28 / 55
第二章 カップル(ABC)編
13
しおりを挟む
その間にも、私の下半身は蜜を垂れ流し続けて良ちゃんの膝とシーツを汚していく。
良ちゃんの舌は、しばらく交互に両胸を堪能した後、その役目を両手に引き継ぎゆっくりとお臍まで下りて行った。更にそのままお腹、そして茂みへ向かった時、私は堪らずストップを掛ける。
「りょ、良ちゃん……」
いくら部屋が暗くても、性器を見られるのは流石に恥ずかしい。だから、もう戻って来て、という意味を込めて良ちゃんを呼ぶ。
「ん」
良ちゃんは直ぐに下がっていた身体を戻し、私の鎖骨にキスをした。
「キララ……」
~~♪♪♪~~
良ちゃんが丁度何かを言い掛けた時、私のスマホが軽快なメロディを発した。これはメッセージアプリの音ではない。
「……」
「……ごめん、電話だ……」
折角の雰囲気をぶち壊し、メロディは流れ続ける。マナーモードにするんだった、と後悔しても遅い。どうしよう、とオロオロしていると、良ちゃんは私の上から横にずれて、「キララ、電話どうぞ」と笑顔で促してくれた。
「うん、ありがとう」
私は起き上がって手を伸ばし、クローゼットの取っ手に引っ掛けていた鞄の中からスマホを取り出す。画面の時刻は十九時。電話は母からだった。
「もしもし?」
私が電話に出ると、
『もしも~し、キララちゃん?今日ってお夕飯外で食べるって言ってたっけ?』
声優なみのきゃるるんとした声が私の耳に入ってくる。
「うん、そうだよ」
夕飯を外で食べる、とか言っておきながら、夕飯を食べずに不純な行為をしている自分。ちょっとの後ろめたさを感じながら返事をした。
『良かったぁ~!あのね、今日マリリンはこれから彼氏さんと遊ぶ約束したから、明日の午後までいないんだけど……キララちゃん、一人で大丈夫かしら?』
「うん、大丈夫」
『そっかぁ、良かった!じゃあ、気を付けて帰って来てね!また明日!』
「うん、マリリンも気を付けて」
『は~い♪』
電話を切ると、スマホの光が消えて部屋の中は真っ暗になった。映画を見終わった時にはもっと外は明るかったが、それなりに時間は経ったということだ。
「お母さん?」
良ちゃんの質問に、「うん」と苦笑いしながら答える。
私が自分の名前にコンプレックスを持っていること、母が脳内お花畑の女性であることなんかは既に良ちゃんに話していた。
母の名前は戸枝真理だ。母はその名前を「普通で嫌」と言い、ついでにママともお母さんとも呼ばせず、自分のことをマリリンと私に呼ばせていた。勿論それも私にとってかなり苦痛を伴ったが、私の顔が元々日本人離れしていることと、母がロリ……年齢的には奇抜といえるファッションで登場することもあり、そのうち友達も「ああ……」と察してくれるようになった。
大学生になって、実家に誰かが遊びに来たりすることも授業参観というものもなくなって、私が母のことを「マリリン」と呼んでいる姿を誰にも見られずに済んでいたのに、本日良ちゃんに見られることとなってしまった。変な顔されてもおかしくないのに、からかうこともせずに普通に受け止めてくれる良ちゃんがやっぱり好きだ。いつかはバレてしまうだろうから、早い段階で知って貰えることが出来て逆に良かったのかもしれない。
「お母さん、なんだって?」
「ああ、今お付き合いしている男性と遊ぶから、今日は帰らないっ……て……」
そう答えながら、自分の顔にぶわっと熱が集まった。
「そう。……じゃあ、今日は遅くなっても平気、かな?」
良ちゃんが私の髪を一房掬い上げながらこちらの様子を伺っているのがわかった。真っ暗なのに、良ちゃんの誘うような色気が伝わってくる、気がする。
「……う、うん」
お互いに、わかっている。良ちゃんの言葉はこのまま先に進みたいと言っているし、私はそれに同意した。
私は今度こそ、スマホをマナーモードにして、鞄の中に戻す。
「キララ……」
「良ちゃん」
私達はお互いの声と微かな気配を頼りに、一度ベッドに座ったまま貪り合うようなキスを交わした。良ちゃんの舌に必死で自分のそれを絡めて、どれだけ良ちゃんを好きなのかわかって貰えれば嬉しいと願いながら。
良ちゃんの舌は、しばらく交互に両胸を堪能した後、その役目を両手に引き継ぎゆっくりとお臍まで下りて行った。更にそのままお腹、そして茂みへ向かった時、私は堪らずストップを掛ける。
「りょ、良ちゃん……」
いくら部屋が暗くても、性器を見られるのは流石に恥ずかしい。だから、もう戻って来て、という意味を込めて良ちゃんを呼ぶ。
「ん」
良ちゃんは直ぐに下がっていた身体を戻し、私の鎖骨にキスをした。
「キララ……」
~~♪♪♪~~
良ちゃんが丁度何かを言い掛けた時、私のスマホが軽快なメロディを発した。これはメッセージアプリの音ではない。
「……」
「……ごめん、電話だ……」
折角の雰囲気をぶち壊し、メロディは流れ続ける。マナーモードにするんだった、と後悔しても遅い。どうしよう、とオロオロしていると、良ちゃんは私の上から横にずれて、「キララ、電話どうぞ」と笑顔で促してくれた。
「うん、ありがとう」
私は起き上がって手を伸ばし、クローゼットの取っ手に引っ掛けていた鞄の中からスマホを取り出す。画面の時刻は十九時。電話は母からだった。
「もしもし?」
私が電話に出ると、
『もしも~し、キララちゃん?今日ってお夕飯外で食べるって言ってたっけ?』
声優なみのきゃるるんとした声が私の耳に入ってくる。
「うん、そうだよ」
夕飯を外で食べる、とか言っておきながら、夕飯を食べずに不純な行為をしている自分。ちょっとの後ろめたさを感じながら返事をした。
『良かったぁ~!あのね、今日マリリンはこれから彼氏さんと遊ぶ約束したから、明日の午後までいないんだけど……キララちゃん、一人で大丈夫かしら?』
「うん、大丈夫」
『そっかぁ、良かった!じゃあ、気を付けて帰って来てね!また明日!』
「うん、マリリンも気を付けて」
『は~い♪』
電話を切ると、スマホの光が消えて部屋の中は真っ暗になった。映画を見終わった時にはもっと外は明るかったが、それなりに時間は経ったということだ。
「お母さん?」
良ちゃんの質問に、「うん」と苦笑いしながら答える。
私が自分の名前にコンプレックスを持っていること、母が脳内お花畑の女性であることなんかは既に良ちゃんに話していた。
母の名前は戸枝真理だ。母はその名前を「普通で嫌」と言い、ついでにママともお母さんとも呼ばせず、自分のことをマリリンと私に呼ばせていた。勿論それも私にとってかなり苦痛を伴ったが、私の顔が元々日本人離れしていることと、母がロリ……年齢的には奇抜といえるファッションで登場することもあり、そのうち友達も「ああ……」と察してくれるようになった。
大学生になって、実家に誰かが遊びに来たりすることも授業参観というものもなくなって、私が母のことを「マリリン」と呼んでいる姿を誰にも見られずに済んでいたのに、本日良ちゃんに見られることとなってしまった。変な顔されてもおかしくないのに、からかうこともせずに普通に受け止めてくれる良ちゃんがやっぱり好きだ。いつかはバレてしまうだろうから、早い段階で知って貰えることが出来て逆に良かったのかもしれない。
「お母さん、なんだって?」
「ああ、今お付き合いしている男性と遊ぶから、今日は帰らないっ……て……」
そう答えながら、自分の顔にぶわっと熱が集まった。
「そう。……じゃあ、今日は遅くなっても平気、かな?」
良ちゃんが私の髪を一房掬い上げながらこちらの様子を伺っているのがわかった。真っ暗なのに、良ちゃんの誘うような色気が伝わってくる、気がする。
「……う、うん」
お互いに、わかっている。良ちゃんの言葉はこのまま先に進みたいと言っているし、私はそれに同意した。
私は今度こそ、スマホをマナーモードにして、鞄の中に戻す。
「キララ……」
「良ちゃん」
私達はお互いの声と微かな気配を頼りに、一度ベッドに座ったまま貪り合うようなキスを交わした。良ちゃんの舌に必死で自分のそれを絡めて、どれだけ良ちゃんを好きなのかわかって貰えれば嬉しいと願いながら。
1
お気に入りに追加
997
あなたにおすすめの小説
【R18】十六歳の誕生日、許嫁のハイスペお兄さんを私から解放します。
どん丸
恋愛
菖蒲(あやめ)にはイケメンで優しくて、将来を確約されている年上のかっこいい許嫁がいる。一方菖蒲は特別なことは何もないごく普通の高校生。許嫁に恋をしてしまった菖蒲は、許嫁の為に、十六歳の誕生日に彼を自分から解放することを決める。
婚約破棄ならぬ許嫁解消。
外面爽やか内面激重お兄さんのヤンデレっぷりを知らないヒロインが地雷原の上をタップダンスする話です。
※成人男性が未成年女性を無理矢理手込めにします。
R18はマーク付きのみ。
あなたの巨根を受け入れたかっただけなのに
オポチュニティ
恋愛
彼氏の巨根を自分の中に受け入れられるように日々大人の玩具を使って自己開発に努めていた健気な女の子が、何か勘違いをした彼氏にドロドロに嫉妬エッされる話。
(注意:激しめの♡喘ぎですが、エロまで長いです。他サイトにも載せています。)
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
【R18】ヤンデレ公爵にロックオンされたお姫様
京佳
恋愛
魔導師で美貌のヤンデレ公爵クロードは前々から狙っていたユリアを手に入れる為にある女と手を組む。哀れな駒達はクロードの掌の上で踊らされる。彼の手の中に堕ちたユリアは美しく優しい彼に甘やかされネットリと愛される…
ヤンデレ美形ワルメン×弱気美少女
寝取り寝取られ
ある意味ユリアとサイラスはバッドエンド腹黒2人はメシウマ
R18エロ表現あり
ゆるゆる設定
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
【R18】ドS上司とヤンデレイケメンに毎晩種付けされた結果、泥沼三角関係に堕ちました。
雪村 里帆
恋愛
お陰様でHOT女性向けランキング31位、人気ランキング132位の記録達成※雪村里帆、性欲旺盛なアラサーOL。ブラック企業から転職した先の会社でドS歳下上司の宮野孝司と出会い、彼の事を考えながら毎晩自慰に耽る。ある日、中学時代に里帆に告白してきた同級生のイケメン・桜庭亮が里帆の部署に異動してきて…⁉︎ドキドキハラハラ淫猥不埒な雪村里帆のめまぐるしい二重恋愛生活が始まる…!優柔不断でドMな里帆は、ドS上司とヤンデレイケメンのどちらを選ぶのか…⁉︎
——もしも恋愛ドラマの濡れ場シーンがカット無しで放映されたら?という妄想も込めて執筆しました。長編です。
※連載当時のものです。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる