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04.スタンリーの誕生日
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二月十七日のスタンリーの誕生日には、歌劇を観に行くことにした。
原作はスタンリーが面白かったと言っていた小説だから、きっと楽しんでくれるだろう。
午後五時で仕事を終わらせてもらったミシェルは、スタンリーが来るのをそのまま図書館で待っていた。しかし午後六時になってもやってくる気配がない。
仕事が終わったらすぐ行くと言ってくれていたし、遅くなっても本を読んでいるから大丈夫だと答えたのはミシェルなのだが。
どうしよう……歌劇は七時からなのに、間に合うのかな……
スタンリーが早く来たなら、レストランで食事をしてからと考えていたが、その時間を捻出できるかわからない。
もしも遅くなるようなら、歌劇はやめて食事だけにした方がいいのかな。
でも、この歌劇は今日までだし、どうしてもスタンリーさんと観たい……
手の中のチケットは、今日のために貯金を使って手に入れたもの。
良い席をとったので、ミシェルにとっては思い切った買い物だった。
無駄になっても仕方ないと思っていても、悲しい気持ちが込み上げてくる。
「あ、いたいた!」
静かな図書館に、一人の男の声が響いた。驚いて顔を上げると、金髪の騎士がミシェルに真っ直ぐ向かってくる。
「ミシェルちゃん!」
「ウィルフレッドさん?」
ウィルフレッドは読書家で、ミシェルがここで働く前からの図書館仲間だ。
彼は十六の時から騎士となり、現在は副団長になっている人物である。
「どうしたんですか?」
「スタンリーに頼まれて来たんだ。ミシェルちゃんと約束してたんだって?」
「はい……あの、スタンリーさんは」
「ちょっとトラブルがあって、遅くなりそうなんだ。だから、一旦家に帰っていてくれって。終わったらすぐに行くって伝言を頼まれたんだけど……」
そう言いながらウィルフレッドは、ミシェルの手に視線を落とした。
「それ……なんのチケット?」
「あ、これは……歌劇なんですけど」
「何時から?」
「七時からです……」
懐中時計で時間を素早く確認したウィルフレッドは、「きびしいな」と一言漏らしたあと、ミシェルに視線をくれた。
「七時前にさ、歌劇ホールの前で待っててよ」
「え?」
「絶対に連れて行く!」
「あの……っ」
風のように現れた金髪の騎士は、風のように去っていった。
ミシェルはウィルフレッドの言葉通り、七時少し前に歌劇ホール前へと到着し、スタンリーを待つことになった。
歌劇ホールへの途中入場は許されていない。時間に来なければ、このチケットはゴミ箱行きだ。
あと五分。
あと四分。
あと三分。
あと二分。
あと一分……もう無理かと諦めかけた、その時。
「悪い、遅くなった!!」
暗い闇の中を、騎士コートをはためかせながらスタンリーが全速力で走ってきた。
「スタンリーさん……!」
「入ろう!」
肩で息をしているスタンリーに、ガバッと肩を抱かれて中へと連れられる。胸がドッキンと跳ねるように鳴って顔が熱くなるも、必死なスタンリーは気づいていないようでホッとした。
チケットを渡して席に着くと、スタンリーはようやく息を吐き出している。
「スタンリーさん、ありがとうございます……来てくれて」
「まさか歌劇とは思っていなかった。すまない、こんな時に仕事で」
「いいえ、驚かせようと黙っていたのは私ですし」
誕生日なのだから、食事かプレゼントだと思っていたのだろう。
ただの小娘に、歌劇に誘われるとは思っていなかったはずだ。それも仕方ない。
だから、懸命に走って来てくれた姿を思い返すと胸がきゅうっとなった。
勢いのまま抱かれた肩が、熱い。きっとスタンリーは、気にもしていないだろうが。
無事に歌劇を見終えたミシェルは、感動でほろりと涙を流してしまった。
それは、歌劇の素晴らしさに感動したのか、一緒にスタンリーと観られたことに感動したのか、どっちかよくわからない。
スタンリーはそんなミシェルの姿を見て、当然のようにハンカチを取り出して拭いてくれた。
優しい、オリーブグリーンのその瞳で。
彼にとっては、子どもを慰めるのと同じような感覚だったのかもしれない。それでも、ミシェルはそうしてくれたことに幸せを感じた。
「すまないがミシェル、騎士の詰所に戻ろうと思う。全てウィル任せて来てしまったから、困っているかもしれない」
「はい、わかりました。今日のメインはこれだったので、私は満足です。それじゃあお仕事、頑張ってくださいね」
「いや、待った。こんな遅くに一人で帰らせるわけには行かない。ミシェルの家はここから遠いし……先に送ろう」
「そんな! 大丈夫ですよ。仕事終わりに一人で帰るなんてざらですし」
「それは夜といってもせいぜい七時くらいのものだろう。その時間なら人通りも灯りもあるが、もう九時半を回っている。一人でなど帰らせられない」
「そんな、子どもじゃないんですから大丈夫ですよ」
「男にとっては、ミシェルも子どもと同じようなものだ」
子どもと同じようなもの。
スタンリーにとっては自分は、子どもでしかなかったのかと目の前が真っ白になった。
確かにミシェルは子どもで、スタンリーは大人だった。あの、路地裏で出会った時は。
「私……そんなに、子どもですか……」
「……え?」
「私、そんなに魅力ありませんか?」
十八で成人を迎え、今はもう十九歳。仕事もしているし、立派な大人だ。そのつもりだ。
そして……女だ。
「子どもじゃないです……私」
「参ったな、そういうつもりじゃ……すまない。言い訳になってしまうが、男から見れば、女も子どもも変わりなく力が弱いというか……夜道を一人で歩くのは危険だと言いたかったんだ」
「女として、見てくれているってことですか」
「もちろん」
「じゃあ、魅力的ですか、私!」
ずいっと一歩近づくと、スタンリーは驚いたように目を広げたあと、きりりと眉を上げた。
「ああ。魅力的な女性だ。だから、心配している」
「ほ、本当に?」
「本当だ」
真剣な瞳でそう言ってくれたのが嬉しくて。ミシェルの胸から泉のように愛情が溢れ出してくる。
言わせてしまったようなものだとわかっていても、喜びを抑えられない。
「ありがとうございます……っ」
「だから、送らせてくれ」
「はい……でも、申し訳なくて……」
そう言った瞬間、「スタンリー!」と声が聞こえた。スタンリーの後ろから、金髪の騎士が歩いて来ている。
「ウィル、例の件はどうなった!」
スタンリーが振り向きざま聞くと、ウィルフレッドはニカニカと笑っている。
「もう、スタンリーは僕の有能さに平伏してもいいよ! ここに団長であるスタンリーのサインさえもらえれば、もう万事解決のところまで漕ぎ着けたよ」
スタンリーは渡された書類に目を通し、納得したのかウィルフレッドの差し出したペンでサインをしている。
「さすがだな、ウィル。助かった」
「給金あげてね!」
「給金を決めるのは俺じゃない。まぁ、口添えはしておいてやるよ」
「よろしくー! じゃ、僕はこれを届けたら帰るから。スタンリーも戻ってくる必要ないからねー」
ウィルフレッドは手をひらひらと振りながら、詰所へと帰って行く。
そんな彼を見届けてから、ミシェルはスタンリーと目を合わせた。
「詰所に戻る必要がなくなったな」
「じゃあ、どこかお店に入ります?」
「いや、どこもラストオーダーは終わっているだろう。ミシェルさえ良ければ……うちに来るか? 簡単な食事くらいなら、出せると思う」
「はい、行きたいです!」
「じゃあそうしよう。少し距離があるが、寒くはないか?」
「大丈夫ですよ、私は年中ぽかぽかで……へくちっ!」
大丈夫と言った途端にくしゃみが出てしまい、痩せ我慢だったとバレてしまっただろうかと苦笑いをスタンリーに向ける。
「これを着るといい」
スマートに騎士コートを脱いだスタンリーは、ミシェルが遠慮する言葉を出す前に、肩に着せてくれた。
大きな手が目の前にきて、一番上のボタンを止めてくれる。ドキドキという心臓の音が聞こえてしまうかもしれないと思うと、恥ずかしくてうつむいてしまった。
「寒くないか?」
「あ、あったかいです……」
そう言いながら、ミシェルは自分の手を口元に持っていき、はぁと息をかけた。
ぐにゃぐにゃと動いてしまう口元を隠すためだったのだが、スタンリーは手がかじかんだと勘違いしたのだろう。
ミシェルは、あたたかくて大きなその手に繋がれた。
「凍える前に行こう」
これは夢だろうか?
ミシェルの体は大きな騎士服に包まれ、右手は男らしい手にしっかりと握られている。
心臓が、耳の後ろでどくどくと鳴っているような感覚。荒くなりそうな息を必死に耐えながら、ミシェルはスタンリーと手を繋いで冬の夜道を歩いた。
原作はスタンリーが面白かったと言っていた小説だから、きっと楽しんでくれるだろう。
午後五時で仕事を終わらせてもらったミシェルは、スタンリーが来るのをそのまま図書館で待っていた。しかし午後六時になってもやってくる気配がない。
仕事が終わったらすぐ行くと言ってくれていたし、遅くなっても本を読んでいるから大丈夫だと答えたのはミシェルなのだが。
どうしよう……歌劇は七時からなのに、間に合うのかな……
スタンリーが早く来たなら、レストランで食事をしてからと考えていたが、その時間を捻出できるかわからない。
もしも遅くなるようなら、歌劇はやめて食事だけにした方がいいのかな。
でも、この歌劇は今日までだし、どうしてもスタンリーさんと観たい……
手の中のチケットは、今日のために貯金を使って手に入れたもの。
良い席をとったので、ミシェルにとっては思い切った買い物だった。
無駄になっても仕方ないと思っていても、悲しい気持ちが込み上げてくる。
「あ、いたいた!」
静かな図書館に、一人の男の声が響いた。驚いて顔を上げると、金髪の騎士がミシェルに真っ直ぐ向かってくる。
「ミシェルちゃん!」
「ウィルフレッドさん?」
ウィルフレッドは読書家で、ミシェルがここで働く前からの図書館仲間だ。
彼は十六の時から騎士となり、現在は副団長になっている人物である。
「どうしたんですか?」
「スタンリーに頼まれて来たんだ。ミシェルちゃんと約束してたんだって?」
「はい……あの、スタンリーさんは」
「ちょっとトラブルがあって、遅くなりそうなんだ。だから、一旦家に帰っていてくれって。終わったらすぐに行くって伝言を頼まれたんだけど……」
そう言いながらウィルフレッドは、ミシェルの手に視線を落とした。
「それ……なんのチケット?」
「あ、これは……歌劇なんですけど」
「何時から?」
「七時からです……」
懐中時計で時間を素早く確認したウィルフレッドは、「きびしいな」と一言漏らしたあと、ミシェルに視線をくれた。
「七時前にさ、歌劇ホールの前で待っててよ」
「え?」
「絶対に連れて行く!」
「あの……っ」
風のように現れた金髪の騎士は、風のように去っていった。
ミシェルはウィルフレッドの言葉通り、七時少し前に歌劇ホール前へと到着し、スタンリーを待つことになった。
歌劇ホールへの途中入場は許されていない。時間に来なければ、このチケットはゴミ箱行きだ。
あと五分。
あと四分。
あと三分。
あと二分。
あと一分……もう無理かと諦めかけた、その時。
「悪い、遅くなった!!」
暗い闇の中を、騎士コートをはためかせながらスタンリーが全速力で走ってきた。
「スタンリーさん……!」
「入ろう!」
肩で息をしているスタンリーに、ガバッと肩を抱かれて中へと連れられる。胸がドッキンと跳ねるように鳴って顔が熱くなるも、必死なスタンリーは気づいていないようでホッとした。
チケットを渡して席に着くと、スタンリーはようやく息を吐き出している。
「スタンリーさん、ありがとうございます……来てくれて」
「まさか歌劇とは思っていなかった。すまない、こんな時に仕事で」
「いいえ、驚かせようと黙っていたのは私ですし」
誕生日なのだから、食事かプレゼントだと思っていたのだろう。
ただの小娘に、歌劇に誘われるとは思っていなかったはずだ。それも仕方ない。
だから、懸命に走って来てくれた姿を思い返すと胸がきゅうっとなった。
勢いのまま抱かれた肩が、熱い。きっとスタンリーは、気にもしていないだろうが。
無事に歌劇を見終えたミシェルは、感動でほろりと涙を流してしまった。
それは、歌劇の素晴らしさに感動したのか、一緒にスタンリーと観られたことに感動したのか、どっちかよくわからない。
スタンリーはそんなミシェルの姿を見て、当然のようにハンカチを取り出して拭いてくれた。
優しい、オリーブグリーンのその瞳で。
彼にとっては、子どもを慰めるのと同じような感覚だったのかもしれない。それでも、ミシェルはそうしてくれたことに幸せを感じた。
「すまないがミシェル、騎士の詰所に戻ろうと思う。全てウィル任せて来てしまったから、困っているかもしれない」
「はい、わかりました。今日のメインはこれだったので、私は満足です。それじゃあお仕事、頑張ってくださいね」
「いや、待った。こんな遅くに一人で帰らせるわけには行かない。ミシェルの家はここから遠いし……先に送ろう」
「そんな! 大丈夫ですよ。仕事終わりに一人で帰るなんてざらですし」
「それは夜といってもせいぜい七時くらいのものだろう。その時間なら人通りも灯りもあるが、もう九時半を回っている。一人でなど帰らせられない」
「そんな、子どもじゃないんですから大丈夫ですよ」
「男にとっては、ミシェルも子どもと同じようなものだ」
子どもと同じようなもの。
スタンリーにとっては自分は、子どもでしかなかったのかと目の前が真っ白になった。
確かにミシェルは子どもで、スタンリーは大人だった。あの、路地裏で出会った時は。
「私……そんなに、子どもですか……」
「……え?」
「私、そんなに魅力ありませんか?」
十八で成人を迎え、今はもう十九歳。仕事もしているし、立派な大人だ。そのつもりだ。
そして……女だ。
「子どもじゃないです……私」
「参ったな、そういうつもりじゃ……すまない。言い訳になってしまうが、男から見れば、女も子どもも変わりなく力が弱いというか……夜道を一人で歩くのは危険だと言いたかったんだ」
「女として、見てくれているってことですか」
「もちろん」
「じゃあ、魅力的ですか、私!」
ずいっと一歩近づくと、スタンリーは驚いたように目を広げたあと、きりりと眉を上げた。
「ああ。魅力的な女性だ。だから、心配している」
「ほ、本当に?」
「本当だ」
真剣な瞳でそう言ってくれたのが嬉しくて。ミシェルの胸から泉のように愛情が溢れ出してくる。
言わせてしまったようなものだとわかっていても、喜びを抑えられない。
「ありがとうございます……っ」
「だから、送らせてくれ」
「はい……でも、申し訳なくて……」
そう言った瞬間、「スタンリー!」と声が聞こえた。スタンリーの後ろから、金髪の騎士が歩いて来ている。
「ウィル、例の件はどうなった!」
スタンリーが振り向きざま聞くと、ウィルフレッドはニカニカと笑っている。
「もう、スタンリーは僕の有能さに平伏してもいいよ! ここに団長であるスタンリーのサインさえもらえれば、もう万事解決のところまで漕ぎ着けたよ」
スタンリーは渡された書類に目を通し、納得したのかウィルフレッドの差し出したペンでサインをしている。
「さすがだな、ウィル。助かった」
「給金あげてね!」
「給金を決めるのは俺じゃない。まぁ、口添えはしておいてやるよ」
「よろしくー! じゃ、僕はこれを届けたら帰るから。スタンリーも戻ってくる必要ないからねー」
ウィルフレッドは手をひらひらと振りながら、詰所へと帰って行く。
そんな彼を見届けてから、ミシェルはスタンリーと目を合わせた。
「詰所に戻る必要がなくなったな」
「じゃあ、どこかお店に入ります?」
「いや、どこもラストオーダーは終わっているだろう。ミシェルさえ良ければ……うちに来るか? 簡単な食事くらいなら、出せると思う」
「はい、行きたいです!」
「じゃあそうしよう。少し距離があるが、寒くはないか?」
「大丈夫ですよ、私は年中ぽかぽかで……へくちっ!」
大丈夫と言った途端にくしゃみが出てしまい、痩せ我慢だったとバレてしまっただろうかと苦笑いをスタンリーに向ける。
「これを着るといい」
スマートに騎士コートを脱いだスタンリーは、ミシェルが遠慮する言葉を出す前に、肩に着せてくれた。
大きな手が目の前にきて、一番上のボタンを止めてくれる。ドキドキという心臓の音が聞こえてしまうかもしれないと思うと、恥ずかしくてうつむいてしまった。
「寒くないか?」
「あ、あったかいです……」
そう言いながら、ミシェルは自分の手を口元に持っていき、はぁと息をかけた。
ぐにゃぐにゃと動いてしまう口元を隠すためだったのだが、スタンリーは手がかじかんだと勘違いしたのだろう。
ミシェルは、あたたかくて大きなその手に繋がれた。
「凍える前に行こう」
これは夢だろうか?
ミシェルの体は大きな騎士服に包まれ、右手は男らしい手にしっかりと握られている。
心臓が、耳の後ろでどくどくと鳴っているような感覚。荒くなりそうな息を必死に耐えながら、ミシェルはスタンリーと手を繋いで冬の夜道を歩いた。
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