魔拳のデイドリーマー

osho

文字の大きさ
上 下
540 / 611
第22章 双黒の魔拳

第540話 暴君の最期

しおりを挟む


「何だ、今の男は……次から次へと……!」

 突如として現れたかと思ったら、数秒と経たずにその場からいなくなったミナト。
 一応は協力者であるハイロックを、一瞬にしてその場から退場させた謎の人物に、ジャバウォックはいら立ちを募らせるが、どうにかそれも抑え込む。

 ここに居もしない相手にいらだっている場合ではないのだ。気を抜けば、間違いなく自分の喉元に刃を突き付けてくる存在が、今まさに目の前にいるのだから。

 邪魔ものがいなくなり、再びジャバウォックとの戦いに集中するように、強い意志のこもった目でにらみつけてくるゼット。

 『今度こそ、決着をつける』……とでも言いたげなその目に射抜かれながらも、ジャバウォックは恐怖や動揺をはるかに上回る怒りと、それを支える自尊心、ないしプライドから熱を呼び起こし……体中に巡らせていく。
 高まる魔力を全身にくまなく纏い、文句なしの臨戦態勢に体を持って行った。

 先ほど、ブレスの暴発で顔面に、しかも口の中から受けた深刻なダメージは抜けきっていない。いかに強大な生命力を持つ龍といえど、内側から牙を吹き飛ばすほどの衝撃が炸裂したとなると……再生までには時間がかかるのは明白。
 その間は、満足に歯を食いしばることも難しいだろう。

 しかし、当然ながらゼットがそれを待ってくれるはずもない。

 ジャバウォックもそれを理解していたがゆえに、短期決戦でこの場を切り抜ける、あるいは隙をついてラインから逃げることを考えて……

(くっ……この我が、逃げることなどを選択肢に入れて戦わねばならぬなど……! この屈辱は決して忘れん……ただ殺すだけでは済まさんぞ、黒い龍!)
 
 色々なものを棚上げして勝手に怒り、ほとんど逆恨みに近い怒りをゼットに対して抱き……そして、咆哮する。

 同時に、全身にみなぎらせていた魔力を一気に高め、全身を最大限に強化した状態でゼットめがけて突撃していく。
 大きく振りかぶった腕を、大槌のようにゼットめがけて振り下ろす。

 それをやすやすとかわすゼットだったが、ジャバウォックの今の攻撃はフェイク。
 振り下ろしてそのまま降りぬく……かと思われた腕を素早く切り返し、裏拳の形にしてゼットめがけて追撃の一撃をふるう。

 しかしその一撃は……ゼットが邪魔だ、と言わんばかりに、虫でも払うように振るった腕での雑な一撃に遮られ、いとも簡単にはじかれ……防がれてしまった。

 それどころか、そのゼットの拳の勢いで――自分よりも何十倍、何百倍も小さな龍が放った一撃で――体勢を崩される。のけぞるほどに大きな衝撃で強制的に体がよじれ……しかし、そのことに怒るより先にゼットの追撃が飛ぶ。

 ブースターから琥珀色の炎を噴射して飛翔し、同じ色の複雑な軌道を描いて飛んだゼットは、ジャバウォックの防御をかいくぐって懐に飛び込む。

 が、それを読んでいたジャバウォックは、口の中に瞬時にチャージしたブレスを放ってそれを迎え撃たんとする。
 全力で放った時ほどの威力はでなくとも、ひと呼吸で放射するブレスとしては破格の威力。十分に地形を変えるだけのそれを有していた。

 全力で突っ込んでくるのであればよけられまい、と考えての攻撃だったが、その予想をいとも簡単に覆し……ゼットはほぼ直角に方向転換して真上に飛んでいく。

 そして、その背後から……無数の鱗の棘……否、ミサイルが代わりに飛んできた。

 ゼットによる攻撃を読んでいたジャバウォックだったが、ゼットの方はその迎撃すら読んでいた。
 是中にある琥珀色の突起と鱗をミサイルに変え、自分が突撃する軌道に隠して放つことでジャバウォックから見えなくしていたのである。

 そして。ゼットの飛翔速度とほぼ同速で突っ込んできたそれを、ジャバウォックのほうこそかわすことはできず……鱗のミサイルは全弾見事に口の中に命中し、炸裂。
 チャージされていたブレスを誘爆させ、またしても内部から甚大な被害をもたらした。

「がぁぁああぁっ!?」

 怒号とも悲鳴ともとれる叫び声をあげるジャバウォックだが……繰り返すが、ゼットが体制を立て直すのを待ってくれるはずもなく。

 万が一ブレスが放たれた時を考えてか、一気にかなり離れたところにまで退避していたゼット。
 今度は背中の突起と鱗を使い、さらに大型のミサイルを無数に作成し……遠距離から雨あられと降り注がせる。

 ジャバウォックのサイズからすれば、それでも小さな棘に等しい程度の大きさしかないが……その1発1発には、ゼットの胸に光る『生体魔力式縮退炉』によって生み出された膨大な魔力が込められており、まさしくミサイルかと思えるような威力を有している。

 甚大なダメージに加えて絨毯爆撃に等しいそれを浴びたジャバウォックは、怨嗟の咆哮を上げるも、動くことができない。
 計算されて降り注ぐミサイルが、回避しようとする方向からさらに回り込んで襲ってくるため、その場に縫い留められてしまっている。

 その自分で放ったミサイルの弾幕を支援砲撃代わりにしてゼットは突撃し、今度こそ邪魔されることなくジャバウォックの懐に飛び込む。

 そして、衝角のように鋭く突き出した角を中心にして高速回転。さらにそこに全身のブースターを噴射させた勢いを上乗せし、琥珀色の魔力光をまとって……まるで、一条の黄金の矢、あるいはドリルのような姿となって……ジャバウォックの心臓めがけて突貫した。

 その瞬間、これまでで一番……あえて言うならば、今まで生きてきた中で最大の命の危機を感じ取ったジャバウォック。

 それを裏付けるかのように、
 胸の鱗に触れたゼットの一撃は、いとも簡単にジャバウォックの鱗を砕き、肉を切り裂き、えぐり、押しのけ……その感触が妙に生々しく、はっきりと感じ取れた。

 ジャバウォックは、その感覚が、死の間際に時間がゆっくりになるというそれ……『走馬灯』に等しいものだと気づくよりも先に、反射的に体が動いていた。

 降り注ぐミサイルの弾幕の中、強引に体をひねり、さらに限界まで筋肉を強化して硬質化させることでどうにかその軌道をずらし……致命傷を避ける。

 結果、ゼットの一撃による被害は、胸の一部と、片側の腕と翼をえぐり飛ばすのみにとどまった。

 それでも、ここにきて生じた、目に見えるダメージ……を通り越して、欠損である。
 十分、というか明らかに致命傷ではないかといえるような大傷であるが……ジャバウォックの生命力からすれば、これでもなお、相応に時間……ないし、期間をかければ自己再生が可能な範囲だった。
 
 しかし、さすがに戦闘の続行は不可能。
 片腕に片翼では、膂力も機動力も半減以下。万全の状態でなお圧倒されていたゼットを相手に戦えると思うほど……ジャバウォックも愚かではなかった。

「おのれ……おのれぇっ……! この我が、このような無様をさらすことになろうとは……絶対に許さんぞ、黒き龍め……!」

 底知れぬ怨嗟の込められた声ではあるが、はたから見れば完全に負け惜しみにしか聞こえないそれが響く中、ゼットは突撃に制動をかけて振り向き、すぐさま追撃を狙う。

 しかしその時にはすでにジャバウォックは、残った腕に魔力を集中し……自分の頭ほどの大きさの火球のようなものを作り出していた。膨大な魔力が込められているそれではあるが、しかしそれでもゼットを仕留めるに足るかと問われれば不安が残る。

 が、それはゼットを攻撃する目的で作られたものではない。

 直後、ジャバウォックがそれを放り投げると……火球は強烈な閃光と膨大な熱、そして衝撃波を放ちながらさく裂し……目くらましになった。

 さすがに一瞬動きを止めるゼット。

 その隙を見逃さず、ジャバウォックは……逃走を図る。

(今はいい気になっているがいい……ひとまずここは引いてやる……! 戦いの中、新たな『龍王』の手に、牙にかかるならまだしも……『渡り星』の龍ですらない貴様に、この我が負けるわけには、ここで滅ぼされるわけにはいかん!)

 ジャバウォックは片翼を懸命に動かして飛び、目指す先にあるのは……自らが通ってきた『ライン』。宇宙空間を突破して、故郷である『渡り星』につながる一本道。

 この『ライン』を使えるのは、ごく限られた龍のみ。それは、『渡り星』の龍の中にもほんの一握りしかおらず……当然、地上にいる龍――ジャバウォック曰く所の『劣等種』ないし『下等種族』――には使えない。

 故に、ここを通って『渡り星』に帰ることさえできれば、この黒い龍は手出しできない。いや、帰るまでいかなくとも、ラインの力場の中に入りさえすれば……外からの干渉は届かなくなる。
 そう考えて、ジャバウォックは光の中に飛び込もうとする。

 ……確かに、ジャバウォックが認識しているとおり……そのようにできれば助かっただろう。

 しかし、彼にとっての誤算が1つ。
 
 光の中に飛び込めば助かる……しかしそれは、彼と同じように、その『ライン』に干渉できる者が、他にいなければ……の話だった。


 ―――ガ ン !!


「!?」

 一瞬、ジャバウォックは何が起こったのかわからなかった。
 しかし、わかったらわかったでもっと困惑した。

 入れない。

 自分を受け入れるはずの、自分ならば使えるはずの光の柱の中に……まるで拒絶されるように、入ることができない。
 飛び込むつもりが、激突してはじかれてしまった。

 困惑するジャバウォックの目の前で、光の柱がうっすらと透明度を増していき……
 
「……っ……貴様ぁぁああぁ!!」

「久しぶりですね、ジャバウォック……なんともまあ、無様な姿になったもので」

 先客が、そこにいた。
 彼にとっても見覚えのある、白い鱗にすらりとした体躯の龍が。

 その龍……『メテオドラゴン』のテオと、さらにその背には、自分があの時殺しそびれた人間の少女……エータも乗っていた。
 彼女達がすでにラインの中に入り、外部からの干渉を妨げて……それこそ、資格を持つ龍ですら入れなくしているのだと、一発で分かった。

 人間であるエータはラインの中に入れないはずだが、恐らくはテオの力による後押しと、エータ自身が『ドラゴノーシス』の感染者……すなわち『龍の巫女』であるがゆえに、一緒に入ることができたのだろう。

「あなたを逃げさせはしませんよ。父母を殺した恨み、友誼を結んだ地上の皆さんの恨み……晴らさせてもらいます。それらに加えて……『龍王』になったのでしょう? 最後まで逃げずに戦ったらどうですか。『龍王』が敵に背を向けて逃げるなど、皮肉抜きにどうなのかと思いますよ」

「っ……貴様、何をわかっ―――」

 何かを言う前に、ジャバウォックの巨体は……真下に回り込んで激突してきたゼットによって打ち上げられ……そのまま空高く持ち上げられて、ないし押し上げられて飛んでいく。

 今度のゼットは回転してはいない。
 ゆえに、貫かれることこそないが……その勢いは止まらない。

 どんどん押し上げられる。
 満身創痍で満足に抵抗もできないまま、雲を超え、さらに上へ。

 まるでロケット発射時のような、大気圏を突破するのではないかとすら思えるほどの勢いで……周囲の空間が暗くなり始めるくらいにまで飛ばされた。

 そこまできてゼットは急制動をかけて停止し、ジャバウォックの体は慣性により、そのままの勢いで放り出された。

 その眼前で、ゼットは『縮退炉』をフル稼働させてすさまじい魔力を練り上げ……同時に翼を大きく広げ、体全体に魔力を漲らせ、纏っていく。

 冗談のような密度の魔力が全身を包んでいき……ゼット自身が黄金の光を放っていく。

 その光に、黒い『闇』の力が混じっていく。

 まるで、胸にある『縮退炉』の中にあるブラックホールから染み出したかのような……あるいは、この力を託した好敵手……ミナトが得意とするがゆえに顕現したかのような、漆黒の、底知れない闇。

 ジャバウォックは知る由もないが、夢の中で彼と模擬戦を幾度となく繰り返していたミナトが……『絶対に地上に向かって撃つなよそれ』とまで言っていた、最も強力で、最も危険な技。

 それが混ざって不思議な、しかし凄絶な色合いとなった光が、ゼットの全身を包んでいき……ゆっくりと口を開くと、その中に……破滅の光が見えた。

 その瞬間、ジャバウォックは……逃れられない結末の到来を悟る。

 そして直後……カッ、と大きく開かれたゼットの口から、目の前にあるもの全てを消滅させる、恐ろしいほどのエネルギーが凝縮された破壊光線のブレスが放たれた。

 ゼットの体内で凝縮されていたのであろうそれは、放たれると同時に、ゼット自身の体長の何倍もの太さになり……よけることのかなわないジャバウォックは、飲み込まれ……細胞のひとかけらも残さず、消滅した。

 己のエゴのままに地上を蹂躙せんとした暴虐の龍は、宇宙空間にほど近いところでその生を終え……それを滅ぼした黄金と漆黒の混じった光は、虚空のかなたにまで飛んで行って消えた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もふもふ転生!~猫獣人に転生したら、最強種のお友達に愛でられすぎて困ってます~

大福金
ファンタジー
旧題:【もふもふ転生】病弱で何も出来なかった僕。森で猫カフェをオープンすると大好評♪最強種のお客様ばかり遊びに来ます  生まれた時から奇病を患い、病院から一歩も出たことなかった主人公(大和ひいろ)夢は外を走り回る事だったが、叶う事なく十二歳で他界したのだが……。  気がつくと見たこともない場所に立っていた。  そこには創造神様と女神様がいて、前世でいっぱい頑張ったご褒美に、好きなスキルや見た目にしてくれると言ってくれる。 「ご褒美を決めろって……急に言われてもっ」  ヒイロは慌てて猫獣人の姿、鑑定やアイテムボックス等のチート能力をお願いし、転生を果たすが。  どうやら上手く説明出来て無かったらしく。何もない謎の森に、見た目普通の猫の姿で生まれ変わっていた。 「これって二足歩行する普通の猫!?」  その謎の森でドラゴンの親子に出会い、料理を作ってあげる事になったり。  さらには猫獣人の村で、忌み子と虐げられていた猫獣人の子供を助けたり。  家を作ったら、いい匂いにつられて最強種ばかりが度々遊びにきたり。  だがそれだけではなかった。ヒイロには隠された力が……!?    このお話は、ヒイロが毎日を楽しく生きている内に、良きせぬハプニングに巻き込まれたりするお話。 ※ハプニングのせいで、なかなかカフェはオープンしません。 ※二章カフェ編がやっとスタートしました。 ※毎日更新がんばります!

これ以上私の心をかき乱さないで下さい

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。 そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。 そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが “君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない” そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。 そこでユーリを待っていたのは…

【完結】身売りした妖精姫は氷血公爵に溺愛される

鈴木かなえ
恋愛
第17回恋愛小説大賞にエントリーしています。 レティシア・マークスは、『妖精姫』と呼ばれる社交界随一の美少女だが、実際は亡くなった前妻の子として家族からは虐げられていて、過去に起きたある出来事により男嫌いになってしまっていた。 社交界デビューしたレティシアは、家族から逃げるために条件にあう男を必死で探していた。 そんな時に目についたのが、女嫌いで有名な『氷血公爵』ことテオドール・エデルマン公爵だった。 レティシアは、自分自身と生まれた時から一緒にいるメイドと護衛を救うため、テオドールに決死の覚悟で取引をもちかける。 R18シーンがある場合、サブタイトルに※がつけてあります。 ムーンライトで公開してあるものを、少しずつ改稿しながら投稿していきます。

モブだった私、今日からヒロインです!

まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。 このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。 そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。 だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン…… モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして? ※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。 ※印はR部分になります。

【R18】両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が性魔法の自習をする話

みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。 「両想いでいつもいちゃいちゃしてる幼馴染の勇者と魔王が初めてのエッチをする話」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/575414884/episode/3378453 の続きです。 ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?

望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。 ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。 転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを―― そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。 その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。 ――そして、セイフィーラは見てしまった。 目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を―― ※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。 ※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。