魔拳のデイドリーマー

osho

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第17章 夢幻と創世の特異点

第320話 2日目 第一試合・同期対決

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さて、まずは結論から言うと……僕VS一般兵の皆さんの訓練が今日、行われたわけだが……語ることは決して多くはない。
というか、ほぼない。あっという間に終わったし……特筆するようなことは何も起こらなかったから。

ルールは簡単。僕1人に対して、一般兵は一個連隊……2000人。
一般兵の皆さんの勝利条件は、僕の気絶か降参、あるいは、戦闘続行が不可能なレベルの負傷。
僕の勝利条件は、一般兵2000人の全滅。気絶か戦闘不能、急所へのクリーンヒット等で死亡判定とする。その判断は、審判のイーサさんにゆだねられている。

模擬戦はそんなルールで始まったわけだが……何のことはない。いかに訓練を受けた職業軍人とはいえ、1000人いようが2000人いようが、僕を止めるには足りなすぎる。

自分で言うのもなんだが、あまりにも当たり前の事実だ。
こちとら『リアロストピア』の時には、色々と道具や技能を使ったとはいえ、人間の兵士と亜人の軍団、合わせて9万オーバーを1人で相手したんだからな。

剣を構えて突撃してくれば、拳の衝撃波でまとめて吹き飛ばされ、

槍衾で防御しようとしても、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ的に力技で食い破られ、

集団で組み付いて動きを封じようとしても、重機以上の馬力をデフォルトで出せる僕を抑え込んでおくなんてのは無理な話で、これも力ずくでひっぺがされる。

全方位から武器を突き付けて押しつぶそうとしようもんなら、回転蹴りや震脚、その衝撃波や暴風で吹き飛ばされる。

策を弄したわけでもなく、何か意外な弱点をついたわけでもない。
ただひたすらに『強い』だけ。それだけを武器に全てをひっくり返されることの繰り返し。

内容を変えて複数回行ったけども――ただ単に正面から蹴散らしたり、包囲網を突破しようとする僕を止めることが目的だったり、その他諸々数パターン――とりあえず、『圧倒的強者』の存在とその雰囲気、実力、みたいなものを垣間見せるという目的は達成した。

しかし、そこで起こったことは、過程にせよ結末にせよ、あまりにも当然のものだったため……僕らとしては、言っちゃなんだが『面白みのない』ものであったのである。

まあ、これはこれで達成として……もういいだろう、振り返るのは。

こうして、僕らが参加する訓練の1日目は終わったわけだ。



そして、来る2日目。
僕らとしてはむしろ、ここからが本番、といってもいい。

「さて、今日はよく集まってくれたな、お前達。急な日程調整ゆえ、参加することができる者が少なかったのは残念ではあるが……こたびの『模擬戦』は、間違いなく相互に意義ある経験となることを我々は確信している。皆、心して挑むように」

朝礼の時の校長先生よろしく、演壇に乗って挨拶をしているのは、今回の模擬戦の主催者代理としてここにいる第一王女様である。
主催者である父・アーバレオン国王の代理として、昨日、一昨日からだけども、貴賓席での観戦や、こういう式典(ってほどでもないけど。ただの開会式だし)の際の挨拶等を担当している。

あくまで『代理』ではあるが……以前、僕らは同じく王都で、彼女の抜け目のなさと弁舌能力を何度も見せられているため、力不足だとは思っていない。
緊張している様子は微塵もなく、堂々とした態度でこの場の全てを取り仕切っている。

ある意味安心して任せられるわけだが……まあ元々僕らがやることと言えば、割り当てられた相手と模擬戦することだけだからな。そもそも深く考える必要はないんだが。

僕ら『邪香猫』からの参加は、僕、エルク、シェリー、ナナ、そしてミュウの5人である。

それに対して、王国側からの参加は、同じく5人だ。
別に、5対5の団体戦ってわけじゃない。単に同じ人数になるようにしただけで。

内、顔見知りが1人で……残り4人は初対面だ。多分。

開会式、王女様のスピーチの最中なので、話すことはできないものの……ちらっと視線を向けて、一列に並んで立っているその5人を今一度見る。

戦闘に立っているのは、王国軍『大将』であり……いつもアクィラ姉さんがお世話になっている、イーサさん。戦装束であろう、軍服+鎧に加え、腰に剣をさし、背には弓を背負っている。

その後ろにいるのは、気の強そうなツリ目に、凛とした真面目そうな雰囲気の、黒髪ポニーテールの女性。背、けっこう高いな……僕よりちょっと上、って程度はあるかもしれない。

と、思ったら、その後ろに立ってる人はもっと背が高かった。180はあるな……プラチナブロンドの長髪に、やや浅黒い肌が特徴的だ。前の人ほどじゃないけど、こっちもツリ目気味かも。

その後ろ……今度はがくっと下がって、150cmもないであろう背丈の、華奢な、ともすれば子供と見間違ってしまいそうな女の子がいた。明るい金髪で……目、細いな。糸目ってやつか?
そして、特徴もう1つ。前3人が軍服だったのに対して、ローブを身に着けている。所属が違うとかだろうか?

で、最後。一番後ろに並んでるのは……男性だった。年齢は、二十代後半から三十代前半、ってとこか。精悍な顔つきと、180はある身長、オールバックになでつけた茶髪が特徴的だ。
こちらも服装が違うな。軍服っぽくも見えるけど……アレたしか、騎士団の方の服じゃないか?

この5人が、今日の僕らの模擬戦の相手なわけだが……っと、そんな間に話は終わりのようで。

「――というわけだ。では最後に改めてルールの確認を、ごく簡単に行う」

以下、ルール。

1.模擬戦は1対1で行う。
2.使用する武器は、訓練用のものとする。
3.決着は気絶、降参、場外に出て10秒、ドクターストップ、時間切れの5通り
4.魔法、能力使用可。装備品以外の道具は使用不可
5.制限時間は15分以内とする

「以上。なお、他の者の試合の観戦・応援は自由とするが……まあ、いないとは思うが、品位を疑われれうような小汚いヤジを飛ばす者は即刻退場させるからそのつもりでな。正々堂々、フェアプレーの精神で、互いにとって実り多き時間となるように努力せよ。私からは以上だ」

そう言って王女様が降壇し、その脇に立っていた進行役と思しき軍人さん(見覚えはない)が、

「では、5分後に第一試合の開始となります。出場者……ナナ・シェリンクス殿、並びに、セルリオ・クライアゼット隊長、ご準備をお願いします」

☆☆☆

さて、第一試合……うちからは、ナナ。

この王国軍っていうところは、元・『直属騎士団』副隊長ナナにとっては、古巣である。
家の事情でとはいえ、出世街道からドロップアウトした彼女にとっては、あまり好んで出向きたい場所じゃないだろう……というのは、以前にここに出向くまでに思っていたことだ。

実際は、今なおナナは、ここに所属している者達から一目置かれ、あるいは尊敬されている立場にある。

一部例外もあるとはいえ、ここの兵士・騎士の皆さんは、格下や脱落者を見下すような精神はしていない様子で、むしろ好意的に接している。度が過ぎない範囲で気を使っている人だっていた。
中には『今からでも軍に戻ってきてください!』とかいう勧誘も……つか、これは大半の人の共通認識であるらしい。ドレーク兄さんもやってたっけもんな。

そんな環境なので、ナナも特にストレスに感じることなく、仕事の一環ってことでこうして出向くことができている。

そして、試合場の反対側でナナと相対している彼もまた、そういう人間であるらしい。

「久しぶりだな、シェリンクス。元気そうで何よりだ」

「そちらも、クライアゼット……っと、隊長殿、って言った方がよろしいですか?」

「よしてくれ……普段が階級呼びばっかりで参ってるんだ。同期なんだから……まあ、そりゃあの2人ほど親しくしたわけじゃないとはいえ、普通に呼んでくれ、息が詰まる」

「それじゃあ、以前のように『首席』で」

「おいおい、当てつけか? 俺がその地位にあったのなんて、最初の3か月だけだろ……」

ナナの相手、セルリオ・クライアゼットは、どうやら……アリスやクロエと同じく、彼女の同期らしい。

彼は同期の中でも特に優秀だった1人で、訓練校入校当時の『首席』……つまりは成績トップだった。ゆえに、しばらく『首席』というそのままの名前で呼ばれていた。

もっとも、その後すぐに、頭角を現してきた3人……ナナ、アリス、クロエに抜かれたらしいが。
入学3か月後の定期試験でいきなり『首席』の座をアリスに譲ることになったそうだ。

確かにあの3人、自分たちは同期の中でも成績トップ3だって言ってたもんな。今の会話はそういう意味だったわけか。

しかし、そういう背景があっても特に人間関係の部分にしこりとかはないらしく、普通に仲よさそうに話している。ナナも心なしか楽しそうだ。
……アリスとクロエもいればよかったのに、と一瞬思った。4人で、昔のこととか話しながら楽しく過ごせたんじゃないかって。今のこの模擬戦っていう状況はともかくとして。

けど、アリスはタイミング悪く別件で用事が入ったとかで、僕らがここ『ネフリム』に来る前から離脱している。

クロエは、船で留守番だ。残念ながら……軍を去ることになった動機が動機だから、まだここに簡単に顔を見せる気にはなれないらしい。実家とかへの挨拶も、後回しにしたままだ。
そのへんは、外野が深入りするとややこしくなりかねないし、クロエ自身『いいから』って言ってるってこともあり、僕らからはタッチしていない。今の生活に満足してるって。

もし手伝えることがあったり、助けを求められたとかであれば、全力で協力するけど。

……けど、どうも進展しそうにないんだよなあ……この問題。
何かきっかけでもあれば別なんだろうけど……クロエ自身だけでなく、その実家の方からも何もアクションはないらしいし。

……監獄でクロエを拾ってからこっち、その辺に深入りしないように努めてたけど……折を見て聞いてみる必要もある……かもしれないな。

っと、話がずれた。ナナと……えーと、セルリオさん? の話だ。

セルリオさんは、今やアリスと並ぶ出世頭で、騎士団の部隊1つの隊長を務めているらしい。

ここの騎士団って、アリスのとこの『紫水晶(アメジスト)』みたいに、宝石の名前ついてるんだよな。セルリオさんの所属は、そのうちの1つ『翠玉(エメラルド)』というそうだが……なるほど、隊長張っててもおかしくないような空気ではあるな、と、その立ち姿から感じる。

彼の姿は、一言で表現すると……『重装甲』。これに尽きる。

ほぼ隙間なく全身を覆う鎧に、背丈近くの高さがあり、体のほとんどを覆い隠せるタワーシールド。もう片方の手にはメイスを持っていて、どっからどう見てもパワーファイターである。
首のところや関節には、毛皮みたいなものが見えるが……あれはたぶん飾りじゃなくて衝撃吸収用だよな。金属も編み込まれてるようだし……徹底的に機能性重視の品だ。

顔の部分も、さっき話してた時は剝き出しだったけど……今しがた兜をかぶってしまい、いよいよ肌の露出がゼロになった。今や目の部分のスリットだけが、彼の素肌に通じる個所である。

「さて、じゃあそろそろ始めようか……当然だが、試合は試合だ。同期とはいえ、手加減はしないからな」

「ええ、もちろんわかっています、早く始めましょう。……前みたいに、その鎧に熱がこもって熱中症になっちゃう前に」

「……頼むから恥ずかしい思い出を掘り返さないでくれ。対策なら……もうしてるからな」

なんかアレな、黒歴史的なものが暴露されたりしつつも、2人は構えそのものには微塵の揺らぎもみせることなく、試合場の中央で向かい合っている。

かたや、軽装で鎧すらほとんどつけていない、女ガンナー(見た目的に)。
かたや、重装甲で隙らしい隙が物理的に見当たらない鉄の塊。

同じ場所で向かい合うのに違和感を感じるほどの2人の戦いが、今……幕を開けた。

「試合……開始!」



そうして始まった試合だが……まあまあ予想通りの試合運びだった。

見た目通りにセルリオさんは防御力がバカみたいに高い上、その上さらにタワーシールドで的確に防御するため、ナナのメイン攻撃手段である魔力弾がことごとく防がれる。

単発で兜の隙間(スリット)を狙い撃っても、面制圧よろしく連射しても、全てが防がれて有効打にはなりえない。

しかも、重装甲な見た目に似合わず、セルリオさんの機動力はかなり高かった。
軽装の兵士とほぼ互角じゃないかと思うくらいで、重装備の欠点の1つであるはずの『鈍足』が全く気になっていない様子である。
相当に馬力があるのか、もしくは……

「……なるほど、考えてるのね、あの鎧の人」

「? エルク、何かわかった感じ?」

と、僕の隣にいるエルクが何かに気づいたように言ったので、聞いてみる。

「ええ。あの人……『風』属性の魔力を全身にまとってるわ」

「風?」

「ええ。ナナの『水』とは相性的に良くも悪くもない属性だけど……まあそれはおいといて。その風で全身を覆って防御膜を作ることで、ただでさえ堅牢な防御をより強くしてる。加えて、移動速度にブーストをかけてるわ。それであんだけ重くても動きが速いのね」

「なるほどね……お、確かに」

エルクから話を聞いて、僕も『霊媒師』の能力を発動して感知能力を拡大させると、それを感じ取ることができた。セルリオさんの全身に、風がまとわりついて、防御と加速を補助している。

しかし、必要最小限だ。戦士タイプなのに、随分繊細な魔力コントロールだな……僕らの中で一番そういう感覚が鋭敏なエルク以外気が付けなかったのもうなずける。

しかも動きを見れば、魔力の補助だけで動いてるわけじゃなく、本人の体もしっかり鍛えられていることがわかる。馬力だけでもセンスだけでもない。きちんと努力・研鑽を積み重ねてここまで強くなったってことか。そういう姿勢は嫌いじゃない。

それに、そういう、地道に獲得した強さってのは、自分を裏切らない。
現に今、ナナは火力不足でセルリオさんを押しきれていない。速度では圧倒的に勝っているため、捕まって強烈な一撃を叩き込まれる……なんてことにこそなっていないものの、このままでは千日手だ。もう時間も折り返しに近づいてるし。

すると、同じことを彼も考えていたのか……試合に動きがあった。

セルリオさんがナナの攻撃を盾で防ぎ、そのまま強行突破するようにして突進して距離をつめ、しかしナナが横に走ってまた距離を取って、射撃……その繰り返しだった戦況が、ここに来て違う方向に動き出したのだ。

「はあぁっ!!」

ナナが距離を詰められ、横に動いて再度距離を取ろうとしたところで……彼はなんと盾を、持っていたタワーシールドを投げつけて来たのだ。

「っ!?」

ナナの動きを先読みして投げられたそれは、直前で方向転換したナナに当たることこそなかったものの、その動きを一瞬だけでも制限することに成功。

そしてその一瞬の間に……盾を捨てたことで身軽になったセルリオさんが、風のブーストを全開にして、すさまじい速さでナナめがけて突っ込んできた。

……いや、あの速さ……ブーストだけじゃないな。恐らく、最初からもっと早く動けるところを、あえて少し遅く動いてたんだ。こちらに自分の速さを勘違いさせるための、ミスリード。
そこへ、軽量化+全速力で不意を突く。なるほど、単純だが有効な手だ。

それでもなおナナの方が速さは上だけど、急な方向転換の影響で体勢を崩していたため、接近を許してしまい……ついに、セルリオさんのメイスの射程距離の範囲内に入った。

あのメイスは訓練用で、重心をいじって、扱い心地や重量感を保ったまま、そこまで威力が出ないようになっている。とはいえ、あの勢いで振るわれれば……魔力で強化していても、ナナの細腕では骨折は免れないだろう。

次の瞬間、直撃でなぎ倒されるナナを幻視でもしたのか、ギャラリーの一部から悲鳴が上がる。

が……僕ら『邪香猫』メンバーは静かなもんだ。
何せ……ナナがあれしきのピンチでどうにかなるとは、思ってないからね。


――ずしゃっ


「……っ!?」

最後の一歩を踏み込もうとしたところで……そんな擬音。
同時に、ぐらりと、セルリオさんの重装備を纏った体が傾いて、倒れそうになる。

何事か、というのは、見ていたほぼ全員が抱いた疑問だろうけど……その答えは、彼の足元を見ればすぐにわかる。

「水たまり……?」

「いや、何かもうアレ、最早泥沼……って、あー思い出した! アレ前にナナちゃんが模擬戦で使ってたっていうか、使われたことある私!」

不思議そうなエルクの声の直後、セルリオさんの足をすくっている極小の『沼』の正体に気づき、シェリーが叫ぶように言った。

「『トラップスワンプ』! ミナト君発案の『否常識魔法』!」

ご明察。
あれは僕がナナにあげた『否常識魔法』の1つ……魔力を地面に流し込んで地面を『液状化』させ、泥沼に変化させて相手の足を取るトラップ魔法だ。

前にテレビで見た『液状化現象』っていうもんを参考にして作った魔法なんだけど……そのへんの詳しい説明はごめん、省く。
ともかく、粘性の高い沼地を作り出して、相手の足を取って動けなくするっていうのがこの技なわけだ。それに、彼は見事にはまった。

重装備である彼の重さは、この技とは致命的なまでに相性が悪い。風のブーストがあっても、すぐには抜け出せないだろう。

そしてその隙を……ナナが見逃すはずもない。

その瞬間、ナナは切り返して彼に突進していき……恐らくは彼がナナを認識するよりも早く、その距離をゼロにした。慌てて振り回されたメイスを軽々かわし、肩に手をついて跳び箱を飛ぶようにしてその背後に回る。

そして……手にした『ワルサー』の細い銃身を、彼の兜の下のわずかな隙間から差し込み……


――ぼっしゃん!!


銃声とは違う、妙な音がした。
しかしその正体はすぐに知れた。

彼の兜の隙間から……大量の水があふれ出したことで。

つまりナナは、いくらなんでもこの距離で魔力弾を撃ったら重症になると悟って、魔力弾じゃなくて純粋な水を魔力で作り出してぶちまけたんだろう。ゼロ距離で。兜の中に。

結果、

「ぐわっほ!? あっほ、え゛ふ、えほ、ずすぐっ……げほ、っひ、へげげごごほがほげほっ! あぉ、うああぁああ…………」

(……うわぁ……えぐい……)

……セルリオさんは、陸で溺死しかけていた。

全身鎧の重戦士が、試合場の真ん中で、兜から水をばしゃばしゃまき散らしてこぼしながら、いかにも苦しんでます、といった感じでのたうち回っているという光景。言葉にならない。

あの様子だと……水量が水量だし、口だけじゃなく、目とか鼻にも入ったんだろうな……そりゃパニックにもなるわ。

手加減のつもりで打ったのであろうが、十分重傷というか……むしろ余計酷いことになったんじゃないか、ってほどの惨状を見て、ナナは当事者だってのに一番びっくりしていた。



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