1日1小説書けるかな(短編集)

toku

文字の大きさ
上 下
27 / 40

(4日空いての27日目)美女と野獣のヒロイン転生?

しおりを挟む
私は前世の記憶がある状態で転生した。
けど、特に何も前世を生かさず、生きてきた。
平凡な町娘として生きてきた……

が!

近くの山奥にあるお城に、野獣が住んでいると言うウワサがこの町に流れた。
特に悪さはしていない。
見た目が怖いから、会うとビックリして皆逃げ出すけど。

野獣……

それって、もしかして……!
実はイケメンなのでは!?

……と前世の知識から、そう思った。
そう言う物語を前世で読んだ記憶があるのだ。

私は野獣に会いに行こうと思った。
イケメン、イケメン……

「野獣の所へ行くなんて、よしておくれ」お母さんが涙ながらに言う。

申し訳なくなったが、
「大丈夫よ、お母さん」
だって野獣は本当は優しいイケメンだもの。

そのとき、隣の家に住む幼なじみの男の子が、玄関で揉める私達母子を見て、やって来た。

「どうしたんです?」彼が言うと、
「この子が……」お母さんが彼に助けを求めるような口調で、
「野獣のところへ行く、と言うの」

「何だって!」驚く彼。
「一緒に止めておくれ!」頼む母。

面倒なことになった……

「行くな」彼が私の前に立ちはだかった。

「どいてよ!」私は彼に立ち向かった。
「何処へ行こうが、私の勝手でしょ!」

そう言って彼を見ると、彼は目を細め、
「勝手にはさせない……」

「何であなたがそんなことを言うのよ!」私は詰め寄った。
「ただの幼なじみでしょ!」

すると彼はじりじりと私に寄ってきて……
私は後ずさりした。

とうとう私は壁前まで追いやられて……

ドン!

彼は私の顔の横の、後ろの壁に、右手を付いて、
「ただの幼なじみ、なんかじゃない」

「え……」私は彼を見つめた。

「俺にとっては『ただの幼なじみ』じゃない」

私は苦しげな表情の彼をジッと見つめた。
そして見つめているうちにドキドキしてきた。

彼って……
こんなに、イケメンだったかしら……
小さい頃から一緒にいたから、あまり意識していなかったけど、いつの間にかとても素敵な男性になっている……

私は野獣の住む城へ行くのをやめて、その後、幼なじみと結婚した。

野獣はそのうちいなくなった。
多分、誰か町娘の無償の愛によってイケメンに戻ったのだろう……

でも、その娘が私じゃなくても後悔していない。

ずっと私を見守っていてくれた、幼なじみが、私の王子様だったのだもの……♡





――終――
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

“5分”で読めるお仕置きストーリー

ロアケーキ
大衆娯楽
休憩時間に、家事の合間に、そんな“スキマ時間”で読めるお話をイメージしました🌟 基本的に、それぞれが“1話完結”です。 甘いものから厳し目のものまで投稿する予定なので、時間潰しによろしければ🎂

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

妻がエロくて死にそうです

菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。 美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。 こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。 それは…… 限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

生意気な女の子久しぶりのお仕置き

恩知らずなわんこ
現代文学
久しくお仕置きを受けていなかった女の子彩花はすっかり調子に乗っていた。そんな彩花はある事から久しぶりに厳しいお仕置きを受けてしまう。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...