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学院初等部 1学年生
帰宅
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5日の滞在を終えて、王都に帰る日がやって来た。
いろんな事を体験させてもらった。牧草の刈り取りはオルブライトさんとラッセルさんが大きな鎌を使って刈り取ったのを、私とララ様とアルヴィン君とブランカちゃんで協力して集めた。
お菓子作りでは奥様に教わっていろんなお菓子を作った。ワッフルとかエッグタルトみたいなお菓子とか、クッキーやパイも作ってみんなで食べた。私達のお菓子は形が崩れてしまって不格好だったけど、「腹に入ればみんな一緒。肝心なのは味でしょ」というラッセルさんの言葉にそれもそうだとみんなで頷いて、美味しくいただいた。
「もう帰ってしまうんだね」
「お世話になりました」
「気軽にとは言えないけど、また遊びにおいで」
「はい。ありがとうございました」
この世界では気軽に旅行は出来ない。オルブライトさんとラッセルさんに会うのも最後かもしれない。それでも居住している王都から1日の距離だ。出来るなら何度でも会って話をしたい。
オルブライトさんの牧場を離れて、王都に向かう。途中に私の生まれた家があるはずだけど、避けて進んでいるのかそれとも進路が別なのか、話題に上がる事はなかった。
「この辺りもフェルナー領なのかしら?」
「私も詳しくは分かってないんですよね。お義父様に聞いておきます」
「お父上になんて言ったら、お兄様が拗ねちゃうんじゃない?キャシーちゃんを溺愛しているし」
「領主教育も進んでいるらしいですし、お義兄様に伺っても良いかもしれませんね」
「キャシーちゃんはローレンス様をどう思っているの?」
不意に真剣にララ様に聞かれた。
「どうって、お義兄様ですよ」
「異性としては?」
「意識した事はありません」
「じゃあ、ローレンス様の隣に知らない女性が立っていたら?」
お義兄様の隣に?
「祝福できると思いますけど」
「けど?」
「淋しさはありますね」
「それ以上は?」
「何をお聞きになりたいんです?」
「キャシーちゃんと恋バナしたいなぁって」
両こぶしをアゴの下に当ててきゅるんとした目で見ないでください。あざといです。
「それって私に見せても意味が無いんじゃないですか?」
「だってローレンス様にこれをやったら、絶対零度の目で見られちゃったんだもの」
「やったんですね。好感度はこれ以上下がらないって言われてたのに」
「下がらないなら良いじゃない」
「限界点に達しているって意味だと思ったんですけど。限界突破したいんですか?」
「え?あれってそういう意味?後は上がるだけで下がる事はないって意味かと……」
「お義兄様は「好感度とやらはこれ以上下がらないし、上がる事はあり得ない」って言ってたじゃないですか。これ以上下がらないの部分だけ聞けば後はプラスに転じるって意味でしょうけど、そうじゃなくて下がりきってるから上がってもマイナスだって意味じゃないかと」
「えぇぇぇ……」
落ち込んじゃったララ様の背中を撫でて慰める。
「ララ様ってお義兄様狙いだったんでしたっけ?」
「そうよ。ローレンス様が1番の推しだったの。見ているだけで良かったのよ。それが推しなんだから。でも攻略出来るかもって思っちゃったのよね。乙女ゲームの世界だと思っていたから。ダメよね。推しは応援しなきゃ。恋人になったらダメなのよ」
「そんなものですか?」
推しとかってよく分からない。応援したいって、ファンって事じゃないの?
途中休憩を挟みながら、タウンハウスに着いたのは、夜の7時頃だった。
「おかえり、キャシー」
タウンハウスに着いたら馬車のドアが開けられて、ローレンスお義兄様の笑顔が迎えてくれた。手を差しのべられて、エスコートされながら馬車を降りる。そのまま抱き締められた。
「ただいま戻りました、お義兄様。あの、ここを退かないとララ様が降りられません」
降りた所で抱き締められているから、ララ様が降りられなくて困っていると思う。
「構わないと言っている」
「私はかまいます。お義兄様、馬車も戻さないといけないのですし、馭者のベンも困ってしまいます」
「もう少し」
「お義兄様?」
「5日もキャシーに会えなかった」
「仕方がないですわ。私達は出ていましたし、お義兄様は領主教育がございましたのでしょう?」
「そうだけど」
「ほら、ララ様をお降ろししないと。ここにずっと馬車を置いておくわけにもまいりませんわ」
ここまで言ってやっとお義兄様が離れてくれた。手はしっかり繋がれているけど、ララ様を馬車から降ろして馬車を戻してもらう。
「お義父様はお帰りですか?」
「あぁ。帰っている。母上もランベルトもキャシーを待っているよ」
「キャスリーン様、お着替えをなさいませんと」
フランが言ってくれて、やっと部屋に戻れた。
「フラン、変わった事は?」
「ございません。お嬢様はお楽しみになられましたか?」
「えぇ。楽しかったわ。いろんな事をさせてもらったのよ」
「それはようございました」
旅装を解いて、といっても着替えて髪を整えた位だけど、ホワイエに向かう。
「キャシー、ここにおいで」
ローレンスお義兄様が自分の横をポンポンと叩いた。
先に来ていたララ様とサミュエル先生がそれを見て肩をすくめた。お義父様とお義母様もため息を吐いている。ランベルトお義兄様は見て見ぬふりをしていた。
「お義兄様……」
「どうしたの?おいで」
お義母様を見ると首を振られた。仕方がないのでローレンスお義兄様の座るソファーに歩いていく。
「さぁキャシー、どんな事をしてきたのか聞かせてくれるかい?」
ぴったりとくっついて座りながら、ローレンスお義兄様が言った。私はちゃんと間を開けて座ったのよ?ローレンスお義兄様が近付いてきたの。
「ローレンス……」
「私はちゃんと我慢しましたよ?領主教育の間にキャシーの所に行く事も出来たんです。キャシーが望まないだろうからとやめましたけど。ならば帰ってきたキャシーの話を聞くぐらい良いですよね?」
「そのような事を言っているのではない」
お義兄様とお義父様が言い合いを始めた。お義母様を見ると微笑んで首を振っていた。止める気はないのね。
オルブライトさんの牧場で体験した事を話す。転生の詳細は話していないけど、どういった方なのかはお話しした。
「前世の国は違う国だったのか」
「そうですね。同じ国からだけ転生って、そもそもおかしな話ですし」
「キャシーちゃん、キャシーちゃんは前世の文字って書けるの?」
「どうでしょう?書いた事がないから分かりません。でもおそらく書けないと思います。読む事は出来るでしょうけど」
「それはララさんも同じなのかしら?」
「はい。たぶん。文字を見る事もありませんから、確実とは言えませんが」
ララ様が緊張しながら答えた。
「惜しい。そこは申せませんが正しい」
「あ、すみま……。申し訳ございません」
サミュエル先生の訂正に、ララ様が謝罪する。
「それでも休暇の始めに来られた時よりは、上達なさいましたわ。ララさん、努力なさいましたわね」
「ありがとうございます」
ララ様はお義母様から、言葉遣いの矯正を受けていた。たぶんオルブライトさんの所での会話を聞かれていたら、厳しく矯正されると思う。
ララ様が言葉遣いを矯正しているのは、教会所属の光魔法使いになるから。前世は高校生だったけど衛生観念はしっかりしているし、私が所属するまでに環境を整えるのだそうだ。つまりは私の為だ。
この事を聞かされた時、ララ様に謝った。私の所為でごめんなさい、と。
ララ様は折り合いの悪い実家と縁が切れると喜んでいたらしく、不思議そうな顔で私を見た。
「キャシーちゃんが謝る事じゃないよ。教会所属は私が自分の意思で決めたの。私には出来る事は少ないから、だからキャシーちゃんの為になれるのなら嬉しい」
その言葉を聞いて泣き出してしまって、ローレンスお義兄様が飛んできてララ様を睨んでいた。説明はしたけど今でも疑念が晴れたのかは疑わしい。ララ様は「仕方ないよね」なんて笑っていたけど。
いろんな事を体験させてもらった。牧草の刈り取りはオルブライトさんとラッセルさんが大きな鎌を使って刈り取ったのを、私とララ様とアルヴィン君とブランカちゃんで協力して集めた。
お菓子作りでは奥様に教わっていろんなお菓子を作った。ワッフルとかエッグタルトみたいなお菓子とか、クッキーやパイも作ってみんなで食べた。私達のお菓子は形が崩れてしまって不格好だったけど、「腹に入ればみんな一緒。肝心なのは味でしょ」というラッセルさんの言葉にそれもそうだとみんなで頷いて、美味しくいただいた。
「もう帰ってしまうんだね」
「お世話になりました」
「気軽にとは言えないけど、また遊びにおいで」
「はい。ありがとうございました」
この世界では気軽に旅行は出来ない。オルブライトさんとラッセルさんに会うのも最後かもしれない。それでも居住している王都から1日の距離だ。出来るなら何度でも会って話をしたい。
オルブライトさんの牧場を離れて、王都に向かう。途中に私の生まれた家があるはずだけど、避けて進んでいるのかそれとも進路が別なのか、話題に上がる事はなかった。
「この辺りもフェルナー領なのかしら?」
「私も詳しくは分かってないんですよね。お義父様に聞いておきます」
「お父上になんて言ったら、お兄様が拗ねちゃうんじゃない?キャシーちゃんを溺愛しているし」
「領主教育も進んでいるらしいですし、お義兄様に伺っても良いかもしれませんね」
「キャシーちゃんはローレンス様をどう思っているの?」
不意に真剣にララ様に聞かれた。
「どうって、お義兄様ですよ」
「異性としては?」
「意識した事はありません」
「じゃあ、ローレンス様の隣に知らない女性が立っていたら?」
お義兄様の隣に?
「祝福できると思いますけど」
「けど?」
「淋しさはありますね」
「それ以上は?」
「何をお聞きになりたいんです?」
「キャシーちゃんと恋バナしたいなぁって」
両こぶしをアゴの下に当ててきゅるんとした目で見ないでください。あざといです。
「それって私に見せても意味が無いんじゃないですか?」
「だってローレンス様にこれをやったら、絶対零度の目で見られちゃったんだもの」
「やったんですね。好感度はこれ以上下がらないって言われてたのに」
「下がらないなら良いじゃない」
「限界点に達しているって意味だと思ったんですけど。限界突破したいんですか?」
「え?あれってそういう意味?後は上がるだけで下がる事はないって意味かと……」
「お義兄様は「好感度とやらはこれ以上下がらないし、上がる事はあり得ない」って言ってたじゃないですか。これ以上下がらないの部分だけ聞けば後はプラスに転じるって意味でしょうけど、そうじゃなくて下がりきってるから上がってもマイナスだって意味じゃないかと」
「えぇぇぇ……」
落ち込んじゃったララ様の背中を撫でて慰める。
「ララ様ってお義兄様狙いだったんでしたっけ?」
「そうよ。ローレンス様が1番の推しだったの。見ているだけで良かったのよ。それが推しなんだから。でも攻略出来るかもって思っちゃったのよね。乙女ゲームの世界だと思っていたから。ダメよね。推しは応援しなきゃ。恋人になったらダメなのよ」
「そんなものですか?」
推しとかってよく分からない。応援したいって、ファンって事じゃないの?
途中休憩を挟みながら、タウンハウスに着いたのは、夜の7時頃だった。
「おかえり、キャシー」
タウンハウスに着いたら馬車のドアが開けられて、ローレンスお義兄様の笑顔が迎えてくれた。手を差しのべられて、エスコートされながら馬車を降りる。そのまま抱き締められた。
「ただいま戻りました、お義兄様。あの、ここを退かないとララ様が降りられません」
降りた所で抱き締められているから、ララ様が降りられなくて困っていると思う。
「構わないと言っている」
「私はかまいます。お義兄様、馬車も戻さないといけないのですし、馭者のベンも困ってしまいます」
「もう少し」
「お義兄様?」
「5日もキャシーに会えなかった」
「仕方がないですわ。私達は出ていましたし、お義兄様は領主教育がございましたのでしょう?」
「そうだけど」
「ほら、ララ様をお降ろししないと。ここにずっと馬車を置いておくわけにもまいりませんわ」
ここまで言ってやっとお義兄様が離れてくれた。手はしっかり繋がれているけど、ララ様を馬車から降ろして馬車を戻してもらう。
「お義父様はお帰りですか?」
「あぁ。帰っている。母上もランベルトもキャシーを待っているよ」
「キャスリーン様、お着替えをなさいませんと」
フランが言ってくれて、やっと部屋に戻れた。
「フラン、変わった事は?」
「ございません。お嬢様はお楽しみになられましたか?」
「えぇ。楽しかったわ。いろんな事をさせてもらったのよ」
「それはようございました」
旅装を解いて、といっても着替えて髪を整えた位だけど、ホワイエに向かう。
「キャシー、ここにおいで」
ローレンスお義兄様が自分の横をポンポンと叩いた。
先に来ていたララ様とサミュエル先生がそれを見て肩をすくめた。お義父様とお義母様もため息を吐いている。ランベルトお義兄様は見て見ぬふりをしていた。
「お義兄様……」
「どうしたの?おいで」
お義母様を見ると首を振られた。仕方がないのでローレンスお義兄様の座るソファーに歩いていく。
「さぁキャシー、どんな事をしてきたのか聞かせてくれるかい?」
ぴったりとくっついて座りながら、ローレンスお義兄様が言った。私はちゃんと間を開けて座ったのよ?ローレンスお義兄様が近付いてきたの。
「ローレンス……」
「私はちゃんと我慢しましたよ?領主教育の間にキャシーの所に行く事も出来たんです。キャシーが望まないだろうからとやめましたけど。ならば帰ってきたキャシーの話を聞くぐらい良いですよね?」
「そのような事を言っているのではない」
お義兄様とお義父様が言い合いを始めた。お義母様を見ると微笑んで首を振っていた。止める気はないのね。
オルブライトさんの牧場で体験した事を話す。転生の詳細は話していないけど、どういった方なのかはお話しした。
「前世の国は違う国だったのか」
「そうですね。同じ国からだけ転生って、そもそもおかしな話ですし」
「キャシーちゃん、キャシーちゃんは前世の文字って書けるの?」
「どうでしょう?書いた事がないから分かりません。でもおそらく書けないと思います。読む事は出来るでしょうけど」
「それはララさんも同じなのかしら?」
「はい。たぶん。文字を見る事もありませんから、確実とは言えませんが」
ララ様が緊張しながら答えた。
「惜しい。そこは申せませんが正しい」
「あ、すみま……。申し訳ございません」
サミュエル先生の訂正に、ララ様が謝罪する。
「それでも休暇の始めに来られた時よりは、上達なさいましたわ。ララさん、努力なさいましたわね」
「ありがとうございます」
ララ様はお義母様から、言葉遣いの矯正を受けていた。たぶんオルブライトさんの所での会話を聞かれていたら、厳しく矯正されると思う。
ララ様が言葉遣いを矯正しているのは、教会所属の光魔法使いになるから。前世は高校生だったけど衛生観念はしっかりしているし、私が所属するまでに環境を整えるのだそうだ。つまりは私の為だ。
この事を聞かされた時、ララ様に謝った。私の所為でごめんなさい、と。
ララ様は折り合いの悪い実家と縁が切れると喜んでいたらしく、不思議そうな顔で私を見た。
「キャシーちゃんが謝る事じゃないよ。教会所属は私が自分の意思で決めたの。私には出来る事は少ないから、だからキャシーちゃんの為になれるのなら嬉しい」
その言葉を聞いて泣き出してしまって、ローレンスお義兄様が飛んできてララ様を睨んでいた。説明はしたけど今でも疑念が晴れたのかは疑わしい。ララ様は「仕方ないよね」なんて笑っていたけど。
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