アリスと女王

ちな

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お散歩

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ようやく口の中のザーメンを飲み込んだころ、凛はもう頭は働いていませんでした。水の中にいるような、ふわふわした気分です。

「さあ、凛。楽しいことをしよう」

ぬっぷりと凛の口の中から男根を引き抜くと、誰の体液とも分からない粘着質な糸が何本も橋を架けました。細いものからプツリと切れて行く様は、元気な太陽がきらきらと受け止めます。

ぐったりとしてただ呼吸を繰り返す凛は、すっかり全身汗だくになっていました。熱が集まりすぎた頬も、散々いたぶられた足の間も、森を駆け抜ける爽やかな風だけでは到底冷えそうもありません。
ぐったりと動かない凛に微笑み、口の端から漏れる液体を掬って、必死に酸素を取り込む唇に押し込んでやりました。

蓮は凛から体を離すと、双子に誘拐される前に編んでいた蔦を手繰り寄せました。

「かわいい凛を見せてね」

蓮だって2度も射精し、疲労感が全身を襲っています。もう腕を上げるだけでも精一杯なほどでした。

でも、とても足りませんでした。凛に、もっともっとひどいことをしなくてはならないのです。凛を傷付けたのは自分で、苦しい思いをさせたのは自分だと思わせなければいけないのです。そういうふうに記憶を上書きしたかったのです。
全ての記憶は、自分でなければ気が済まないのです。

蓮は蔦を持って重い腰を上げ、低木のほうへ歩いていきました。

鮮やかな緑、小さな赤い実を付ける低木は、見た目に反してとても強度があることを知っています。お仕置きにはもってこいなので、城にはこれが要塞のように生えていることを思い出しました。
蓮は苦虫を食い潰したような顔をしましたが、すぐに顔を元に戻しました。そうしてなんて事ないふうを装って、蔦を低木に括りつけました。

「凛…愛してるよ、僕の凛…」

譫言のように呟きながら、低木から伸びる蔦を向こう側へと渡らせました。

背の高い蓮の腰のあたりに、一本の蔦が這いました。ざっと5メートルほどです。これに、見つけてきたまま置き去りにしたバケツを側へ持ってきました。中には樹液がなみなみと入っていました。蓮はその樹液を丹念に蔦に塗り込みました。

塗り終わると、今度はポケットから小さなケースを取り出しました。ケースの中に入っているのは、花粉です。蔦のあちこちにそっと振り掛けて、試しに指を翳しました。

パチンっ──

青く細い閃光が走ました。相性の悪い植物同士をかけ合わせることで、静電気が発生するのです。蓮は満足そうに頷き、ぐったりしている凛のそばへ歩いていきました。

「凛、お散歩しよう。20往復するんだよ」

凛は蓮の言葉が理解できないほど、意識が混濁していました。強制的に立たせ、殆ど力が入っていない凛を抱えるようにして蔦の方へ歩いていきます。それから無理矢理足を持ち上げて、張った蔦を跨がせました。

「あっ…あっ…」

ぐちゅり。粘度の高い樹液を塗りつけた蔦は、ドロドロに溶けた足の間にぎっちりとくい込みます。体が小さい凛は、蔦に跨るとつま先が僅かに付く程度です。蓮が体のバランスを保ってやらなければ、足にほとんど力が入っていない凛は、自分で体を支えることが出来ませんでした。

ギリギリとくい込む蔦は蓮が塗りこんだ樹液が滴り、凛の足の間をじっとりと濡らしました。

「さあ歩いて」

蓮は口角を上げ、愉しそうに凛の腰を押し出しました。

「ひっ…あっァぁっ…!!」

よろよろと一歩を踏み出すだけで、きつく編んだ蔦が割れ目の全てを同時に擦り上げ、凛は全身を震わせます。赤らんだ体がフラフラと揺れ、凛は蓮にしがみついて首を振りました。強烈な刺激は自然と前かがみになり、いたいけなクリトリスが容赦なく押し潰されます。
蓮は構わず凛の腰をぐいぐい押し出しました。

「やっやっ!あぁっ!あああッッ!!」

ぎっちりとくい込む蔦は、少しの遠慮もなく凛の敏感で柔らかくて弱い部分をじりじりと擦り上げます。蓮は黄色い花粉を蔦に落としました。そうして凛の腰を一気に押し出すと、触れ合った蜜と花粉が合わさり、凛のちょうどクリトリスのあたりでバチンと閃光を放ちました。

「ああぁぁぁぁっ!!」

ぶしゃっと潮をふく凛の背中を支え、蓮は笑い出しました。

「とってもいいよ…凛、最高にかわいい」

はくはくと苦しそうな呼気を漏らす濡れた唇にキスをして、必死に主張する真っ赤な乳首をきゅっと捻ってやりました。
ひぃん、なんて可愛らしい声を上げ、今度は体を反らせます。くい込む角度が少し変わっただけで、そこは火がついたように熱くなっていきました。
芯を通して熱を持つ乳首は、蓮の指に踊ります。くりんくりんと捏ね回し、少し引っ張ってやると、細い体がしなりました。腰を捻らせれば、蔦は足の間にぐりぐりとくい込んで、とろとろと白い足に涙の跡がつきました。
蓮はそのまま乳首をリードのように引っ張り、促してやります。

「20往復するんだよ、凛…めちゃくちゃにしてあげるからね」

抵抗せず素直に頷く凛に、濁流のような愛しさが込み上げます。可愛らしい凛へのご褒美だと指先に花粉を落とし、クリトリスへ静電気を浴びせました。
パチンっ…。
鋭い音と、仰け反った白い喉に、蓮はうっとりと微笑みました。

「さあ、歩いて」
赤くそそり立つ乳首をリードにして、ぐいっと引っ張ってやりました。
ひんひん泣きながらおぼつかない足取りでよたよたと何とか一歩を踏み出しますが、ゴールは遥か向こうです。
凛はしがみついていた手を離し、足の間を虐め抜く蔦をぎゅぅっと握りしめました。一生懸命蔦を握り、股に蔦をぎっちりとくい込ませる凛は、倒れこまないようにするだけで精一杯です。これでは20往復などとても無理だと判断した蓮は、蔦に塗った樹液を凛の足首に垂らしました。それからポケットから花粉が入ったケースを取り出して指先に落とします。

「歩いて、凛」

ぱっと指を払い、凛の踝に花粉を振りかけます。途端。

「きゃあああっ!」

パチンっと短く鋭い音が鳴り、凛の樹液で濡れそぼる踝に静電気が走りました。凛は思わず右足を高く上げ、見計らっていた蓮が腰を押し出します。にちゅにちゅと粘着質な音を奏でて、凛は足の間を張った蔦に擦られながら、大きく一歩を踏み出しました。

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