10 / 290
学院初等部 1学年生
学院生活
しおりを挟む
学院生活が始まった。初日からガビーちゃんが起きてこなくて、私が起こすはめになったけど。
「ガビーちゃん、起きて」
返事がない。何度も声をかけて、ノックをして部屋に入る。何これ。初日なのに散らかってるんだけど。
「ガビーちゃん、起きて。遅刻するよ」
「うぅん、もうちょっと……」
「ダーメ、起きて」
たっぷり30分起こし続けて、やっとガビーちゃんが目を開けた。
「おはよぉ、キャシーちゃん」
「ほら、顔を洗って。着替えて食堂に行くわよ」
「うん……」
「寝ちゃダメ。起きて」
二度寝しそうなガビーちゃんを無理に立たせて、洗顔させる。
「おはよう、キャシーちゃん。もう着替えたの?」
「当然よ。朝食に遅れちゃうわ」
バタバタと用意をして、食堂に行く。新入生の半数が来ていなくて、苦笑してしまった。
「おはようございます、キャスリーン様」
「おはようございます。グリンディア先輩」
「セシリアで良いわ。あらあら、グクラン様はまだ眠そうね」
「おはようございます。起きてます」
「セシリア様、まだ来ていない新入生がいるんですけど」
「毎年恒例よ。しばらくはこの状態が続くわ」
「そうなんですね」
セシリア様が声をかけてくださって話をしていると、新入生達も続々と集まってきた。パンと卵とチーズの朝食をいただいて、登校の準備をする。今日から1週間は最上級生の先輩が教室まで送ってくれる。私達の担当はセシリア様のようだ。
「お待たせしました」
「大丈夫よ。行きましょうか」
一緒に行くらしい3グループに声をかけて、全員で移動する。
「1週間で道を覚えてね。警備は立っているけど積極的には声はかけてこないから」
「はい」
寮に1番近いのは中等部。直線で行くならだけど。寮と学習棟は疎林で隔てられていて、それぞれ通路が通っている。男子寮と女子寮は隣り合っているけれど棟数が多いから登下校で一緒になる事は少ない。少ないんだけど……。
「キャシー、おはよう」
「おはようございます、ローレンスお義兄様、ランベルトお義兄様。どうなさったんですか?」
お義兄様達が途中で待っていた。上級生の4人がきゃあっと歓声をあげる。
「キャシーを待ってた」
「嬉しいんですけど、先輩方もいらっしゃいますよ?」
「それでもね。護衛だと思ってくれればいいから」
「護衛って……」
「無いとは思うけどね」
どうやら私の為のようだ。何か情報があったのかな?
「何があったんですか?」
「タウンハウス周辺を彷徨く人物が目撃されたそうだ。王家から警戒せよと通達があった」
「侯爵家だけ?」
「何軒かから通報があったらしい。ウチだけじゃなさそうだ」
貴族学院入学後であれば入寮するから、ある程度の危険は避けられる。変装されて学院内に入り込むのは至難の技らしいけど、絶対的に安心な訳じゃない。
最終的には集団登校並に増えた集団で教室に送ってもらい、授業が始まった。
学院生活も1ヶ月を過ぎ、お義兄様達とランチを一緒に摂っていると、騒がしい声が聞こえた。
「ローレンス様ぁ、ご一緒しても良いですかぁ?」
「断る」
「お席ならぁ、空いてますよねぇ?私はぁ、弟様と一緒でもぉ、かまいませんからぁ」
お義兄様達がはっきりと顔をしかめた。それでもめげずに空いている席に座ろうとするピンクゴールドの髪の女性。誰?この人。
「キャシー、席を移ろう。邪魔が入った」
ローレンスお義兄様が席を立つ。ランベルトお義兄様も私のランチトレーを持って立ち上がった。
「え?でも……」
「あらぁ?誰?このちびっこ」
「行くぞ」
質問に答えずに、ローレンスお義兄様が私を抱き上げる。
「よろしいの?」
「マナーのなっていない図々しい人物とは話したくない」
「せっかくのキャシーとの時間だし。週一しか一緒にランチを摂れないのに」
「でも、あの人、ずっと見てますわよ?」
見てるというか私を睨んでいるというか。
「キャシーも関り合いにならないように、気を付けた方がいい」
少し離れたテーブルでランチを終えた。
それから週一回のお義兄様達とのランチの時には、必ずピンクゴールドの髪の女性が乱入してくるようになった。ローレンスお義兄様は塩対応だしランベルトお義兄様も不愉快さを全面に出している。ランベルトお義兄様は剣を嗜んでいるからか体格もいいし、不機嫌になるとけっこう怖いんだけど、「照れなくってもいいのに」とか言うピンクゴールドのお姉さんは相当な強心臓だと思う。そして私の事は意図的に無視している。1度なんか私を押し退けて転びそうになって、ローレンスお義兄様に支えられたら「やだぁ、どうしたのぉ?気を引きたいからってよろけた振りはダメよぉ、おチビさん」って嗤ってて、ローレンスお義兄様が怒って大変だった。ピンクゴールドさんが本気で怯えてたもの。
授業外交流でセシリア様に相談したら、「あぁ、あの方はねぇ」と笑われた。
「あの方はララ・ノックス様と仰るのよ。光魔法使いだから特殊事例で特別入学された平民の方」
光魔法使いの平民って、ローレンスお義兄様が私の入学式前日にブチブチ言っていた人かな?
「去年までは王子殿下にも言い寄っておられてね。ずいぶん顰蹙を買っておられましたけど」
「あぁ、あの方。王子殿下以外にも高位貴族のお顔の良い殿方に積極的にお声をかけていらっしゃったわね」
別の先輩も話に入ってきた。
「あの方、『テンセイシャ』じゃないかしら?」
「どうしてそう思われますの?」
「『アクヤクレイジョウが』とか『コウリャクタイショウが』とか聞いた子がいるのよ。昔、国家転覆を目論んだ『テンセイシャ』が言っていた言葉と同じだから」
「悪役令嬢に攻略対象ですか?転生者でしょうね」
先輩方がいっせいに私を見た。
「うろ覚えですけどそういった書物があったと思います。乙女ゲームを題材とした世界に転生したとか」
「キャスリーン様も『テンセイシャ』ですものね。でも、うろ覚えですの?」
「本で読んだ程度だと思います。ゲームはあまりしませんでしたし」
「どうしてですの?」
「仕事が忙しくて。最後の時以外も救急救命室勤務だったから、娯楽に時間を取れませんでしたし」
たぶん上手く時間を使えた人も居たんだろうけど、私には無理だったんだと思う。
「『テンセイシャ』も色々ですのね」
「それよりも魔法の授業って、光魔法使いはどうするんですか?数が少ないんですよね?」
「教会から派遣されているはずですわよ?」
ピアノの順番が回ってきた。ピアノは複数台あるけれど、さすがに1人1台は無いから、順番になる。自然にグループメンバーは決まっていて、1台のピアノを5人で使っている。当然個室だけど弾いているのはアップライトピアノだ。芸術棟は大きくて、その中でもピアノレッスン室は1番多い。
今練習しているのは芸術祭に向けた発表曲。初等部から3人、中等部から1人、高等部から1人の合計5人が選出される。初等部の人数が多いのは、新入学生のお披露目も兼ねているから。初等部3人の内の1人は必ず新入学生が選ばれる。今年のピアノ選択者は3人。内1人がピアノで身を立てたいと言っている男爵令嬢で、アリス・ブレイクリー様。この方が選ばれるのを全員が祈っている。私のいるグループとは別グループだけど、みんなアリス・ブレイクリー様の目標を知っているから、ピアノ倶楽部全員で応援している。ただ、代表者を決めるのは学院のピアノの教師をしていらっしゃるケリー先生。全員参加のオーディション形式だから、私達も手を抜けない。ピアノ教師のケリー先生、手を抜くとすごく怖いんだもの。
「アリス様、頑張ってらっしゃるかしら」
「経験豊富な皆様が付いてらっしゃるんですもの。アリス様はケリー先生の奉仕での演奏会で、ピアノを始められたそうですし」
「ガビーちゃん、起きて」
返事がない。何度も声をかけて、ノックをして部屋に入る。何これ。初日なのに散らかってるんだけど。
「ガビーちゃん、起きて。遅刻するよ」
「うぅん、もうちょっと……」
「ダーメ、起きて」
たっぷり30分起こし続けて、やっとガビーちゃんが目を開けた。
「おはよぉ、キャシーちゃん」
「ほら、顔を洗って。着替えて食堂に行くわよ」
「うん……」
「寝ちゃダメ。起きて」
二度寝しそうなガビーちゃんを無理に立たせて、洗顔させる。
「おはよう、キャシーちゃん。もう着替えたの?」
「当然よ。朝食に遅れちゃうわ」
バタバタと用意をして、食堂に行く。新入生の半数が来ていなくて、苦笑してしまった。
「おはようございます、キャスリーン様」
「おはようございます。グリンディア先輩」
「セシリアで良いわ。あらあら、グクラン様はまだ眠そうね」
「おはようございます。起きてます」
「セシリア様、まだ来ていない新入生がいるんですけど」
「毎年恒例よ。しばらくはこの状態が続くわ」
「そうなんですね」
セシリア様が声をかけてくださって話をしていると、新入生達も続々と集まってきた。パンと卵とチーズの朝食をいただいて、登校の準備をする。今日から1週間は最上級生の先輩が教室まで送ってくれる。私達の担当はセシリア様のようだ。
「お待たせしました」
「大丈夫よ。行きましょうか」
一緒に行くらしい3グループに声をかけて、全員で移動する。
「1週間で道を覚えてね。警備は立っているけど積極的には声はかけてこないから」
「はい」
寮に1番近いのは中等部。直線で行くならだけど。寮と学習棟は疎林で隔てられていて、それぞれ通路が通っている。男子寮と女子寮は隣り合っているけれど棟数が多いから登下校で一緒になる事は少ない。少ないんだけど……。
「キャシー、おはよう」
「おはようございます、ローレンスお義兄様、ランベルトお義兄様。どうなさったんですか?」
お義兄様達が途中で待っていた。上級生の4人がきゃあっと歓声をあげる。
「キャシーを待ってた」
「嬉しいんですけど、先輩方もいらっしゃいますよ?」
「それでもね。護衛だと思ってくれればいいから」
「護衛って……」
「無いとは思うけどね」
どうやら私の為のようだ。何か情報があったのかな?
「何があったんですか?」
「タウンハウス周辺を彷徨く人物が目撃されたそうだ。王家から警戒せよと通達があった」
「侯爵家だけ?」
「何軒かから通報があったらしい。ウチだけじゃなさそうだ」
貴族学院入学後であれば入寮するから、ある程度の危険は避けられる。変装されて学院内に入り込むのは至難の技らしいけど、絶対的に安心な訳じゃない。
最終的には集団登校並に増えた集団で教室に送ってもらい、授業が始まった。
学院生活も1ヶ月を過ぎ、お義兄様達とランチを一緒に摂っていると、騒がしい声が聞こえた。
「ローレンス様ぁ、ご一緒しても良いですかぁ?」
「断る」
「お席ならぁ、空いてますよねぇ?私はぁ、弟様と一緒でもぉ、かまいませんからぁ」
お義兄様達がはっきりと顔をしかめた。それでもめげずに空いている席に座ろうとするピンクゴールドの髪の女性。誰?この人。
「キャシー、席を移ろう。邪魔が入った」
ローレンスお義兄様が席を立つ。ランベルトお義兄様も私のランチトレーを持って立ち上がった。
「え?でも……」
「あらぁ?誰?このちびっこ」
「行くぞ」
質問に答えずに、ローレンスお義兄様が私を抱き上げる。
「よろしいの?」
「マナーのなっていない図々しい人物とは話したくない」
「せっかくのキャシーとの時間だし。週一しか一緒にランチを摂れないのに」
「でも、あの人、ずっと見てますわよ?」
見てるというか私を睨んでいるというか。
「キャシーも関り合いにならないように、気を付けた方がいい」
少し離れたテーブルでランチを終えた。
それから週一回のお義兄様達とのランチの時には、必ずピンクゴールドの髪の女性が乱入してくるようになった。ローレンスお義兄様は塩対応だしランベルトお義兄様も不愉快さを全面に出している。ランベルトお義兄様は剣を嗜んでいるからか体格もいいし、不機嫌になるとけっこう怖いんだけど、「照れなくってもいいのに」とか言うピンクゴールドのお姉さんは相当な強心臓だと思う。そして私の事は意図的に無視している。1度なんか私を押し退けて転びそうになって、ローレンスお義兄様に支えられたら「やだぁ、どうしたのぉ?気を引きたいからってよろけた振りはダメよぉ、おチビさん」って嗤ってて、ローレンスお義兄様が怒って大変だった。ピンクゴールドさんが本気で怯えてたもの。
授業外交流でセシリア様に相談したら、「あぁ、あの方はねぇ」と笑われた。
「あの方はララ・ノックス様と仰るのよ。光魔法使いだから特殊事例で特別入学された平民の方」
光魔法使いの平民って、ローレンスお義兄様が私の入学式前日にブチブチ言っていた人かな?
「去年までは王子殿下にも言い寄っておられてね。ずいぶん顰蹙を買っておられましたけど」
「あぁ、あの方。王子殿下以外にも高位貴族のお顔の良い殿方に積極的にお声をかけていらっしゃったわね」
別の先輩も話に入ってきた。
「あの方、『テンセイシャ』じゃないかしら?」
「どうしてそう思われますの?」
「『アクヤクレイジョウが』とか『コウリャクタイショウが』とか聞いた子がいるのよ。昔、国家転覆を目論んだ『テンセイシャ』が言っていた言葉と同じだから」
「悪役令嬢に攻略対象ですか?転生者でしょうね」
先輩方がいっせいに私を見た。
「うろ覚えですけどそういった書物があったと思います。乙女ゲームを題材とした世界に転生したとか」
「キャスリーン様も『テンセイシャ』ですものね。でも、うろ覚えですの?」
「本で読んだ程度だと思います。ゲームはあまりしませんでしたし」
「どうしてですの?」
「仕事が忙しくて。最後の時以外も救急救命室勤務だったから、娯楽に時間を取れませんでしたし」
たぶん上手く時間を使えた人も居たんだろうけど、私には無理だったんだと思う。
「『テンセイシャ』も色々ですのね」
「それよりも魔法の授業って、光魔法使いはどうするんですか?数が少ないんですよね?」
「教会から派遣されているはずですわよ?」
ピアノの順番が回ってきた。ピアノは複数台あるけれど、さすがに1人1台は無いから、順番になる。自然にグループメンバーは決まっていて、1台のピアノを5人で使っている。当然個室だけど弾いているのはアップライトピアノだ。芸術棟は大きくて、その中でもピアノレッスン室は1番多い。
今練習しているのは芸術祭に向けた発表曲。初等部から3人、中等部から1人、高等部から1人の合計5人が選出される。初等部の人数が多いのは、新入学生のお披露目も兼ねているから。初等部3人の内の1人は必ず新入学生が選ばれる。今年のピアノ選択者は3人。内1人がピアノで身を立てたいと言っている男爵令嬢で、アリス・ブレイクリー様。この方が選ばれるのを全員が祈っている。私のいるグループとは別グループだけど、みんなアリス・ブレイクリー様の目標を知っているから、ピアノ倶楽部全員で応援している。ただ、代表者を決めるのは学院のピアノの教師をしていらっしゃるケリー先生。全員参加のオーディション形式だから、私達も手を抜けない。ピアノ教師のケリー先生、手を抜くとすごく怖いんだもの。
「アリス様、頑張ってらっしゃるかしら」
「経験豊富な皆様が付いてらっしゃるんですもの。アリス様はケリー先生の奉仕での演奏会で、ピアノを始められたそうですし」
289
お気に入りに追加
467
あなたにおすすめの小説
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
私が出て行った後、旦那様から後悔の手紙がもたらされました
新野乃花(大舟)
恋愛
ルナとルーク伯爵は婚約関係にあったが、その関係は伯爵の妹であるリリアによって壊される。伯爵はルナの事よりもリリアの事ばかりを優先するためだ。そんな日々が繰り返される中で、ルナは伯爵の元から姿を消す。最初こそ何とも思っていなかった伯爵であったが、その後あるきっかけをもとに、ルナの元に後悔の手紙を送ることとなるのだった…。
傷付いた騎士なんて要らないと妹は言った~残念ながら、変わってしまった関係は元には戻りません~
キョウキョウ
恋愛
ディアヌ・モリエールの妹であるエレーヌ・モリエールは、とてもワガママな性格だった。
両親もエレーヌの意見や行動を第一に優先して、姉であるディアヌのことは雑に扱った。
ある日、エレーヌの婚約者だったジョセフ・ラングロワという騎士が仕事中に大怪我を負った。
全身を包帯で巻き、1人では歩けないほどの重症だという。
エレーヌは婚約者であるジョセフのことを少しも心配せず、要らなくなったと姉のディアヌに看病を押し付けた。
ついでに、婚約関係まで押し付けようと両親に頼み込む。
こうして、出会うことになったディアヌとジョセフの物語。
いらない婚約者と言われたので、そのまま家出してあげます
新野乃花(大舟)
恋愛
カレンの事を婚約者として迎え入れていた、第一王子ノルド。しかし彼は隣国の王族令嬢であるセレーナに目移りしてしまい、その結果カレンの事を婚約破棄してしまう。これでセレーナとの関係を築けると息巻いていたノルドだったものの、セレーナの兄であるデスペラード王はかねてからカレンの事を気に入っており、婚約破棄をきっかけにしてその感情を怒りで満たしてしまう。その結果、ノルドの周りの空気は一変していくこととなり…。
暗闇に輝く星は自分で幸せをつかむ
Rj
恋愛
許婚のせいで見知らぬ女の子からいきなり頬をたたかれたステラ・デュボワは、誰にでもやさしい許婚と高等学校卒業後にこのまま結婚してよいのかと考えはじめる。特待生として通うスペンサー学園で最終学年となり最後の学園生活を送る中、許婚との関係がこじれたり、思わぬ申し出をうけたりとこれまで考えていた将来とはまったく違う方向へとすすんでいく。幸せは自分でつかみます!
ステラの恋と成長の物語です。
*女性蔑視の台詞や場面があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる