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飽和する残響
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元気いっぱいの太陽は、何時まで経っても傾く気配すらありません。鮮やかな赤色をした鳥が、抜けるよな青色の空に羽を広げて飛び立ちました。
ずっと向こうに広がる湖面が光を躍らせ、吹き抜けた風は草原を撫でていきます。みずみずしい草の香を踏んで、悲鳴を聞いて逃げていった森の動物たちが、恐る恐る戻ってきました。
動物たちは顔を見合わせながら、森の一角に向かいました。まるで洞窟のようになっている森の奥へ目線を向けるものの、誰も踏み出そうとはしませんでした。否、できないのです。森の奥には恐ろしいスパイダーが"遊んで"いることを知っているためです。
誰も彼もが視線を交えますが、頷く者はいませんでした。吹き抜けた風が気取ったふうに、集まった動物たちの被毛を撫でつけ、背中を押します。
動いたのは、一匹のウサギでした。怖いもの見たさでそっと奥を覗いたウサギが耳をぴくぴく動かします。長い耳に、やたらと粘着質な音がなだれ込んできました。
「んんっやあっあ!」
「あっあはっ…きゃあっあ!」
にゅちゃぬちゃと妙な音と、蝶の声です。暗い森の奥で、がさがさと葉を揺らし、細長くて白っぽいものがうねっていました。
ゆっくりゆっくり足を踏み出すウサギは、真っ赤な目をくりくりさせて中の様子を伺います。好奇心旺盛な子ザルも参戦し、2匹で顔を見合わせます。足音を殺し、2匹はそっと足を踏み入れました。
ぴちゃん。
足元から水音がして、可哀想なほど肩を跳ねさせて逃げ出す子ザルとウサギは、そのまま川の方へと走り去ってしまいました。
一体なにを見聞きしたのでしょう。好奇心旺盛なのは子ザルだけではありません。2匹のサルが恐る恐る、洞窟みたいな森の奥へと足を踏み入れました。
「あっ…ああもっとっ!」
「足りないよぉ足りないのっ…蓮、さまぁ!」
ふたり、3人…もうひとりいるでしょうか。蝶の声が薄暗い森に反響しました。にちゃにちゃと粘着質な音を混ぜた艶かしい声は、段々と天国へ近付いているようです。
触手のようなものがうねり、とろりと透明な液体を零しました。
ぴちゃん。
水溜りに吸い込まれた液体の先は、大きな水溜りです。とろとろと小さな川を作り、森の入口のほうまで流れているのでした。
蝶は自分たちであの蔦を引っ張り出し、どろどろに溶けたヴァギナへ自分で出し入れをしていました。蔦が反応を見せなくても、自分で腰を振り、目を蕩けさせているのです。
顔を蕩けさせてはしたなく涎を垂れ流しているのは、スパイダーの巣に縫い付けられ、逃げ出した蝶でした。蓮の激烈な催淫作用で、脳の髄まで溶かされてしまったのです。
引っ張り出した蔦を奥の奥まで出し入れし、何度も天国の階段を登りました。急降下していく感覚に激しい虚無感を覚えてしまった蝶たちは、その辺を飛んでいたトンボ型の虫を引っ掴んでおしりの奥まで突っ込み、大分緩んでしまった括約筋を駆使して逃すまいと締め付けます。蔦のぼこぼことした節に、未だ蜘蛛の糸が絡みつくクリトリスを擦りつけ、汚く鳴きました。
ぬかるんだ土に顔を押し付け、力の入らない足を叱咤して膝を立てる蝶は、芋虫の触手に慰めてもらっていました。長い触手は蝶の子宮まで入り込み、ぐっちゃぐっちゃとかき回すのです。元は美しかったはずの蝶の顔には、蔦の粘液と最早誰のものかも分からない愛液、それから泥がべっとりと付着し、汚れていました。蝶は、そんなことにすら全く気が付かず、乱暴に子宮をかき回す触手に喘ぎました。
意識が混濁しすぎて、もう何を欲し、どうされているのかも理解していないのです。アリスの蜜を欲する蔦ですら、蝶が吐き出す呼気に含まれている蓮のにおいに少しずつ反応を見せていくほどです。ぐにゃりと動き出した蔦がひとりの蝶を捕らえました。手足を大きく開かせ、足の間に太い蔦を這わせます。節を当て、ごうごうと音を立てながら蝶の足の間を擦り上げました。
「ひぎぁぁぁああああああ!!!」
汚い音を立てて蝶が絶叫しました。凛もされた、股擦りです。激しく往復する蔦は、滴る愛液を吸収し、元気になっていきました。ただし、アリスの蜜には到底かないません。蔦が満足してくれるまで決して止めてもらえないのです。
あとどれ程かかることでしょう。白目になっている蝶に、そこまでの思考はありませんでした。
そんな蝶たちが泣き叫ぶもっと奥では、苦しそうな呻き声が聞こえてきます。むわっとするにおいと、じとじとした重苦しい空気。それから、元気な太陽は影しか見えません。泣き声みたいな蝶たちの嬌声が不気味に反響していました。
ぎ、と音を立て、ロッキングチェアが揺れました。蓮の足が動いたからです。長い足の先には、可哀想なほど下品に足を開き、白目を剥きながら口に笑みを浮かべる蝶の姿。靴を履いたままの蓮の足を勝手に使って、下品に開いた自分の足の間を擦り付けていました。蓮が気まぐれに軽く蹴り飛ばしてやると、蝶は喉を反らせて笑うのでした。狂ったように蓮の名を呼び、汚く喘ぐのです。
他の蝶たちもそうでした。取り上げられてしまったご馳走のことなど、もう頭の片隅にもないのです。もだえ苦しむほどの激しい疼きを何とかしたくて、転がっている芋虫をとっつ構えて自分のヴァギナに突っ込んだり、男根と勘違いをして他の蝶のクリトリスを捻じ込む者もいました。口元をベタベタにしてキスを繰り返す蝶もいました。彼女たちは僅かに呼気に含まれる蓮の匂いを欲しているのです。乳首を固く縛っている蜘蛛の糸を自ら虐げる姿もちらほら見受けられますが、誰も人のことを見ていません。自分のことしか考えられず、脳の髄はどろどろに溶けてしまっているのです。
壊れてしまった可哀想な蝶たちに、蓮は一瞥もくれてやりませんでした。蓮の視線は、凛にしか向けられていないのです。
2本の大木に大きな巣を張り、丁度真ん中に来るように縫い付けられた凛は、呼吸すら満足にさせてもらっていませんでした。逆さ向きになって覆いかぶさり、凛の蜜を必死に舐め取るスパイダーの喉は乾く一方。そして凛は、の男根を象ったスパイダー足を、喉の奥に突っ込まれているところでした。
砂糖とはちみつを鍋でぐつぐつ煮立たせるような顔をした蓮は、鼻から甘い息を吐き出しました。
ずっと向こうに広がる湖面が光を躍らせ、吹き抜けた風は草原を撫でていきます。みずみずしい草の香を踏んで、悲鳴を聞いて逃げていった森の動物たちが、恐る恐る戻ってきました。
動物たちは顔を見合わせながら、森の一角に向かいました。まるで洞窟のようになっている森の奥へ目線を向けるものの、誰も踏み出そうとはしませんでした。否、できないのです。森の奥には恐ろしいスパイダーが"遊んで"いることを知っているためです。
誰も彼もが視線を交えますが、頷く者はいませんでした。吹き抜けた風が気取ったふうに、集まった動物たちの被毛を撫でつけ、背中を押します。
動いたのは、一匹のウサギでした。怖いもの見たさでそっと奥を覗いたウサギが耳をぴくぴく動かします。長い耳に、やたらと粘着質な音がなだれ込んできました。
「んんっやあっあ!」
「あっあはっ…きゃあっあ!」
にゅちゃぬちゃと妙な音と、蝶の声です。暗い森の奥で、がさがさと葉を揺らし、細長くて白っぽいものがうねっていました。
ゆっくりゆっくり足を踏み出すウサギは、真っ赤な目をくりくりさせて中の様子を伺います。好奇心旺盛な子ザルも参戦し、2匹で顔を見合わせます。足音を殺し、2匹はそっと足を踏み入れました。
ぴちゃん。
足元から水音がして、可哀想なほど肩を跳ねさせて逃げ出す子ザルとウサギは、そのまま川の方へと走り去ってしまいました。
一体なにを見聞きしたのでしょう。好奇心旺盛なのは子ザルだけではありません。2匹のサルが恐る恐る、洞窟みたいな森の奥へと足を踏み入れました。
「あっ…ああもっとっ!」
「足りないよぉ足りないのっ…蓮、さまぁ!」
ふたり、3人…もうひとりいるでしょうか。蝶の声が薄暗い森に反響しました。にちゃにちゃと粘着質な音を混ぜた艶かしい声は、段々と天国へ近付いているようです。
触手のようなものがうねり、とろりと透明な液体を零しました。
ぴちゃん。
水溜りに吸い込まれた液体の先は、大きな水溜りです。とろとろと小さな川を作り、森の入口のほうまで流れているのでした。
蝶は自分たちであの蔦を引っ張り出し、どろどろに溶けたヴァギナへ自分で出し入れをしていました。蔦が反応を見せなくても、自分で腰を振り、目を蕩けさせているのです。
顔を蕩けさせてはしたなく涎を垂れ流しているのは、スパイダーの巣に縫い付けられ、逃げ出した蝶でした。蓮の激烈な催淫作用で、脳の髄まで溶かされてしまったのです。
引っ張り出した蔦を奥の奥まで出し入れし、何度も天国の階段を登りました。急降下していく感覚に激しい虚無感を覚えてしまった蝶たちは、その辺を飛んでいたトンボ型の虫を引っ掴んでおしりの奥まで突っ込み、大分緩んでしまった括約筋を駆使して逃すまいと締め付けます。蔦のぼこぼことした節に、未だ蜘蛛の糸が絡みつくクリトリスを擦りつけ、汚く鳴きました。
ぬかるんだ土に顔を押し付け、力の入らない足を叱咤して膝を立てる蝶は、芋虫の触手に慰めてもらっていました。長い触手は蝶の子宮まで入り込み、ぐっちゃぐっちゃとかき回すのです。元は美しかったはずの蝶の顔には、蔦の粘液と最早誰のものかも分からない愛液、それから泥がべっとりと付着し、汚れていました。蝶は、そんなことにすら全く気が付かず、乱暴に子宮をかき回す触手に喘ぎました。
意識が混濁しすぎて、もう何を欲し、どうされているのかも理解していないのです。アリスの蜜を欲する蔦ですら、蝶が吐き出す呼気に含まれている蓮のにおいに少しずつ反応を見せていくほどです。ぐにゃりと動き出した蔦がひとりの蝶を捕らえました。手足を大きく開かせ、足の間に太い蔦を這わせます。節を当て、ごうごうと音を立てながら蝶の足の間を擦り上げました。
「ひぎぁぁぁああああああ!!!」
汚い音を立てて蝶が絶叫しました。凛もされた、股擦りです。激しく往復する蔦は、滴る愛液を吸収し、元気になっていきました。ただし、アリスの蜜には到底かないません。蔦が満足してくれるまで決して止めてもらえないのです。
あとどれ程かかることでしょう。白目になっている蝶に、そこまでの思考はありませんでした。
そんな蝶たちが泣き叫ぶもっと奥では、苦しそうな呻き声が聞こえてきます。むわっとするにおいと、じとじとした重苦しい空気。それから、元気な太陽は影しか見えません。泣き声みたいな蝶たちの嬌声が不気味に反響していました。
ぎ、と音を立て、ロッキングチェアが揺れました。蓮の足が動いたからです。長い足の先には、可哀想なほど下品に足を開き、白目を剥きながら口に笑みを浮かべる蝶の姿。靴を履いたままの蓮の足を勝手に使って、下品に開いた自分の足の間を擦り付けていました。蓮が気まぐれに軽く蹴り飛ばしてやると、蝶は喉を反らせて笑うのでした。狂ったように蓮の名を呼び、汚く喘ぐのです。
他の蝶たちもそうでした。取り上げられてしまったご馳走のことなど、もう頭の片隅にもないのです。もだえ苦しむほどの激しい疼きを何とかしたくて、転がっている芋虫をとっつ構えて自分のヴァギナに突っ込んだり、男根と勘違いをして他の蝶のクリトリスを捻じ込む者もいました。口元をベタベタにしてキスを繰り返す蝶もいました。彼女たちは僅かに呼気に含まれる蓮の匂いを欲しているのです。乳首を固く縛っている蜘蛛の糸を自ら虐げる姿もちらほら見受けられますが、誰も人のことを見ていません。自分のことしか考えられず、脳の髄はどろどろに溶けてしまっているのです。
壊れてしまった可哀想な蝶たちに、蓮は一瞥もくれてやりませんでした。蓮の視線は、凛にしか向けられていないのです。
2本の大木に大きな巣を張り、丁度真ん中に来るように縫い付けられた凛は、呼吸すら満足にさせてもらっていませんでした。逆さ向きになって覆いかぶさり、凛の蜜を必死に舐め取るスパイダーの喉は乾く一方。そして凛は、の男根を象ったスパイダー足を、喉の奥に突っ込まれているところでした。
砂糖とはちみつを鍋でぐつぐつ煮立たせるような顔をした蓮は、鼻から甘い息を吐き出しました。
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