魔拳のデイドリーマー

osho

文字の大きさ
上 下
555 / 611
第23章 幻の英雄

第555話 『渡り星』探索・初日

しおりを挟む


 大気圏突入直後の襲撃の後は、特に何事もなく降下していくことができた。
 第2波、第3波とかが来るかもしれないと思って警戒してたんだけど、特に何もなかったな。まあ、そりゃ何もないに越したことはないけど。

 念のためそのまま警戒は続けつつ、適当な水面を探して着水。碇を下した。

 その後は予定通り、いよいよこの『渡り星』の探検のために、外に出る。
 そのために今日は、朝一番で大気圏に突入したわけだからね。まだ日が高い……どころか、バリバリ午前中なうちから、ゆっくり時間をかけて探検できる。

 外に出るメンバーだけど、まずは『女楼蜘蛛』からは、テレサさん以外全員。
 僕ら『邪香猫』からは、僕とエルク、シェリーとナナ、ザリーと義姉さん、サクヤが出る。
 それから、ペット枠から、アルバとストークとペル。
 最後に、この星出身の案内役として、テオ。

 残りのメンバー……ミュウとクロエ、ネリドラとリュドネラ、ビィにバベル、そしてテレサさんは留守番である。
 テレサさんも行きたそうにはしてたけど、『船を守る役割の人も必要でしょう?』って、船番役を買って出てくれたのだ。

 待機中はシールドとステルスを発生させっぱなしにするけど、何があるかわからないのはそうだし、この申し出はありがたい。



 そんな感じで船を出発したわけだが……初上陸となる異星の景色を見て、母さんがまず一言。
 
「なんていうか……思ったより普通ね。私達のいたところと、そんなに大きく変わらない感じ」

 母さんの言う通り、外に出て改めて周りを見てみたけど……意外と地球と変わらない景色だ。
 見渡す限りの大草原。一面背の低い草でいっぱいだけど、あちこちにぽつりぽつりと、木や背の高めの植物が点在している。

 船を着水させたのは、大きな湖みたいだ。そこから延びる形で、穏やかな流れの川があり、その周辺には砂地っぽい地面もある。

 水があって、草木があって、空があって、地面がある。
 ここが別の惑星だって知らずに……例えば、転移魔法の事故とかでいきなりここに来たら、ああ、こういう場所も世界のどこかにはあるんだな、くらいに納得してしまいそうな景色だ。

 もちろん、よくよく見てみれば、生えてる草木も、泳いでる魚も、なんか見慣れない種族ばかりだなとは思うんだけど……ファンタジーな世界で、そんな程度は割とどこにでもある話だし。

 まあでもさすがに、真昼間から月が、しかもあんだけ大きく空に見えるって言うのは、地球には絶対にない光景だけど。

「もっとこう……色々景色とか雰囲気とかからして、全然別世界って感じを予想してたんだけど。まあ、だからって何が悪いわけでもないけどさ。あーごめんテオ君、気を悪くしないでね? ボケ老人の妄想だと思ってくれればいいから」

「いえいえそんな。まあ……お気持ちはわかりますし。私も初めて地上に降りた時は、同じようなことを思いました。……ああでも、ミナトさんのおうちにご厄介になってからは、『ああ、割と別世界だな』って思ってましたけど」

「ああ、それはわかるニャ」

「あのへんは本当に混沌としとるからな、『カオスガーデン』の名の通り」

「あそこに住んでる私達でも、未だに満場一致で『人外魔境』って評価ですしね」

「そうだけど、あれはあれで楽しいじゃない。便利だし、退屈しないし」

「退屈しなさ過ぎて気疲れしますけどね……時々。いまだに完全には慣れられてませんよ」

 なんか途中から僕んちをディスる方面に話がシフトしてた気がするけど気にしないことにして。

 とりあえず、動植物は片っ端からサンプルをいくつか回収していくことにする。
 僕と師匠で手分けして、草とか木とか、魚とか……あと水も汲んでいく。地球にはいない微生物とか見つかるかも。

「穏やかで居心地よさそうなところではあるけど、ひとまず見える範囲には何もないねえ。景色を見るのはこれくらいにして、そろそろ移動しないかい?」

「そうね。ミナト、テオちゃん、どっちいけばいいとかわかる?」

「んー、特には。空中から見た感じ、特別面白そうな地形とか構造物も、この近くにはなかったしね……」

「私も……さすがに、『渡り星』全体の地形を把握しているわけではないので。目印になるような、私が知っているものが見つかればそこを起点に案内できるんですが」

「なら、もう一回空に上がって、空からそれっぽいの探す?」

 そう、母さん達に聞いてみる。
 母さん達は、『うーん』と、しばし考えてから、

「いやまあ……ホントにいつまで経っても何も見つからなかったら、それも手ではあるけど、ひとまず今日は足で歩いて探してみましょ」

「だね。全く未知の土地なんて、そうやって探索していくのがあたりまえだし。まあでも……空から様子を見るとか、あらかじめ何かありそうなところに目星をつけるっていうのも、やり方としては正解ではある。エレノア、ちょっと」

「聞こえてたニャよ。私は地上から探せばいいんニャね?」

「よろしく。ボクは空からいくからさ」

 そう言って、アイリーンさんは浮遊魔法で上空高く急上昇していく。
 ああ、なるほど。空から周囲を見るくらい、別に船に戻らなくても彼女なら簡単だしね。

 そしてエレノアさんはというと、アイリーンさんが飛び上がったのと同時に、消えたように見えるくらいの速さでその場から駆け出していた。
 もともとチームの斥候役である彼女だ。こういう時の周囲の探索はむしろ得意分野だろうね。

「そんなに時間はかからないでしょ。2人が返ってくるまで、私達はこの近くを探索してみましょっか。さらっとだけじゃなく、詳しく色々見てみれば、何かわかることもあるかもだし」

「そうだね」



 アイリーンさんとエレノアさんは、それから30分くらいで戻ってきた。

 2人とも、いくつか気になる場所……魔物の巣みたいになってる洞窟や、船を着水させた場所とは違う大きな湖なんかを見つけてきた。
 結構数があって、どれから調べてみたらいいか迷うところだ。

 ただ、人工物みたいなものは1つも見つからなかったらしい。

 まあ、もともと人間は住んでない星だけど、テオ曰く、古代の龍族が作った遺跡みたいなものもこの星にはあるらしいので、今回の偵察ではそれらは見つけられなかったってことだろう。

 それに、『ダモクレス財団』の連中がここに隠れ家ないしアジトを構えている、という可能性もあったわけだし……まあ、あったらあったで、そんなに簡単に見つかるようなところにあるとも考えにくいけど。

 ひとまず今日は、目についた気になるものを1つ1つ調べていくことにした。

 洞窟然り湖然り、1つ1つを調べるのにかかる時間はそんなでもなかったので、テンポよく調査を進めていく。

 さっきまでと同じく、見つかる生物こそ珍しかったものの……そこまで危険な魔物とかはいなかったので、スムーズに進めることができた。

 『神域の龍』の本拠地なわけだから、龍以外にもヤバい魔物がわんさかいるんじゃないかとか勝手に思ってたんだけど、そうでもなかった。
 ……まあ、そんなRPGのラストダンジョン付近みたいなことになってるはずもないか。れっきとした普通の生態系の1つなわけだし。捕食者もいれば被捕食者もいるだろう。

 ただ、そんな考察をする中で……というか、さっきから気になってたところではあるんだけど、

(龍に会わないな……?)

 さっきも言ったように、ここは『神域の龍』の本拠地だ。
 だから……まあ、さっきみたいなラストダンジョン云々の妄想はともかくとしても、探索していれば、地球で戦ったようなドラゴンと会う、ないし見る機会はあるんじゃないかと思ってた。

 実際、今朝降下するときに、思いっきりドラゴンの大群から襲われたわけだし。

 しかし、今日探索した範囲では……龍はほとんどいなかった。

 全く見なかったわけじゃないんだけど、それでもその数はかなり少なく、しかもどれも、遠目にその存在を確認できたくらいのもの。
 そのほとんどが、こっちに気づくこともなかったし、気づいたものも中にはいたけど、襲ってきたりすることもなかった。警戒はしてたし、こっちから近づこうとすると威嚇してきたけど。

 ……でもまあ、地球だってどこに行っても人間とか生物がいるわけでもないし、そういう地域もあるのかな。

 そう思って、探索の終わりごろになってからテオに確認すると、確かにこの星には、そういう地域もあるんだそうだ。
 そしてその地域は、ただ単に理由もなく龍が少ないわけじゃないという。

「今日一日見て回って……特に、ミナトさんやクローナさんは、住んでいる生き物とかも調べてたみたいですから、よくわかったかと思うんですが……このあたり、大きな生き物がいなかったでしょう? それはつまり、ほとんどの龍にとっては住みにくい環境なんです」

「ああ、なるほど……食料の問題?」

「はい。龍は総じて体が大きい生き物なので、それ相応に食料も必要になるんです。なので、ここみたいに、食いでのある生き物がいない場所には住みつかないんですよ。私みたいに、人間とか、別の姿に変身できる種であれば、その限りでもないのですが」

「それでもゼロじゃなかったけど……あれは? 燃費がいい龍とかかな?」

「いえ、多分……ほかの土地での縄張り争いに負けたり、群れを追放された、流れ者の龍じゃないかと。そういう行き場のなくなった龍は、やむをえず、競争相手のいないこういう場所に来ることもある、と聞きますから」

「なるほど……僕らを見ても襲ってこなかったのは、その辺が理由かな?」

「龍の社会も楽じゃないのねえ。自然の中でのびのび楽しく、ってわけにはいかないわけか」

 ザリーやセレナ姉さんが、自然の中にも世知辛い部分があることを察してそんな風に呟く。

「あれ? でもテオ、前に君……『神域の龍』は、飲食が必要ないって言ってなかった? 『渡り星』のエネルギーを取り込めばそれで生きていられるから、飲食はただの娯楽でしかないって」

「ええ、飲食しなくとも生きていくことはできますよ? ですが、より肉付きをよく、体を大きくしたりするには、あるかないかで言えばあったほうがいいんです。渡り星のエネルギーは、あくまで『最低限生きていくことはできる』というだけなので。龍も生き物には変わりありませんから、育ちもすれば衰えもするんですよ。ほかの生き物よりは融通利くだけで」

 ふーん……点滴で栄養注入だけで生きてる奴と、肉や野菜や穀物をバランスよく食べてるやつと、どっちが健康的で丈夫な体になるか……みたいなもんかな?

 テオ曰く、自分の強さとか戦いとかにそこまで頓着しない龍は、前に聞いたようにそんなに食べること自体をしないらしい。それでも体は維持できるし、普通に生きていけるから。
 さっきテオは『衰える』とは言ってたけど、それでも死ぬほど衰弱するとかそういうわけじゃなく、普通に生きていく分には問題ないようだ。

 けど、その『普通』以上になりたければ、そういう植物みたいな生活ではダメと。

 きちんと獲物を狩って食べて、血肉に変える。そうしないと体は大きく、強くはならない。

 本来必ずしも必要のない『飲食』にもそういう意味、ないし価値がきちんとあるから、そういうのに関心がある龍にとっては、食いでのある『獲物』というのは魅力的だし、それが取れるいい縄張りは価値があるものだということだ。

 生き死ににかかわってくるかっていう点以外は、普通の生き物と同じなんだな。

「それと、襲ってこなかったのは、私がいたから、っていうのも理由の1つかもしれません」

「? テオが? どういうこと?」

「同じ『渡り星』出身の龍であれば、私が、人間に化けた龍であるというのは、遠目からでも直感的に分かるでしょうから。それで警戒したか……あるいは、一緒にいるミナトさん達も、人間に化けている龍だと思ったのかもしれません」

「なるほどね……他に行き場のない身なら、そんな連中に喧嘩を売って、今いるこの場所にまでいられなくなりたくもないか。……まあ、実際には龍よりよっぽど危険な人間の群れなんだけどね」

 そういうことは言いっこなしだよ、エルク。

「ちなみに、テオやジャバウォックみたいに、意思疎通ができる龍ってどのくらいいるのかな? 仮にこの先、別な場所に行って龍と会ったとして……会話できると思う?」

「言語的にですか? それとも対話の余地的にですか?」

「もちろん両方」

「ある程度以上の知能を持つ種族であれば、対話そのものは可能ですよ? ただ、人間との間にそれが成立するのは……ジャバウォックや私みたいに、他種族にも通ずる念話などの手段を持っている場合に限られますね。でもそうでない場合でも、私が通訳できますからご安心を」

「そっか、それは助かるな。じゃあ、その時はよろしく」

「はい。……というか、龍との対話をお望みなのであれば……明日以降の探索では、そういう、対話できる龍がいる場所へ案内しましょうか?」

「え、わかるの? 場所」

「はい。今日の探索で……どんな環境で、どんな動植物があるのかを把握できましたし、『流れ者』らしい龍の種族も確認できました。それらを組み合わせて考えて、ここが『渡り星』のどのあたりにあるのかは大体予想がつきましたので。ただ、本当に『大体』なので、『多分こっち』くらいのフィーリング的な案内になっちゃうんですけど」

「いや、それでも何の手がかりもない状況よりは全然助かるよ。皆もそれでいい?」

「いいんじゃない? 適当に散策するのも嫌いじゃないけど、今日とはまた違う面白いものが見られるんなら、そっちの目印に行ってみるのもいいと思うわ」

 母さんがそう答え、他のメンバーも同意見の様子。
 よし、じゃあ明日はそういう感じで動いてみることにしようか。

 そんなわけで、本日の探索はここまで。船に戻って休もう。



しおりを挟む
感想 803

あなたにおすすめの小説

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。

ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。 飲めないお酒を飲んでぶったおれた。 気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。 その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。