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二年生
彼は『あい』を探してる
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綺麗で可愛い幼馴染と、かっこよくて自慢の幼馴染が藤貴にはいる。
「またあとで、藤高君」
隣のクラスの彼女と別れて、自分のクラスに入る。おはよう、と駆けられる声に挨拶を返しながらすでに来てるだろう幼馴染の席を見れば、姿はおろか荷物ひとつない。この時間なら来ていても可笑しくないのに。ポケットのスマホを見ても、連絡は入っていない。……なんとなく、悪い予感がする。
綺麗で可愛いほうの幼馴染は健康とは言い難く、小さい頃から体が弱かった。今でも季節の変わり目には体調を崩すし、本人は否定してるけど僕は虚弱だと認識してる。もう一人もおんなじ認識なんじゃないかな。
あの子が体調を崩すにしては時期が早いし、もう一人は単純にサボりだろう。僕を省いて、二人で楽しんでいるというわけかな。心の内にもやもやと黒い感情が広がった。
「あ、倉田君。僕早退するから先生に言っといて」
近くに座っていたクラスメイトに早退すると伝えて、来たばっかりだけど玄関へと逆戻りする。僕をハブにしてふたりで楽しむなんて許さないんだから! もちろん、口に出したりはしないさ。放課後に彼女とどこか遊びに行こうと話していたけど、とても心苦しいが幼馴染みたちの危機なんだ、わかっておくれ。後でフォローの連絡でも入れておかないと。今回の彼女はちょっと、というかかなり束縛が激しい子だ。
最近、あの子はとても綺麗に、とても可愛くなった気がする。綺麗で可愛いのは元からなんだけど、なんて言うのかな、内側から溢れる雰囲気が以前と比べて柔らかくなった。前は僕たちだけだったのにクラスメイトとよく話すようになったし、生徒会の手伝いにも言っているみたいでとても社交的になった。いい、傾向なんだろうけど、僕からしたらちょっと寂しい。前は僕たちだけで、僕たちの世界で終わっていたのに。あの子はちゃんと自覚しているのかな、邪まな目で見られているって。きっと、自覚もなにもしていないんだろうね。だって、あの子は弟以外は顔が分からないんだもの。
「……出ない」
靴を履いて、玄関を出てからサボっているだろう彼――さっちゃんに電話をかけるけど全く出る気配がない。電話に出る気がないのはいつものこと、だけど十コールくらいすれば物凄く面倒くさそうな声で出てくれるんだけどなあ。しまいにはブツッと切られた。おう、後で覚えてろよ。
じゃあ、と思い双葉ちゃんの方に電話をかけるが、こっちも出ない。まぁ、、双葉ちゃんだし。携帯不携帯の子だから。電源入ってないのなんてざら、出かけるのに携帯置いていくとかよくあることだ。心配だからせめて持ち歩いてくれ、と口酸っぱくして言ってるんだけど、なかなか学習してくれない。もしものことがあってからじゃ遅いって言ってるのに分かってくれない。
あの子は自分のことを平々凡々だ、と常日頃から言っているがどこが平凡なものか。そこらへんにいる女の子よりも双葉ちゃんは綺麗で可愛い。天使の環がある黒髪ストレートのロングヘアは艶やかでシャンプーのCMとかに出れそうだし、眠そうな目はぼんやりとしててにゃんこみたい。口紅要らずの真っ赤な唇に真っ白い肌は双葉ちゃんが大好きだった白雪姫みたいだ。『ファン』の間じゃあ『白雪姫』って呼ばれてるらしいよ、ムカつくことにね。僕たちの許可もなく勝手に親衛隊とかそういうの設立してるって聞いたときはどうしてやろうかと思ったよ。
美醜にというか、身形にはそれなりに厳しいと自負してる僕だけど、双葉ちゃんは文句なしに可愛い。僕の中じゃあ一番に輝いてる。
――好きな人でも、できたのかな。時折、心ここに在らずといった様子になる彼女は物憂げで影を帯び、とても、一層、美しく僕の目に映る。女の子は恋をすると可愛くなるんだ。どんどん綺麗に、可愛くなっていく双葉ちゃんが心配で僕は目が離せない。あの子が好きになった人ならきっととても素敵な人だろう。けど、もし、万が一にも、そいつがあの子に害を成すようだったら、僕は絶対に許さない。
「……どこぞの奴と付き合うくらいなら、佐之助と付き合えばいいのに」
なんて、僕が言えたことじゃないけど。
さっちゃんは僕が恋人をとっかえひっかえしているのが気に入らないようだ。新しい恋人を紹介しに行くたび、キツイ眼差しを向けられる。視線ひとつで人ひとり殺せそうな目付きで睨まれるものだから恋人の女の子には毎回申し訳なく思ってしまう。だったら紹介しなければいいじゃないか、と言うかもしれないけど、これは一種の確認作業でもあるから、紹介しないっていう選択肢は存在しない。
僕は、俗に言う『転生者』である。――誰にも言っていないけど、これを口にしても誰も可笑しいなんて思わない。この国の人口の十分の一は『転生者』だ。転生者のような者のための転生者情報保護法なんてのもあるくらいだ。『前』に引き摺られてしまえば、今生を生きられなくなってしまう。精神を病んでしまったり、ね。僕はどちらかというと、今の方が大切だ。双葉ちゃんがいて、さっちゃんがいて、毎日が楽しい。
ただひとつだけ、心残りがある。僕の前世はお姫様の騎士だった。世界観どこいった、って感じだけど、今だって魔法を使う人はいるし、転生者の中には妖怪だったって人もいる。最期はお姫様の泣き顔だった。敵国に攻められて、お姫様を庇って致命傷を負った僕はそのままお陀仏をした。大切で、愛していた姫に会って一言でいいからお礼をしたいんだ。僕は幸せです、って。転生しても、記憶を覚えていないこともある。だから、それとなく女の子から情報収集をしていた。
一番初めの恋人が、似たような人を見たって。教えてあげるかわりに一週間だけでいいから付き合ってって言うものだからね。あとから酷く後悔した。そこから噂が広まるのは早かったよね。さすが女の子。別に、褒めてるわけじゃない。女の子特有のネットワークというか、コミュニティというか、末恐ろしいね。
転生者の特徴として、『前世』と容姿が変わらないことが上げられてる。記憶の有無に関わらず、前世と全く同じに生まれるのだ。多少髪色や瞳の色が違うくらいで、あとは同じ。だから僕はほんとまに両親の子供なのかなって疑われるくらい似ていない。さっちゃんも、ご両親とは似てないかな。聞いたことないけど、彼も転生者の可能性はあるかな。そんな話聞いたことないから記憶がないのかもしれない。
「あれ、カーテン閉まってる……?」
三十分くらいを歩いて、住宅街に並んだ僕たちの家のうち、秋桐家を見上げた。二階。さっちゃんの部屋はカーテンが閉まってる。閉め切ったうす暗いのが嫌だ、と言って夜以外は基本開けているのに。鞄から合鍵を取り出して、玄関を開ける。合鍵は入り浸ってる僕らを見かねておばさんがくれた。双葉ちゃんも持ってるし、僕んちの合鍵も二人は持ってる。
「お邪魔します」
挨拶はしっかりね。鍵をかけ直して、靴を揃えて、二階のさっちゃんの部屋に向かう。居るとしたらそこだろうけど、あまりにも静かすぎる。なんとなく胸騒ぎがした。
「さっちゃん?」
がちゃり、とドアノブを回した。うす暗い室内に、響く二人分の寝息。
窓際のベッドと、その隣に敷かれた敷布団。
「……なに、それ」
腕の中に双葉ちゃんを抱きしめて、さっちゃんが眠っていた。鏡に映った僕の顔は、イケメンも形無しの酷い顔だったろうね。鞄を握った拳に力が入った。
「……佐之助、起きて、佐之助」
双葉ちゃんを起こさないように、声を潜めて佐之助の肩を揺する。
「――……なんだ、藤」
うっすらと目蓋を持ち上げた佐之助は僕を見止めると眉を寄せた。
なんだ、じゃないよ。なんで佐之助が双葉ちゃんと一緒に寝てるのさ。口を開いたら飛び出そうな言葉をぐっと呑み込んで、笑顔を浮かべた。
「学校、サボるなら教えてくれたっていいじゃん」
「……はっ、ずいぶんひどい顔だな」
始めっから、喧嘩腰かぁ。口元が引き攣る。別に、笑顔を浮かべることにはなれてる。どんなときでも笑っていられる自信があるよ。佐之助にはすぐに嘘笑いだってバレるけどね。今さら取り繕っても無駄ってわけだ。
「なんで、この子と寝てるの?」
「双葉が寝ようって誘って来たからだ。なんだ、文句でもあるのか」
「あるに決まってるでしょ……。年頃の男女が、同じ布団で寝るのはいただけないんじゃないかな」
「もっともらしい正論言ってるつもりだろうが、どこぞの知れぬ女と寝てるお前に言われたくないな。よっぽど、俺たちのが健全だろう」
言葉に詰まった。あぁ、そうだね、そうだよ。君たちのがよっぽど、健全で清潔だね。だけど、その役目を僕のモノだ。
顔に出てたのかな、珍しく佐之助が笑った。といっても、口角を上げるだけの、とても挑発的な微笑だけど。
「藤が手を離したんだ。その手を俺が取っても、問題ないだろ」
問題。そう、問題なんてない。僕は、自分で言ってたじゃないか。双葉ちゃんとさっちゃんが付き合えばいいって。なのに、なんでこんなに。佐之助は大切な幼馴染で親友だ。なのに、どうしてこんなにも彼のことが憎いんだろう。
「またあとで、藤高君」
隣のクラスの彼女と別れて、自分のクラスに入る。おはよう、と駆けられる声に挨拶を返しながらすでに来てるだろう幼馴染の席を見れば、姿はおろか荷物ひとつない。この時間なら来ていても可笑しくないのに。ポケットのスマホを見ても、連絡は入っていない。……なんとなく、悪い予感がする。
綺麗で可愛いほうの幼馴染は健康とは言い難く、小さい頃から体が弱かった。今でも季節の変わり目には体調を崩すし、本人は否定してるけど僕は虚弱だと認識してる。もう一人もおんなじ認識なんじゃないかな。
あの子が体調を崩すにしては時期が早いし、もう一人は単純にサボりだろう。僕を省いて、二人で楽しんでいるというわけかな。心の内にもやもやと黒い感情が広がった。
「あ、倉田君。僕早退するから先生に言っといて」
近くに座っていたクラスメイトに早退すると伝えて、来たばっかりだけど玄関へと逆戻りする。僕をハブにしてふたりで楽しむなんて許さないんだから! もちろん、口に出したりはしないさ。放課後に彼女とどこか遊びに行こうと話していたけど、とても心苦しいが幼馴染みたちの危機なんだ、わかっておくれ。後でフォローの連絡でも入れておかないと。今回の彼女はちょっと、というかかなり束縛が激しい子だ。
最近、あの子はとても綺麗に、とても可愛くなった気がする。綺麗で可愛いのは元からなんだけど、なんて言うのかな、内側から溢れる雰囲気が以前と比べて柔らかくなった。前は僕たちだけだったのにクラスメイトとよく話すようになったし、生徒会の手伝いにも言っているみたいでとても社交的になった。いい、傾向なんだろうけど、僕からしたらちょっと寂しい。前は僕たちだけで、僕たちの世界で終わっていたのに。あの子はちゃんと自覚しているのかな、邪まな目で見られているって。きっと、自覚もなにもしていないんだろうね。だって、あの子は弟以外は顔が分からないんだもの。
「……出ない」
靴を履いて、玄関を出てからサボっているだろう彼――さっちゃんに電話をかけるけど全く出る気配がない。電話に出る気がないのはいつものこと、だけど十コールくらいすれば物凄く面倒くさそうな声で出てくれるんだけどなあ。しまいにはブツッと切られた。おう、後で覚えてろよ。
じゃあ、と思い双葉ちゃんの方に電話をかけるが、こっちも出ない。まぁ、、双葉ちゃんだし。携帯不携帯の子だから。電源入ってないのなんてざら、出かけるのに携帯置いていくとかよくあることだ。心配だからせめて持ち歩いてくれ、と口酸っぱくして言ってるんだけど、なかなか学習してくれない。もしものことがあってからじゃ遅いって言ってるのに分かってくれない。
あの子は自分のことを平々凡々だ、と常日頃から言っているがどこが平凡なものか。そこらへんにいる女の子よりも双葉ちゃんは綺麗で可愛い。天使の環がある黒髪ストレートのロングヘアは艶やかでシャンプーのCMとかに出れそうだし、眠そうな目はぼんやりとしててにゃんこみたい。口紅要らずの真っ赤な唇に真っ白い肌は双葉ちゃんが大好きだった白雪姫みたいだ。『ファン』の間じゃあ『白雪姫』って呼ばれてるらしいよ、ムカつくことにね。僕たちの許可もなく勝手に親衛隊とかそういうの設立してるって聞いたときはどうしてやろうかと思ったよ。
美醜にというか、身形にはそれなりに厳しいと自負してる僕だけど、双葉ちゃんは文句なしに可愛い。僕の中じゃあ一番に輝いてる。
――好きな人でも、できたのかな。時折、心ここに在らずといった様子になる彼女は物憂げで影を帯び、とても、一層、美しく僕の目に映る。女の子は恋をすると可愛くなるんだ。どんどん綺麗に、可愛くなっていく双葉ちゃんが心配で僕は目が離せない。あの子が好きになった人ならきっととても素敵な人だろう。けど、もし、万が一にも、そいつがあの子に害を成すようだったら、僕は絶対に許さない。
「……どこぞの奴と付き合うくらいなら、佐之助と付き合えばいいのに」
なんて、僕が言えたことじゃないけど。
さっちゃんは僕が恋人をとっかえひっかえしているのが気に入らないようだ。新しい恋人を紹介しに行くたび、キツイ眼差しを向けられる。視線ひとつで人ひとり殺せそうな目付きで睨まれるものだから恋人の女の子には毎回申し訳なく思ってしまう。だったら紹介しなければいいじゃないか、と言うかもしれないけど、これは一種の確認作業でもあるから、紹介しないっていう選択肢は存在しない。
僕は、俗に言う『転生者』である。――誰にも言っていないけど、これを口にしても誰も可笑しいなんて思わない。この国の人口の十分の一は『転生者』だ。転生者のような者のための転生者情報保護法なんてのもあるくらいだ。『前』に引き摺られてしまえば、今生を生きられなくなってしまう。精神を病んでしまったり、ね。僕はどちらかというと、今の方が大切だ。双葉ちゃんがいて、さっちゃんがいて、毎日が楽しい。
ただひとつだけ、心残りがある。僕の前世はお姫様の騎士だった。世界観どこいった、って感じだけど、今だって魔法を使う人はいるし、転生者の中には妖怪だったって人もいる。最期はお姫様の泣き顔だった。敵国に攻められて、お姫様を庇って致命傷を負った僕はそのままお陀仏をした。大切で、愛していた姫に会って一言でいいからお礼をしたいんだ。僕は幸せです、って。転生しても、記憶を覚えていないこともある。だから、それとなく女の子から情報収集をしていた。
一番初めの恋人が、似たような人を見たって。教えてあげるかわりに一週間だけでいいから付き合ってって言うものだからね。あとから酷く後悔した。そこから噂が広まるのは早かったよね。さすが女の子。別に、褒めてるわけじゃない。女の子特有のネットワークというか、コミュニティというか、末恐ろしいね。
転生者の特徴として、『前世』と容姿が変わらないことが上げられてる。記憶の有無に関わらず、前世と全く同じに生まれるのだ。多少髪色や瞳の色が違うくらいで、あとは同じ。だから僕はほんとまに両親の子供なのかなって疑われるくらい似ていない。さっちゃんも、ご両親とは似てないかな。聞いたことないけど、彼も転生者の可能性はあるかな。そんな話聞いたことないから記憶がないのかもしれない。
「あれ、カーテン閉まってる……?」
三十分くらいを歩いて、住宅街に並んだ僕たちの家のうち、秋桐家を見上げた。二階。さっちゃんの部屋はカーテンが閉まってる。閉め切ったうす暗いのが嫌だ、と言って夜以外は基本開けているのに。鞄から合鍵を取り出して、玄関を開ける。合鍵は入り浸ってる僕らを見かねておばさんがくれた。双葉ちゃんも持ってるし、僕んちの合鍵も二人は持ってる。
「お邪魔します」
挨拶はしっかりね。鍵をかけ直して、靴を揃えて、二階のさっちゃんの部屋に向かう。居るとしたらそこだろうけど、あまりにも静かすぎる。なんとなく胸騒ぎがした。
「さっちゃん?」
がちゃり、とドアノブを回した。うす暗い室内に、響く二人分の寝息。
窓際のベッドと、その隣に敷かれた敷布団。
「……なに、それ」
腕の中に双葉ちゃんを抱きしめて、さっちゃんが眠っていた。鏡に映った僕の顔は、イケメンも形無しの酷い顔だったろうね。鞄を握った拳に力が入った。
「……佐之助、起きて、佐之助」
双葉ちゃんを起こさないように、声を潜めて佐之助の肩を揺する。
「――……なんだ、藤」
うっすらと目蓋を持ち上げた佐之助は僕を見止めると眉を寄せた。
なんだ、じゃないよ。なんで佐之助が双葉ちゃんと一緒に寝てるのさ。口を開いたら飛び出そうな言葉をぐっと呑み込んで、笑顔を浮かべた。
「学校、サボるなら教えてくれたっていいじゃん」
「……はっ、ずいぶんひどい顔だな」
始めっから、喧嘩腰かぁ。口元が引き攣る。別に、笑顔を浮かべることにはなれてる。どんなときでも笑っていられる自信があるよ。佐之助にはすぐに嘘笑いだってバレるけどね。今さら取り繕っても無駄ってわけだ。
「なんで、この子と寝てるの?」
「双葉が寝ようって誘って来たからだ。なんだ、文句でもあるのか」
「あるに決まってるでしょ……。年頃の男女が、同じ布団で寝るのはいただけないんじゃないかな」
「もっともらしい正論言ってるつもりだろうが、どこぞの知れぬ女と寝てるお前に言われたくないな。よっぽど、俺たちのが健全だろう」
言葉に詰まった。あぁ、そうだね、そうだよ。君たちのがよっぽど、健全で清潔だね。だけど、その役目を僕のモノだ。
顔に出てたのかな、珍しく佐之助が笑った。といっても、口角を上げるだけの、とても挑発的な微笑だけど。
「藤が手を離したんだ。その手を俺が取っても、問題ないだろ」
問題。そう、問題なんてない。僕は、自分で言ってたじゃないか。双葉ちゃんとさっちゃんが付き合えばいいって。なのに、なんでこんなに。佐之助は大切な幼馴染で親友だ。なのに、どうしてこんなにも彼のことが憎いんだろう。
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