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第16章 摩天楼の聖女
第313話 最後の相手
しおりを挟むブルース兄さんの氷のおかげで、タイムリミットはひとまず考えなくてもよくなった。
そりゃ、いつかは解けるだろうけど……魔力がこれでもかと込められている氷だ。丸1日は間違いなくこのままだろう……外部からの刺激がなけりゃ、もっと長いかもだな。
その間に、崩落の危険がある区域の住民その他を逃がせばいいだけだ。
その逃げるというか、避難先の選定も大変だろうけど、その辺は頑張ってもらうしかない。
それに加えて、けっこうな数の『アバドン』がコレに巻き込まれて死んだようだ。
まあ、毛皮に覆われてるとはいえ、そんなもん当然のごとく貫通するような冷気だったしな。
それでもまだ、3割近くが生き残ってるようだが……問題ない。
時間制限さえ取っ払われてれば、やりようはいくらでもある。
幸いにして、師匠とテレサさんのバリアはまだ展開してるし……上空にはちょうど良く、まだ『ピスケス』がフワフワと浮いている。
よし、ならコレだ。
目には目を……数には、数を。
「ピスケス…………パニックモード」
そう、声と思念の両方で指示すると、異変はすぐに起こった。
浮遊しているピスケスの表面を覆っている鱗……のような、無数の金属の板が、パラパラと剥がれて落ちていき……それがそのまま、1枚につき1匹ずつ、ピラニアのような形に変化する。
あっという間に、無数の鱗は無数のピラニアの軍団に姿を変えた。
そして……
「獣共を食い殺せ。人間には襲い掛からないように」
僕の指示を受けて、『パニックモード』のピスケスが、一斉に『アバドン』に襲い掛かる。
突然襲い来る、空中を泳ぐ魚たちに、アバドン達は腕を振り回し、あるいは爪と牙を持ってそれらを排除しようとするが……まったくおいついていない。
すぐに群がられ、噛み付かれ、食いちぎられ……血まみれになって動かなくなっていく。
うわあ……モンスター系のパニック映画まんまだな。
食われてるのが人間じゃないから、まだ見てられるけど。
ともあれ、これで獣共はいいだろう。
最悪、体が大きいのが残ったりしても……さっきからこいつらの相手になってくれてるテーガンさんがいるし。
というわけで、残る問題は……現在ドレーク兄さんと戦ってるあの青いの……あれ?
「……? ドレーク兄さん、アザーは?」
「ああ、すまんな……逃げた」
え、逃げた!? この状況で!?
つか、テレサさんと師匠が結界張って出入り禁止してんのに!?
「ああ……だが、どうやら転移魔法の類で逃げたようだ。緊急時の脱出手段もぬかりなく持っていた、ということなのだろうな」
「えー……いやでも、この師匠たちの結界、きっちりそういうのも妨害する構成だよ?」
「だろうな。だが、そういう結界を想定して裏をかいた、ということなのだろう」
「……あの2人の裏をかく、って……普通無理じゃない?」
「普通ではない手段だったと思うしかない。そもそも私が知る限り、アザーは転移魔法など使えんはずだ……何かのマジックアイテムを使ったと見るべきだな。そして、そのアイテムが普通ではない代物だった……ということだ。ちょうど協力者に、そういうものを調達できそうな者がいる」
………………
「おい、ウェスカー」
「申し訳ありませんが、クライアントの情報はお答えしかねますよ、ミナト殿。……それ以前に、前にも言った気がしますが、マジックアイテムや武器取引は私の管轄外ですので」
ああ、そーいやそうだったね。
でも……なんとなく、そのアイテム『ダモクレス』経由じゃないかと思う今日この頃。
いくら急ごしらえだったとはいえ、そんな、あの2人の妨害を抜けて転移するマジックアイテムなんて、そうそう手に入るもんじゃないだろうし。
範囲を限界近くまで広げて封鎖してたから、その辺が甘かったのかもしれないが。師匠あたりが、専用のマジックアイテムを使っていれば、また違う結果になっていただろうと思う。
まあ、何にせよ……逃げられてしまったものは仕方ないか。
「どの道奴は、この国のクーデター……そしてそのための布石としての、権力者たちの確実な排除が目的だった。その目的は達したがゆえに、これ以上戦う理由はない、と踏んだのだろう」
と、ドレーク兄さんの見解。
構えていた戟を肩に担いで、警戒は保ちつつも、力を抜いてリラックスした姿勢を取っている。
「……まあ、全員じゃないとはいえ、お偉方は軒並み死んでるしね。あ、でも……『アバドン』のお披露目? に参加してなかった、俗物じゃない権力者は結構残ってるんじゃない?」
あの枢機卿の生き残り――メガーヌたちに保護という名の拘束を依頼している――の話だと、自分達の戦力として数えるために用意した『アバドン』を、身内でお披露目した際、そこにいた人員は、この『聖都』のお偉方全員、ではなかったそうだ。
主にそこにいたのは俗物と、あらかじめ話を通しておかなければ面倒な……いわゆる『狂信者』の類だったらしい。
それ以外のお偉いさんたちは、未だに健在ということだ。
まあ、騒動の中で、どっかで死んでるかもしれないけども。
……お偉方って言えば、一応『聖女』の立ち位置にいるアエルイルシャリウスこと、ネフィアットちゃんもそうだな。これからどうなるやら……。
「そうだな……だが、とても元々の国の形を保つことはできまいし、テロでなくても、革命、ないしは革新勢力が台頭するには十分だ。奴としては、これ以上欲をかくのは愚策だったのだろう……自分で言うのもなんだが、ここにいる戦力と戦えば、確実に奴は負けるからな」
「だな。俺としちゃありがてえや……崩落止めたはいいものの、『蒼炎』のおっさんの炎は、俺の氷に対して相性最悪だからな……魔力を多分に含んでるから、氷も簡単に溶かされちまうし」
と、いつの間にか『エクシア』の変身を解いていたブルース兄さんが付け足す。
……かっこよく変身して、いよいよ本気出した感じになってたのに、結局ほぼ出番ないまま終わっちゃったな。ブルース兄さんの全力戦闘は次回以降に持ち越しか。
「……なんかいらんこと考えてねーか、お前?」
「いや、何にも」
「……まあいいか。あー、それと兄貴、町の外周囲ってた炎の壁だが……」
「こちらにも連絡は来ている。フレデリカが上手くやってくれたようだな」
とのこと。
聞けば、アザーの奴が、町の一部区画丸ごと焼き払って権力者消そうとしてた、っていうあの計画について、ドレーク兄さんはブルース兄さんの他にも、フレデリカ姉さんを動員してたらしい。
アザーの『蒼炎』は魔力を込められた特殊な炎で、水をかけようが酸素を遮断しようが簡単には消えない。魔法的な対処が必要になる。
それができる人材の1人がフレデリカ姉さんである。
あの額に現れる第3の目に関わってくるらしいんだけども……単なる戦闘力では測れないような特殊な魔法的な干渉、ないし解析等の能力を持っているそうで。
模擬戦の時にも見たけど、彼女自身戦闘能力もかなり高い部類だったしな。上手く獣共を切り抜けながら、その辺の対処をするくらいは朝飯前ってことか。
その間、ドレーク兄さんが『蒼炎』と『骸刃』を引き付けておいて、気づかれないようにフレデリカ姉さんが消火作業をする、っていうやり方だったらしいが、予想外にその3人とも『結界』の中に閉じ込められることになったので、そこからはフレデリカ姉さんフル稼働だっただろう。
その『消火』も、アザーが撤退した一因だったりして。
……それと、今更ながら思い出したことがある。今、『骸刃』のことを考えて。
もう結構前になるが……『ローザンパーク』での一件の時、僕は、『骸刃』について、少しだが情報を聞いていた。
情報源は、ダモクレス財団の一員で……元AAAランク冒険者の、シン・セイランさんだ。
その情報は単純なもんで……簡単にまとめれば、次のようになる。
あの時は確か、オリビアちゃんを攫われた時に、側近で護衛だったクロムが裏切った、ってんで、真面目で信頼できる護衛だったのに何で……って感じだったんだけど、
『クロムの裏切りについて知りたければ、ドレーク総帥に『骸刃』という犯罪者について聞け』
というだけの内容だった。
あの時は僕もてっきり、クロムがその『骸刃』って奴なのか、と一時思ってたんだけど……聞いた時、すごい昔からいる犯罪者だって話だったし、それはないと思った。
どう見ても彼、僕と同じくらいの年齢に見えたし、実際オリビアちゃんの話でもそうだった。長命種の亜人とかじゃない、って。単なる人間だって。
だから僕は、クロムとその『骸刃』が何らかのつながりがある、という意味だと考えてたんだけど……さっきのドレーク兄さんの話で、それも変わった。
斬った相手に変装する『殻』とかいう能力。
もし、リュウベエがあの時……その能力で既に化けていたのだとしたら。
(怖いな、おい……あの時、シリアルキラーと会ってたのか。それも、ドレーク兄さんと同格の)
いつ本物のクロムを斬って成り代わったのかはわからんし、もう知りようもないけど……あの時はつまり、『サテライト』すら欺かれてたってことだもんな。油断大敵。
ま、考えても仕方ない。
どの道そこんとこは考えなくてもいいな、もう。リュウベエ、死んだし。
むしろ考えなきゃいけないのは、生きてるアザーの方だ……と、そんなことを思ったところで、タイムリーな感じでドレーク兄さんが口を開いた。
「それに……今後のアザーの動きなら、ある程度読めなくもない」
「? それ、どういう意味?」
「この国のクーデターないし、革命の扇動、ってことか? 兄貴」
「それもあるだろうが、もっと大局的に見てだ……『リアロストピア』に、この『シャラムスカ』と来て……もう1つあるだろう? 奴が嫌いそうな、悪政で有名な国が」
「「ああー……」」
あるね、確かに。北の方に。
つまり、そっちに向かう可能性が高いか……関わりたくねー……
いやでも、あっちから関わってくる可能性はあるよな……アザーもそうだけど、それ以上にあの国そのものが……何かあれば迷惑かけてくるような国だし……。
「兄さん達、言うまでもないけど……アレ関連で何か迷惑とか、困ったら言ってね。手伝うから」
「……その時は頼りにさせてもらう」
「だな」
……さて、アザー関連はこのへんにして、と。
「で、もう帰るの、ウェスカー?」
「ええ。用件は済みました。イレギュラーは排除できましたし、もう1人のクライアントも無事に逃走していただけました。そして、裏切り者の処分も」
「え、いつの間に?」
「エレノア殿が『骸刃』を仕留めた直後です。いい具合に皆さんの視線が集中していましたので、その間にさくっと。崩れでもしたら完全に見失いますので、その前に、といった感じですね」
あらま。
描写すらなく……もとい、誰も知らないうちに消されてたか、アガト。哀れな。
「……私としては、お前達のこともみすみす見逃すというのも問題はあるのだがな」
と、ドレーク兄さん。まあ、軍人だもんね。そして相手、悪の秘密結社だもんね。
「えーっと、でも……こいつ相手にするとなると、多分死ぬほどめんどいよ? 技の引き出しが異常に多いし……何より、前より強くなってるっぽいし」
「おや、わかりますか?」
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きっとこれも、『シャーマン』の能力の影響、魂の力を感じ取れるがゆえの副産物、ってとこなんだろうな。目の前にいるこいつが……以前、サンセスタ島で戦った時よりも、ずっと強くなってるとわかる。なんとなくだけど、伝わってくる。どのくらいかまではわからんけど。
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……考えただけで頭が痛い。あ、あの時でも厄介極まりなかったってのに……。
そんなわけで、どうしてもっていう理由がない限り、こいつと戦うのはな……。
……それに、ぶっちゃけた話、さっきアレな事実も明らかになったし、戦いづらいのもあるか。
ウェスカーも同感、かはわからないけど……戦いたくない、という意思は確かなようで。
「まあ、ドレーク殿のおっしゃることもわかりますので……ここは1つ、お土産を残していきますので、それでご容赦いただければと」
「おぅ、悪の組織らしいものの考え方だな。けど、兄貴は賄賂じゃ釣れねーぜ?」
「ご心配なく、用意したのは袖の下ではなく……実益と、言い訳です」
するとウェスカーは、懐から何かの紙を取り出し、なぜかドレーク兄さんではなく、僕に渡してきた。え、マジで何で?
折りたたまれてるそれを開いて見てみると……何だコレ、暗号? コレ解読しなきゃいけないのかよ。めんどくさいな……
「何コレ? 土産ってこの……暗号文が何なの?」
「答えだけ先に言ってしまいますと、それは位置情報と合言葉のメモです。そこに書いてある場所に……今回の騒乱で生き残った『聖女』2人と、拘束済みの枢機卿3名がとらえて、あるいは匿ってあります」
「「「!!?」」」
……これにはさすがに、全員驚きを隠せない。
内部の探索で、痕跡が見つかり……すでに死んだと思われていた、聖女や枢機卿がそこにいるってんだから……そりゃ驚く。
「お前が助けてた……ってこと?」
「ええ、アガトがまたバカをやった、と報告が上がった段階で、私はここに突入していましたので……こんなこともあろうかと、といった感じですね。まあ、偶然の要素も強いのですが」
「いつもながら先見の明があるようで何よりだよ……ま、こっちとしても色々助かるけど。けど、『聖女』って確か……ネフィアット以外に、3人いたんだよね?」
「ええ、今回新任の彼女以外に、3人です。残念ながら、残る1名……最年長の方は助けられませんでした。その方に獣が集中している間に、残り2名を確保しましたので」
……なるほど。毒で汚染された『聖女』の体は、連中にとっては垂涎のご馳走だからな。
それについては残念だし、お悔やみ申し上げるしかないけど……残り2人を保護できたのはよかった、と言っていいだろう。ネフィちゃん曰く、彼女らも被害者だし。
それにプラスして、情報源兼サンドバッグ要員の枢機卿もゲットだ。
これなら、実益はもちろん、すぐに動いてその人たちを保護しなきゃいけないってことで、ウェスカー達を放っといて逃がす理由にもなるわけか。さっさと済ませる、というか捕まえられるほど、こいつは与しやすい相手じゃないしな。
と、思った…………その時。
「「………………」」
ほぼ同時に、僕とウェスカーは同じことに気づいた。
いや、僕らだけじゃないだろう。ここにいるほぼ全員、大なり小なり何かを感じたはずだ。
凍り付いた瓦礫の山の中で……何かが動いたことに。
それが『何』かまでわかったのは……姿が見えなくても、『魂』で感じ取ってそれを把握できる、僕とウェスカーぐらいのものだろうけど。
……いや、訂正。エレノアさんとかテーガンさんならわかっても不思議じゃないわ。
ともかく、何に気づいたのかっていうと、だ。
「……仕留めたんじゃなかったん?」
「そのはずだったのですがね」
次の瞬間、
――バガァッ!
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あぁあ゛ああ!!!」
視界の端っこで、中くらいの氷と岩の塊を砕いて……その下から、死んだと聞いていたアガトが現れっておいおいおいおい!? 何だあれ!? 何だあの状態!?
その姿を目にした、そこにいる全員が絶句している。
無理もない。だって、明らかに普通じゃないんだもの。その姿が……
「……何でアイツ、首と胴体がほぼ分かれてんのに生きてんの?」
「そうしたのは私ですが……まあ、ああなったからこそ、仕留めたと思ったのですがね」
そこに立っているアガトは……恐らくウェスカーの一撃でだろう、首に、どう見ても致命傷な傷を負っていた。確実に首の骨と、その中の神経、さらに頸動脈も切断されている。
時間がたったからだろうか、そこからは血ももう流れてない。
胴体の方にも大傷があるけど、あれはそのちょっと前のリュウベエの無差別攻撃だな。
いずれにせよ、あんな傷で生きていられるわけがない。文字通りの首の皮一枚状態でつながってるけど、ほぼ切断されてるし。慣用句じゃなく、マジでアウトの意味になってるし。
なのに、生きてる。……生きてる?
ひょっとして死んでるか? 死んでるけど立ってるのか? 血、流れてないしな……恨みとか憎しみでアンデッド化? デュラハンにでもなったか?
いや、それも違うっぽいな……シャーマンの能力で探ってみたけど、違う。
一応あれ、あんなんでも生きてるようだ。まともな生じゃないが。
「……何であれで生きてるのかとか、わかる?」
「そういうのは知識量的にあなたの方が詳しいのでは? まあ、私も諸事情から、医療分野には多少の自信はありますが」
「そうなんだ、知らんかった。けど、さすがに見ただけじゃわからんて……解剖でもすれば別だけど。……見た感じ、体組織が異常に活性化してる、って状態か? 思考能力はほぼ残ってないな」
「……もしかしたら、という予測ならつきますね」
「プリーズ」
「すでにお話ししましたが、彼もダモクレス財団の『改造手術』を受けています。その中には、体組織を活性化させて身体能力、ひいては戦闘能力や肉体強度を上げるものがあるのですが……」
「それが暴走してる、ってことか? ……死に瀕して生存本能が後押しでもしたかね?」
「それか、アガト自身がバカをやって異常を誘発した可能性もありますがね……」
「…………どゆこと?」
「旧式の処置しか受けていないアガトは、その能力を保つために、定期的に薬物を投与して身体機能を維持する必要があるのですが…………恐らく、そこでいつもの、理解不能な短絡思考を発揮したのでしょう」
「というと?」
「……妙なたとえ話になるのですが……風邪か何かの病気にかかった際、1日1回で十分な薬を、2回も3回も飲んだからと言ってもっと効き目が出る、いい結果になると思いますか?」
……おーけー、わかった。あのバカが何をしたか理解できた。
活性化する薬剤とやらのオーバードーズ。過剰投与。
そのせいで体組織が死んだ後も活性化しすぎて、生ける屍と化したか。
やれやれ、死んだあとまで迷惑な……。
見れば、一応『治癒能力』とでも呼ぶべき機能は残ってるのか……切れてたはずの首は、つながってきていた。
しかし、白目剥いてるし、唸り声しか上げずに意味のある言葉はしゃべらないし……おまけに、感じ取れる『魂』の力が非常に薄い。まともな状態じゃないことは確かだ。
……何にせよ、とりあえず、邪魔は排除する必要があるな。
思えば、生前から色々と……憎たらしくはあるものの、同情しなくもないような境遇で生きてきた奴だった。死んでまで醜態をさらさせることもないだろう……楽にしてやるか。
……というか、
「もうこいついいだろ……流石に飽きたっていうか、うんざりしてるわ今」
「……全面的に同意します。噛ませ犬には迅速にご退場願いましょうか」
さて……一応、コレが今回の事件のラストバトルになるのかね?
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