魔拳のデイドリーマー

osho

文字の大きさ
上 下
427 / 611
第19章 妖怪大戦争と全てを蝕む闇

第427話 鬼、骸刃、巨人

しおりを挟む


「狐火!」

「鬼火……!」

 タマモとキリツナ、2人が放った異なる炎がぶつかり合い、爆発を起こす。
 余波だけで戦場を広く蹂躙するその灼熱地獄の中、炎が消えすらしないうちに2人はその中に飛び込み……ガキィン、と金属音を響かせて、お互いの獲物をぶつけあう。

 タマモの薙刀とキリツナの太刀が激突した瞬間、彼らを中心に発生した衝撃波が、一瞬で熱と炎を散らしてしまった。
 しかし、そんなことは気にも留めていないかのように、両者はすさまじい速さで切り結ぶ。

 刃と刃がぶつかり合う音が、まるで機関銃の発射音のようにギギギギギギ……と連続して聞こえる。その一撃一撃が決して軽いわけではなく、大岩をも容易く両断する威力を持っている。

 さらには、時折放たれる遠距離攻撃や戦闘支援系の術。
 それをかわしたり、同じように術で相殺したり、はたまた刃を持って切り払ったり。
 時には、互いの刃が炎や雷を纏って振るわれたりもする。

 そんな攻防が十連、二十連とぶつかり合う戦場。頻繁に発生する衝撃波や妖力の奔流が、周囲の地面をえぐり、クレーターをいくつも作っていた。

 ギィン、とひと際大きい音と共に、両者が鍔迫り合いに移行した。

「腕を上げたわね、キリツナのボウヤ……訓練用の模造刀の重さに振り回されていた頃が嘘みたいだわ」

「いつまでも子ども扱いしないでいただこう……いや、言動は焦って改めずとも結構。ここは戦場……述べるべきことは刃に乗せるのが正道というものだ」

「おまけにすっかり物騒なものの考え方をするようになって……全く、親の顔が見たいわね」

「さて、誰だったのだかな……私も知らんゆえ、機会があれば見て見たかったもの、だ!」
 
 弾かれるようにして両者は離れ……同時にキリツナは、懐から何かを取り出した。

 それが、以前にも見た『黒い羽根』だと気づいた瞬間、タマモは薙刀を片手で持つと、空いた左手に妖力を練り上げて炎を宿す。渦巻くように高速で動き、周囲の空気を吸い込んで大きくなっていく炎は、またたく間にすさまじい熱を発するに至った。

 次の瞬間、キリツナは手にした羽に妖力を注ぎ込み……あの日、タマモの家の庭で起こったものと同じ大爆発を引き起こし―――

「2度も同じ手が通じると思うか、下郎が」

 洪水のように押し寄せたタマモの炎が、その大爆発ごと押し流し、吹き飛ばしてしまった。、

 射線上にあるもの全てを燃やし、溶かし、消し炭を通り越して灰にする威力の暴力的な熱は、とっさに防御したキリツナの体表を覆う結界をガリガリと削り、瞬く間に焼き尽くす。完全にそれが燃え尽きる前に横に跳んでそこから逃れたキリツナは、ゴロゴロと地面を転がし、その上さらに妖力を全身から放出することで、燃え移った炎を消し、火達磨状態から脱した。

 だが、一旦隙を見せたが最後。タマモの手から放たれた無数の火炎弾が、ガトリング砲のような勢いで襲い来る。先程に比べれば威力はないが、行き着く暇もない連続攻撃に、キリツナは防御だけで精いっぱいになっていた。

「……っ、流石は『キョウ』の御大将……武に術に見事なものだ!」

 吐き捨てるように言ったキリツナは、その場でドスン、と地面を踏みしめる。
 その途端、地面から無数の石弾が噴き出すように放たれ、火炎弾を誘爆させていく。押し寄せていた弾幕がほころび、逃れる隙間ができた。

「甘い」

 しかしそのまた次の瞬間には、タマモが手にしていた薙刀の石突でこつん、と地面を突く……と同時に、キリツナの進行方向を阻む形で石の壁がせり上がり、特大の障害物となった。

 それを刀で両断して退路を確保しようとした瞬間、先んじたかのように石壁が爆発する。
 さらにはその向こうから暴風が押し寄せ、こぶし大以上の大きさの石弾を巻き込んでキリツナに襲い掛かり……怯んだキリツナに、今度は上空から水がかぶせられる。

 ばしゃあっ、という豪快な音と共にずぶぬれになったキリツナだが、次の瞬間凄まじい冷気が吹きつけ、体についた水分が、まだ散ってしまう前の水滴ごと凍り付いて、氷像のようになる。

 あまりに目まぐるしく変わる自分の周囲の状況にとまどうキリツナに、タマモは、

「パワーやスピードは一丁前のようね。でも、私の前に立つには……経験というものが足りてなかったんじゃないかしら? 『百物語』なんて外法、もとい、弱い者いじめの延長にある手法で得た力ごときで…………この私に並んだつもりでいたか、若造」

 怒りと覇気を周囲に漂わせながら、手に炎……ではなく、純粋な熱を収束させていく。
 そしてそれを空気と共に圧縮してプラズマ化させると、ビームのようにして、氷に覆われ動けないキリツナに照射する。

 その瞬間、周囲の空間が自然発火するほどの熱がまき散らされ、一帯を焼き尽くす。
 しかもそのさらに次の瞬間には、超がつくほどの高熱を叩き込まれたことで、キリツナの体を覆っていた氷が一瞬にして蒸発し、水蒸気爆発を引き起こした。

「馬力や速さだけで勝てるほど戦いは甘くない。戦闘中の思考、呼吸、洞察力……本来、『力』と共に戦いの中で徐々に磨いていくはずのそれを、あなたは『力』だけを手っ取り早く求めるあまり、ないがしろにしてしまった。張りぼての強さが届くほど、この私の首は安くはない」

 爆発と共に巻き起こった煙が、そして水蒸気が晴れる。
 そこには……鎧が所々請われ、しかし2本の足で立って健在であるキリツナの姿があった。

「……『邪気』の恩恵とやら、か。やはり馬力と頑丈さは一級品のようね」

「『キョウ』の御大将に褒めてもらえるとは光栄だな……困ったものだ、力では負けていないというのに、届く気がせん。積み上げて来た経験というものか」

「……道を外れなければ、あなたもいずれ手にすることができていたものよ……正直に言うと、それについては私も残念だわ」

 言いながら、タマモは炎を纏わせた薙刀を構えなおし、腰を低く落とす。

 いつでも地を蹴って飛びかかれる姿勢となったタマモを前に、キリツナはまた懐から『黒い羽根』を取り出し、指に挟むようにして持つ。
 それを見たタマモは、ぼそりと呟くように、

「……『八咫烏』の羽根、ね」

「……! ほう……知っていた、いや、気付いていたか」

 聞き取れた言葉に、キリツナは少し驚いたような顔になる。

「やはりね……たった一枚の羽根に、わずかな霊力。しかしその威圧感に加え、あれほどの爆発的な炎……どこで手に入れたのかは知らないけど。歴史的にも貴重な遺物を爆弾扱いとは、贅沢と言うか豪快と言うか……だとしても、それは私には効かない、とわからなかったのかしら?」

「ほんの欠片とはいえ、『神獣』の力を押し返す威力には驚かされた。さすがは『九尾の狐』……だが、攻撃に使って効かんなら効かんで、やりようはある」

「なら好きになさい。もっとも……今の話を聞いて、私としてはあなた達の狙っているものが何なのか、少しわかった気がしたわ……それを絶対に許すわけにもいかない、ということもね」

「……流石に気づくか。まあいい、元より大きく動けば気取られると思っていたことだ。そもそも眉唾な部分も大きいことだしな……もう少し付き合ってもらおうか、九尾の狐」

 その一瞬後、再び両者の刃が交わる轟音が響き渡った。



 そして戦いは、そこからまた少し離れた場所ででも……

 ☆☆☆

「クレセント・ムーン!」

 弧を描いて首を刈り取りに来る僕の蹴りを、リュウベエは刀の腹で受け止めて防ぐ。
 それを返して僕の足を斬りつけようとするも、その時には打点を調整した僕が脚甲で受け止め、蹴る要領ではじいてしまう。

 だがその程度で止まるほどこいつが大人しいわけじゃなく、僕が次の技を繰り出すよりも早く、体を大きくひねり、遠心力を乗せた一撃を振り下ろしてくる。

 とっさに僕がかわすと、その一閃と共に放たれた真空波は、前方の地面に地割れのように深い切り込みを作ってしまった。

 しかもそれを、縦横無尽に、太刀の長さ・大きさ……そしてそこから来る取り回しの悪さを感じさせない素早さで振るっていく。その際の余波である真空波だけで、地面が切り刻まれて地形が変わっていくようだ。

 まあ当然、僕だってそんなやられっぱなしでいるつもりもないんだけどもね!

 ―――ガキィン! ガキン、ガキン、ガキィン!!

 その『縦横無尽』の剣を、僕は手甲脚甲で受け止め、弾き、時に反撃しようとして……逆に刀で止められたり、割と正面からぶつかり合っている。

「――くははっ。奴の……ドレークの弟というだけのことはあるな『災王』。俺と正面切ってここまで切り結べた者は、奴以外ではここ数十年いなかったぞ……ああまったく、ここに来てよかったというものだ。奴には感謝しなければならんな」

「褒められてもうれしくないなーそんなんじゃ! っていうか今、後に言った方の『奴』って誰? 口ぶりからして、ドレーク兄さんじゃないし……ひょっとして、お前をここに連れてきた奴?」

「察しがいいな。まあ、約定があるゆえ誰かは明かせんが……いや、案外あの男のことだ、そう遠くないうちに自分からお前達の前に現れるかもしれんぞ?」

「……なるほど。とりあえず性別はわかったしよしとするか」

 ……懸念していたことが事実だってことも同時にね。
 やはりこいつ、何者かによって『アルマンド大陸』からここに連れてこられたみたいだ。その方法まではわからんけど……僕ら以外にも、この『ヤマト皇国』の存在を認知し、なおかつ行き来する手段を確立している者がいるってのは……要注意事項だな。

 狙ってやったってことは、あの『麒麟』――『諸国行脚』の最中に遭遇した方――以外の方法だろうし……いやもしかしたら、あのキリツナとかいう奴が乗ってた『麒麟』か? だとすると、こいつを連れて来たのはキリツナ? いや、それとも……おっと。

 縦一線の振り下ろし。僕を左右に真っ二つにする軌道で振り下ろされた刃を、手甲で受け流すようにして防ぐ。

「戦場で考え事とは余裕だな、『災王』……何を考えていたのかは知らんが、頭を使うのはまたの機会にとっておかんと……永久に使えなくなるかもしれんぞ」

「心配してもらってどーも。ついでに海超えてまでいらんちょっかいかけてくるのもやめてくれると助かるんだけどね」

「それは仕方なかろう。俺からすれば、お前達がいることこそ誤算だったんだ。戦いがあるとだけ聞かされて連れてこられたのだからな……まあ、嬉しい誤算と言うべきだが」

「こっちはうんざりしてるよ。何だってこんな遠くまで来ていらんトラブルに巻き込まれたりヤバい奴と戦ったりしなきゃ……いや、案外というか、割といつものことだったかもしんない」

 1回や2回じゃなかったもんな、今まで……クエストなり何なりでどっかに出かけて、不測の事態が起こってトラブルに巻き込まれて、ヤバい奴とかそうでもない奴とかと戦ったりするの。

「ほう、それはうらやましい限りだ。昨今は俺は自分から探しに行かんと、そういうのに出くわすこともできていないのでな。戦争もここ数十年起こっていないし、まったく退屈な世の中だ」

「そんな世の中を退屈に感じるのはあんたの考え方がヤバい側である証拠だね」

 軽口を叩きながらも、僕らの攻撃の応酬はますます激しくなっていく。
 どんどん体が温まってというか、ギアが入ってきているようで、スピードもパワーも天井知らずにどんどん上がってきている。

 『矢のように』なんて形容詞じゃ言い表せない速さで、大斧みたいな重量級の武器と同等かそれ以上の威力の斬撃が乱れ飛ぶ。……僕じゃなかったら、衝撃で鎧の上からでも骨折とかしてアウトじゃないかと……いや、それ以前に下手な鎧なら紙のごとく一緒に両断されるだろう。
 
「……っ……『ハイパーアームズ』!」

 一瞬できた隙に、強化変身『ハイパーアームズ』を起動し、プロテクター調の装備を手足と胸にまとった僕は、それらの作用によって強化された能力で一気に攻める。

 しかし、『ほう』と、驚きつつも感心した様子のリュウベエは、多少押され気味にこそなったものの、僕の攻撃をはっきりと見極めて見事にさばいてしまう。
 長くて取り回しの悪そうな刃を、熟練と言う他ない太刀さばきで見事に使いこなし、拳をいなし、蹴りを受け流し、切っ先を向けてこちらをけん制したり、大ぶりの一撃を放った……かと思えば、その勢いや遠心力を利用してさらに苛烈にコンボをつなげてきたり。

 考え方から何から物騒な奴だけど、こうして戦うと……やはり、超がつくほどに『一流』の戦士なんだと認めざるを得ない。
 『ハイパーアームズ』で攻めきる前に……あっという間に慣れられてしまった。さっきまでと同じ、とは言わないが、ほぼ拮抗した斬り合い&殴り合いが続いている。

 ……でも、それは『想定内』だ。

(ドレーク兄さんと『同列』なんて言うくらいだ……この程度で攻めきれるとは思ってない。チャンスはむしろ、この後……)

 一撃でも致命傷級の攻撃が飛び交う中、じっと――という言葉を使っていいものかどうか――その時を待っていた僕は……リュウベエが鍔迫り合いの直後、すさまじい速さで刃を返し、大上段から僕に斬りかかってきた……その瞬間、

(……! ここだ!)

「モードコンパート!! 虚数制御ドライバ展開!」

 『ハイパーアームズ』の鎧部分のあちこちがスライドして開き、その内側から紫色の光が漏れ出し始めた……が、それをリュウベエが視認できたかどうかというタイミングで僕は、『虚数跳躍』を発動。この世の裏側の空間……『虚数空間』にダイブした。

 そして、一瞬後には通常の空間に復帰……しかしその位置は、リュウベエの真後ろ。
 位置取りというか動き的には、僕がリュウベエの方に突っ込んで、しかしそれをすり抜けて後ろ側に回り込んだような形だ。それも、その一瞬だけ視界から完全に消えて。

 ぐるん、と方向転換しつつ、後ろ回し蹴りの形で、ブラックホールのごとく『闇』魔力が膨大に充填された蹴りを放つ……が、

 ―――ガギィン!!

 大上段からの唐竹割りだった攻撃を、どうやったらここまで素早く切り返せるんだってくらいの動きで体の後ろに回り込ませ……ほとんど後ろを向いたまま、背中との間に刀を割り込ませて、リュウベエは僕の一撃を受け止めていた。

 だが続けざまに僕は今度は横合いからもう1発、もう片方の足で水平に蹴りを放つ。
 今度は『闇』だけでなく、『雷』と『風』を纏わせて加速させ、より素早い一撃だ。

 それを今度はリュウベエは、体ごと振り返って、自分の体と刀の間に腕を滑り込ませ、受け止めて防御する姿勢を取る。またしても、僕が攻撃する前に防御する構えが整ってしまう…………が、


(それを……待ってた!! お前から確実に受けに来る構えを!)


 さっき僕が放った、1発目の後ろ回し蹴り。アレの衝撃が、リュウベエとその刀からまだ抜けきっていない。そんな状態の所に、今度はもっと速い蹴りが来る。
 
 しかも、暴風と雷を纏ったそれは、普通に放つ蹴りよりも、速さだけでなく、攻撃範囲も広く、周囲を巻き込む力があるから受け流しづらい。

 正面から万全の状態ならともかく、リュウベエのこの無理な体勢で、この蹴りを受け流すのは難しいし、かわすのはもっと難しい。それならもう受け止めるしかないが、受け止めようと思ったらそれに専念して力を入れるような姿勢を、無理してでも取らないと大ダメージにつながる。

 そして、無理してそういう姿勢を取った場合……防御力はあるだろうが……十中八九、機動力が死ぬ。
 つまり、動かず受け止めなきゃいけないわけだ。
 いやまあ、受け止めるつもりでそうしたんだから、普通ならそれで問題ないんだろうが…………それを狙ってた僕にとっては、致命的な隙でしかない。

 リュウベエの構えが完成した瞬間……僕は、自分の体にかけていた『幻術』を解く。『陰陽術』と『虚数魔法』の応用で習得した、完成度がかなり高くてわかりにくいものに仕上がっているそれを。

 そして、その下から現れたのは……既に『アルティメットジョーカー』に変身した僕の姿。
 『虚数空間』にダイブした瞬間に、既に変身していたのだ。そして同時に『幻術』を身にまとって偽装し、通常空間に復帰した。

 『ハイパーアームズ』に変身したすぐ後で、僕の攻撃に慣れたところだったリュウベエが……『受け止められる』と誤認するように。
 実際には、『ハイパーアームズ』よりも格段に強力な一撃が飛んでくるにも関わらず。
 先に放った後ろ回し蹴りが、想定通りの威力であったこともあってだろう――もちろんそうなるように加減して蹴ったんだが――見事に引っかかってくれたよ。

 ようやく一杯食わされたことを悟り、目を見開いて驚いているリュウベエの眼前に迫るのは……雷と暴風どころか、超高密度の雷雲を、ハリケーンかってほどの勢いで渦巻かせて纏った足。
 かつてウェスカーに放った『トールハンマー』すら凌ぎ、『陰陽術』を始め、新しく習得した技法による強化をこれでもかとトッピングした新必殺技!!


「『汰蹴巳禍槌タケミカヅチ』ィ―――ッ!!」


 ヒットの瞬間、その周辺の空間が白く塗りつぶされたかのような閃光が迸り……大気が震え、張り裂けそうなほどの衝撃が当たりを蹂躙し、


 ―――ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ……ドガァァアアァッ!!!


 落雷の何十倍、もしかしたら何百倍かもしれない雷が、1つに束ねられてリュウベエに直撃。
 さらに同時に、超圧縮された暴風の爆弾が激突し、竜巻のように炸裂……しつつも、その渦の力で周囲の空気をかき回す殺人洗濯機と化し、電撃と合わせてその周辺の空間の全てを破壊する。

 迸る電撃。そこから生まれる電熱。
 熱で膨張する空気。しかしそれを竜巻が逃がさない。
 押しつぶされそうな凄まじい高気圧。それが洗濯機のように縦横無尽にシェイクされる。

 これらが一続きに起こり、そのほぼ全てが範囲内の敵を滅ぼしつくす暴力になって襲い掛かる。

 大型の龍も跡形もなく消し飛ばすであろう一撃は、防御するつもりで到底防御しきれなかったリュウベエを飲み込み、周囲の空間ごと焼き尽くして消し飛ばした…………



 …………と、思ったんだけども、



 ―――ズバァン!!
 


 僕の目の前で……閃光と暴風が……袈裟懸けの軌道で、ばっさりとぶった切られた。

「……信じられんことするな、こいつは……」

「貴様が言うか」

 そして、その向こうから出て来たリュウベエは……よかった、流石にノーダメージってわけじゃなかった。

 全身あちこち炭化してるし、切り刻まれてズタズタになっていた。
 顔も半分以上焼き潰れてるし……というか、体中ほぼほぼそんな感じで……所々抉れたり潰れたり飛び出したりしてて、骨とかその他色々な……見えちゃいけないものが見えてる部分まである。率直に言って……グロい。

 刀はいま、右腕1本で持ってる状態だ……左腕は、肘のあたりから千切れてなくなってる。
 ……ってことは、片手で今の一撃放ったのか、すごいな。

 というか……あの状態で生きてるって、いよいよ人間じゃないなアレ。
 いやまあ、エレノアさんに八つ裂きにされた後も生き延びてた時点で、単なる人間じゃないというか、何かしらの不死身系能力があるのは知ってたけど……どうなってんだよマジで?

「何にせよ、もうなんか生き物として色々間違ってる光景だな……」

「生き物……か。果たしてそう言っていいものかもわからんがな」

「……? どういう意味それ、お前アンデッドか何かなの?」

「さあな。……実の所、俺自身、俺がどういう存在だと説明していいのか未だにわからん。ただ……この通り死ににくいというか、なかなか死ねん体でな。よくはわからなくともありがたい。戦いの中に生きるには重宝している……死人か生者かというのは……まあ、些細な問題だ」

「いや、絶対些細じゃないと思う」

 よくわかんない上に明らかにヤバいもんを平然と受け入れてるその神経の図太さは何だよ……大物と言えばいいのか、考えなしだと笑えばいいのか。

 リアクションに困る僕の前で、『だが』と続けるリュウベエは、

「流石にこの状態は動きづらいな……」

 呟くようにそう言ったその瞬間、リュウベエの体から大量の怨念エネルギー……あるいは『邪気』と呼ぶべきそれが噴き出し、体がほとんど完全それに包まれて見えなくなってしまった。

 そして、それが晴れると……傷一つなく元通りの姿になったリュウベエがそこに立っていた。
 体だけでなく、服まで修復されてるんだが……コレっていったいどういう仕組みだ? 『邪気』って、強化だけじゃなく回復までできるのか?

 というか、今すごく自然に『邪気』を使いこなした感じだったな……やっぱりこいつも『百物語』を使って……? いや、でも……戦ってる最中は、こいつの体にそれらしいオーラも何も見られなかったし、そもそも気にしてる余裕なかったから今の今まで気づかなかったけど……

 ……まあ、いい。
 手ごたえはあった。本人の言う通り『死ににくい』体みたいだが……『死なない』わけじゃなさそうだ。この『アルティメットジョーカー』なら……うん、押し切れる。どうにかなると思う。

 不意打ちで潰せなかったのは残念だが、このくらいのリカバリーは……なんてことを考えていた、その時だった。


「てめえら、何ちんたらやってんだァァアァア!!」


「ん……!? おわ!?」

 戦場全体に響き渡りそうな、そんな轟音……というか、大声が聞こえたと思った次の瞬間、僕の背後から突然、巨大な拳が迫ってきて……慌てて僕は、また『虚数跳躍』ですり抜けて回避した。

 何事かと思って、通常空間に復帰した直後に当たりを見回してみると……いや、見回すまでもなく、その元凶と言うか、今の『拳』の正体、ないし主を見ることができた。

 突如として戦場に現れたそいつは、筋骨隆々で、身長何十mだってくらいの巨体を持っていた。顔が強面なのも相まって、鬼もかくやと思うほどの迫力だけども……角は生えてない。
 服装は、何だコレ……なんて言ったらいいんだ? 古代ローマ人みたいな、布を巻きつけただけみたいな……原始的ながらどこか趣のある服。名前知らない。

 今しがた降りぬいた拳は、その威力を示すかのように……空振りだったというのに、暴風と衝撃波を周囲に発生させ、打ち出した先に合った地面をえぐりすらした。
 見た目通りと言えばそうだけども……なんちゅう腕力だ。

 何だこいつ、と思ったのは一瞬だった。
 こんなでかい奴が人間のはずはないし、妖怪だとしたら……その『でかい』という特徴に何より合致する妖怪の存在を、僕はタマモさん達から聞いている。敵方の最大戦力の1人として。

「……こいつか、『大太法師だいだらぼっち』とかいうの」

「気安く呼ぶんじゃねえよ、ガキが! 他人様の庭に土足で踏み込んで、好き勝手やってくれたじゃねえか! てめえ、生きて帰れるとは思ってねえだろうな!」

 どうやら僕の予想であってたらしい。敵の総大将……は、あっちでタマモさんが戦ってるけど、それに次ぐレベルの立場の奴が出て来たか……時間かかってるから痺れ切らしたか? 好都合だが。

「喧嘩を売ってきたのはそっちからだろうに、都合のいいことを……自分にいいようにしか物事を解釈しないってのは、大陸でもこの国でも、面倒な連中の共通の考え方だな……」

「ほざけ、ちび人間の分際で! カムロやリュウベエの話じゃ、大陸じゃちっとばかり有名だったようだが、俺が出て来たからには貴様なんぞ一捻りにしてくれるわ。踏み潰されて赤いシミになる覚悟はできてるんだろうなァ!」

「…………うん? あんた今何て言った?」

 何か今、聞き逃せない名前が出て来た気がしたんだけど?
 『カムロ』ってそれ……僕の記憶が確かなら、以前にタマモさんから聞いた、『9番目』の名前だと思……

「ふん!」

「おぉっと!? さすがに待ってはくれない……か」

 思考する暇は与えてもらえず、宣言通り僕を潰そうと、空を切る轟音と共に平手打ちが迫りくる。上から下へ、バレーのスパイクみたいに豪快に振りぬかれた。
 その際の踏み込みが小規模な地震になって周囲の地面を揺らし、家屋なんかが結構な数壊れたのが見えた。

 その次に、今度はもう片方の手を握り、大きく横にぶぉん、と薙ぎ払う。体も挙動も何もかも大きすぎて、殴ろうとしたのかラリアットだったのかはわからない。

 あと、また衝撃波が出て地上に被害が……

「おのれ、ちょこまかと……すぅ~……がァっ!」

 おわっと!? 今度は……何だ!? ブレス!?
 息を大きく吸った直後、口から衝撃波だか暴風みたいなのが……流石にびっくりした。

 そして、僕が避けたことでまたその流れ弾が地上に着弾して周囲を破壊する。いや、自分でこの辺の街並みとか破壊してる気がしますけども。まあ、この巨体なら必然そうなるのはしかたないことか。まるっきり怪獣映画みたいな戦い方になってるもんな……割と地形変わるぞコレ。

「もうちょっと周囲のこと考えて戦えばいいもんを……あんたんとこの兵士とか結構巻き添えくらってんじゃないのコレ」

「ふん、弱くて勝手に死ぬ奴らのことなんぞ知るか。運よく生き残れたら奴隷として生かしてやってもいいかもな……俺がこの国の覇者になった後でだが」

「あー、そういう感じの認識というか考え方ね……こりゃ配慮なんてもんを求めるだけ無駄か。というか、あんたって『鬼』に協力してる立場なのにいいの? この国の覇者になるとかなんとか、思いっきり後で裏切りますみたいな宣言になってるけど」

「ふん、もともとあのガキに協力したのは、支配しやすくやすくするために一度ぶっ壊す必要があったからだ、表の世界も裏の世界もな。それに奴は日頃から、この国の覇権を握る者は力で決めるべきだと言っている。ならば、俺が貴様らも奴らも全て叩き潰せば何も問題も文句もあるまいよ? それまではこの大太法師様が味方になってやるというのだから、せいぜい汗水流して働けばよい……役に立った奴は、奴隷としてでも使ってやるつもりだ。……だというのにリュウベエもキリツナもふがいない! たかがこんなちび共を殺すのに、いつまでかかっているのだか!」

 いかにも面白くなさそうに『チッ!』と舌打ちをして悪態をつく大太法師。
 忌々し気に僕を睨みつけ、再び攻撃を再開しようと拳を握り……それを振りかぶる。戦闘再開ということのようだ。

 ……全体的に攻撃が大ぶりで、大きさゆえに速度もそこまで怖くないんだよな。かわすのは難しくないし……なんなら受け止めることも……できなくはない、かも。今の僕なら。

 ただ、怪獣映画そのものって感じの巨人を相手に、わざわざ相手の土俵で戦ってやるのもめんどくさいな……大きさが大きさ名から、タフさだけはありそうだし。
 ここはひとつ、対巨大生物用に前々から考えてた攻略法で……と、思ったその時。


 ―――ザシュッ!!


 振りかぶられ、あとは僕目掛けて叩きつけるだけ――当たるかどうかはともかく――だった、大太法師の腕が……肘のあたりから、斬り落とされた。
 
「は?」

「なっ……何ィィ―――ッ!?」

 どすん、とすごい音を立てて落下し、地面にめり込む……斬り落とされた方の腕。
 その部分がなくなり、だいぶ短くなってしまった……自分の腕、その切断面を見ながら、大太法師は驚愕のあまり目を見開いて叫んでいた。

 そして、その犯人はというと、

「……俺の戦いの邪魔はするな、と言ったはずだな? ゴウザン」

 見るからに不機嫌……を通り越して、怒りを声音に滲ませている様子のリュウベエ。
 ゴウザンに背を向けて立っているそいつは、たった今、かなり大きなものを切り裂いたせいで、大量の血がついている刀をひゅん、と振るって血を払い落としたところだった。

「りゅっ……リュウベエ―――!! どういうつもりだてめぇええ!? お、俺にッ、この俺にこんなことをしやがって、どうなるか……」

「…………」

 返事はせずに、リュウベエは首だけで振り返り……その眼力だけで大太法師……ゴウザンという名前だったそいつを黙らせた。

「ひっ……!?」

「失せろ……それとも、残った腕も要らんのか」

 どうやら、僕との1対1のバトルに水を差されたことが気に入らなかったらしい。バトルジャンキーってそういうとこあるよね……で、それで(一応)味方に何の躊躇もなく斬りかかるってか……まあ、まともな感性を期待してたわけじゃないが、いっそう怖いなコイツ。

「こ、この根無し草の、薄汚い浪人がッ……俺が天下を取ったら、覚えてやがれよ!」

 そんな、いかにも負け犬の捨て台詞っぽいことを言いながらも、リュウベエの威圧に屈したのか、ゴウザンはすごすごと退散することにしたようで……。

 ……まあ、させないけども。

「……ん、う? う、ぐ? んぐ……んむむむむ、ぐぅぅううぅ!?」

「…………?」

 突然、喉や耳のあたりを抑えて苦しみ出すゴウザン。不思議そうにそれを見るリュウベエ。

「ぐぐ、ぐぁががががかぁぁあ!? あぎゃあああぁぁあああ!!! い、痛えええぇえぇぇえ!!?」

 ものの数秒……と経たないうちに、がくがくと震えるようになったゴウザンは、喉や耳……だけじゃなく、頭全体をかきむしるようにしてもだえ苦しみ始め、その場に倒れ込んで派手に転がっている。身も凍るような悲鳴を周辺に轟かせながら。

 何が起こってるのかわからないリュウベエはきょとんとしてるらしいが、この行動を引き起こさせた下手人である僕は、何も言わず、準備が整うのを待っている。
 
 もうちょっとだな……もうちょっと…………そろそろ………………よし、いけ。

 ―――パチン

 僕の指ならしによる合図と同時に、


 ―――ドッゴォォオオン!!!


 ゴウザンの頭部が爆発……首から上が木っ端みじんに吹き飛んだ。
 さらに、体の中でも同じように爆発が起こり、胸が内側から吹き飛んで大穴が開いた。

 周囲に肉片とか眼球とか色々飛び散って、うわあ……覚悟はしてたけどグロい、酷い絵面に……

「……何だ、お前の仕業か。まあ、やけに冷静に見ているなとは思っていたが」

「まあね。真正面から戦ってもよかったけど……見るからにタフな怪獣映画の生き物相手にそんなことするのも面倒だなと思って」
 
 僕がやったことは簡単だ。『CPUM』を使ったのである。

 リュウベエに腕を斬り落とされ、『りゅっ……リュウベエ―――!!』とゴウザンが怒鳴ったその瞬間……大きく空いたその口に、僕は魔力をたっぷり充填した『マウス』と『ピスケス』のカードを放り込んだ。

 召喚される人工モンスター『マウス』は、握り拳くらいの大きさしかない、デフォルメされた小さなネズミという感じの見た目だ。外見的には怖くもなく、むしろかわいい系かもしれない。

 ただし、その持っている能力は全然可愛くないどころか、むしろ恐ろしいものである。

 前にも言ったが……こいつの正体は、スライムがそういう形をしているだけの不定形生物であり、しかも体液は強力な爆発物としての性質を持っている。そしてスライムらしく、水分と魔力があればいくらでも分裂して増えることができる。

 一方『ピスケス』は鯨のように巨大な魚の姿をしていて、その体は大量の水を収束して纏っている。その水を高圧・高速で飛ばして攻撃したり、周囲にまき散らして水浸しにしたりできる。

 そしてこいつは、鱗の一枚一枚が分離・変形し、ピラニアみたいな小型肉食魚型モンスターに姿を変えることができる。そして事前に設定しておけば、最初からその姿で召喚することも可能だ。

 ゴウザンの口の中で生まれた『マウス』は、同時に生まれた『ピスケス』がまき散らした水分を全て吸収して急激に増殖し……口の中を埋め尽くした。溢れて入りきらない分は、口から鼻、耳へさらに侵入していき……さらに喉を超えて胃の中にも進出した。

 そしてここからは描写だけでも痛いかもなんだが……同時に生まれた『ピスケス』が、ゴウザンの体内を内側から、片っ端から食い破り始めたのだ。そしてそうしてできた傷や、食い破られて露出した血管の中なんかにも、『マウス』が入り込んでいく。

 その際の、内側から食われる激痛と異物感、圧迫感に、ゴウザンはのたうち回っていたわけだ。

 あとは、血液その他の体液をも吸収して、『マウス』がさらに増殖し、体の各部(特に頭部)にぎっちぎちに詰め込まれたところで起爆すれば……まあ、御覧の通りだ。

 巨大モンスターは爆発物で倒すってのが、映画の定番だったしね……偏見かもだけど。
 あと、こっちも巨大ロボ使って倒そうかとちょっと迷ったし。



しおりを挟む
感想 803

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。