28 / 137
アリシア編
07.嬉しくないと言えば、嘘になるのよ
しおりを挟む
ジャンはストレイア軍に入り、筆頭大将であるアリシアの直属の部下となり──そしてそれから、三年の月日が流れた。
彼とは上司と部下という関係だが、プライベートでは姉と弟のような存在である。
ジャン、マックス、ルーシエ、フラッシュという若くも優秀な部下たちに恵まれ、アリシアは忙しい毎日を過ごしていた。
ある休日、アリシアはジャンとともに家にいた。休みが重なった日は、なんとなく一緒に過ごすようになっているのだ。彼は当たり前のようにアリシアの前でミルクティーを飲み、寛いでいる。
「アンナはまだ学校か。もう幼年学校の四年だったか?」
「そうよ。この間十歳になったわ」
「早いな。ロクロウがいなくなって十一年か」
「そんなになるのね。昨日のことのように思い出せるけど」
アリシアは雷神の姿を思い浮かべる。出ていった時のままの、雷神の若い姿を。彼は童顔だったので、今も変わらず若く見えるかもしれないと想像しながら。
「生きてるかな、ロクロウ」
「生きてるに決まってるわよ」
「そろそろ戻ってくればいいのに」
ジャンはたまに雷神の話を持ち出す。雷神のことを話せる人間が他にいないからだろう。ジャンは雷神に懐いていないフリをしていたが、やはり彼の安否は気になるらしい。
「……あのね、ジャン」
そうやって雷神を気にかけるジャンに、アリシアは今まで言わなかったことを伝える決意をした。
真剣な表情のアリシアを見て、ジャンはミルクティーをソーサーに戻している。
「なに、筆頭」
「ロクロウだけど……もうここには帰ってこないわ」
ここはもう『拠点』ではない。アリシアは今まで、ジャンにこの話をしていなかった。雷神の帰りを待つ少年の気持ちを、踏みにじるような事実は。しかし、ジャンもすでに二十二歳である。もう子どもではない。
「もう来ない? そう言ってロクロウは出てったわけじゃないだろ」
「そうだけど、ロクロウの性格を考えればわかるでしょう。すべての遺跡を踏破しないと、満足するわけがないもの」
「じゃあ踏破し終わったら、戻ってくるってことだ」
ジャンの言葉に、アリシアはまっすぐ彼を見る。そして「確かに」と納得して頷いた。今まで考えもしていなかった未来が急に開け、アリシアの目は自然と大きくなった。
「いつ、帰ってくるかしら!?」
「変わり身早いよ、アリシア筆頭」
「遺跡は無限のようにあると思ってたけど、いつかは終わりがくるわよね!」
「まぁ簡単には踏破できないだろうから……せいぜい長生きしなよ」
「ええ、ロクロウが帰ってくるまで死ねないわ!」
「戦場では俺が守るけどね。甘い物、食べ過ぎ」
ジャンはお茶請けに出していた、クッキーやチョコやジャムを指差す。それを毎回一人で全部食べるアリシアを見て、あきれているのだ。
「そ、そうね……控えるわ。……ちょっとだけ」
最後の『ちょっとだけ』を、小さな声で呟く。聞こえているのかいないのか、ジャンは相変わらず色気のたっぷり含んだ目を流してくる。その視線から、アリシアは逃げるように顔を逸らした。
「わ、わかってるわよ。今日はもうやめるわ」
「それがいいね」
アリシアは手に取っていたクッキーを元に戻し、溜め息を吐きそうになっていつものように微笑む。長生きすれば、本当に雷神に再会できるような気がして。幸せの神様が、引き合わせてくれると信じて。
「まぁ、我慢できなくなったらいつでも言って」
「え? お菓子を食べさせてくれるの?」
「いや、そうじゃない」
ジャンは微笑む。悪魔が笑うと、こんな笑みではないだろうかと思わせる笑みを。それは、色気と悪戯が入り混じった、ジャン特有の表情だ。そんな笑みと妖しい視線を送りながら、ジャンはさらりと当然のように言った。
「ロクロウの代わりなら、いつでも相手になるよ」
「……ジャン……」
アリシアはジャンの言葉を受けて、溜め息をつきかけてしかし飲み込み、少し困って微笑む。どう言おうか、と少し迷ったが、結局アリシアは自分の心に素直に言葉を紡いだ。
「その気持ちが嬉しくないと言えば、嘘になるのよ。私を女扱いしてくれる人なんて、今はあなただけだもの。でも、私はロクロウ以外の人とそんな関係になるつもりはないわ」
「そう言えるってことは、我慢できてるからだ。言ったろ。我慢できなくなったらって。今は、頭の片隅に置いておくだけでいいんだよ」
フッとジャンらしい笑みを向けられ、アリシアは言葉を詰まらせた。先ほどジャンに伝えたアリシアの言葉に嘘はない。アリシアは、雷神以外の人となんて考えられないのだ。この先一生、誰かと付き合うことも、ましてや結婚することもないだろう。一生独身、決定である。
(一生、一人……)
もしも雷神が帰ってこなかったら、と思うとゾッとした。つい先ほどまで雷神は帰ってこないものとして考えていたというのに、もしかしてという希望を見出してしまうと、急に一人が怖くなった。
アリシアは視線を泳がせ、そして最終的にジャンの瞳に辿り着く。妖しくも優しい瞳が、こちらを見据えていた。アリシアの瞳よりも深い緑のその瞳。それを見ると、親近感と安心感を抱く自分がいることに気付く。
ジャンの言う通りだ。確かに今はいい。けど将来、寂しさに耐えかねる時が来るかもしれない。
「ジャンの言葉……いつまで有効かしら」
それを聞いて、ジャンはまた笑った。今度は若干、楽しそうに。
「俺が死ぬまで有効だよ」
「ありがとう。心の端に留めておくわ」
「ん……そうしておいて」
ジャンの気持ちが胸に沁みた。なにかを伝えたい気持ちはあったが、上手く言葉にならない。そんな風に戸惑うアリシアを、ジャンはどこか嬉しそうに見つめていた。
「ただいまぁ」
ジャンの瞳を見つめていると、玄関からアンナの声が飛び込んできた。学校を終えて戻ってきたのだ。
「おかえりなさい、アンナ」
「ただいま、お母さん。ジャン、来てたのね。いらっしゃい」
「ああ、お帰り。今日もシウリス様のところに行くのか?」
アンナはよく、シウリスのいる王妃の生家に遊びに行く。シウリスに呼び出されるため行かなくてはならないのだが、アンナ自身も嬉しそうに通っていた。
「ううん。シウリス様は明日からしばらく王都を出るから、今日は忙しくて無理だって」
アンナの言葉に、確かに予定ではそうなっていたとアリシアは頷いた。
第一王妃のマーディア・リーン・バルフォアと、第一王女で現在十五歳のラファエラ・リーン・バルフォア、そして第ニ王子のシウリス・リーン・バルフォアの三人が公務に出るのだ。
王妃のマーディアは、シウリスの後でもう一人、第二王女となるルナリア・リーン・バルフォアを出産している。まだルナリアは五歳のため、公務には同行しないが。
「シウリス様は王妃様に付いてご公務をされるそうね」
「まだ十歳で公務とは、王族は大変だな。俺にはできそうにないね」
「あっはは、私もよ!」
先ほどまでの雰囲気が消え、アリシアはホッとしたような、少し残念なような気持ちで笑った。
「私、暇だから勉強してくるわ。お菓子もらっていい?」
「ええ、いいけどあまり食べ過ぎちゃ駄目よ! 長生きしなきゃいけないんだから」
「……お母さん、いきなりどうしたの?」
アンナは首を傾げながらもクッキーをお皿に取り分け、自分の部屋に戻っていった。
「……危なかった。言っちゃうところだったわ。ロクロウがいつか戻ってくるかもしれない、って」
「言ってもよかったんじゃ?」
「変に期待させない方がいいもの。さて、晩御飯食べていくでしょ? 手伝ってちょうだい」
アリシアがそう言うとジャンは立ち上がり、差し出したジャガイモを文句もなく剥き始めた。
当たり前のように隣にいるそんなジャンの姿を、アリシアはジッと見つめる。その視線に気付いたジャンが、そっと目を細めていた。
彼とは上司と部下という関係だが、プライベートでは姉と弟のような存在である。
ジャン、マックス、ルーシエ、フラッシュという若くも優秀な部下たちに恵まれ、アリシアは忙しい毎日を過ごしていた。
ある休日、アリシアはジャンとともに家にいた。休みが重なった日は、なんとなく一緒に過ごすようになっているのだ。彼は当たり前のようにアリシアの前でミルクティーを飲み、寛いでいる。
「アンナはまだ学校か。もう幼年学校の四年だったか?」
「そうよ。この間十歳になったわ」
「早いな。ロクロウがいなくなって十一年か」
「そんなになるのね。昨日のことのように思い出せるけど」
アリシアは雷神の姿を思い浮かべる。出ていった時のままの、雷神の若い姿を。彼は童顔だったので、今も変わらず若く見えるかもしれないと想像しながら。
「生きてるかな、ロクロウ」
「生きてるに決まってるわよ」
「そろそろ戻ってくればいいのに」
ジャンはたまに雷神の話を持ち出す。雷神のことを話せる人間が他にいないからだろう。ジャンは雷神に懐いていないフリをしていたが、やはり彼の安否は気になるらしい。
「……あのね、ジャン」
そうやって雷神を気にかけるジャンに、アリシアは今まで言わなかったことを伝える決意をした。
真剣な表情のアリシアを見て、ジャンはミルクティーをソーサーに戻している。
「なに、筆頭」
「ロクロウだけど……もうここには帰ってこないわ」
ここはもう『拠点』ではない。アリシアは今まで、ジャンにこの話をしていなかった。雷神の帰りを待つ少年の気持ちを、踏みにじるような事実は。しかし、ジャンもすでに二十二歳である。もう子どもではない。
「もう来ない? そう言ってロクロウは出てったわけじゃないだろ」
「そうだけど、ロクロウの性格を考えればわかるでしょう。すべての遺跡を踏破しないと、満足するわけがないもの」
「じゃあ踏破し終わったら、戻ってくるってことだ」
ジャンの言葉に、アリシアはまっすぐ彼を見る。そして「確かに」と納得して頷いた。今まで考えもしていなかった未来が急に開け、アリシアの目は自然と大きくなった。
「いつ、帰ってくるかしら!?」
「変わり身早いよ、アリシア筆頭」
「遺跡は無限のようにあると思ってたけど、いつかは終わりがくるわよね!」
「まぁ簡単には踏破できないだろうから……せいぜい長生きしなよ」
「ええ、ロクロウが帰ってくるまで死ねないわ!」
「戦場では俺が守るけどね。甘い物、食べ過ぎ」
ジャンはお茶請けに出していた、クッキーやチョコやジャムを指差す。それを毎回一人で全部食べるアリシアを見て、あきれているのだ。
「そ、そうね……控えるわ。……ちょっとだけ」
最後の『ちょっとだけ』を、小さな声で呟く。聞こえているのかいないのか、ジャンは相変わらず色気のたっぷり含んだ目を流してくる。その視線から、アリシアは逃げるように顔を逸らした。
「わ、わかってるわよ。今日はもうやめるわ」
「それがいいね」
アリシアは手に取っていたクッキーを元に戻し、溜め息を吐きそうになっていつものように微笑む。長生きすれば、本当に雷神に再会できるような気がして。幸せの神様が、引き合わせてくれると信じて。
「まぁ、我慢できなくなったらいつでも言って」
「え? お菓子を食べさせてくれるの?」
「いや、そうじゃない」
ジャンは微笑む。悪魔が笑うと、こんな笑みではないだろうかと思わせる笑みを。それは、色気と悪戯が入り混じった、ジャン特有の表情だ。そんな笑みと妖しい視線を送りながら、ジャンはさらりと当然のように言った。
「ロクロウの代わりなら、いつでも相手になるよ」
「……ジャン……」
アリシアはジャンの言葉を受けて、溜め息をつきかけてしかし飲み込み、少し困って微笑む。どう言おうか、と少し迷ったが、結局アリシアは自分の心に素直に言葉を紡いだ。
「その気持ちが嬉しくないと言えば、嘘になるのよ。私を女扱いしてくれる人なんて、今はあなただけだもの。でも、私はロクロウ以外の人とそんな関係になるつもりはないわ」
「そう言えるってことは、我慢できてるからだ。言ったろ。我慢できなくなったらって。今は、頭の片隅に置いておくだけでいいんだよ」
フッとジャンらしい笑みを向けられ、アリシアは言葉を詰まらせた。先ほどジャンに伝えたアリシアの言葉に嘘はない。アリシアは、雷神以外の人となんて考えられないのだ。この先一生、誰かと付き合うことも、ましてや結婚することもないだろう。一生独身、決定である。
(一生、一人……)
もしも雷神が帰ってこなかったら、と思うとゾッとした。つい先ほどまで雷神は帰ってこないものとして考えていたというのに、もしかしてという希望を見出してしまうと、急に一人が怖くなった。
アリシアは視線を泳がせ、そして最終的にジャンの瞳に辿り着く。妖しくも優しい瞳が、こちらを見据えていた。アリシアの瞳よりも深い緑のその瞳。それを見ると、親近感と安心感を抱く自分がいることに気付く。
ジャンの言う通りだ。確かに今はいい。けど将来、寂しさに耐えかねる時が来るかもしれない。
「ジャンの言葉……いつまで有効かしら」
それを聞いて、ジャンはまた笑った。今度は若干、楽しそうに。
「俺が死ぬまで有効だよ」
「ありがとう。心の端に留めておくわ」
「ん……そうしておいて」
ジャンの気持ちが胸に沁みた。なにかを伝えたい気持ちはあったが、上手く言葉にならない。そんな風に戸惑うアリシアを、ジャンはどこか嬉しそうに見つめていた。
「ただいまぁ」
ジャンの瞳を見つめていると、玄関からアンナの声が飛び込んできた。学校を終えて戻ってきたのだ。
「おかえりなさい、アンナ」
「ただいま、お母さん。ジャン、来てたのね。いらっしゃい」
「ああ、お帰り。今日もシウリス様のところに行くのか?」
アンナはよく、シウリスのいる王妃の生家に遊びに行く。シウリスに呼び出されるため行かなくてはならないのだが、アンナ自身も嬉しそうに通っていた。
「ううん。シウリス様は明日からしばらく王都を出るから、今日は忙しくて無理だって」
アンナの言葉に、確かに予定ではそうなっていたとアリシアは頷いた。
第一王妃のマーディア・リーン・バルフォアと、第一王女で現在十五歳のラファエラ・リーン・バルフォア、そして第ニ王子のシウリス・リーン・バルフォアの三人が公務に出るのだ。
王妃のマーディアは、シウリスの後でもう一人、第二王女となるルナリア・リーン・バルフォアを出産している。まだルナリアは五歳のため、公務には同行しないが。
「シウリス様は王妃様に付いてご公務をされるそうね」
「まだ十歳で公務とは、王族は大変だな。俺にはできそうにないね」
「あっはは、私もよ!」
先ほどまでの雰囲気が消え、アリシアはホッとしたような、少し残念なような気持ちで笑った。
「私、暇だから勉強してくるわ。お菓子もらっていい?」
「ええ、いいけどあまり食べ過ぎちゃ駄目よ! 長生きしなきゃいけないんだから」
「……お母さん、いきなりどうしたの?」
アンナは首を傾げながらもクッキーをお皿に取り分け、自分の部屋に戻っていった。
「……危なかった。言っちゃうところだったわ。ロクロウがいつか戻ってくるかもしれない、って」
「言ってもよかったんじゃ?」
「変に期待させない方がいいもの。さて、晩御飯食べていくでしょ? 手伝ってちょうだい」
アリシアがそう言うとジャンは立ち上がり、差し出したジャガイモを文句もなく剥き始めた。
当たり前のように隣にいるそんなジャンの姿を、アリシアはジッと見つめる。その視線に気付いたジャンが、そっと目を細めていた。
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛
らがまふぃん
恋愛
こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。
*らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる