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後
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「…で、高校卒業してしばらく勤めた会社を辞めた時から、やりたい様にやってみたんだ」
横でビールをグビグビいいながら、私はある意味真っ青である。
梶谷君のイケメンっぷりを崩した犯人って私!?
ねぇ私!?
NO--------!!
「それでね、結果どうなったかと言うと、面白い様に人が去って行ったんだよね」
「そ、そうだったんだ…」
気の効いた言葉掛けられなくてすみません。
「ケンヤ、とカイジって覚えてる?…いや、知ってる?」
「あ、確か二人とも梶谷君と仲良しで、クラス違うのにしょっちゅう遊びに来てたよね」
ケンヤ君が茶髪の遊び人、軽いけど気さくで誰でも直ぐに仲良しになっちゃうと言われた人。
カイジ君が短髪のスポーツ万能、真面目で頭がかたすぎるけど、硬派で素敵と言われた人。
…だったかな?
たった今、思い出した。
親友との会話とともに。
『あかりはケン×梶?カイ×梶?それとも…』
『梶谷君は受け譲れない。攻めは嫌』
『えー、それだとみたまんまじゃない?実は誘い受けってのが私の見解』
『あ!それはイケるかも!!』
私の親友は、親友なだけあって勿論オタクです。
外見からはわからない、隠れオタクです。
若気の至りとはいえ、ひとまず、今私は目の前の梶谷君に土下座すべきじゃあるまいか?
「二人とも親友だと思っていたんだけどさ、面白い程反応が分かれて。この姿で会った後、ケンヤは即、音信不通になったよ」
「…そ、そうだったんだ…」
「カイジは全く変わらなかった。他にも、小学校や中学校の友達と何人か会ったんだけど、君佐木さんが言ってた、『本当の友人』がやっとわかった気がしたよ」
「…そうだったんだ」
あれ?私さっきからこの台詞しか言ってない?
「君佐木さんには、お礼が言いたい位」
「いやいやいや、全く!全然!言わないで!!」
総受け万歳とか言っていた私にお礼なんて!!
「実は、同窓会は君佐木さんに会いたくて行ったんだよ」
「へ?私ですか?」
「君佐木さんは、どんな反応するのか、ちょっと試した。ゴメン」
「え?いや、別に?」
「君佐木さんが変わってなくて、安心した。…綺麗になってて、驚いたけどね」
私の顔は、また赤くなっただろう。
ちょいちょい挟むのは反則だ!!
「う…ありがとう」
「けど、君佐木さんが綺麗になった理由が逆に気になるなぁ」
「へ?」
「外見は気にしないって言ってた、君佐木さんが綺麗になった理由。…彼氏とか?」
「あー…あぁ、それも、多少はあるけど…一番は、社会人になる為かな?」
「社会人になる為?」
「うん。高校の時は、自分のまわりに寄ってきた人だけで世界が作れるけど、社会人になったらそうもいかないでしょ?」
「まぁ、そうだね」
「変な話、外見を一般受けするレベルに整えないと、社会人になれないと思って。大学は社会人になる為の準備期間だから、大学生のうちにやっておこうと思ったんだ」
「成る程ね。あ、聞き流すところだったんだけど、君佐木さん今彼氏いるの?」
ぐ。
「いない…。大学の時に、二人くらい付き合ったんだけどね」
今の容姿になってからね。
つい、付き合った人くらいはいますよアピールまで無駄にしてしまった。
「そうなんだ。安心した」
何で安心?
「梶谷君は、恋人とか奥さんとかいないの?」
これは地雷ではありませんよーに!!
「勿論、いないよ。外見コレだし」
「え、性格良いのに勿体ない」
「あはは、そんな事言うの君佐木さん位だよ。…じゃあさ、君佐木さんが彼女になってくれる?」
今度は私がポカーンと梶谷君を見る番だった。
☆☆☆
こうして私が、元イケメンで学校一人気者だった梶谷君とお試しで付き合う様になり、初めてのデートに行けたのはそれから更に3ヶ月後だった。
「君佐木さん、待った?」
「梶谷君」
私は声した方を振り返った。
「…梶谷、君…???」
あれ?
目の前の人は明らかに梶谷、なんだけど…
「うん、ごめんね、待たせちゃって」
「いや、まだ時間になってないし…てか、梶谷君?」
「ん?」
「何か、キラキラオーラが見えてるんだけど?」
彼氏という補正が入っているのか?
いや、やはり同窓会の時とは別人としか思えない梶谷君が目の前にいる。
むしろ、高校の時の梶谷君がそのまま社会人になって、更に男性らしさをアップさせた様な…?
「梶谷君、また痩せた??」
「うん、君佐木さんと付き合う事が決まってから、ジムに通いだしてね。この前よりは落ちてないよ?筋肉ついたから、5キロ位かな」
「ヤバい、梶谷君がイケメンに戻ってきてるぅ~」
「戻ってきたら、嫌?」
「ううん。私が彼女でスミマセンとは思うけど、イケメン観賞は好きです」
大好きと言うより、大好物です。
主にBLなイメージが膨らむんで。
出来たらイケメン複数で観賞したい。
「まぁ、高校の時と同じ外見に戻すには後10キロは落とさないとなんだけど、あの頃はヒョロかったから、体重だけ落とすんじゃなくて、このまま筋肉つけていきたいんだよね」
あ、そうだったね。
全体的にヒョロ…薄い体型だったから、総受けだったんだ。
「これからは、色んな意味で君佐木さんを守っていきたいし」
「…!!」
だから、ちょいちょい挟むのは反則ですって。
☆☆☆
「…え?梶谷君のウチって…ここ??」
「狭いけど、立地が良くて買っちゃったんだよね。あがってあがってー」
映画見て、ディナーして、お部屋に誘われました。
や、この歳で今更「まだ早い」なんて言わないけど、やはり自宅にお呼ばれは緊張。
なんせ、大学の時以来の彼氏です。
家族の為に大学進学をやめて社会人となった梶谷君。
普通、良くても私と同じ1LDKの賃貸と思うよね?
思うよね?
なんで、都内で交通アクセスどこでもバッチリ単身者~夫婦用分譲マンションに案内されたんだ?
狭いって、2LDKが?
一人で住むには広すぎないか??
「適当に座って。何飲む?」
「コーヒーとかあるかなー?」
「勿論。ホットでいい?ミルクと砂糖は?」
「どちらも多めで!」
「うん、わかった」
何やら凄い音が対面式キッチンからし出したので振り返ると、そこにはオフィスにある様なコーヒー抽出マシンが置かれていた。
「…」
何か住む世界が違う様な…
うん、見なかった事にしよう。
それにしても、梶谷君て家計難だったのでは??
親友のネタは、ガセだったのか?
庶民である私は、座り心地の良いソファーの上で縮こまっていた。
コーヒーをボタン一つで淹れ終えた梶谷君がクスリと笑いながら
「そんなに固くならないで、楽にしてよ」
と言ってはくれたが、そのまま隣に座るものだから私は更に固まった。
「あ」
「ん?」
「梶谷君、髪切ったんだ」
「…今!?」
梶谷君は、口を覆った。
横顔を盗み見て、気付いたんだもん。
道理で、ディナーの最中落ち着かなかった訳だ。
梶谷君の切れ長の目がしっかりこちらを見ているのがよくわかる。
対面した時はイケメンに戻ってしまったのは痩せたせいだと思ったし、映画の時はスクリーンしか見てなかったし、ディナーはその映画の話に夢中で違和感があったものの気付かなかった。
うん、私鈍すぎ。
…あれ?
意識しすぎて、鼓動が梶谷君に聞こえるんじゃないかって位ヤバい。
「ねぇ、君佐木さん」
「ひゃいっ」
噛んだ。
「これから、あかりって呼んでもいい?」
「うん、勿論」
「ありがとう、嬉しい。俺の事も、下の名前で呼んで欲しいな?」
「うん、頑張る」
「…頑張って…」
梶谷君、口に手をあて肩を震わせています。
「それと、今日したいんだ」
「うん、どうぞ…って何を?」
「エッチ」
ぶほっ
「ヒイイイ!!!コーヒー吹いた!!」
「大丈夫?」
大丈夫?じゃない、梶谷く…圭君のせいだ!!!
「ちょっと待っててね」
圭君は、スマートに立ち上がりさっさと後始末をしてくれた。
私はと言うと、圭君の衝撃発言がまだグルグル頭の中でまわっていて上手く処理出来ていない。
…エッチ?
誰と?私と?
イケメンに戻ってしまった梶谷…圭君と?
私が!?
NO-------!!
いや、決して嫌な訳ではない。
付き合い出してから何となーくこの胸の寂しさは何だ?と感じていたんだけど…
リアルイケメンBLってやっぱりお目にかかる事はないのかな。
クスン。
やっぱりエッチの相手は女なのか、とわかって残念だ…とはとても本人には言えない。
☆☆☆
「あー、先に言っておくけど」
「ひゃいっ」
また噛んだ。
けど、圭君のベッドに私だけ素っ裸で潜り込んでいる状態だから、許して欲しい。
肌触りの良いツルツルのシーツ、微妙に冷たく感じているのもあるし。
「俺、久しぶりだから歯止めきかなくなったらゴメン」
「久しぶり…?」
「うん。高校卒業以来かな?」
どええええ???
物凄い爆弾発言投下された!!
私もほとんど経験ないけど…
「じゃ、じゃあ私が頑張ってリードします!」
「…」
ベッド脇に座って筋肉のついた大きな背中を見せている圭君が、揺れている。
前から見なくても、笑われているのはわかるって(涙)
「じゃあリードして貰おうかな?」
笑いを引っ込めて、優しい眼差しをこちらに向けながらサラリと圭君がベッドに入ってくる。
あ、けどあまり期待はしないで貰いたい。
なぜならば
「とは言っても、経験回数、両手の指が余りますが」
…しまった。何を暴露してるんだ、私!!
私の上に覆い被さった圭君は、無言で私の首筋に顔を埋めている。
しかし、布団が小刻みに揺れていた。
「…そっか、じゃあ、お互い頑張ろう?」
圭君は、いつまでも紳士の態度を崩さない。
しかし、私はその後から翌朝にかけて、圭君が全く紳士でない事を体感する事となる。
「あっ、あっ、はぁんっ…も、だめっ…!!」
「ここ?もっと、乱れて」
私、女性が「イク」って、漫画や小説、AVの世界の話だと思ってた。
大学時代に付き合った人達とは、「イク」事が出来なかったから。
リードします、とか言っていた私の口を塞ぎたい。
ぐちゅんっ ぐちゅんっ
「は、あ、あ…!!」
「あー、あかりのオマンコ最高。また締め付けてくる…イクのかな?」
「も、ゆるし、てぇっ…」
「許すもなにも?あかりも俺も、まだまだイケるし」
抜かずの3回、おふろで1回、リビングで1回、また寝室で1回。
これ、圭君の回数。
私はというと、じっくりねっとり一時間以上愛撫されてそこで3回はイった。
圭君の剛直を受け入れてからは、もう数えていない。
本日、クリでも膣でも初めてイったのに、圭君の巧みな指に舌に翻弄されて、休む事なく何度も高みへ押し上げられてる。
ぐりりっ ぐりんっ
「はぅんっ!!」
膣のイイところと、クリを同時に攻められて、また景色がチカチカし出して意識が飛びそうになる。
「ぁ…」
「ん?」
イク手前で、バックから突き上げ続けていた圭君の動きがピタリと止まった。
「ぅ、動いて…」
「あれ?止まって欲しかったんじゃないの?」
そうだけど!そうだけど!!
「もぅ少しだけ…」
「どうして欲しいの?」
紳士の仮面を外して、圭君は言葉で責めてくる。
「動いて…」
「うん、わかった」
圭君は緩やかに腰を動かす。
違う。
さっきみたいに、激しくして欲しい。
「もっ、と…」
「うん?もっと、何?」
「もっと、激しくして…!ぐちゃぐちゃに…、圭君、お願い!!」
ずんっ
「あっ!!」
「あー、もっと焦らしたかったのに…今ここで、初めて名前呼ぶなんて反則」
圭君、と脳内で練習しただけあって、意外とスムーズに呼べた。
けど、それは圭君の欲情を煽っただけの様で…
ずんっ ずんっ ずんっ
「あっ、あっ、んっ」
「あかり、俺のだ…好きだ、あかり…」
「あ、わ、たしも、好きっ」
高校の時から。
自分に自信がなくて、見てるだけだったけど。
ぐっちゅ ぐっちゅ ぐっちゅ
私の耳に、いやらしい水音が響き続ける。
「あ、ん、気持ち、い…!!」
「俺も、最高だ」
二人で高みへ昇り…そして、果てた。
☆☆☆
「圭君、は何でまたイケメンに戻ったの?私はそのままでも気にしなかったのに」
「んー、あかりと同じ理由かな」
「同じ?」
「あかりがそのままでも気にしないのは嬉しいけど…出来たら、あかりのご両親にも良く思われたいからね」
「…へ?」
「え?もうこの歳だし、さっさと結婚するつもりだから」
圭君の瞳が、キラリ…いやギラリと光った気がする。
「俺の仕事、デイトレーダーなんだ。
最初はまともに働いてたんだけど、副業のつもりで始めたデイトレのが何百倍も稼ぎが良くてさ。
本格的にやる為に会社辞めたんだけど、それじゃあかりのご両親も心配するだろうから。
俺、会社を立ち上げる経営者的な能力はないんだけど、株で儲けた金で見込みのあるベンチャー企業に出資してんだ。
その中の一つが、カイジのスポーツジムだったりするんだけど。
まぁ、それだけでも食っていけるから、多分ご両親に反対される事はないんじゃないかな?
…で、次は挨拶に伺いたいんだけど、いつがいい?」
ポカーンとする私に物凄い輝きの指輪を渡し、圭君はいつの間にか私の婚約者になっていた。
…あまりにスペック高い人が彼氏だと自分に自信がなくなりそうだけど、そんな暇さえ与えてくれなさそうです。
横でビールをグビグビいいながら、私はある意味真っ青である。
梶谷君のイケメンっぷりを崩した犯人って私!?
ねぇ私!?
NO--------!!
「それでね、結果どうなったかと言うと、面白い様に人が去って行ったんだよね」
「そ、そうだったんだ…」
気の効いた言葉掛けられなくてすみません。
「ケンヤ、とカイジって覚えてる?…いや、知ってる?」
「あ、確か二人とも梶谷君と仲良しで、クラス違うのにしょっちゅう遊びに来てたよね」
ケンヤ君が茶髪の遊び人、軽いけど気さくで誰でも直ぐに仲良しになっちゃうと言われた人。
カイジ君が短髪のスポーツ万能、真面目で頭がかたすぎるけど、硬派で素敵と言われた人。
…だったかな?
たった今、思い出した。
親友との会話とともに。
『あかりはケン×梶?カイ×梶?それとも…』
『梶谷君は受け譲れない。攻めは嫌』
『えー、それだとみたまんまじゃない?実は誘い受けってのが私の見解』
『あ!それはイケるかも!!』
私の親友は、親友なだけあって勿論オタクです。
外見からはわからない、隠れオタクです。
若気の至りとはいえ、ひとまず、今私は目の前の梶谷君に土下座すべきじゃあるまいか?
「二人とも親友だと思っていたんだけどさ、面白い程反応が分かれて。この姿で会った後、ケンヤは即、音信不通になったよ」
「…そ、そうだったんだ…」
「カイジは全く変わらなかった。他にも、小学校や中学校の友達と何人か会ったんだけど、君佐木さんが言ってた、『本当の友人』がやっとわかった気がしたよ」
「…そうだったんだ」
あれ?私さっきからこの台詞しか言ってない?
「君佐木さんには、お礼が言いたい位」
「いやいやいや、全く!全然!言わないで!!」
総受け万歳とか言っていた私にお礼なんて!!
「実は、同窓会は君佐木さんに会いたくて行ったんだよ」
「へ?私ですか?」
「君佐木さんは、どんな反応するのか、ちょっと試した。ゴメン」
「え?いや、別に?」
「君佐木さんが変わってなくて、安心した。…綺麗になってて、驚いたけどね」
私の顔は、また赤くなっただろう。
ちょいちょい挟むのは反則だ!!
「う…ありがとう」
「けど、君佐木さんが綺麗になった理由が逆に気になるなぁ」
「へ?」
「外見は気にしないって言ってた、君佐木さんが綺麗になった理由。…彼氏とか?」
「あー…あぁ、それも、多少はあるけど…一番は、社会人になる為かな?」
「社会人になる為?」
「うん。高校の時は、自分のまわりに寄ってきた人だけで世界が作れるけど、社会人になったらそうもいかないでしょ?」
「まぁ、そうだね」
「変な話、外見を一般受けするレベルに整えないと、社会人になれないと思って。大学は社会人になる為の準備期間だから、大学生のうちにやっておこうと思ったんだ」
「成る程ね。あ、聞き流すところだったんだけど、君佐木さん今彼氏いるの?」
ぐ。
「いない…。大学の時に、二人くらい付き合ったんだけどね」
今の容姿になってからね。
つい、付き合った人くらいはいますよアピールまで無駄にしてしまった。
「そうなんだ。安心した」
何で安心?
「梶谷君は、恋人とか奥さんとかいないの?」
これは地雷ではありませんよーに!!
「勿論、いないよ。外見コレだし」
「え、性格良いのに勿体ない」
「あはは、そんな事言うの君佐木さん位だよ。…じゃあさ、君佐木さんが彼女になってくれる?」
今度は私がポカーンと梶谷君を見る番だった。
☆☆☆
こうして私が、元イケメンで学校一人気者だった梶谷君とお試しで付き合う様になり、初めてのデートに行けたのはそれから更に3ヶ月後だった。
「君佐木さん、待った?」
「梶谷君」
私は声した方を振り返った。
「…梶谷、君…???」
あれ?
目の前の人は明らかに梶谷、なんだけど…
「うん、ごめんね、待たせちゃって」
「いや、まだ時間になってないし…てか、梶谷君?」
「ん?」
「何か、キラキラオーラが見えてるんだけど?」
彼氏という補正が入っているのか?
いや、やはり同窓会の時とは別人としか思えない梶谷君が目の前にいる。
むしろ、高校の時の梶谷君がそのまま社会人になって、更に男性らしさをアップさせた様な…?
「梶谷君、また痩せた??」
「うん、君佐木さんと付き合う事が決まってから、ジムに通いだしてね。この前よりは落ちてないよ?筋肉ついたから、5キロ位かな」
「ヤバい、梶谷君がイケメンに戻ってきてるぅ~」
「戻ってきたら、嫌?」
「ううん。私が彼女でスミマセンとは思うけど、イケメン観賞は好きです」
大好きと言うより、大好物です。
主にBLなイメージが膨らむんで。
出来たらイケメン複数で観賞したい。
「まぁ、高校の時と同じ外見に戻すには後10キロは落とさないとなんだけど、あの頃はヒョロかったから、体重だけ落とすんじゃなくて、このまま筋肉つけていきたいんだよね」
あ、そうだったね。
全体的にヒョロ…薄い体型だったから、総受けだったんだ。
「これからは、色んな意味で君佐木さんを守っていきたいし」
「…!!」
だから、ちょいちょい挟むのは反則ですって。
☆☆☆
「…え?梶谷君のウチって…ここ??」
「狭いけど、立地が良くて買っちゃったんだよね。あがってあがってー」
映画見て、ディナーして、お部屋に誘われました。
や、この歳で今更「まだ早い」なんて言わないけど、やはり自宅にお呼ばれは緊張。
なんせ、大学の時以来の彼氏です。
家族の為に大学進学をやめて社会人となった梶谷君。
普通、良くても私と同じ1LDKの賃貸と思うよね?
思うよね?
なんで、都内で交通アクセスどこでもバッチリ単身者~夫婦用分譲マンションに案内されたんだ?
狭いって、2LDKが?
一人で住むには広すぎないか??
「適当に座って。何飲む?」
「コーヒーとかあるかなー?」
「勿論。ホットでいい?ミルクと砂糖は?」
「どちらも多めで!」
「うん、わかった」
何やら凄い音が対面式キッチンからし出したので振り返ると、そこにはオフィスにある様なコーヒー抽出マシンが置かれていた。
「…」
何か住む世界が違う様な…
うん、見なかった事にしよう。
それにしても、梶谷君て家計難だったのでは??
親友のネタは、ガセだったのか?
庶民である私は、座り心地の良いソファーの上で縮こまっていた。
コーヒーをボタン一つで淹れ終えた梶谷君がクスリと笑いながら
「そんなに固くならないで、楽にしてよ」
と言ってはくれたが、そのまま隣に座るものだから私は更に固まった。
「あ」
「ん?」
「梶谷君、髪切ったんだ」
「…今!?」
梶谷君は、口を覆った。
横顔を盗み見て、気付いたんだもん。
道理で、ディナーの最中落ち着かなかった訳だ。
梶谷君の切れ長の目がしっかりこちらを見ているのがよくわかる。
対面した時はイケメンに戻ってしまったのは痩せたせいだと思ったし、映画の時はスクリーンしか見てなかったし、ディナーはその映画の話に夢中で違和感があったものの気付かなかった。
うん、私鈍すぎ。
…あれ?
意識しすぎて、鼓動が梶谷君に聞こえるんじゃないかって位ヤバい。
「ねぇ、君佐木さん」
「ひゃいっ」
噛んだ。
「これから、あかりって呼んでもいい?」
「うん、勿論」
「ありがとう、嬉しい。俺の事も、下の名前で呼んで欲しいな?」
「うん、頑張る」
「…頑張って…」
梶谷君、口に手をあて肩を震わせています。
「それと、今日したいんだ」
「うん、どうぞ…って何を?」
「エッチ」
ぶほっ
「ヒイイイ!!!コーヒー吹いた!!」
「大丈夫?」
大丈夫?じゃない、梶谷く…圭君のせいだ!!!
「ちょっと待っててね」
圭君は、スマートに立ち上がりさっさと後始末をしてくれた。
私はと言うと、圭君の衝撃発言がまだグルグル頭の中でまわっていて上手く処理出来ていない。
…エッチ?
誰と?私と?
イケメンに戻ってしまった梶谷…圭君と?
私が!?
NO-------!!
いや、決して嫌な訳ではない。
付き合い出してから何となーくこの胸の寂しさは何だ?と感じていたんだけど…
リアルイケメンBLってやっぱりお目にかかる事はないのかな。
クスン。
やっぱりエッチの相手は女なのか、とわかって残念だ…とはとても本人には言えない。
☆☆☆
「あー、先に言っておくけど」
「ひゃいっ」
また噛んだ。
けど、圭君のベッドに私だけ素っ裸で潜り込んでいる状態だから、許して欲しい。
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「俺、久しぶりだから歯止めきかなくなったらゴメン」
「久しぶり…?」
「うん。高校卒業以来かな?」
どええええ???
物凄い爆弾発言投下された!!
私もほとんど経験ないけど…
「じゃ、じゃあ私が頑張ってリードします!」
「…」
ベッド脇に座って筋肉のついた大きな背中を見せている圭君が、揺れている。
前から見なくても、笑われているのはわかるって(涙)
「じゃあリードして貰おうかな?」
笑いを引っ込めて、優しい眼差しをこちらに向けながらサラリと圭君がベッドに入ってくる。
あ、けどあまり期待はしないで貰いたい。
なぜならば
「とは言っても、経験回数、両手の指が余りますが」
…しまった。何を暴露してるんだ、私!!
私の上に覆い被さった圭君は、無言で私の首筋に顔を埋めている。
しかし、布団が小刻みに揺れていた。
「…そっか、じゃあ、お互い頑張ろう?」
圭君は、いつまでも紳士の態度を崩さない。
しかし、私はその後から翌朝にかけて、圭君が全く紳士でない事を体感する事となる。
「あっ、あっ、はぁんっ…も、だめっ…!!」
「ここ?もっと、乱れて」
私、女性が「イク」って、漫画や小説、AVの世界の話だと思ってた。
大学時代に付き合った人達とは、「イク」事が出来なかったから。
リードします、とか言っていた私の口を塞ぎたい。
ぐちゅんっ ぐちゅんっ
「は、あ、あ…!!」
「あー、あかりのオマンコ最高。また締め付けてくる…イクのかな?」
「も、ゆるし、てぇっ…」
「許すもなにも?あかりも俺も、まだまだイケるし」
抜かずの3回、おふろで1回、リビングで1回、また寝室で1回。
これ、圭君の回数。
私はというと、じっくりねっとり一時間以上愛撫されてそこで3回はイった。
圭君の剛直を受け入れてからは、もう数えていない。
本日、クリでも膣でも初めてイったのに、圭君の巧みな指に舌に翻弄されて、休む事なく何度も高みへ押し上げられてる。
ぐりりっ ぐりんっ
「はぅんっ!!」
膣のイイところと、クリを同時に攻められて、また景色がチカチカし出して意識が飛びそうになる。
「ぁ…」
「ん?」
イク手前で、バックから突き上げ続けていた圭君の動きがピタリと止まった。
「ぅ、動いて…」
「あれ?止まって欲しかったんじゃないの?」
そうだけど!そうだけど!!
「もぅ少しだけ…」
「どうして欲しいの?」
紳士の仮面を外して、圭君は言葉で責めてくる。
「動いて…」
「うん、わかった」
圭君は緩やかに腰を動かす。
違う。
さっきみたいに、激しくして欲しい。
「もっ、と…」
「うん?もっと、何?」
「もっと、激しくして…!ぐちゃぐちゃに…、圭君、お願い!!」
ずんっ
「あっ!!」
「あー、もっと焦らしたかったのに…今ここで、初めて名前呼ぶなんて反則」
圭君、と脳内で練習しただけあって、意外とスムーズに呼べた。
けど、それは圭君の欲情を煽っただけの様で…
ずんっ ずんっ ずんっ
「あっ、あっ、んっ」
「あかり、俺のだ…好きだ、あかり…」
「あ、わ、たしも、好きっ」
高校の時から。
自分に自信がなくて、見てるだけだったけど。
ぐっちゅ ぐっちゅ ぐっちゅ
私の耳に、いやらしい水音が響き続ける。
「あ、ん、気持ち、い…!!」
「俺も、最高だ」
二人で高みへ昇り…そして、果てた。
☆☆☆
「圭君、は何でまたイケメンに戻ったの?私はそのままでも気にしなかったのに」
「んー、あかりと同じ理由かな」
「同じ?」
「あかりがそのままでも気にしないのは嬉しいけど…出来たら、あかりのご両親にも良く思われたいからね」
「…へ?」
「え?もうこの歳だし、さっさと結婚するつもりだから」
圭君の瞳が、キラリ…いやギラリと光った気がする。
「俺の仕事、デイトレーダーなんだ。
最初はまともに働いてたんだけど、副業のつもりで始めたデイトレのが何百倍も稼ぎが良くてさ。
本格的にやる為に会社辞めたんだけど、それじゃあかりのご両親も心配するだろうから。
俺、会社を立ち上げる経営者的な能力はないんだけど、株で儲けた金で見込みのあるベンチャー企業に出資してんだ。
その中の一つが、カイジのスポーツジムだったりするんだけど。
まぁ、それだけでも食っていけるから、多分ご両親に反対される事はないんじゃないかな?
…で、次は挨拶に伺いたいんだけど、いつがいい?」
ポカーンとする私に物凄い輝きの指輪を渡し、圭君はいつの間にか私の婚約者になっていた。
…あまりにスペック高い人が彼氏だと自分に自信がなくなりそうだけど、そんな暇さえ与えてくれなさそうです。
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