに、と叱られてしまった。
106
お気に入りに追加
449
あなたにおすすめの小説
悪役令息(冤罪)が婿に来た
花車莉咲
恋愛
前世の記憶を持つイヴァ・クレマー
結婚等そっちのけで仕事に明け暮れていると久しぶりに参加した王家主催のパーティーで王女が婚約破棄!?
王女が婚約破棄した相手は公爵令息?
王女と親しくしていた神の祝福を受けた平民に嫌がらせをした?
あれ?もしかして恋愛ゲームの悪役令嬢じゃなくて悪役令息って事!?しかも公爵家の元嫡男って…
その時改めて婚約破棄されたヒューゴ・ガンダー令息を見た
彼の顔を見た瞬間強い既視感を感じて前世の記憶を掘り起こし彼の事を思い出す
そうオタク友達が話していた恋愛小説のキャラクターだった事を
彼が嫌がらせしたなんて事実はないという事を
その数日後王家から正式な手紙がくる
ヒューゴ・ガンダー令息と婚約するようにと
「こうなったらヒューゴ様は私が幸せする!!」
イヴァは彼を幸せにする為に奮闘する
「君は…どうしてそこまでしてくれるんだ?」「貴方に幸せになってほしいからですわ!」
心に傷を負い悪役令息にされた男とそんな彼を幸せにしたい元オタク令嬢によるラブコメディ
※ざまぁ要素はあると思います
※何もかもファンタジーな世界観なのでふわっとしております
リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します
青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。
キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。
結界が消えた王国はいかに?
婚約破棄されて満足したので聖女辞めますね、神様【完結、以降おまけの日常編】
佐原香奈
恋愛
聖女は生まれる前から強い加護を持つ存在。
人々に加護を分け与え、神に祈りを捧げる忙しい日々を送っていた。
名ばかりの婚約者に毎朝祈りを捧げるのも仕事の一つだったが、いつものように訪れると婚約破棄を言い渡された。
婚約破棄をされて喜んだ聖女は、これ以上の加護を望むのは強欲だと聖女引退を決意する。
それから神の寵愛を無視し続ける聖女と、愛し子に無視される神に泣きつかれた神官長。
婚約破棄を言い出した婚約者はもちろんざまぁ。
だけどどうにかなっちゃうかも!?
誰もかれもがどうにもならない恋愛ストーリー。
作者は神官長推しだけど、お馬鹿な王子も嫌いではない。
王子が頑張れるのか頑張れないのか全ては未定。
勢いで描いたショートストーリー。
サイドストーリーで熱が入って、何故かドタバタ本格展開に!
以降は甘々おまけストーリーの予定だけど、どうなるかは未定
「これは私ですが、そちらは私ではありません」
イチイ アキラ
恋愛
試験結果が貼り出された朝。
その掲示を見に来ていたマリアは、王子のハロルドに指をつきつけられ、告げられた。
「婚約破棄だ!」
と。
その理由は、マリアが試験に不正をしているからだという。
マリアの返事は…。
前世がある意味とんでもないひとりの女性のお話。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
うーん、別に……
柑橘 橙
恋愛
「婚約者はお忙しいのですね、今日もお一人ですか?」
と、言われても。
「忙しい」「後にしてくれ」って言うのは、むこうなんだけど……
あれ?婚約者、要る?
とりあえず、長編にしてみました。
結末にもやっとされたら、申し訳ありません。
お読みくださっている皆様、ありがとうございます。
誤字を訂正しました。
現在、番外編を掲載しています。
仲良くとのメッセージが多かったので、まずはこのようにしてみました。
後々第二王子が苦労する話も書いてみたいと思います。
☆☆辺境合宿編をはじめました。
ゆっくりゆっくり更新になると思いますが、お読みくださると、嬉しいです。
辺境合宿編は、王子視点が増える予定です。イラっとされたら、申し訳ありません。
☆☆☆誤字脱字をおしえてくださる方、ありがとうございます!
☆☆☆☆感想をくださってありがとうございます。公開したくない感想は、承認不要とお書きください。
よろしくお願いいたします。
【本編完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
八重
恋愛
社交界で『稀代の歌姫』の名で知られ、王太子の婚約者でもあったエリーヌ・ブランシェ。
皆の憧れの的だった彼女はある夜会の日、親友で同じ歌手だったロラに嫉妬され、彼女の陰謀で歌声を失った──
ロラに婚約者も奪われ、歌声も失い、さらに冤罪をかけられて牢屋に入れられる。
そして王太子の命によりエリーヌは、『毒公爵』と悪名高いアンリ・エマニュエル公爵のもとへと嫁ぐことになる。
仕事を理由に初日の挨拶もすっぽかされるエリーヌ。
婚約者を失ったばかりだったため、そっと夫を支えていけばいい、愛されなくてもそれで構わない。
エリーヌはそう思っていたのに……。
翌日廊下で会った後にアンリの態度が急変!!
「この娘は誰だ?」
「アンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」
「僕は、結婚したのか?」
側近の言葉も仕事に夢中で聞き流してしまっていたアンリは、自分が結婚したことに気づいていなかった。
自分にこんなにも魅力的で可愛い奥さんが出来たことを知り、アンリの溺愛と好き好き攻撃が止まらなくなり──?!
■恋愛に初々しい夫婦の溺愛甘々シンデレラストーリー。
親友に騙されて恋人を奪われたエリーヌが、政略結婚をきっかけにベタ甘に溺愛されて幸せになるお話。
※他サイトでも投稿中で、『小説家になろう』先行公開です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる