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第十六話 邪気とヒメカ
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先生に報告をした後、ミツバ達はソウジの家までの道を辿って歩いていた。
「この辺りにソウジの術の気配があるわね」
「あともう一つ誰かのあるな……この匂い、どこ家のだったかな」
歩きながらツバキとレンジはそう言う。
人間であるミツバには分からないが、この辺りに術の残滓のようなものが漂っているそうだ。
二人の話では、この残滓はそこまで長く残っているものではないらしい。
という事はソウジはつい先ほどまでここにいた事になる。
しかも術を使用したとなると穏やかではない。やはり何かあったのだ。
(ソウジ君、どこに――)
そう思って辺りを見回した瞬間、
バチッ、
と電気が迸るような音が聞こえてきた。
ハッとしてミツバ達は顔を見合わせる。
そしてその音のした方へ走ると、そこでは、
「ずるい、ずるいずるいずるい! 私だって一緒に遊びに行きましょうっていつも誘っているのに、どうして吾妻さんばかり!」
「僕はミツバさんと婚約しておりますので。一緒に出掛けるのは自然な事ですよ」
「私だってソウジさんの幼馴染ですわ! ずっとずっと仲良くしていたでしょう!?」
あまり顔色の良くないソウジと、もう一人――森川ヒメカが対峙しているところだった。
ただヒメカの様子がおかしい。彼女は身体に赤紫色をした靄のようなものを纏っている。
あれも鬼人の術という奴だろうか。
ミツバがそう思っていると、ヒメカの足元から黒い狼の形を何かがズズ、と這い上がって来た。
それを見てツバキとレンジが「げっ」と顔をしかめる。
「あれはまずいな、邪気を生むレベルは冗談じゃねぇぞ……!」
「何やってんのよ、森川ヒメカは!」
「ソウジ君、大丈夫ですか!?」
そう呼び掛けると、ソウジはハッとしてこちらを向いた。
そして三人の姿を見て目を大きく見開く。
「どうしてここに?」
「いつもの時間にあんたが登校していないって聞いたから、ミツバが探そうって言ったの」
「ミツバさんが……」
ソウジは目を瞬いて、少し嬉しそうに微笑んだ。
そんな彼とは反対に、ヒメカがギロリとミツバを睨んで来る。
「吾妻、ミツバ……」
瞳に、声に、嫉妬の色が強く滲む。
こちらを向いたヒメカはぐっと両手の拳を握りしめた。
「……どうして。どうして、ソウジさんの事を何も知らないあなたに、取られなきゃならないんですの!」
「ミツバさんは関係ありませんし、僕がお願いした事です」
「嘘!」
「嘘ではなく。……僕は昔からはっきりとお伝えしていましたよ。あなたの事が苦手だと、付きまとわれるのが嫌だと」
「嘘よ、ただの照れ隠しでしょう!? だって、お兄様が言っていたもの! ソウジさんはツンデレだって!」
「兄……」
ヒメカから出た言葉に、鬼人の三人は嫌そうな顔になった。
三人共その『お兄様』とやらに面識があるらしい。
「あいつ、本当にそういうところよ……」
「まぁツンデレっちゃあツンデレだろうけどよ……」
「ふふ、心外です」
三人はため息交じりにそう言った。
ミツバにはよく分からないが、その様子を見て『お兄様』がどういう人間なのかを察する。
だが今はそれはどうでも良い事だ。
大事なのはこれをどう収めるかである。
(ヒメカさんの様子から考えると、負の感情が強い……という奴か。あと、あの靄が邪気なのかな)
そうであるなら、ミツバの天秤体質が効くはずだ。
今いる距離では効きが薄いので、もっと近付く必要はあるだろう。
「姉さん、天秤体質って、どうすれば一番効くの?」
「え? そうね、近くにいるだけで効果はあるけど――手を繋いだりとか、抱きしめたりとか、そういう接触が一番効果があるわよ?」
「分かった。やっぱり、もっと近づかないとだね」
「――え?」
ミツバがよし、と頷くと、ツバキとレンジはきょとんとした顔になった。
それから少しして、何をやろうとしているかを察したのか「あ~」と息を吐く。
「お前に良く似てるなぁ」
「当然よ、あたしの妹だもの」
「ふふ。お願いします、姉さん、レンジ先輩」
「もっちろん! いいわ、やっちゃいなさい! ソウジ、あんたも頼むわよ!」
三人一緒に走り出したのを見て、ぎょっとするソウジ。
「え? いや、何を……」
全部の会話が聞こえていなかったようで、困惑した様子でミツバ達を見る。
しかし、ミツバが真っ直ぐにヒメカの方へ向かっているのを見て、何をするのか理解したようだ。
彼はため息を吐き、軽くこめかみを押えた後で、
「吾妻家の血を感じます」
なんて苦笑して、ミツバに向かって守りの術を使った。
◇ ◇ ◇
「あああ、もう、嫌! 嫌ですの! 何で私ばっかり、こんな思いをしなきゃいけないんですの!」
ヒメカはそう叫びながら、ミツバ達に向かって術を放ってくる。
電気が迸る槍を生み出す術だ。
何本も、何本も、バチバチと音をたてながら槍が飛んでくる。
それをソウジの術が弾き、邪気の狼をツバキとレンジが術で出した炎の長刀と炎の太刀で薙ぎ払っていく。
「ちょっと、森川の子って、ここまで出来たの? そりゃ、兄貴はアレだけど!」
「いや、あれ正気じゃねーから、普段の限界を越えてんだろっ」
「やばいじゃない!」
「やばいんだよ! どっちにしろな!」
ツバキとレンジは戦いながらそう話す。
話をしていても動きに無駄はない。二人は的確に邪気の狼を仕留めていく。
以前にソウジが祓い屋の子供の中でもかなり強い方と言っていたが、この事態でも冷静さを失わない姿を見て、なるほどなぁとミツバは思う。
義姉はやっぱりかっこいい。
ミツバがそう思っていると、邪気の一匹が、ソウジの守りより高く跳んでミツバの頭上に差し掛かった。
「危ない!」
その瞬間、そんな声が響く。
同時に狼が真っ二つに斬り飛ばされる。
えっ、とミツバが顔だけ振り返ると、氷で出来た刀を手に持った御堂コウの姿があった。
肩で息をしている。
急いで駆けつけて来てくれたのだろうか。
「ありがとうございます!」
ミツバはお礼だけ言うと、ヒメカの元へ走る。
あと少し。
もう数歩。
ソウジが防ぎ、ツバキ達が蹴散らしてくれた中をミツバは走り、そしてヒメカの目の前まで来る。
至近距離で目が合う。
「え、な」
「失礼します、森川さん」
動揺するヒメカを、ミツバは両手で抱きしめた。
ぎゅう、と力を込める。
するとヒメカを取り巻いていた赤紫色の靄が、サァ、と消えて行く。
「…………ッ」
すると徐々にヒメカの目に正気が戻って来た。
「……え? あれ……?」
そしてそう呟くと、ふっ、と彼女の身体の力が抜ける。
急に重さが増してミツバは慌てて足を踏ん張った。
それからヒメカの顔を覗くと、目が閉じられている。
気絶したのだろう。
ミツバはほっと息を吐いた。
その直後くらいに、ツバキが邪気の最後の一匹を仕留める。
「はぁー、何とかなったわね……」
「いや本当に迷惑な話だよ……」
「あの……これは一体何だったので……?」
ツバキとレンジはため息をつき、コウは首を傾げながらそう聞いている。
何だったのかはミツバにも良く分からないが、とりあえず、全員無事に終える事が出来たようだ。
良かった、と思っていると、
ドサ、
と何かが倒れる音が聞こえた。
反射的に顔を向けると、
「ソウジ君っ!?」
ソウジが青い顔で地面に倒れていた。
「この辺りにソウジの術の気配があるわね」
「あともう一つ誰かのあるな……この匂い、どこ家のだったかな」
歩きながらツバキとレンジはそう言う。
人間であるミツバには分からないが、この辺りに術の残滓のようなものが漂っているそうだ。
二人の話では、この残滓はそこまで長く残っているものではないらしい。
という事はソウジはつい先ほどまでここにいた事になる。
しかも術を使用したとなると穏やかではない。やはり何かあったのだ。
(ソウジ君、どこに――)
そう思って辺りを見回した瞬間、
バチッ、
と電気が迸るような音が聞こえてきた。
ハッとしてミツバ達は顔を見合わせる。
そしてその音のした方へ走ると、そこでは、
「ずるい、ずるいずるいずるい! 私だって一緒に遊びに行きましょうっていつも誘っているのに、どうして吾妻さんばかり!」
「僕はミツバさんと婚約しておりますので。一緒に出掛けるのは自然な事ですよ」
「私だってソウジさんの幼馴染ですわ! ずっとずっと仲良くしていたでしょう!?」
あまり顔色の良くないソウジと、もう一人――森川ヒメカが対峙しているところだった。
ただヒメカの様子がおかしい。彼女は身体に赤紫色をした靄のようなものを纏っている。
あれも鬼人の術という奴だろうか。
ミツバがそう思っていると、ヒメカの足元から黒い狼の形を何かがズズ、と這い上がって来た。
それを見てツバキとレンジが「げっ」と顔をしかめる。
「あれはまずいな、邪気を生むレベルは冗談じゃねぇぞ……!」
「何やってんのよ、森川ヒメカは!」
「ソウジ君、大丈夫ですか!?」
そう呼び掛けると、ソウジはハッとしてこちらを向いた。
そして三人の姿を見て目を大きく見開く。
「どうしてここに?」
「いつもの時間にあんたが登校していないって聞いたから、ミツバが探そうって言ったの」
「ミツバさんが……」
ソウジは目を瞬いて、少し嬉しそうに微笑んだ。
そんな彼とは反対に、ヒメカがギロリとミツバを睨んで来る。
「吾妻、ミツバ……」
瞳に、声に、嫉妬の色が強く滲む。
こちらを向いたヒメカはぐっと両手の拳を握りしめた。
「……どうして。どうして、ソウジさんの事を何も知らないあなたに、取られなきゃならないんですの!」
「ミツバさんは関係ありませんし、僕がお願いした事です」
「嘘!」
「嘘ではなく。……僕は昔からはっきりとお伝えしていましたよ。あなたの事が苦手だと、付きまとわれるのが嫌だと」
「嘘よ、ただの照れ隠しでしょう!? だって、お兄様が言っていたもの! ソウジさんはツンデレだって!」
「兄……」
ヒメカから出た言葉に、鬼人の三人は嫌そうな顔になった。
三人共その『お兄様』とやらに面識があるらしい。
「あいつ、本当にそういうところよ……」
「まぁツンデレっちゃあツンデレだろうけどよ……」
「ふふ、心外です」
三人はため息交じりにそう言った。
ミツバにはよく分からないが、その様子を見て『お兄様』がどういう人間なのかを察する。
だが今はそれはどうでも良い事だ。
大事なのはこれをどう収めるかである。
(ヒメカさんの様子から考えると、負の感情が強い……という奴か。あと、あの靄が邪気なのかな)
そうであるなら、ミツバの天秤体質が効くはずだ。
今いる距離では効きが薄いので、もっと近付く必要はあるだろう。
「姉さん、天秤体質って、どうすれば一番効くの?」
「え? そうね、近くにいるだけで効果はあるけど――手を繋いだりとか、抱きしめたりとか、そういう接触が一番効果があるわよ?」
「分かった。やっぱり、もっと近づかないとだね」
「――え?」
ミツバがよし、と頷くと、ツバキとレンジはきょとんとした顔になった。
それから少しして、何をやろうとしているかを察したのか「あ~」と息を吐く。
「お前に良く似てるなぁ」
「当然よ、あたしの妹だもの」
「ふふ。お願いします、姉さん、レンジ先輩」
「もっちろん! いいわ、やっちゃいなさい! ソウジ、あんたも頼むわよ!」
三人一緒に走り出したのを見て、ぎょっとするソウジ。
「え? いや、何を……」
全部の会話が聞こえていなかったようで、困惑した様子でミツバ達を見る。
しかし、ミツバが真っ直ぐにヒメカの方へ向かっているのを見て、何をするのか理解したようだ。
彼はため息を吐き、軽くこめかみを押えた後で、
「吾妻家の血を感じます」
なんて苦笑して、ミツバに向かって守りの術を使った。
◇ ◇ ◇
「あああ、もう、嫌! 嫌ですの! 何で私ばっかり、こんな思いをしなきゃいけないんですの!」
ヒメカはそう叫びながら、ミツバ達に向かって術を放ってくる。
電気が迸る槍を生み出す術だ。
何本も、何本も、バチバチと音をたてながら槍が飛んでくる。
それをソウジの術が弾き、邪気の狼をツバキとレンジが術で出した炎の長刀と炎の太刀で薙ぎ払っていく。
「ちょっと、森川の子って、ここまで出来たの? そりゃ、兄貴はアレだけど!」
「いや、あれ正気じゃねーから、普段の限界を越えてんだろっ」
「やばいじゃない!」
「やばいんだよ! どっちにしろな!」
ツバキとレンジは戦いながらそう話す。
話をしていても動きに無駄はない。二人は的確に邪気の狼を仕留めていく。
以前にソウジが祓い屋の子供の中でもかなり強い方と言っていたが、この事態でも冷静さを失わない姿を見て、なるほどなぁとミツバは思う。
義姉はやっぱりかっこいい。
ミツバがそう思っていると、邪気の一匹が、ソウジの守りより高く跳んでミツバの頭上に差し掛かった。
「危ない!」
その瞬間、そんな声が響く。
同時に狼が真っ二つに斬り飛ばされる。
えっ、とミツバが顔だけ振り返ると、氷で出来た刀を手に持った御堂コウの姿があった。
肩で息をしている。
急いで駆けつけて来てくれたのだろうか。
「ありがとうございます!」
ミツバはお礼だけ言うと、ヒメカの元へ走る。
あと少し。
もう数歩。
ソウジが防ぎ、ツバキ達が蹴散らしてくれた中をミツバは走り、そしてヒメカの目の前まで来る。
至近距離で目が合う。
「え、な」
「失礼します、森川さん」
動揺するヒメカを、ミツバは両手で抱きしめた。
ぎゅう、と力を込める。
するとヒメカを取り巻いていた赤紫色の靄が、サァ、と消えて行く。
「…………ッ」
すると徐々にヒメカの目に正気が戻って来た。
「……え? あれ……?」
そしてそう呟くと、ふっ、と彼女の身体の力が抜ける。
急に重さが増してミツバは慌てて足を踏ん張った。
それからヒメカの顔を覗くと、目が閉じられている。
気絶したのだろう。
ミツバはほっと息を吐いた。
その直後くらいに、ツバキが邪気の最後の一匹を仕留める。
「はぁー、何とかなったわね……」
「いや本当に迷惑な話だよ……」
「あの……これは一体何だったので……?」
ツバキとレンジはため息をつき、コウは首を傾げながらそう聞いている。
何だったのかはミツバにも良く分からないが、とりあえず、全員無事に終える事が出来たようだ。
良かった、と思っていると、
ドサ、
と何かが倒れる音が聞こえた。
反射的に顔を向けると、
「ソウジ君っ!?」
ソウジが青い顔で地面に倒れていた。
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