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「さあ立って。早速行こうか」
“特濃ザーメン”という単語を聞いて、凛は赤いきのこにすっかり興味を失くしました。持っていたきのこを放り投げ、口に溜めていた液体を半ば無理矢理飲み込むと、蓮の手を借りて起き上がります。蓮の口元は三日月を崩しませんでした。
「…そんなに善かったんだね」
「っ…、うん…」
カッと顔を赤らめて、凛はつま先を見つめました。捏ねられた乳首もクリトリスも、ジンジンと熱を持っています。イかせてもらえなかったクリトリスが泣いておねだりしています。
「蓮…」
「あはっ。今は体力を温存させておいたほうがいいよ」
蓮だって本当は今すぐにでも指を伸ばし、激しく揺さぶってやりたいのです。ふわふわの媚肉の内側で必死に硬くする小さな蕾を思い切りひっぱたき、跳ねる体をじっくりと観察したいのです。しかし、蓮はそうしませんでした。これからこの少女は、過酷なまでの快楽に絶叫しなければならないのです。
お楽しみはあとにしよう。蓮は舌なめずりしたいのを我慢しました。
潤んだ目で訴える凛の背中に手を添え、蓮は足を踏み出します。凛を半歩前に歩かせなければ、この歪んだ顔を隠すことが出来ないのです。
クリトリスを弄ればすぐに蜜を垂らす体になってくれたこと。喉にべっとりと張り付く濃厚なザーメンの味を、凛は完璧に覚えたこと。ザーメンを飲めば狂おしいほどの快楽が得られること。これらが完全に結びついて、凛は自らあのザーメンを欲しがっていること…。蓮は飛び上がりたくなるほど狂喜しましたが、涼しい顔を作るのでした…。
森の深く深くへ行くほど、木々が鬱蒼と茂り、あの元気いっぱいの太陽は段々顔を見せなくなってきます。清々しかった森の風は質量を増し、じっとりと肌にへばりつく様でした。
「れ、蓮…道は合ってる…?」
細腕で一生懸命肌を隠し、もじもじと歩く凛の顔に、不安が滲み始めます。不気味な鳥の声も聞こえてきました。柔らかい草の道も湿度を増し、一歩進むたびに足に絡むような気がします。
蓮は相変わらず涼しい顔をしていました。
「合ってるよ。スパイダーはこういうジメジメしたところが好きなんだ」
「そ、そう…」
凛の顔が段々青ざめていくので、さすがに可愛そうになってきた蓮は、背中を支える手で優しく撫でてやりました。いつもならば少し安心した顔を見せる凛ですが、今ばかりはちっとも心が落ち着きません。カラフルな色の果物や花や草は歩みを進める度に汚く濁った色をして、形も不気味になっていきます。あのネコジャラシの姿も見えました。しかし、方法はどうであれ、癒してくれようとした優しさは感じられません。じっくりとこちらを伺うように頭を垂れて、どす黒く、妙にねっとりした粘液を纏っていました。
怖くなった凛は無理矢理視線を剥がし、首を横に振りました。
しゅあああ……。
凛のすぐ横で、湯気を立て、毒々しい紫色の花が開きました。
「ひっ…」
肩を震わせた凛に、蓮は米神にキスをしてやります。
「あれはね、近付くと電気を放つんだ。僕も間違えて触ったことがあるけど、まぁ大したことないよ。静電気程度だ」
ほら、なんて不気味な花に指を近付けてみせると、しゅあああ…と大きな口を開けた植物は、次の瞬間ぱちんと細い閃光を放ちました。
「きゃあっ」
「ほら、大丈夫だって」
ふっと目元を緩めて見せますが、凛の顔は益々青くなるばかり。蓮は困ったな、と頭を掻きました。
「取って食ったりしないよ」
「う、うん…」
「ああ、ほらあれを見て」
蓮が前方を指さしました。恐る恐る蓮の指を辿ると、淡く光る黄色い植物を見つけました。
わっ、なんて弾んだ声をあげ、凛が駆け寄りました。様子を見守っていた蓮は、優しいテノールを紡ぎます。
「かわいいでしょ。ああ、このベルに触らないで」
「えっ」
鈴蘭のような小さく可愛らしい花です。群生しているその花のベルの内側から、それぞれ淡く光を漏らしていました。凛が手に取ろうとしたので、蓮が制止しました。
「吸われるよ」
「っ!」
この薄暗い道に少しでも可愛らしく優しい灯りになればいいと思った凛でしたが、摘もうとした手をひゅっと引っ込めました。
「この花も“アリスの蜜”が大好物。吸えばどんどん大きくなって、あっという間に枯渇するくらい吸われちゃうよ。でも、空気中の水分でもこれくらいなら十分育つから」
「……」
見る分にはとっても可愛いよね、なんて明るく言う蓮に、凛は言葉を失くしました。同時に、蓮が傍にいてくれて良かったと、安堵もしました。もし蓮に教えてもらっていなければ、一体どうなっていたか…。凛は身震いして蓮の腕にしがみつきました。
蓮が喉の奥で笑います。凛の行動が逐一かわいいのです。つい意地悪をしてしまうのは、仕方がないのです。
「さぁ、もう少し頑張ってね。スパイダーの住処までもう少しだよ」
そっと肩を抱いてやりました。柔肌が手に吸い付き、蓮の引き締まった体にぴったりとフィットします。
喉を鳴らしたことを悟られないように、蓮は咳払いをしました。
一方、凛の足取りは一層重くなりました。
“彼はとても残虐なんだ。”
蓮が冗談で言ったのではない、とは思っていました。ですがそれは、例えばあの変な帽子の男性に陵辱されたことや、おかしな蔦のことなどがあったので、まさかそれよりは…とタカをくくっていたのです。あれに少し耐えれば、こんな恥ずかしい格好とはサヨナラできると思っていたのです。
しかし、読みは甘かったと後悔し始めました。もしかすると、この格好をしていたほうがマシだったのでは…。
一抹の不安は、足を進める度に暗くなっていく森と同じように、段々大きくなっていきました。
「っ…!なに、いまの…」
凛の足がぴたりと止みます。微かに悲鳴のような声が聞こえたのです。蓮は少し眉間に皺を寄せました。
「ああ…スパイダーが"遊んでる"のかもね」
凛はもう、それ以上質問するのを止めました。悲鳴は複数でした。
震え出す凛の背中を撫でてやりましたが、一向に落ち着く気配はありません。蓮は凛を腕にきつく抱いてやりました。それから、ちいさな耳に口を寄せ、低く囁きました。
「行こう。いつまでもそんな恰好していたら、風邪を引いてしまうかもしれないよ」
優しく言う蓮ですが、凛は足が竦んで動けません。風を切る音、続いて鋭く乾いた音も聞こえるのです。
「…凛。頑張って。ご褒美が待ってるよ」
柔らかな髪にキスをして、凛の背中を撫でてやりました。
"ご褒美"…。凛は喉を鳴らします。口の中に唾が溜まりました。それでも、あの音を聞いてしまっては、足を前に進めることができませんでした。
「凛…大丈夫だよ。僕が見ててあげるからね。凛のかわいい顔を僕に見せて」
腕に閉じ込めた凛を少しだけ開放します。それから頬にキスを。続いて、熱を持ち始めた耳にもキスを。凛はん、と息をひそめて目を瞑ります。劈くような音から少しだけ意識が剥がれたようでした。
蓮は続いて首筋を指でなぞりました。ふ、と息を漏らす凛の目をじっと見つめ、蓮の指は鎖骨へ降り、柔らかく爪を立てます。正面を向いた凛の息が、すこし熱を帯びました。
「あっ…蓮…」
「うん。凛のその顔、僕大好きだよ」
そろそろと下りてきた指は、そっとふくらむ丘へ伸びました。すっかり慣らされた乳首の周りを、爪の先でくすぐってやります。正面から肌を凝視され、凛は肌を隠そうと手を胸の前でクロスしましたが、蓮はその手をやんわりと取り、自分の首に絡めるように誘導しました。そうしておでこを合わせて目を細めて見せました。
「ザーメンで溺れたいでしょ。ああそうだ、おしりにも入れてあげようかな。ねえ、口からもおしりからも、同時に飲んでみるって言うのはどうかな」
少しずつ硬度を増してきたいじらしい乳首を、前触れなく突然ぎゅむりと捻り上げました。
「っひゃあぁ!」
「鞭も入れてあげようね。がちがちに勃起したクリトリスを思い切り打ってあげる」
「あっあっ…」
捻り上げた乳首をふるふると振ってやると、凛は蓮のシャツを握り締め、爪先だって足を擦り合わせました。凛の甘い蜜がとろんとろんと、夢のように柔らかな太ももを濡らします。蓮はもう一度頬にキスを落としました。
「それから、今度は舐めてあげようね。頑張って勃起してるクリトリスを、僕の舌でいっぱい甘やかしてあげるよ。歯を立ててあげてもいいね。凛は痛いのが好きだから」
「やっ…ちがっ…!」
「違わないよ。嘘をつく悪いお口は特濃ザーメンで窒息させちゃうよ。飲んでも飲んでも全然減らないくらいびゅーびゅー注いじゃうよ」
凛は赤い舌をちろちろと覗かせました。目がとろんとし始め、蜜は足首まで垂れています。甘い匂いに誘われたのか、暗い森がざーっとさざめきました。
「ねえ、サルがお礼してくれたでしょ。おまんこをゴシゴシ擦られちゃったやつ。あれ、とっても気持ちよさそうだったよね。今度は僕が蔓を編んで作ってあげようか」
「んんっふっあっんん…」
もじもじと足を擦り合わせる度、控え目な水音が耳を掠めました。蓮は口元の笑みを濃くして乳首を指で弾きました。
「きゃんっ」
「おまんこを編んだ蔓でぎっちり吊って、乳首にも鞭を入れてあげる。きっととっても気持ちいいよね」
「あっあっ…!」
蓮は両方の乳首をもう一度摘まみなおし、ぎゅっと捻り上げました。それから左右に開くようにしてやると、逃げ場を失った凛の足が震えます。軽く上下に揺すってやるだけで、凛のかわいらしい唇から甘えた猫の声が響きました。
「蔓がぎっちり食い込んで気持ちよかったよね。もっと擦って欲しかったよね。僕が飽きるまでやってあげようか」
「んんっあっあっ!」
「凛がイきそうになったら、意地悪して止めちゃおうかな」
「あっ…!」
潤んだ目に、明らかな熱が籠ります。お人形のように愛らしい顔を染め、膝を擦り合わせました。爪の先で乳首を引っ掻いてやると、今度は腰をゆらゆらと揺らします。
「あの木の皮はどうだった?すごい音がしたよね」
「っんん!」
「いっぱい叩いてあげようね。クリトリスも膣口も、アナルもみんな叩いてあげる。真っ赤になってきたら、今度はネコジャラシの粘液たっぷりかけてあげようね。」
「っ!」
凛の息が上がってきました。うっすらと汗ばんだ体は、鞭代わりにした木の皮と、火炙りと冷却を繰り返すネコジャラシの粘液を鮮明に思い出したのです。蓮は続けました。
「凛の体をきつく縛ってあげてもいいよね。満足に抵抗できなくて、ただ気持ちいいことをひたすら受け入れるしかなくて…」
はあ、と凛の口が大きく開きました。そのつらさを、悦楽を、知っているのです。
「ふふっ。想像したの?凛のおまんこが大洪水だね」
擦り合わせる凛の足の間に、蓮が長い指を滑り込ませました。熱く絡みつく蜜に、蓮は満足そうに微笑んで見せました。
「どうにもつらくなったら、僕が凛のまんこに温めたハチミツ入れてあげる。凛も覚えてるでしょ?ああ、心配しないで。シリンジ代わりになる植物があるって知ってた?バケツ一杯くらいなら余裕で溜められるから、凛が限界になるまで一気に入れてあげるね。おしりにも同時に入れてあげようかな。それとも、じっくり時間をかけて入れてあげようかな…」
凛の心臓がどくりと鳴りました。そうして思い出したのです。
あの帽子の男性に、熱したハチミツを膣の奥にもおしりの奥にも、これでもかと注がれたことを……。
蜜が、垂れました。
「さあ、行こう。最高のご褒美をあげるから、頑張って」
震える足を一歩踏み出せば、あとは足が勝手に進みました。
蓮は笑いました。
凛はこんなにも従順に、正確に、これまで知った鞭や浣腸や中だしの感覚を覚えているのです。少し言っただけで蜜を垂れ流すくらいに…。
「嬉しいよ。もっともっと……」
呟いた独り言は、不気味な森に溶けていきました。
“特濃ザーメン”という単語を聞いて、凛は赤いきのこにすっかり興味を失くしました。持っていたきのこを放り投げ、口に溜めていた液体を半ば無理矢理飲み込むと、蓮の手を借りて起き上がります。蓮の口元は三日月を崩しませんでした。
「…そんなに善かったんだね」
「っ…、うん…」
カッと顔を赤らめて、凛はつま先を見つめました。捏ねられた乳首もクリトリスも、ジンジンと熱を持っています。イかせてもらえなかったクリトリスが泣いておねだりしています。
「蓮…」
「あはっ。今は体力を温存させておいたほうがいいよ」
蓮だって本当は今すぐにでも指を伸ばし、激しく揺さぶってやりたいのです。ふわふわの媚肉の内側で必死に硬くする小さな蕾を思い切りひっぱたき、跳ねる体をじっくりと観察したいのです。しかし、蓮はそうしませんでした。これからこの少女は、過酷なまでの快楽に絶叫しなければならないのです。
お楽しみはあとにしよう。蓮は舌なめずりしたいのを我慢しました。
潤んだ目で訴える凛の背中に手を添え、蓮は足を踏み出します。凛を半歩前に歩かせなければ、この歪んだ顔を隠すことが出来ないのです。
クリトリスを弄ればすぐに蜜を垂らす体になってくれたこと。喉にべっとりと張り付く濃厚なザーメンの味を、凛は完璧に覚えたこと。ザーメンを飲めば狂おしいほどの快楽が得られること。これらが完全に結びついて、凛は自らあのザーメンを欲しがっていること…。蓮は飛び上がりたくなるほど狂喜しましたが、涼しい顔を作るのでした…。
森の深く深くへ行くほど、木々が鬱蒼と茂り、あの元気いっぱいの太陽は段々顔を見せなくなってきます。清々しかった森の風は質量を増し、じっとりと肌にへばりつく様でした。
「れ、蓮…道は合ってる…?」
細腕で一生懸命肌を隠し、もじもじと歩く凛の顔に、不安が滲み始めます。不気味な鳥の声も聞こえてきました。柔らかい草の道も湿度を増し、一歩進むたびに足に絡むような気がします。
蓮は相変わらず涼しい顔をしていました。
「合ってるよ。スパイダーはこういうジメジメしたところが好きなんだ」
「そ、そう…」
凛の顔が段々青ざめていくので、さすがに可愛そうになってきた蓮は、背中を支える手で優しく撫でてやりました。いつもならば少し安心した顔を見せる凛ですが、今ばかりはちっとも心が落ち着きません。カラフルな色の果物や花や草は歩みを進める度に汚く濁った色をして、形も不気味になっていきます。あのネコジャラシの姿も見えました。しかし、方法はどうであれ、癒してくれようとした優しさは感じられません。じっくりとこちらを伺うように頭を垂れて、どす黒く、妙にねっとりした粘液を纏っていました。
怖くなった凛は無理矢理視線を剥がし、首を横に振りました。
しゅあああ……。
凛のすぐ横で、湯気を立て、毒々しい紫色の花が開きました。
「ひっ…」
肩を震わせた凛に、蓮は米神にキスをしてやります。
「あれはね、近付くと電気を放つんだ。僕も間違えて触ったことがあるけど、まぁ大したことないよ。静電気程度だ」
ほら、なんて不気味な花に指を近付けてみせると、しゅあああ…と大きな口を開けた植物は、次の瞬間ぱちんと細い閃光を放ちました。
「きゃあっ」
「ほら、大丈夫だって」
ふっと目元を緩めて見せますが、凛の顔は益々青くなるばかり。蓮は困ったな、と頭を掻きました。
「取って食ったりしないよ」
「う、うん…」
「ああ、ほらあれを見て」
蓮が前方を指さしました。恐る恐る蓮の指を辿ると、淡く光る黄色い植物を見つけました。
わっ、なんて弾んだ声をあげ、凛が駆け寄りました。様子を見守っていた蓮は、優しいテノールを紡ぎます。
「かわいいでしょ。ああ、このベルに触らないで」
「えっ」
鈴蘭のような小さく可愛らしい花です。群生しているその花のベルの内側から、それぞれ淡く光を漏らしていました。凛が手に取ろうとしたので、蓮が制止しました。
「吸われるよ」
「っ!」
この薄暗い道に少しでも可愛らしく優しい灯りになればいいと思った凛でしたが、摘もうとした手をひゅっと引っ込めました。
「この花も“アリスの蜜”が大好物。吸えばどんどん大きくなって、あっという間に枯渇するくらい吸われちゃうよ。でも、空気中の水分でもこれくらいなら十分育つから」
「……」
見る分にはとっても可愛いよね、なんて明るく言う蓮に、凛は言葉を失くしました。同時に、蓮が傍にいてくれて良かったと、安堵もしました。もし蓮に教えてもらっていなければ、一体どうなっていたか…。凛は身震いして蓮の腕にしがみつきました。
蓮が喉の奥で笑います。凛の行動が逐一かわいいのです。つい意地悪をしてしまうのは、仕方がないのです。
「さぁ、もう少し頑張ってね。スパイダーの住処までもう少しだよ」
そっと肩を抱いてやりました。柔肌が手に吸い付き、蓮の引き締まった体にぴったりとフィットします。
喉を鳴らしたことを悟られないように、蓮は咳払いをしました。
一方、凛の足取りは一層重くなりました。
“彼はとても残虐なんだ。”
蓮が冗談で言ったのではない、とは思っていました。ですがそれは、例えばあの変な帽子の男性に陵辱されたことや、おかしな蔦のことなどがあったので、まさかそれよりは…とタカをくくっていたのです。あれに少し耐えれば、こんな恥ずかしい格好とはサヨナラできると思っていたのです。
しかし、読みは甘かったと後悔し始めました。もしかすると、この格好をしていたほうがマシだったのでは…。
一抹の不安は、足を進める度に暗くなっていく森と同じように、段々大きくなっていきました。
「っ…!なに、いまの…」
凛の足がぴたりと止みます。微かに悲鳴のような声が聞こえたのです。蓮は少し眉間に皺を寄せました。
「ああ…スパイダーが"遊んでる"のかもね」
凛はもう、それ以上質問するのを止めました。悲鳴は複数でした。
震え出す凛の背中を撫でてやりましたが、一向に落ち着く気配はありません。蓮は凛を腕にきつく抱いてやりました。それから、ちいさな耳に口を寄せ、低く囁きました。
「行こう。いつまでもそんな恰好していたら、風邪を引いてしまうかもしれないよ」
優しく言う蓮ですが、凛は足が竦んで動けません。風を切る音、続いて鋭く乾いた音も聞こえるのです。
「…凛。頑張って。ご褒美が待ってるよ」
柔らかな髪にキスをして、凛の背中を撫でてやりました。
"ご褒美"…。凛は喉を鳴らします。口の中に唾が溜まりました。それでも、あの音を聞いてしまっては、足を前に進めることができませんでした。
「凛…大丈夫だよ。僕が見ててあげるからね。凛のかわいい顔を僕に見せて」
腕に閉じ込めた凛を少しだけ開放します。それから頬にキスを。続いて、熱を持ち始めた耳にもキスを。凛はん、と息をひそめて目を瞑ります。劈くような音から少しだけ意識が剥がれたようでした。
蓮は続いて首筋を指でなぞりました。ふ、と息を漏らす凛の目をじっと見つめ、蓮の指は鎖骨へ降り、柔らかく爪を立てます。正面を向いた凛の息が、すこし熱を帯びました。
「あっ…蓮…」
「うん。凛のその顔、僕大好きだよ」
そろそろと下りてきた指は、そっとふくらむ丘へ伸びました。すっかり慣らされた乳首の周りを、爪の先でくすぐってやります。正面から肌を凝視され、凛は肌を隠そうと手を胸の前でクロスしましたが、蓮はその手をやんわりと取り、自分の首に絡めるように誘導しました。そうしておでこを合わせて目を細めて見せました。
「ザーメンで溺れたいでしょ。ああそうだ、おしりにも入れてあげようかな。ねえ、口からもおしりからも、同時に飲んでみるって言うのはどうかな」
少しずつ硬度を増してきたいじらしい乳首を、前触れなく突然ぎゅむりと捻り上げました。
「っひゃあぁ!」
「鞭も入れてあげようね。がちがちに勃起したクリトリスを思い切り打ってあげる」
「あっあっ…」
捻り上げた乳首をふるふると振ってやると、凛は蓮のシャツを握り締め、爪先だって足を擦り合わせました。凛の甘い蜜がとろんとろんと、夢のように柔らかな太ももを濡らします。蓮はもう一度頬にキスを落としました。
「それから、今度は舐めてあげようね。頑張って勃起してるクリトリスを、僕の舌でいっぱい甘やかしてあげるよ。歯を立ててあげてもいいね。凛は痛いのが好きだから」
「やっ…ちがっ…!」
「違わないよ。嘘をつく悪いお口は特濃ザーメンで窒息させちゃうよ。飲んでも飲んでも全然減らないくらいびゅーびゅー注いじゃうよ」
凛は赤い舌をちろちろと覗かせました。目がとろんとし始め、蜜は足首まで垂れています。甘い匂いに誘われたのか、暗い森がざーっとさざめきました。
「ねえ、サルがお礼してくれたでしょ。おまんこをゴシゴシ擦られちゃったやつ。あれ、とっても気持ちよさそうだったよね。今度は僕が蔓を編んで作ってあげようか」
「んんっふっあっんん…」
もじもじと足を擦り合わせる度、控え目な水音が耳を掠めました。蓮は口元の笑みを濃くして乳首を指で弾きました。
「きゃんっ」
「おまんこを編んだ蔓でぎっちり吊って、乳首にも鞭を入れてあげる。きっととっても気持ちいいよね」
「あっあっ…!」
蓮は両方の乳首をもう一度摘まみなおし、ぎゅっと捻り上げました。それから左右に開くようにしてやると、逃げ場を失った凛の足が震えます。軽く上下に揺すってやるだけで、凛のかわいらしい唇から甘えた猫の声が響きました。
「蔓がぎっちり食い込んで気持ちよかったよね。もっと擦って欲しかったよね。僕が飽きるまでやってあげようか」
「んんっあっあっ!」
「凛がイきそうになったら、意地悪して止めちゃおうかな」
「あっ…!」
潤んだ目に、明らかな熱が籠ります。お人形のように愛らしい顔を染め、膝を擦り合わせました。爪の先で乳首を引っ掻いてやると、今度は腰をゆらゆらと揺らします。
「あの木の皮はどうだった?すごい音がしたよね」
「っんん!」
「いっぱい叩いてあげようね。クリトリスも膣口も、アナルもみんな叩いてあげる。真っ赤になってきたら、今度はネコジャラシの粘液たっぷりかけてあげようね。」
「っ!」
凛の息が上がってきました。うっすらと汗ばんだ体は、鞭代わりにした木の皮と、火炙りと冷却を繰り返すネコジャラシの粘液を鮮明に思い出したのです。蓮は続けました。
「凛の体をきつく縛ってあげてもいいよね。満足に抵抗できなくて、ただ気持ちいいことをひたすら受け入れるしかなくて…」
はあ、と凛の口が大きく開きました。そのつらさを、悦楽を、知っているのです。
「ふふっ。想像したの?凛のおまんこが大洪水だね」
擦り合わせる凛の足の間に、蓮が長い指を滑り込ませました。熱く絡みつく蜜に、蓮は満足そうに微笑んで見せました。
「どうにもつらくなったら、僕が凛のまんこに温めたハチミツ入れてあげる。凛も覚えてるでしょ?ああ、心配しないで。シリンジ代わりになる植物があるって知ってた?バケツ一杯くらいなら余裕で溜められるから、凛が限界になるまで一気に入れてあげるね。おしりにも同時に入れてあげようかな。それとも、じっくり時間をかけて入れてあげようかな…」
凛の心臓がどくりと鳴りました。そうして思い出したのです。
あの帽子の男性に、熱したハチミツを膣の奥にもおしりの奥にも、これでもかと注がれたことを……。
蜜が、垂れました。
「さあ、行こう。最高のご褒美をあげるから、頑張って」
震える足を一歩踏み出せば、あとは足が勝手に進みました。
蓮は笑いました。
凛はこんなにも従順に、正確に、これまで知った鞭や浣腸や中だしの感覚を覚えているのです。少し言っただけで蜜を垂れ流すくらいに…。
「嬉しいよ。もっともっと……」
呟いた独り言は、不気味な森に溶けていきました。
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