301 / 611
第16章 摩天楼の聖女
第295話 嵐の前の静けさ…?
しおりを挟む式典会場が『義賊』に襲撃されてから、今日で3日。
あの一件は、やはりというかかなり大きな衝撃だったらしい。
あれ以降、目に見えて警備が強化された。
……が、その配置がちょっとおかしい感じで……。
今日、調整が終わったとかでその最終的な配置が決定し、その配置図が『護衛にお役立てください』って、僕らにも配布された。シャラムスカ政府の方から。
それを見ての感想が、さっきの『おかしい』である。
どうなっているのかというと、式典とその関係者を重点的に守るのかと思いきや、『シャルクレム』の全体に散らばって、満遍なく守るように置かれているようだ。
「もちろん、神殿など式典関係の施設周辺は、他よりも強固な警備を敷いております。ですが今回は件の『義賊』以外にも、テロリスト等による襲撃計画が噂されている以上、不測の事態がいつどこで起ころうとも対応できるようにこのような配置となっており……だったっけ?」
と、僕が広げている配置図を横からのぞき込みながら、呆れたような口調でそう言ってくるのは……護衛のために僕と一緒に行動してもらっている、レジーナである。
「一字一句そんな感じだったね、説明に来た兵隊さんの話だと……ま、本音は違うんだろうけど」
「だね。よく見るとわかるけど、いかにもって感じでコレ、権力者の方々を守るように配置されてるし……こんな時にも、ろくでもないお国柄が出ちゃうんだ」
「こんな時だからこそ、かもしれませんわね。ですが、裏の理由とはいえ筋は通っていますし、表向きのカバーもしっかりされている以上、不当なものとも言えません」
と、続ける形でオリビアちゃん。
今日はというか、こないだから僕は、エルク達と一緒に、主にこの2人の護衛である。
あの『会合』で、ダモクレスと『蒼炎』の一味が、何かをやらかす可能性が高い――というか確定で何かが起きる――以上、そしてそこにオーバーSランクの実力者である『蒼炎』アザー・イルキュラーが絡んでくる以上、護衛は完璧以上に完璧にしなければならない。
何せ、ドレーク兄さんと同等以上の攻撃能力を持つ奴だ。余波だけで一般人とか軽く死ぬ。
なので、いつ何があっても対処できるよう、そのレベルに達している者を常に護衛として傍らに置いておくべき、っていうことになった。
それで話し合った結果、戦闘能力でそこに位置しているのは、『女楼蜘蛛』を除けば3人。
ドレーク兄さん、ブルース兄さん、そして僕だ。
次点で、シェリーやナナ、セレナ義姉さんやイーサさん、デンゼルさんなんかがいる。
この戦闘力を、要人警護のために均等に分配して、バランスよく守ることになり……僕の担当が、オリビアちゃんとレジーナになったわけだ。『邪香猫』のメンバー及びスタッフと一緒に。
ドレーク兄さんはリンス達ネスティア陣営を、ブルース兄さんはルビス達ジャスニア陣営を、それぞれ常に同行して守っている。
僕だけ受け持ちが2人(2か国)なのは、『邪香猫』がそのまま一緒になって数がいることと、いざとなったら『CPUM』で手勢を増やして対応できるからである。まあ、妥当だろう。
昼間の間とか式典中はこういう割り振りで守り……夜の間は、宿は全員同じなので、全員協力して守ることになっている。
なお、部屋も同じにするか……っていう話にもなったものの、年頃の婦女子が多いこともあり、さすがにそれはなしになった。本人たちは気にしてないっぽかったんだけど、外聞とか色々あるらしい。
一応、イーサさんとかの女性の軍人が、世話係兼の名目で泊まり込みで守りはするらしい。
まあ、渡してある指輪もあるし、大丈夫だろうとは思う。
なお、当たり前だが……本当にもしもの時、いざって時には、外聞どーたら気にしてる場合じゃないので、乱入してきて助けることになっている。
たとえ入浴中だろうが気にしないからよろしく頼む、とはルビスの弁だ。思い切りがいいというか、何というか……まあ、元々男装デフォだったのでそういう面もあるのかもだが。
むしろ浴室の中だろうが寝室のベッドの中だろうがずっと一緒にいて警護してくれてもいい、とはリンスの弁だ。いや、何を言ってんのあんた。どさくさに……紛れてないし。
むしろそっちに泊まりに行っていい? とはレジーナの……だからやめなさい君たち。年ごろの女の子でしょ。
ザリーだったら同室でも……はいはいオリビアちゃん。はいはいリア充リア充。
……まあ、そんなこんなで護衛の分担を決めて、今実行しているわけだが……さて、手元の地図、ないし配置図に話を戻そう。
例の襲撃もあって、この『シャルクレム』の警備が全体規模で見直された。
しかし、レジーナが指摘した通り……よく見ると、この都市、というかこの国の権力者の居住区なんかを重点的に守り、いざって時に周辺から兵力を集中させやすいようになっているのがわかる。……確かに、都市の他の個所への襲撃にも対応できるけどさ。
恐らくは、『義賊』襲撃の一件の顛末がその理由だろう。
聞けば、例の式典の中で義賊は、祭具に隠されていた財宝……金塊やら宝石やらを奪っていったらしいが、じゃあその財宝は何だったんだ、という話。
もちろん、通常の仕様として祭具の中が金庫になっているなんてことがあるわけもなく……必然的に、こういう内情が推測されているらしい。
あの宝は、貴族か商人か、はたまた宗教関係者か……誰かが何かの目的で用意して隠していた不正な財宝であり、義賊はそれを察知して現れた。そして去り際に、『次は家に直接云々』と言っていたのは、黒い金の残りも、直接奪いに行く、という予告である。
それを恐れた金持ち連中……それも、義賊に狙われるような後ろ暗い事情に心当たりがある連中の圧力によって、こういう配置になったんだろう……というのが、僕らの予想である。
どーしよーもねーな……と僕らが呆れていた時、コンコン、と、扉がノックされた。
「? はーい、どうぞ?」
「失礼いたします」
部屋主であるレジーナ――今更ではあるがここは、式典会場でレジーナにあてがわれた控室である――の許可を受けて入ってきたのは、『シャラムスカ』の正規兵の装備を纏った女性だった。
それも、ただの兵士のそれではなく……その中でもかなりのエリートだけで構成される、『聖騎士』とかいうランクに位置する装備だ。
肩口にかかるくらいの、セミロングでゆるふわパーマの金髪に、美しく整った……しかしちょっと幼さも残ってる感じの顔立ち。口は真一文字で、伸びた背筋とお手本のようにいい姿勢が真面目さを表現しているかのようだ。
「あ、お疲れ様ー、ソフィーさん。どうしたの?」
「はい。今しがた伝令があり、皆様にご報告する事柄があってお邪魔させていただきました」
この人は、今言った通りシャラムスカの『聖騎士』で、ソフィー・ヴェルケイルさん。式典期間中における、僕らの護衛役兼接待役の人である。各国の要人が集まる場っていうだけあって、こういう役目の人がきちんと参加者にはあてがわれるそうだ。
正確には、レジーナの担当者であり、僕やオリビアちゃんにはまた別な人がついているんだけども、さっきの護衛の関係で基本僕ら3人は一緒にいるので、一番お世話になる機会が多いのはこの人なのである。
日程とか業務連絡や、移動中の護衛兼案内とかが主な仕事で、ちょいちょいお世話になってた感じなんだけど……あの一件があってからは、招待客たちへの警備体制も強化することになったってことで、宿以外ではほぼ一緒にいる感じになっている。
流石に部屋の仲間で一緒とかではなく、別室で待機したり、部屋の入口に立ってたりだけど。
で、そのソフィーさんが何の用かと聞けば、今言った通り『報告』だとのことで。
「今朝未明、式典会場へのテロ行為を企てていた者達の拠点を、我が国の諜報部隊が発見し、聖騎士団と協力の元摘発しました。戦闘になり、そこにいた者達は、首謀者を含め、全員死亡か捕縛されたとのことです」
「! へー……それ、ホント?」
その報告に、思わず僕ら全員驚いた顔になる。
が、ソフィーさんは顔色も表情も変えず、はい、と返事。
え、ちょっとそれって、まさかアザーの……
「中規模の犯罪集団がいくつかまとまって構成された犯罪集団のようでした。準備されていた薬品や武器類は、危険なものも多くありましたが、全て押収し厳重に保管しております。ですので現在、巷で流布されておりますテロリスト等の襲撃の心配はなくなったとご承知おきいただければ」
「…………そっか、それはよかった、かな」
「ええ……まあ、始まってもいないテロが終わった、と言われても、正直ちょっと実感にかけるところはありますけれど……」
「まあでも、何もないにこしたことはないんだし、よかったじゃない。こういうのは、そういう実感とか関係ないところで終わってくれるのが一番いい形だと思うよ」
「それもそうだね。ソフィーさん、報告ありがとう。あと、その作戦を頑張ってくれた……聖騎士ってことは、ソフィーさんの同僚さんかな? お疲れさまでした、って、機会があれば伝えて」
「はっ、労いのお言葉、恐縮です。任務に関わった者達も皆、喜ぶことでしょう」
「ああ、それと……ソフィーさん、ついでのような形で申し訳ないのですが、件の『義賊』とやらは見つかったのですか?」
「いえ、そちらはまだ……ただ、裏が取れていない噂程度ですが、あの襲撃以降、いくつかの貴族の屋敷が襲撃され、金品を奪われたという話があります。ただ、それを申告してくる者がおらず、そのような事実はないのか、はたまたその事実を隠しているのかは……不明です」
「そっか……ありがと」
「では、私はこれにて失礼します」
そして、これまた正しい姿勢でピシッと一礼して、ソフィーさんは部屋から出ていき……その直後、レジーナが僕とオリビアの手を取った。
『指輪』の機能の1つ……『念話』を使って、声を出さずに話すために。
『ね、どう思う?』
『怪しい。ていうか、おかしい』
『ですわね』
……色々と穴だらけ、というか、ツッコミどころのある報告内容だった。
いや、ただそれを運んできただけであろう、ソフィーさんに何か言って始まるものでもないし、言うつもりもないけども……。
とりあえず、まず何よりも1点。
テロリストの拠点をつぶしたから、もう心配いらないとか言ってたな。ダウトだ。
聖騎士……国軍の中でもエリートぞろいの集団だってのは聞いている。
けど、それでもBとかAランク程度の連中だそうだ……そんな連中が束になったところで、推定Sオーバーの危険度の『蒼炎』をどうこうできるはずもない。
ドレーク兄さんをして仕留めきれなかった怪物だぞ? そのドレーク兄さんの実力は、こないだ模擬戦で戦って、局所的に地獄絵図を作った僕がよく知っている。
あれに食らいつくぐらいの実力がなきゃ、そんなこと絶対無理だ。つまり、無理だ。
というか、中規模の犯罪組織、なんて文言で言い表せる当たり、薬品とか武器とか、いかにも普通の犯罪組織が使いそうなものをそろえた組織であるあたり……そいつら多分、『蒼炎』の一味とは何も関係ない、別な組織だろ。
『ダモクレス』が絡んでる時点で、準備してる物品やら何やらが普通であるはずもないし、そんな簡単に拠点を見つけ出せるとも思えない。見つけたところで、摘発して全員討伐か捕縛……なんてことも可能だとは思えない。……何だろう、犯罪組織相手にこの妙な信頼感。
まあいい、ともあれ……今回摘発された組織は、全くの別物だろう。本当の危機は、未だに何も解決されていないと言っていい。
『しかし、不安になっているこの国の権力者層の者達からすれば、縋り付きたくなるような吉報でしょうね。あの『義賊』の一件もあって、自分達、あるいはその財に危険が及ぶ事態に恐々としていたようですし……』
『……ひょっとして、それもあってのこの摘発なのかもね。具体的な安心できる結果が欲しくて、現場にハッパかけて……で、たまたま見つけた、全然関係ない組織を潰して、けど結果は結果だからあーよかった、ってなるパターン?』
『全然問題が解決してないのにそりゃヤバいってもんじゃ……そもそも、アザー云々に目をつぶるとしても、テロリストと義賊はまた別問題だろうに……まあ、言っても始まらないか。何にせよ、僕らはこれまで通りに警戒するってことで』
『『了解』』
……しばらく気の抜けない日々が続きそうである。
おそらく、周囲は気を抜くんだろうという予測の中でだけど。
……ちょっと前にも思ったことだけど……これから何かが起こる、って確信ないし確定してる状況下でも、何もろくに対処できずわざわざ待ってるのって、これまでにない体験だな……
何か起こりそう、っていうレベルなら、花の谷とかサンセスタ島とかで経験してるし、何かがすでに起こった状況でさらに危険な部分に飛び込んでいったことも、トロンとかリアロストピアで経験してるけど……今回のこのパターンは、うん、珍しい。
そして、今言った2つ以上に……やな感じだ。微妙に心臓に悪い。
まあ今回の場合、確定で出てくる敵が超弩級の危険度なのも原因の1つだろうけどさ。
……さっさと解決したいな、できることなら。
大事な人たちの身の安全がかかってるんだから、余計に。
☆☆☆
同時刻。
同じ『聖都』の、どこか。
「……それで? あの連中の拠点は、無事に摘発されたのか」
「はい。シャラムスカ上層部の者達は……これでテロの危険がなくなったと、傍目にもわかるほどに安心しきっている様子です」
「そうか……ならば結構、我々の目論見通りだ。我々は引き続き、準備に力を注ぐとしよう……暗愚な貴族共や坊主共には、しばしの間、かりそめの平穏にひたらせてやるとする」
「承知いたしました……アザー様」
また、別などこか。
「意図せぬところではあるが……好都合だ。これで我々の計画にも、より邪魔が少なくなってやりやすくなるかもしれん」
「それはよかった……だが、だからといって油断はできないだろう。警備が厚くなっていることに変わりはないのだから」
「ああ、だが……そのための計画だ。大丈夫……きっと、上手くいく」
「ああ、きっと……成功させてみせよう。だから……しばし休もう、今は、まだ」
「ああ……それに、『義賊』の装束も、直して使えるようにしなければな」
「そうだな。やれやれ……予備でも用意しておくんだったか」
10
お気に入りに追加
8,526
あなたにおすすめの小説
もふもふ転生!~猫獣人に転生したら、最強種のお友達に愛でられすぎて困ってます~
大福金
ファンタジー
旧題:【もふもふ転生】病弱で何も出来なかった僕。森で猫カフェをオープンすると大好評♪最強種のお客様ばかり遊びに来ます
生まれた時から奇病を患い、病院から一歩も出たことなかった主人公(大和ひいろ)夢は外を走り回る事だったが、叶う事なく十二歳で他界したのだが……。
気がつくと見たこともない場所に立っていた。
そこには創造神様と女神様がいて、前世でいっぱい頑張ったご褒美に、好きなスキルや見た目にしてくれると言ってくれる。
「ご褒美を決めろって……急に言われてもっ」
ヒイロは慌てて猫獣人の姿、鑑定やアイテムボックス等のチート能力をお願いし、転生を果たすが。
どうやら上手く説明出来て無かったらしく。何もない謎の森に、見た目普通の猫の姿で生まれ変わっていた。
「これって二足歩行する普通の猫!?」
その謎の森でドラゴンの親子に出会い、料理を作ってあげる事になったり。
さらには猫獣人の村で、忌み子と虐げられていた猫獣人の子供を助けたり。
家を作ったら、いい匂いにつられて最強種ばかりが度々遊びにきたり。
だがそれだけではなかった。ヒイロには隠された力が……!?
このお話は、ヒイロが毎日を楽しく生きている内に、良きせぬハプニングに巻き込まれたりするお話。
※ハプニングのせいで、なかなかカフェはオープンしません。
※二章カフェ編がやっとスタートしました。
※毎日更新がんばります!
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される
鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。
レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。
社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。
そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。
レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。
R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。
ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。
モブだった私、今日からヒロインです!
まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。
このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。
そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。
だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン……
モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして?
※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。
※印はR部分になります。
【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453
の続きです。
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。