33 / 231
学院初等部 1学年生
冬季休暇
しおりを挟む
冬季休暇に入った。夏期休暇ほど長くないから帰らないで寮に残る人も多いんだけど、私には帰宅命令が下った。ローレンスお義兄様とランベルトお義兄様から。2人して冬季休暇前日に教室に言いにくるんだもの。クラスメートが緊張で固まっていた。
「お義兄様方、どうなさいましたの?」
「キャシー、冬季休暇はタウンハウスに帰るよ」
「お義父様とお義母様からは、何も言われておりませんけれど」
「こっちに手紙が来たからね。私達ならキャシーを置いていかないとお考えになったのだろう」
「分かりましたわ」
お義兄様達が戻っていくと、クラスメートがきゃあきゃあと騒ぎだした。
「副会長様、素敵ですわぁ」
「ランベルト先輩、格好いいよな」
「そこにキャスリーン様が加わったら……」
「夢のような空間でしたわぁぁぁ(夢のような空間だったよなぁぁぁ)」
えぇっと……。
「気にしない方が良いですわよ、キャシーちゃん」
「そうそう。ローレンス先輩もランベルト先輩も人気が高いから。プレ社交会にエスコートしてほしい男性生徒ランキングの、上位に入っているものね」
「エスコートしてほしい男性生徒ランキング?」
「これよ。私は刺繍倶楽部でもらったわ」
「私はジュペニーン語倶楽部で見せていただいたわ」
ジュペニーン語は比較的マイナーな言語で、遠く離れた島国で使われている。でもこのジュペニーン語、表記文字が3種類あって、習得が難しいらしい。見せてもらった事があるけど、多少崩れていたけどそのまま日本語だった。漢字っぽいのはハングルと混ざっていた感じだったし、読めたけど違和感が拭えなかった。ララ様にも見せたんだけど、文字が気持ち悪いって言っていた。
ジュペニーン語倶楽部の人達は、その複雑さが魅力なんだと力説していたけど。
「私は同室の子から見せていただきましたわ。上級生、主に中等部以上でどなたかが作成してらっしゃるのですって」
「どなたかがって、どなたが?」
「分からないと仰っていたわ。各部室にいつの間にか置いてあったりするのですって」
ダニエル様なら探っちゃったりするんだろうか。王家の影って言ってたし。影って諜報活動とかする、忍者みたいなものよね?
「女性生徒ランキングは無いの?」
「聞いた事がないって先輩は仰っていたわ。女性をランク付けするのははしたないって事なんじゃない?」
「男性生徒ランキングもはしたないと思うけど」
「そうよねぇ」
冬季休暇初日、女子寮にお義兄様達が迎えに来てくれた。
「キャシー、荷物はこれだけ?」
「えぇ。タウンハウスにお洋服はあるし、冬季休暇の課題だけですもの」
「へぇ。冬季休暇の課題って?」
私のトランクを軽々と運びながら、ランベルトお義兄様が聞く。
「……刺繍ですわ」
「……キャシーの唯一の苦手分野だね」
「だっ、だって、絵心なんか無いんですもの。前世に置き忘れてきたのですわ」
前世でも絵心は無かったけど。
「そういう所も可愛い」
馬車の中でローレンスお義兄様の頭をポンポンされた。
「ガビーちゃんに教わってはいるのですけど」
「キャシーは紋章とか名前の刺繍は上手なのにね」
「紋章とか名前はお手本がありますでしょう?完全オリジナルはお手本無しですもの」
「自分で考え出すのが苦手?」
「はい」
「観察眼はあると思うんだけど」
「そうでしょうか?」
「怪我とか誰かの体調不良とか、真っ先に気付くでしょ?で、さりげなく離脱させる。初等部に行くと気を使わせるからって、私に言ってくる生徒が何人もいるんだよ。助かりましたってね」
「俺も。剣術倶楽部と体術倶楽部は薬草研究会に世話になっているけど、隠していても見抜かれてしまうって笑ってた」
「ご迷惑だったのでしょうか?」
「迷惑じゃなくて助かったって。後で救護室に行ったら先生に説教食らったみたいだよ。もっと早く来いってさ」
タウンハウスに着くと、お義母様が出迎えてくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま戻りました」
ぎゅっとハグされる。お義兄様達は華麗に回避していた。
「キャシーちゃんだけねぇ。ちゃんと抱き締めさせてくれるのは」
「男性だと照れ臭いというのもあると思いますわ」
「キャシーちゃんは良い子ねぇ」
お義母様にずっと頭をナデナデされているんですが。
恒例となった感のある着せ替えとドレス購入を済ませて、学院での事を話す。お義母様はニコニコと聞いてくれていたけど、野犬のくだりでは叱られてしまった。
「たった1人で飛び出すなんて。ランベルトが気が付いたから良かったものの、一歩間違えばキャシーちゃんも怪我をしていたのよ?」
「反省はしてます。でもあの判断が間違っていたとは思いません」
「間違ってた、合ってたじゃなくてね」
「もしあの時、私が助けを呼びに行かなかったら、先輩方の命は無かったかもしれません。私には知識があった。それを活かせずして何の為に転生したのでしょう。とはいえ、ご心配をお掛け致しました」
「まったく、この子は。キャシーちゃんの命も1つなのよ?覚えておいて」
「はい」
その夜、お義父様にも同じように叱られた。お義父様もお義母様も私を心配してくれるからこそ、こうやって叱ってくれる。それが嬉しかった。
タウンハウスに帰って2日後、私の誕生会が開かれた。
「お誕生日おめでとう」
「お義母様、お義兄様達……」
「うふふ、驚いた?」
「はい」
「キャシー、これは私から。プレゼントだよ」
ローレンスお義兄様からポーション作成の基礎の本をプレゼントされた。ランベルトお義兄様からは万年筆。サファイアブルーに金の模様入りの素敵な万年筆だ。
「兄貴に見繕ってもらった」
「ローレンスお義兄様、ランベルトお義兄様、ありがとうございます」
「キャシーちゃん、私と旦那様からはドレスよ。もうすぐプレ社交会でしょう?ぜひ着てちょうだい」
「ドレス姿を直接見られないのは残念だが」
プレ社交会には、プロの姿絵師が何人も入るらしい。保護者はその絵姿を買うんだって。
この世界にはカメラもあるんだけど、高価な上に被写体は動いてはいけない。話に聞いただけだけど、乾板写真か湿板写真のようだ。よく覚えていないけど、何分間か動いちゃダメなんだよね?
誕生会の食事が終わって部屋に戻ると、フランから真っ白なウサギのぬいぐるみをプレゼントされた。
「お嬢様には子供っぽいかと思いましたが、こんなのしか思い付かなくて」
「ありがとう、フラン。嬉しい」
「こんなに喜んでいただけるとは。エリスとサムとテオとネリーと相談しあった甲斐がございました」
「エリスとサムとテオとネリーも選んでくれたの?」
サムは庭師、テオは厩務員、エリスとネリーはメイドだ。
「1人で考えてたら、エリスとネリーに気付かれたんですよ。テオとサムはいつの間にか話に加わってました」
「ふふっ。みんなにお礼を言わないとね」
「さようでございますね」
翌日からみんなにお礼を言って回っていると、なぜかローレンスお義兄様が不機嫌になってしまった。お義母様は「本当にあの子ったら」と言うだけで助言などいただけないし、ランベルトお義兄様は「膝にでも乗ってやれば機嫌は直るんじゃない?」って剣術の訓練に行ってしまうし、どうしよう。
「ローレンスお義兄様、どうなさったのですか?」
「どうもしないよ。キャシーはみんなから好かれているね」
「はい。嬉しいです」
「私は?」
「お義兄様?」
「まぁ良いや。こっちにおいで」
お義兄様の隣を示された。隣に座ろうとしたら手を引っ張られて、お義兄様の膝に乗ってしまった。
「すみません」
「いいよ。しばらくこのままで居てもらおうかな」
「でも、この距離は兄妹では不適切だと思いますの」
「誰も見てないから良いんだよ」
良くないと思う。
20分位して解放してもらえたけど、なんだか疲れてしまった。
ご機嫌を直したお義兄様は学院寮に帰るまで、ずっとご機嫌だった。お義父様に何か注意されていたけど。
「お義兄様方、どうなさいましたの?」
「キャシー、冬季休暇はタウンハウスに帰るよ」
「お義父様とお義母様からは、何も言われておりませんけれど」
「こっちに手紙が来たからね。私達ならキャシーを置いていかないとお考えになったのだろう」
「分かりましたわ」
お義兄様達が戻っていくと、クラスメートがきゃあきゃあと騒ぎだした。
「副会長様、素敵ですわぁ」
「ランベルト先輩、格好いいよな」
「そこにキャスリーン様が加わったら……」
「夢のような空間でしたわぁぁぁ(夢のような空間だったよなぁぁぁ)」
えぇっと……。
「気にしない方が良いですわよ、キャシーちゃん」
「そうそう。ローレンス先輩もランベルト先輩も人気が高いから。プレ社交会にエスコートしてほしい男性生徒ランキングの、上位に入っているものね」
「エスコートしてほしい男性生徒ランキング?」
「これよ。私は刺繍倶楽部でもらったわ」
「私はジュペニーン語倶楽部で見せていただいたわ」
ジュペニーン語は比較的マイナーな言語で、遠く離れた島国で使われている。でもこのジュペニーン語、表記文字が3種類あって、習得が難しいらしい。見せてもらった事があるけど、多少崩れていたけどそのまま日本語だった。漢字っぽいのはハングルと混ざっていた感じだったし、読めたけど違和感が拭えなかった。ララ様にも見せたんだけど、文字が気持ち悪いって言っていた。
ジュペニーン語倶楽部の人達は、その複雑さが魅力なんだと力説していたけど。
「私は同室の子から見せていただきましたわ。上級生、主に中等部以上でどなたかが作成してらっしゃるのですって」
「どなたかがって、どなたが?」
「分からないと仰っていたわ。各部室にいつの間にか置いてあったりするのですって」
ダニエル様なら探っちゃったりするんだろうか。王家の影って言ってたし。影って諜報活動とかする、忍者みたいなものよね?
「女性生徒ランキングは無いの?」
「聞いた事がないって先輩は仰っていたわ。女性をランク付けするのははしたないって事なんじゃない?」
「男性生徒ランキングもはしたないと思うけど」
「そうよねぇ」
冬季休暇初日、女子寮にお義兄様達が迎えに来てくれた。
「キャシー、荷物はこれだけ?」
「えぇ。タウンハウスにお洋服はあるし、冬季休暇の課題だけですもの」
「へぇ。冬季休暇の課題って?」
私のトランクを軽々と運びながら、ランベルトお義兄様が聞く。
「……刺繍ですわ」
「……キャシーの唯一の苦手分野だね」
「だっ、だって、絵心なんか無いんですもの。前世に置き忘れてきたのですわ」
前世でも絵心は無かったけど。
「そういう所も可愛い」
馬車の中でローレンスお義兄様の頭をポンポンされた。
「ガビーちゃんに教わってはいるのですけど」
「キャシーは紋章とか名前の刺繍は上手なのにね」
「紋章とか名前はお手本がありますでしょう?完全オリジナルはお手本無しですもの」
「自分で考え出すのが苦手?」
「はい」
「観察眼はあると思うんだけど」
「そうでしょうか?」
「怪我とか誰かの体調不良とか、真っ先に気付くでしょ?で、さりげなく離脱させる。初等部に行くと気を使わせるからって、私に言ってくる生徒が何人もいるんだよ。助かりましたってね」
「俺も。剣術倶楽部と体術倶楽部は薬草研究会に世話になっているけど、隠していても見抜かれてしまうって笑ってた」
「ご迷惑だったのでしょうか?」
「迷惑じゃなくて助かったって。後で救護室に行ったら先生に説教食らったみたいだよ。もっと早く来いってさ」
タウンハウスに着くと、お義母様が出迎えてくれた。
「おかえりなさい」
「ただいま戻りました」
ぎゅっとハグされる。お義兄様達は華麗に回避していた。
「キャシーちゃんだけねぇ。ちゃんと抱き締めさせてくれるのは」
「男性だと照れ臭いというのもあると思いますわ」
「キャシーちゃんは良い子ねぇ」
お義母様にずっと頭をナデナデされているんですが。
恒例となった感のある着せ替えとドレス購入を済ませて、学院での事を話す。お義母様はニコニコと聞いてくれていたけど、野犬のくだりでは叱られてしまった。
「たった1人で飛び出すなんて。ランベルトが気が付いたから良かったものの、一歩間違えばキャシーちゃんも怪我をしていたのよ?」
「反省はしてます。でもあの判断が間違っていたとは思いません」
「間違ってた、合ってたじゃなくてね」
「もしあの時、私が助けを呼びに行かなかったら、先輩方の命は無かったかもしれません。私には知識があった。それを活かせずして何の為に転生したのでしょう。とはいえ、ご心配をお掛け致しました」
「まったく、この子は。キャシーちゃんの命も1つなのよ?覚えておいて」
「はい」
その夜、お義父様にも同じように叱られた。お義父様もお義母様も私を心配してくれるからこそ、こうやって叱ってくれる。それが嬉しかった。
タウンハウスに帰って2日後、私の誕生会が開かれた。
「お誕生日おめでとう」
「お義母様、お義兄様達……」
「うふふ、驚いた?」
「はい」
「キャシー、これは私から。プレゼントだよ」
ローレンスお義兄様からポーション作成の基礎の本をプレゼントされた。ランベルトお義兄様からは万年筆。サファイアブルーに金の模様入りの素敵な万年筆だ。
「兄貴に見繕ってもらった」
「ローレンスお義兄様、ランベルトお義兄様、ありがとうございます」
「キャシーちゃん、私と旦那様からはドレスよ。もうすぐプレ社交会でしょう?ぜひ着てちょうだい」
「ドレス姿を直接見られないのは残念だが」
プレ社交会には、プロの姿絵師が何人も入るらしい。保護者はその絵姿を買うんだって。
この世界にはカメラもあるんだけど、高価な上に被写体は動いてはいけない。話に聞いただけだけど、乾板写真か湿板写真のようだ。よく覚えていないけど、何分間か動いちゃダメなんだよね?
誕生会の食事が終わって部屋に戻ると、フランから真っ白なウサギのぬいぐるみをプレゼントされた。
「お嬢様には子供っぽいかと思いましたが、こんなのしか思い付かなくて」
「ありがとう、フラン。嬉しい」
「こんなに喜んでいただけるとは。エリスとサムとテオとネリーと相談しあった甲斐がございました」
「エリスとサムとテオとネリーも選んでくれたの?」
サムは庭師、テオは厩務員、エリスとネリーはメイドだ。
「1人で考えてたら、エリスとネリーに気付かれたんですよ。テオとサムはいつの間にか話に加わってました」
「ふふっ。みんなにお礼を言わないとね」
「さようでございますね」
翌日からみんなにお礼を言って回っていると、なぜかローレンスお義兄様が不機嫌になってしまった。お義母様は「本当にあの子ったら」と言うだけで助言などいただけないし、ランベルトお義兄様は「膝にでも乗ってやれば機嫌は直るんじゃない?」って剣術の訓練に行ってしまうし、どうしよう。
「ローレンスお義兄様、どうなさったのですか?」
「どうもしないよ。キャシーはみんなから好かれているね」
「はい。嬉しいです」
「私は?」
「お義兄様?」
「まぁ良いや。こっちにおいで」
お義兄様の隣を示された。隣に座ろうとしたら手を引っ張られて、お義兄様の膝に乗ってしまった。
「すみません」
「いいよ。しばらくこのままで居てもらおうかな」
「でも、この距離は兄妹では不適切だと思いますの」
「誰も見てないから良いんだよ」
良くないと思う。
20分位して解放してもらえたけど、なんだか疲れてしまった。
ご機嫌を直したお義兄様は学院寮に帰るまで、ずっとご機嫌だった。お義父様に何か注意されていたけど。
200
お気に入りに追加
359
あなたにおすすめの小説
婚約者のいる側近と婚約させられた私は悪の聖女と呼ばれています。
鈴木べにこ
恋愛
幼い頃から一緒に育ってきた婚約者の王子ギルフォードから婚約破棄を言い渡された聖女マリーベル。
突然の出来事に困惑するマリーベルをよそに、王子は自身の代わりに側近である宰相の息子ロイドとマリーベルを王命で強制的に婚約させたと言い出したのであった。
ロイドに愛する婚約者がいるの事を知っていたマリーベルはギルフォードに王命を取り下げるように訴えるが聞いてもらえず・・・。
カクヨム、小説家になろうでも連載中。
※最初の数話はイジメ表現のようなキツイ描写が出てくるので注意。
初投稿です。
勢いで書いてるので誤字脱字や変な表現が多いし、余裕で気付かないの時があるのでお気軽に教えてくださるとありがたいです٩( 'ω' )و
気分転換もかねて、他の作品と同時連載をしています。
【書庫の幽霊王妃は、貴方を愛することができない。】
という作品も同時に書いているので、この作品が気に入りましたら是非読んでみてください。
生まれたときから今日まで無かったことにしてください。
はゆりか
恋愛
産まれた時からこの国の王太子の婚約者でした。
物心がついた頃から毎日自宅での王妃教育。
週に一回王城にいき社交を学び人脈作り。
当たり前のように生活してしていき気づいた時には私は1人だった。
家族からも婚約者である王太子からも愛されていないわけではない。
でも、わたしがいなくてもなんら変わりのない。
家族の中心は姉だから。
決して虐げられているわけではないけどパーティーに着て行くドレスがなくても誰も気づかれないそんな境遇のわたしが本当の愛を知り溺愛されて行くストーリー。
…………
処女作品の為、色々問題があるかとおもいますが、温かく見守っていただけたらとおもいます。
本編完結。
番外編数話続きます。
続編(2章)
『婚約破棄されましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました』連載スタートしました。
そちらもよろしくお願いします。
運命の歯車が壊れるとき
和泉鷹央
恋愛
戦争に行くから、君とは結婚できない。
恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。
他の投稿サイトでも掲載しております。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!
ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。
自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。
しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。
「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」
「は?」
母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。
「もう縁を切ろう」
「マリー」
家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。
義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。
対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。
「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」
都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。
「お兄様にお任せします」
実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる