魔拳のデイドリーマー

osho

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第18章 異世界東方見聞録

第354話 ま た か !

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 僕ら『邪香猫』は、基本的にクエストの目的地に行く時、『オルトヘイム号』その他、自前の移動手段を使う。
 そして、寝泊りもそこでする。安全対策、その方がばっちりだから。

 けど、街中に宿を取ることもある。要人の護衛だったり、色々な理由で常に町中に留まらなきゃいけないようなケースもあるから。

 そういう時は、僕が作ったマジックアイテムで、その宿の、使っている部屋全体を覆うように特殊な力場を発生させ、外敵の侵入、攻撃を防ぐようにしている。

 これにより、よからぬ輩が放った密偵や暗殺者なんかはほぼ完全にカットできる。

 もっとも……僕らを相手に暗殺やら襲撃を企てる奴なんて、そこまでいないんだけどね。
 いつも僕らが使う宿って、基本、そういうセキュリティもしっかりしてる最高級宿だし。それこそ、王族や貴族とか御用達レベルの、武装したガードが常駐してるレベルだ。

 だから、毎回用心のために発動させているアイテムも、言っちゃなんだけど魔力の無駄、取り越し苦労で終わる。99%くらいは。

 ……まあ、今回はどうやら、その残りの1%だったらしいんだけどね?

 どうやらさっきの爆音は、この宿の部屋を守るように発生させている力場に、何らかの攻撃が当たったことによるもののようだ。

 窓の外に注意を向けてみると……うん、気配がある。魔力も感じる。それも、結構なのを。

(話に夢中になってて、気づくのが遅れたか? いや……むしろ、いきなりあらわれたみたいに感じたぞ!?)

 伊達に冒険者やってるわけじゃないってことで、僕らの反応は早かった。

 即座に戦闘態勢……非戦闘員や遠距離要員を、囲んで守るように並びなおす。
 整ったところで僕が窓を開けると……うわっと!?

 ――ドカァン!!

「いきなりご挨拶だな……」

「なるほど、障壁を展開していたというわけか……小賢しい真似を」

 窓を開けると同時に、殺す気満々のファイアーボールが飛んできた。
 それも障壁機構(発動継続中)で防いだと思ったら、今度は罵詈雑言が飛んできた。

 ……この時点で敵認定確定なわけだが(敵じゃなくてもここまでされたら殴るけど)、一応、この眼前にふわふわ浮いてる不審者達が誰なのか確認しないとな。

 およそ10人前後。浮遊系の何か術を使って、窓の外に浮いている。全員。
 全員、薄衣みたいな布を顔にかぶっていて、顔がわからない。声や体格で性別はわかるが。

 眼科に見える街並みには、すでに夜も遅いってことで人はほとんどいないが、流石に今みたいな轟音が何度も響いたら、そりゃ『何だ何だ?』って出てくるよな……野次馬が増えつつある。

 派手な戦闘にはなってほしくないな……巻き込まれて死人が出かねん。今の火炎弾、それなりに威力はあるものだったし……一般人が食らったら多分即死レベルだぞ?

(いや、それよりも……今、何か違和感があった気が……)

「人の子よ、今すぐにその結界を解き、我々を迎え入れよ」

「……不審者をわざわざ部屋に入れるバカがいると思う?」

「ふん、身の程を知らぬ愚か者め。黙って我らの言う通りにすれば死ぬことはなかっただろうに」

 そう言って、先頭に立っている男が、さっきのファイアーボールよりもさらに魔力を多く込めた、恐らくは電撃系と思しき魔法を、指先から放ってくる。無論、僕に直撃させるように。

 ――バチバチバチッ、ズガァッ!

「お……っと?」

 へえ、大した威力だな。持続性を考えているとはいえ、それなりの出力で展開されているバリアフィールドを貫いて、僕にまで攻撃を届かせたよ。
 威力は減衰してるけど、一般人だったらそれでも危ないレベルの電圧だ。

 ま、効かないけどね僕には。

「……ち、重ねて小細工をしていたようだな。見苦しい……我らより下される裁きより逃れ、あがいて、欲望の生にしがみつく。下等な人間の何と醜いことか」

 電撃が直撃したはずの僕が平然としているのを見て、忌々しそうな声音でそう吐き捨てる不審者…………ん~……何だ? この違和感?

 この魔力の感じといい、魔法の波長といい、そしてこの偉そうな口調や、人の話を聞く気配がない態度といい……何かどっかで見覚えがあるような気が……ん?

(ちょっと待てよ? 今、僕は何を言った……? 魔法? 魔力?)

 普通に言っちゃったけど、今更ながらその事実に強烈な違和感を抱く。

 今こいつは、結界を抜けないまでも、それなりの威力を持つファイアーボールらしき魔法を放って、僕に、というかこの宿に奇襲をかけてきた。

 加えてその後、今度は結界を抜けるレベルの威力の電撃魔法を放ってきた。

 ……そう、『魔法』だ。
 コイツが放ったのは『魔法』であり、込められていたのは『魔力』だった。
 
 ヤマト皇国特有の『陰陽術』でもなければ、そこに充填され、ないし組み込まれる、まだよくわかっていないエネルギー――魔力とはどうも違う感じがする――でもない。

 間違いなく、『アルマンド大陸』で一般的に使われている『魔法』と、それを発動させるのに使われている『魔力』だった。
 こいつは、ヤマト皇国独自の術じゃなく、アルマンド大陸の『魔法』を使ったのだ。

(どういうことだ!? 僕ら以外にも、大陸から来ている奴が……いや、そもそもこいつのこの風貌、話に聞いてた『月の使者』って奴じゃ……? つか、そもそも何でこいつら僕のところに?)

 そう僕が思案していると、目の前にいる『月の使者(暫定)』は、何やら両手を大きく左右に広げ、何やら唐突に語り始めた。大仰な、偉そうな口調で。

「聞くがよい、矮小なる人の子よ。我らは月よりの使者。今宵、この地に迷い込んだ我らが同胞を救い、連れ戻すためここに降臨せり。抵抗するな、大人しく、お前達がとらえている我らが同胞を開放し、引き渡すのだ」

「……場所間違えてるよあんたら。あっちの屋敷だよその人がいるの」

 この『月の使者(確定)』、何でか知らんけど、カグヤさんがここにいると勘違いしてきたのか……と思ってそう言ったんだけど、どうも違ったようで、

 件の『裏山』と、そのふもとの屋敷がある方を指さしていった僕に対し、ふん、と鼻を鳴らし、

「そうではない、無知なる愚かな人間よ。我々の同胞とは……そこにいる、緑の髪の娘だ」

 僕の後ろにいる、エルクを指さして……そう言った。

「「「…………は!?」」」

 余りに予想外なセリフに、思わず、僕ら全員声をそろえて聞き返す。

 え、何だって? ちょっと待て、それどういうことだ?
 エルクを迎えに来たって? エルクが、『月の使者』の同胞って……いや、何言ってんだ?

「……人違いだって、絶対。あんたらの探し人はあっちの山のふもとの屋敷にいるから……」

「何度も言わせるな、薄汚い人間よ。我らの言葉に口答えすることなど許されん。黙って言う通りにすることこそ、下等なる種族に許された誉と知れ。あの屋敷には別な者が迎えに行っている。我々は別に、その娘を迎えに来たのだ」

 ……話、通じねえ……。
 いや、勘違いじゃなくて、別個でエルクを狙って来たっぽいのはわかったけどさ、この人さらい集団。何だってそんな、ありえない言いがかりつけてまで……

 というかこいつら、いちいち罵詈雑言を交えないと会話できないのか…………って、まただ。

 何だ、この既視感……思い出しそうなんだけど、なんか頭が思いだすのを拒否してる感じが……とんでもない不快感が一緒に湧き上がってきそうで……

「愚かな人間よ。先程より、我らの術を阻害し、立ち入りを阻み、厳正なる裁きの炎と雷を遮っているその忌まわしき結界を解除せよ。そしてただちに、その娘を引き渡すのだ。さすれば、汝らの罪深き所業を許そう」

「え、絶対ヤダ」

 まあとりあえず、こいつらの妄言をまともに取り合う必要はなさそうなので、狙われてるっぽいエルクを後ろにかばい……非戦闘員と一緒に保護する姿勢に陣形を直しながら、僕らは不審者達に相対する姿勢を取る。

 その様子を見て、いらだった、不快そうな様子を隠そうともしない彼らは、

「愚か者達め、まだ罪を重ねるか……ならばしかたがない。少し手荒になるが……その結界をはぎ取ってくれよう」

 そう言って、今度はその後ろにいた連中も含めた全員が魔力を練り上げていく。
 ……また、『魔力』だ。しかも、これは……

「っ……ねえ、ミナトこれやばくない? この魔力量……かなり広範囲を破壊するレベルの攻撃魔法じゃ……」

「結界っていうか、この宿、建物ごと吹き飛ばすつもりってことかしら。随分過激じゃない」

「周囲への被害はお構いなしですか……聞いていた以上にろくでもない集団ですね」

 エルク、シェリー、ナナがそんな風に言っているのが後ろから聞こえた。

 確かに……相当な錬度、威力の魔法だ。込められてる魔力量からして、放たれた場合、もたらされる破壊の規模もそれに見合ったものになるだろう。

 バリアフィールドも流石に剥ぎ取られるし、そもそもこの宿1軒吹き飛ばしたくらいじゃおさまらないレベルだな、恐らく。野次馬達や、周囲の家々にも、かなり被害が及ぶだろう。

 放たれる前に潰すか、はたまた結界を強化して受け切るか……と、考えていたその時、ある音声が僕の耳に届いた。

 ……さっきからつけっぱなしにしていた、屋敷を盗聴しているホログラムモニターから。

『やはりこうなるのか。下等な人間は、どこまでも愚かな選択をする……』

 あ、やべ、止めるの忘れてた。
 っていうか、どうやらホントにあっちはあっちで行ってたんだな、人さらい。別で。

 そしてどうやら、あっちも何だか罵詈ぞ……



『黙って我ら『ハイエルフ』に従っていれば、苦しい思いをすることなく、相応に生きていくことはできただろうに』



 ………………ぁんだって?



 その直後。


「罪深き下等種族共……かつて大陸にて、至高の種族『ハイエルフ』と呼ばれていた我らの、裁きの鉄槌を受けて、自らの罪を食いながら死にゆくがよい」


 眼前の人さらい共は、一斉に僕らのいる宿に向けて、炎や雷、風の刃や氷の槍といった、手加減する気なし、周囲への被害完全無視の魔法攻撃を、絨毯爆撃よろしく放ち……

 
 その全てが、僕の突き出した拳の一撃、その衝撃波で爆散した。


「なっ……!?」

 そのことに驚いたような声が聞こえると同時に、衝撃波の一部が暴風となって人さらい共に届き……何人かの、顔を覆っている薄衣をはぎ取って飛ばした。

 その下から出て来たのは……金髪に、整った顔。
 そして……長い耳。

 ……………………なるほどな。

「っ……貴様っ! またしても我らに、至高の種族に歯向かうか! 下等種族の分ざ……」


 ―――メキョッ


 そいつが言い終わる前に、僕の拳がその顔面にめり込んでいて……





「まァアァたお前らかァァアァア――――!!!!」





 ―――ドッ、ゴォオオォオン!!

 叩き込まれた拳の威力に、そいつは吹き飛ぶ―――ことすらできず、その場で木っ端みじんに爆散した。

「……は?」

 『月の使者』を語る人さらい共……もとい、ハイエルフ共のうちの別な1人が、今目の前で起こったことが理解できず、きょとんとしている。

 うん、それはわかる。基本的にこいつら、自分達が絶対上位で、下等種族として見下してる奴らから逆らわれるとか、反撃されて傷を負うとかいう発想がそもそもないからな。凝り固まった選民意識とエリート志向、見下し根性が、無条件で自分達は全ての頂点だと思わせてるんだ。

 ……なるほど、この性格といい、会話の中に必ずと言っていいほど罵詈雑言が入ってくる感じといい、見覚えのある魔力といい……本当に『ハイエルフ』らしいな。

 どうしてこの国にいるのかはわからんけど、とりあえずこいつらは全員……

 ……そこまで考えたところで、僕が何かするより前に……それこそ、彼ら自身が『何かされた』と気づくよりも前に、

 残り9人全員が、首と胴体が泣き別れになって死んだ。

 そして、浮遊の魔法を失って落下していく彼らの死体。
 その向こうに、今しがた彼らの命を刈り取ったのであろう大鎌を、振りぬいた姿勢でふわふわと浮いている……師匠がいた。
 僕と同様、その顔に苛立ちを滲ませて。

「……つまり何か? こいつら、『月の使者』を騙って人さらいをしていた連中の正体は、大陸でもおなじみの、この耳長の骨董品共だったってことか?」

「そのようですね。何で『月の使者』なんてネーミングを選んだのかとか、カグヤさんまで口裏を合わせてたのかとか、その辺の事情はわかんないですけど、ひとまず確かなのは、月から来たとかそのへん、まるっと全部デタラメだったってことでしょうね」

「ただ単にこいつらの人さらいの隠れ蓑にするためのカバーストーリーだったわけか。月に生命体が棲んでるとか、超長距離の未知なる転移の術とか、そういうのも全部嘘っぱちだと」

「そうみたいですねー……はっはっは」

「そうかそうか……はっはっは」

 はっはっは……………………





 ふ ざ け ん な!!!





 こんなところに来てまで、あんの粗大ゴミ共がァァア!!

 どこまで人様に迷惑をかけりゃ気が済むんだ! なんでこいつらがこんなとこにいんのかわからんけど、どこ行ってもホントにやることが同じだな!

 人を見下して、都合も何も考えずにやりたいように! エルクをまた攫おうとして、『月の使者』とかなんとか嘘ぶっこいて! 期待させといて、あーだこーだ言いたい放題で……があああああ、もうなんか僕今、怒りすぎて怒り方がよくわからなくなってる!

 けど、とりあえずやることは決まってる!



「「焼き討ちじゃああぁぁああ―――っ!!」」



 ドゥン! と轟音を響かせて……僕と師匠は空を蹴り、音速を突破する速さで、もう1つの『ハイエルフ』の一団がいるであろう、山のふもとのカグヤさんの屋敷に向かった。

 これから始まる戦闘は正当防衛の延長上の話だ、問題ない。

 待ってろ害虫共。今すぐ駆除しに行ってやる。



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