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それから、数年後。
ライムちゃんは、自らを家に変形させる術を身に付けていた。いまや、分離をしないとどれ程の大きさになるのかわからない程だ。
未だに魔族少女が話しかける為のライムちゃんとして、腕に抱える程の大きさはスライムの形を取っているが、魔族少女の身の回りの物全てがライムちゃんで固められていた。
服も、家具も、家ですらも全てライムちゃんである。
そして、徐々に進化し拡大していく家の噂は、とうとう人間の耳に入る様になった。
その国の騎士達が家……ライムちゃんの中に入れば、当然ライムちゃんはモグモグごっくんした。
まるで、食中植物の様に。
そしてますます大きくなる家は、「魔王城」として有名になるのである。
ライムちゃんは、最弱の魔族少女と人間を会わせない様に、それはもう来る者を片っ端から食べた。
食べたら太る。太ると人間が更に来る。来ると食べる………
無限ループに陥るのである。
しかし、とうとうある日、魔族少女が庭でせっせと土掘りをしていた時に、人間に見つかってしまった。
「貴様が魔王か!!」
「えっ?私が魔王なの!?」
「ここに住んでいるのであろう?」
「うん、ここに住んでるよ?」
「ではやはり貴様が魔王だな!!」
「そうなんだね、魔王なんだね!!」
「成敗してくれるううう」
「ひええええ!!ライムちゃ~~~ん!!助けてええ!!」
ライムちゃんは、その人間達を食べ様としたが、魔族少女が「食べずに帰してあげて」と言うので、初めて無事に帰還させた。
因みにそれ以来、魔族少女は「私は魔王なんだって!!」とライムちゃんにやたら言う様になった。
……恐らく、魔王という言葉を名前だと勘違いしている。
そして、魔王という自分の名前を気に入ったらしい。
少し怖い思いをした魔族少女改め魔王は、ライムちゃんの外には出ない様に気をつけた。
しかし、ライムちゃんの中なら安全なので、暇な魔王は人間達が遊びに来るのを歓迎する事にしたのである。
冒頭に魔王が叫んだ「ぶらっくほ~りゅ」は、単にライムちゃんが体内を黒く染色させて、人間を取り込み呼吸を止めただけである。
高く高くそびえ立つ壮大な魔王城、それはライムちゃんの成長の証であった。
☆☆☆
たまーに来る人間をからかいながら、そしてたまーに帽子を被って町へ繰り出しながらも、二人きりの毎日を過ごしていく中、ライムちゃんはある悩みを抱える様になっていた。
きっかけは、森の中で若い男女がイチャコラしていた事である。
魔王は何にでも好奇心旺盛なので、その男女の睦み合いをバレるんじゃないか位の距離まで近付き、目が乾くんじゃないかという位にガン見した。
「ライムちゃん、あれ何してるんだろね?」
交尾だな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、何だか女の子嫌がってる?やめさせる?」
アホか、ありゃ喜んでるから心配するな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、女の子気持ち良さそう。良かった良かった」
そうだな、下品な嬌声がうるさいな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、私もあれ、やってみたいな」
そうかそうか。……は!?とライムちゃんはびびった。
「ライムちゃん、今度男の人間か魔族が来たら、一匹捕まえておいてよ」
誰が逆レイプの手助けなんかするか!!!とライムちゃんは怒った。
……しかし、残念ながら魔王に魅了されているライムちゃんには、わかっていた。
嫌だが、ものすごーく嫌だが、もし万が一男が来たら、自分はそれを捕まえて魔王に捧げてしまうであろう事を。
森でイチャコラしていた男女の女が魔王であると置き換えると、何故かイラッとする。
どうしたらイラッとしないか考えようとしたが結論が出ずに、ライムちゃんは寝不足の日々を送っていた。
そんなある日。
「ライムちゃん、どこ~?もう寝ようよ~?」
上下左右全てライムちゃんだが、律儀に抱きしめサイズのライムちゃんを探して魔王はてくてく広すぎる城内をうろついていた。
「あっ!ライムちゃん!!ほらほら寝るよ♪」
魔王は、城(ライムちゃん)のバルコニー(ライムちゃん)から二つの月を眺めて黄昏るライムちゃんを見つけ、ひょいと抱き上げた。
胸に押し当て、ぎゅー、と抱き締める。
「おー、もちもちするぅ♪」
因みにこの行動は出会った日からの習慣だ。
初めは迷惑極まりなかったが、いつの間にかライムちゃんは受け入れる様になり、今では大事な儀式となっていた。
魔王は、既に魔族少女ではなく魔族美女という年齢に達している。
他の魔族との交流がないからか(他の魔族も家に入ればライムちゃんに喰われる)、出会った頃と中身はさして変わりはないのだが、如何せん、行き倒れていた頃と見た目が違いすぎた。
豊満な胸、くびれた腰、むっちりとしたお尻、長い手足。
サラサラな長い黒髪、紅色の唇、桜色の頬、黒耀の輝きを放つ瞳、長い睫毛。
この魔王の全てを自分が作り上げた(世話した)と思うと、ライムちゃんは誇らしかった。
しかし、他の雄と交尾をさせる為に育てたんじゃない、とも同時に思う。
そこで、フと気付く。
森でイチャコラしていた男女の女を魔王にするとイラッとするが、同時に男をライムちゃんに置き換えればムフッとするのだ。
……何だ、なら簡単じゃないか。
ライムちゃんは、試しにもにゅもにゅと身体全身を使って魔王の胸を揉んでみた。
が、「ふふ、ライムちゃん、くすぐったい~っ」魔王は抱き締め返してくれたと勘違いし、大喜びしている。
うん、全く怒られないな。
☆☆☆
その日早速、ライムちゃんは寝入った魔王にイチャコラする事にした。
なんせ、ベッドも枕も薄っぺらい寝間着ですらもライムちゃん。
抱き締めサイズの本体に、枕や薄っぺらい寝間着、椅子やテーブルなんかを分離から戻して大きくなった。
ライムちゃんは、森でイチャコラしていた男女の睦み合いを思い出しながら、さわさわさわさわもにもにもにもに魔王の全身を触る。
「ん……っ」
プルプルと弾ける乳房に、つんと尖りはじめる乳首。
ベッドも動かして尻を揉めば、むっちりとした感触が返ってくる。
ライムちゃんは徐々に興奮していった。
舐め回したい舐め回したい舐め回したい。
魔王はとっても美味しそうに見える。
ライムちゃんは、ぽってりしたスライム型を解いて、まるでボディスーツの様にぴったりと魔王に張り付いた。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「ううん………ぅん………?ん?ライムちゃん……??」
全身を舐め回された魔王はとうとう起きた。
☆☆☆
とうとう魔王が起きた。ライムちゃんは覚悟をした。
「やめて」と言われたらおしまいである。
ところが、些か魔王の様子がおかしい。
いや、いつもおかしいがおかしい。
「とうとうこの日が来たぁ~っっ」
号泣し出したのである。
ひとまず、やめてと言われるまでは……と、ライムちゃんは舐め回しを続行した。
泣き出した女性を放ってイチャコラ継続とは紳士にあるまじき行為である。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「いつかは、ライムちゃんに見捨てられて、私も食べられる日が来るんだろうなって思ってたんだよぉ……」
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「けど、ライムちゃんがいなければ私はどっちみち犬死にしてただろうし……うん、いいよ、好きにしたまえ」
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「ふはっ…………、ちょ、ライムちゃん……っっ!!そんなに味見しないでくれ、くすぐったいぞ」
ライムちゃんは、呆れながら魔王の全身舐め回しから、股に集中舐め回しに切り替えた。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「んん……、ふぅんっ…………、ライム、ちゃ、何でそこばっかり……」
ライムちゃんは、ボディスーツの様な形態を解き、人型をとった。
スライム生初の、人型である。
森でイチャコラしていた男女がしていた体位を真似て、舐め回しを続行する。
「ライムちゃん、んっ…………、もしかして、この前のアレ、私がやりたいって、あぁん………っっ!言って、た、やつ、ひゃあう…………っっ、やろーと、してくれてる??」
人型を取ったライムちゃんは、こくりと頷き肯定した。
魔王は、先程まで滝の様に流していた涙をひょいっと引っ込め、「凄い!!流石ライムちゃんだね!!やってみよう♪♪」
とイチャコラにノリノリで賛成する。
「そーいや、今ライムちゃんがやっていたみたいに、女の股を男が散々舐めてたよなぁ……何でだろ?」
魔王は首をひねったが、ライムちゃんの感覚機能は先程から魔王の愛液を感じている。
ライムちゃんは、魔王がわかる様に舐めるのを止め、指をそこに当てて素早く動かした。
くちゃ!くちゃ、くちゃん!!
魔王は目を丸くして、自分の股をじっと見た。
「も、漏らしてないぞ………!!!多分」
ライムちゃんはやれやれと思いながら、指の動きを継続させる。
膣の上に可愛らしくちょこんと存在を主張する豆も、優しく扱き上げた。
「ふ、ぁ………あぁ、何か、気持ち、い、かも………。あの女性は、これされたから、あんなに気持ち良さそうだったのか……」
魔王の顔を見れば、「満足」と書いてある。
……これで終わると思ってんな、とライムちゃんは思った。
最後までイチャコラをガン見していた筈なのに、魔王の脳ミソでは全てを記憶出来なかったらしい。
よいしょ、と魔王の両足を抱えこむ。
「ライムちゃ……」
開いた魔王の口に、ベッドから伸ばした触手を入れて、口腔内も舐め回した。
両耳の穴にも、触手を伸ばして舐め回す。
更に2本、魔王の腰辺りからベッドの触手を伸ばして、魔王のたっぷりとした両胸を根本から先端までぐるぐると巻き付け、勃ち上がった乳首を舐め回した。
「んふ、んふぅ…………っっ」
魔王は苦しいのか気持ち良いのか、顔を赤く染めて、額には朝露の様な汗を滲ませる。
ライムちゃんは、触っていない花園から蜜がどばっと溢れたのを感じると、とうとう人形の股間の辺りからも触手を伸ばして、魔王の蜜壺にぬるりとお邪魔した。
「んん━━━━━━っっっ!!!」
ライムちゃんはその姿をキープしたまま、微動だにしなかったが、伸ばされた触手達は違った。
膣の中でも、触手はその壁を、子宮口を、溝を舐め回した。
舐め回せば舐め回す程、膣は大きく膨らんでいく。
膨らみに合わせて、全てを舐め回す為に触手もみっちりと太くなる。
その攻防を続けていると、魔王の腰がびくびくと跳ね出したので、ライムちゃんは更に魔王のお尻の下から触手を伸ばし、後穴の中へと入り込ませた。
「んふぅ、んふぅう………………」
今までに感じた事のない悦楽を一気に与えられ、魔王はその美しい整った顔を涎まみれにしたまま、白目を向く寸前だった。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
魔王は、外から内から、ライムちゃんに舐め回された。
その責めは、一体何時間続いたのかわからない。
しかし、ある時……特に魔王の秘豆を舐め回し続けた時、魔王は痙攣してどっと蜜を溢れさせ、膣の中にいるライムちゃんを締め付けた。
ライムちゃんはそれが気に入ったらしく、何度も何度もそれを繰り返す。
また、次に膣の中にいる触手が魔王のポルチオを舐め回す事に特化した時、魔王は一瞬呻いてぷしゅう、と潮を吹いた。
ライムちゃんは、魔王の出した潮も喜んで吸収しながら、何度も何度もそれを繰り返す。
ライムちゃんがようやく魔王を舐め回すのに満足した頃には、日付が何日かまわっていた。
気を失ったり、取り戻したりを繰り返した魔王は、これで懲りるかと思えば
「ライムちゃん……何か、凄い体験をした気がするよ!!ありがとう!!」
と言って、ライムちゃんに「べろべろ禁止」をしなかった。
癖に成る程、気持ち良かったのである。
一方ライムちゃんも、魔王を舐め回した結果、止める事が出来なくなっていた。
癖に成る程、魔王は甘くて美味しかったのである。
以来二人の城には、「立ち入り禁止」の札がしょっちゅう立てられる様になったらしい。
☆☆☆
そのスライムは、いつもと変わらず散歩をしていた。
ゆっくりゆっくり進みながら、朽ちた木も新鮮な葉も怪我をした鳥も飲み込んでゆく。
それは、いつもの事だった。
つまらない毎日だった。
だが、あの日……
「出来たら関わりたくない変な魔族」と関わった日から、全てが変わった。
自分では何も出来ない魔王。
少しお馬鹿な、へなちょこ魔王。
今日もせっせとライムちゃんは、べろべろべろべろその可愛くて仕方ない魔王を舐め回す。
ライムちゃんは、自らをとっても幸運であると感じていた。
ライムちゃんは、自らを家に変形させる術を身に付けていた。いまや、分離をしないとどれ程の大きさになるのかわからない程だ。
未だに魔族少女が話しかける為のライムちゃんとして、腕に抱える程の大きさはスライムの形を取っているが、魔族少女の身の回りの物全てがライムちゃんで固められていた。
服も、家具も、家ですらも全てライムちゃんである。
そして、徐々に進化し拡大していく家の噂は、とうとう人間の耳に入る様になった。
その国の騎士達が家……ライムちゃんの中に入れば、当然ライムちゃんはモグモグごっくんした。
まるで、食中植物の様に。
そしてますます大きくなる家は、「魔王城」として有名になるのである。
ライムちゃんは、最弱の魔族少女と人間を会わせない様に、それはもう来る者を片っ端から食べた。
食べたら太る。太ると人間が更に来る。来ると食べる………
無限ループに陥るのである。
しかし、とうとうある日、魔族少女が庭でせっせと土掘りをしていた時に、人間に見つかってしまった。
「貴様が魔王か!!」
「えっ?私が魔王なの!?」
「ここに住んでいるのであろう?」
「うん、ここに住んでるよ?」
「ではやはり貴様が魔王だな!!」
「そうなんだね、魔王なんだね!!」
「成敗してくれるううう」
「ひええええ!!ライムちゃ~~~ん!!助けてええ!!」
ライムちゃんは、その人間達を食べ様としたが、魔族少女が「食べずに帰してあげて」と言うので、初めて無事に帰還させた。
因みにそれ以来、魔族少女は「私は魔王なんだって!!」とライムちゃんにやたら言う様になった。
……恐らく、魔王という言葉を名前だと勘違いしている。
そして、魔王という自分の名前を気に入ったらしい。
少し怖い思いをした魔族少女改め魔王は、ライムちゃんの外には出ない様に気をつけた。
しかし、ライムちゃんの中なら安全なので、暇な魔王は人間達が遊びに来るのを歓迎する事にしたのである。
冒頭に魔王が叫んだ「ぶらっくほ~りゅ」は、単にライムちゃんが体内を黒く染色させて、人間を取り込み呼吸を止めただけである。
高く高くそびえ立つ壮大な魔王城、それはライムちゃんの成長の証であった。
☆☆☆
たまーに来る人間をからかいながら、そしてたまーに帽子を被って町へ繰り出しながらも、二人きりの毎日を過ごしていく中、ライムちゃんはある悩みを抱える様になっていた。
きっかけは、森の中で若い男女がイチャコラしていた事である。
魔王は何にでも好奇心旺盛なので、その男女の睦み合いをバレるんじゃないか位の距離まで近付き、目が乾くんじゃないかという位にガン見した。
「ライムちゃん、あれ何してるんだろね?」
交尾だな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、何だか女の子嫌がってる?やめさせる?」
アホか、ありゃ喜んでるから心配するな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、女の子気持ち良さそう。良かった良かった」
そうだな、下品な嬌声がうるさいな、とライムちゃんは思う。
「ライムちゃん、私もあれ、やってみたいな」
そうかそうか。……は!?とライムちゃんはびびった。
「ライムちゃん、今度男の人間か魔族が来たら、一匹捕まえておいてよ」
誰が逆レイプの手助けなんかするか!!!とライムちゃんは怒った。
……しかし、残念ながら魔王に魅了されているライムちゃんには、わかっていた。
嫌だが、ものすごーく嫌だが、もし万が一男が来たら、自分はそれを捕まえて魔王に捧げてしまうであろう事を。
森でイチャコラしていた男女の女が魔王であると置き換えると、何故かイラッとする。
どうしたらイラッとしないか考えようとしたが結論が出ずに、ライムちゃんは寝不足の日々を送っていた。
そんなある日。
「ライムちゃん、どこ~?もう寝ようよ~?」
上下左右全てライムちゃんだが、律儀に抱きしめサイズのライムちゃんを探して魔王はてくてく広すぎる城内をうろついていた。
「あっ!ライムちゃん!!ほらほら寝るよ♪」
魔王は、城(ライムちゃん)のバルコニー(ライムちゃん)から二つの月を眺めて黄昏るライムちゃんを見つけ、ひょいと抱き上げた。
胸に押し当て、ぎゅー、と抱き締める。
「おー、もちもちするぅ♪」
因みにこの行動は出会った日からの習慣だ。
初めは迷惑極まりなかったが、いつの間にかライムちゃんは受け入れる様になり、今では大事な儀式となっていた。
魔王は、既に魔族少女ではなく魔族美女という年齢に達している。
他の魔族との交流がないからか(他の魔族も家に入ればライムちゃんに喰われる)、出会った頃と中身はさして変わりはないのだが、如何せん、行き倒れていた頃と見た目が違いすぎた。
豊満な胸、くびれた腰、むっちりとしたお尻、長い手足。
サラサラな長い黒髪、紅色の唇、桜色の頬、黒耀の輝きを放つ瞳、長い睫毛。
この魔王の全てを自分が作り上げた(世話した)と思うと、ライムちゃんは誇らしかった。
しかし、他の雄と交尾をさせる為に育てたんじゃない、とも同時に思う。
そこで、フと気付く。
森でイチャコラしていた男女の女を魔王にするとイラッとするが、同時に男をライムちゃんに置き換えればムフッとするのだ。
……何だ、なら簡単じゃないか。
ライムちゃんは、試しにもにゅもにゅと身体全身を使って魔王の胸を揉んでみた。
が、「ふふ、ライムちゃん、くすぐったい~っ」魔王は抱き締め返してくれたと勘違いし、大喜びしている。
うん、全く怒られないな。
☆☆☆
その日早速、ライムちゃんは寝入った魔王にイチャコラする事にした。
なんせ、ベッドも枕も薄っぺらい寝間着ですらもライムちゃん。
抱き締めサイズの本体に、枕や薄っぺらい寝間着、椅子やテーブルなんかを分離から戻して大きくなった。
ライムちゃんは、森でイチャコラしていた男女の睦み合いを思い出しながら、さわさわさわさわもにもにもにもに魔王の全身を触る。
「ん……っ」
プルプルと弾ける乳房に、つんと尖りはじめる乳首。
ベッドも動かして尻を揉めば、むっちりとした感触が返ってくる。
ライムちゃんは徐々に興奮していった。
舐め回したい舐め回したい舐め回したい。
魔王はとっても美味しそうに見える。
ライムちゃんは、ぽってりしたスライム型を解いて、まるでボディスーツの様にぴったりと魔王に張り付いた。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「ううん………ぅん………?ん?ライムちゃん……??」
全身を舐め回された魔王はとうとう起きた。
☆☆☆
とうとう魔王が起きた。ライムちゃんは覚悟をした。
「やめて」と言われたらおしまいである。
ところが、些か魔王の様子がおかしい。
いや、いつもおかしいがおかしい。
「とうとうこの日が来たぁ~っっ」
号泣し出したのである。
ひとまず、やめてと言われるまでは……と、ライムちゃんは舐め回しを続行した。
泣き出した女性を放ってイチャコラ継続とは紳士にあるまじき行為である。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「いつかは、ライムちゃんに見捨てられて、私も食べられる日が来るんだろうなって思ってたんだよぉ……」
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「けど、ライムちゃんがいなければ私はどっちみち犬死にしてただろうし……うん、いいよ、好きにしたまえ」
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「ふはっ…………、ちょ、ライムちゃん……っっ!!そんなに味見しないでくれ、くすぐったいぞ」
ライムちゃんは、呆れながら魔王の全身舐め回しから、股に集中舐め回しに切り替えた。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
「んん……、ふぅんっ…………、ライム、ちゃ、何でそこばっかり……」
ライムちゃんは、ボディスーツの様な形態を解き、人型をとった。
スライム生初の、人型である。
森でイチャコラしていた男女がしていた体位を真似て、舐め回しを続行する。
「ライムちゃん、んっ…………、もしかして、この前のアレ、私がやりたいって、あぁん………っっ!言って、た、やつ、ひゃあう…………っっ、やろーと、してくれてる??」
人型を取ったライムちゃんは、こくりと頷き肯定した。
魔王は、先程まで滝の様に流していた涙をひょいっと引っ込め、「凄い!!流石ライムちゃんだね!!やってみよう♪♪」
とイチャコラにノリノリで賛成する。
「そーいや、今ライムちゃんがやっていたみたいに、女の股を男が散々舐めてたよなぁ……何でだろ?」
魔王は首をひねったが、ライムちゃんの感覚機能は先程から魔王の愛液を感じている。
ライムちゃんは、魔王がわかる様に舐めるのを止め、指をそこに当てて素早く動かした。
くちゃ!くちゃ、くちゃん!!
魔王は目を丸くして、自分の股をじっと見た。
「も、漏らしてないぞ………!!!多分」
ライムちゃんはやれやれと思いながら、指の動きを継続させる。
膣の上に可愛らしくちょこんと存在を主張する豆も、優しく扱き上げた。
「ふ、ぁ………あぁ、何か、気持ち、い、かも………。あの女性は、これされたから、あんなに気持ち良さそうだったのか……」
魔王の顔を見れば、「満足」と書いてある。
……これで終わると思ってんな、とライムちゃんは思った。
最後までイチャコラをガン見していた筈なのに、魔王の脳ミソでは全てを記憶出来なかったらしい。
よいしょ、と魔王の両足を抱えこむ。
「ライムちゃ……」
開いた魔王の口に、ベッドから伸ばした触手を入れて、口腔内も舐め回した。
両耳の穴にも、触手を伸ばして舐め回す。
更に2本、魔王の腰辺りからベッドの触手を伸ばして、魔王のたっぷりとした両胸を根本から先端までぐるぐると巻き付け、勃ち上がった乳首を舐め回した。
「んふ、んふぅ…………っっ」
魔王は苦しいのか気持ち良いのか、顔を赤く染めて、額には朝露の様な汗を滲ませる。
ライムちゃんは、触っていない花園から蜜がどばっと溢れたのを感じると、とうとう人形の股間の辺りからも触手を伸ばして、魔王の蜜壺にぬるりとお邪魔した。
「んん━━━━━━っっっ!!!」
ライムちゃんはその姿をキープしたまま、微動だにしなかったが、伸ばされた触手達は違った。
膣の中でも、触手はその壁を、子宮口を、溝を舐め回した。
舐め回せば舐め回す程、膣は大きく膨らんでいく。
膨らみに合わせて、全てを舐め回す為に触手もみっちりと太くなる。
その攻防を続けていると、魔王の腰がびくびくと跳ね出したので、ライムちゃんは更に魔王のお尻の下から触手を伸ばし、後穴の中へと入り込ませた。
「んふぅ、んふぅう………………」
今までに感じた事のない悦楽を一気に与えられ、魔王はその美しい整った顔を涎まみれにしたまま、白目を向く寸前だった。
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
べろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろべろ
魔王は、外から内から、ライムちゃんに舐め回された。
その責めは、一体何時間続いたのかわからない。
しかし、ある時……特に魔王の秘豆を舐め回し続けた時、魔王は痙攣してどっと蜜を溢れさせ、膣の中にいるライムちゃんを締め付けた。
ライムちゃんはそれが気に入ったらしく、何度も何度もそれを繰り返す。
また、次に膣の中にいる触手が魔王のポルチオを舐め回す事に特化した時、魔王は一瞬呻いてぷしゅう、と潮を吹いた。
ライムちゃんは、魔王の出した潮も喜んで吸収しながら、何度も何度もそれを繰り返す。
ライムちゃんがようやく魔王を舐め回すのに満足した頃には、日付が何日かまわっていた。
気を失ったり、取り戻したりを繰り返した魔王は、これで懲りるかと思えば
「ライムちゃん……何か、凄い体験をした気がするよ!!ありがとう!!」
と言って、ライムちゃんに「べろべろ禁止」をしなかった。
癖に成る程、気持ち良かったのである。
一方ライムちゃんも、魔王を舐め回した結果、止める事が出来なくなっていた。
癖に成る程、魔王は甘くて美味しかったのである。
以来二人の城には、「立ち入り禁止」の札がしょっちゅう立てられる様になったらしい。
☆☆☆
そのスライムは、いつもと変わらず散歩をしていた。
ゆっくりゆっくり進みながら、朽ちた木も新鮮な葉も怪我をした鳥も飲み込んでゆく。
それは、いつもの事だった。
つまらない毎日だった。
だが、あの日……
「出来たら関わりたくない変な魔族」と関わった日から、全てが変わった。
自分では何も出来ない魔王。
少しお馬鹿な、へなちょこ魔王。
今日もせっせとライムちゃんは、べろべろべろべろその可愛くて仕方ない魔王を舐め回す。
ライムちゃんは、自らをとっても幸運であると感じていた。
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