296 / 330
四章
二百八十四話 帰還?Ⅳ
しおりを挟む
「予想以上に簡単だったな……」
「まぁ、あるじ様の記憶でいうところの小学校というところの低学年向けくらいの難易度でしたから。でも、それはあるじ様の生まれた国の教育レベルが高いだけで、この世界全体から見れば、今回の試験内容は簡単過ぎるという内容ではありませんわよ」
「まぁ、そうなんだろうな」
計算は簡単な足し算引き算。語学も、俺がハイナのおばちゃん達に習って覚えたので十分通じる内容だった。
まぁ、日本の教育が世界的に見ればかなり高い水準だってのは何となく判ってるし、この世界は特に現代から数百年くらい遡った西洋レベルぐらいに考えれば、要求される知識量がそこまで高くないのは、まぁそういうもんだろう。
「まぁ、何だかんだで金ランクの傭兵団のタグも手に入ったし、これで金を稼ぐ為の下準備は済んだな」
「ですわね。いくつか仕事をこなして、当面の活動費を確保しましょう。銀等級であの程度であれば、金等級の依頼難易度もリスクと呼べるほど高いものではないでしょうから、妙な対人トラブルを避けるためにも討伐系に絞ってみてはいかがですか?」
「そうだな。変に人が関わるよりも単純な討伐が一番いいか」
イブリスの言う通り、多分金の依頼難易度だとその対人トラブルが最大のリスクになりそうだからな。標的を倒してハイおしまい、の討伐が一番安定しそうだ。
「という訳で、幾つか依頼を取っておきました」
「え、いつの間に!?」
「ついさっきですわ。試験が終わってすぐに」
やべぇ、イブリス超有能なんだが。俺なんかよりも遥かに賢いと言うか有能と言うか……
未だにこいつがなんで俺にこんなに懐いてるのかよく分からんのだよな。一目惚れみたいなものだという話だけど、俺のアバターはイケメンって感じはないというか、俺に結構似せてるからむしろゴリ系なんだが。精霊の感性はよく分からんな。
「せっかく依頼を受けてきてくれたんだし、手っ取り早くそれで金稼ぎするか」
「それがよろしいかと。私は兎も角、あるじ様は活動資金がないと動くに動けないでしょうし」
「うーん……」
今更ながらちょっと気になってるんだが……イブリスって有能ってだけじゃなくて、色々と知識がありすぎるように感じるんだよなぁ。
これってもしかして……
「あのさ、実はイブリスも実は管理者側だったりする?」
「いえ、私はそういった特権は何も。この世界が仮想の中で作られた箱庭であるとか、ヒトとNPCの違いだとか、そういう知識は人脈のせいと言うか、聞いても居ないのに情報が流れてくるので把握してはいますが、さて、どう説明すれば良いでしょうかね? 立場的にはシーシアマータやあるじ様の記憶にある黒兎……ハティに近いですわね。NPCともプレイヤーとも違うので説明が難しいですが……」
ありゃ、管理者側……中身が居るって訳じゃないのか。テスターである俺にそこを伏せる理由も思い当たらんし、イブリスの言う通りなんだろうな。実際、シアとは面識が合ったみたいだし、人脈で情報が入ってくるっていうと、あの男とは別に管理者側の誰かとパイプがあるのかもしれないな。
……にしても、イブリスもハティのことを黒兎って呼ぶのか。
確かに耳は長いしモフモフだけど、やっぱりどう見ても狼にしか見えないと思うんだがなぁ。俺の慣性がおかしいのか?
いや、でも王様とか村長達は月狼だってひと目で言い当ててたしな……そういやハティを兎って呼ぶのは女性陣だけだよな? 何か男女で見え方が変わってくるのか……? って、今はそこはどうでも良いか。
「ハティやシアと同じタイプでNPCでもないというと、モンスター枠?」
「モンスターと言われると少々思うところがありますが、まぁカテゴリとして人とは違うという意味では間違いないですわね。狼のエネミーは他に居ても、そのハティの様に対話可能な狼はそう居ないでしょう? ヒト種とは別の対話可能なモノだと思っていただければ」
シアは何かオンリーワンっぽい感じ出してたけど、ハティにしろイブリスにしろ、月狼や精霊っていう同種のモンスターが居る上で、その上位というか特殊存在みたいな感じだよな。
ファンタジーモノでは喋る狼とか喋るドラゴンとか結構メジャーだったりするし、多少メタい知識を持っているけど、モンスターアバターにNPC用の対話AIが入ったレアタイプだと思えば良いのか?
「違いを細かく説明しても、恐らく理解するのは難しいと思いますし、概ねそんな理解で問題ないと思いますわ」
説明が面倒臭い……というよりも、する意味が無さそうな雰囲気だな。まぁ、知ってどうなるかと言えばどうなるわけでもないしな。
まぁ本人の了承が得られた訳だし、そういうモンだと思っておこう。
「そんな事よりも、さっさと活動資金を確保しましょう。最低でも宿代は確保しないと、またあの裏路地で野宿することになりますわよ?」
「それは勘弁だな」
日本のような治安の良い訳ではないこの世界で街中での野宿はゾッとしない。それならいっそ街の外で野宿したほうが安全な気すらする。
「それに、着るものも何とかしないと問題がありますわね」
「確かに服とかもなんとかしたいな。生まれる前のNPCアバターだっていうから装備とかも初期装備なんだろうと勝手に思ってたんだけど、まさかホームレススタートで、服までズタボロだとは……」
リアリティに死ぬほど拘ってるから、てっきりNPCは全部赤ん坊スタートしてるもんだと思ってたんだが、こういう中途スタートのNPCも存在するんだな。
でもよく考えれば、異世界転生よろしく赤ん坊の体に俺の意識押し込められたらエリスたちと合流するどころじゃないからな。少し考えればそういうNPCが存在するんだとあの男と喋った時点で気付くべきだったんだよな。
いうても普段からそこまで注意深く物事考えてないから、その『少し考えれば』というのが出来ないわけなんだが。
「あまりこういう事は言いたくありませんけど、正直あるじ様でなければ近くを歩きたくない有様ですわね」
「そこまでか……って、まぁ自覚はあるんだけどな。自分の体から汗の匂いをハッキリ感じるくらいだからなぁ」
妙に俺のことをヨイショしてくるイブリスですらこう言うって事は、そこまで俺の身なりは悲惨だってことか。
自分の体臭って何だかんだで匂いが分からんもんだけど、自覚出来るほど臭うって相当だからな……
「じゃぁ、まずは宿代と食費、あと俺の身だしなみをなんとかするところからか」
「そうですわね。装備に関しては受けられる仕事のランクを考えれば、今の所今の武器があればしばらくは大丈夫でしょうし、生活の質を上げるところから始めましょう。3つ依頼をほど受けましたが、いずれも街のすぐ近く。対象が潜んでいる訳では無さそうなので、早ければ今日中に終わらせることが出来るかもしれませんわ
「そりゃ良い。野宿しなくて良いならそれに越したことはないしな」
やることは協会のときと同じで、至ってシンプルだ。標的を倒して標的と判断できる体の一部を持ち帰るだけ。
標的の強さも大したことはない。なら、さっさと済ませてしまうとしようか。
「まぁ、あるじ様の記憶でいうところの小学校というところの低学年向けくらいの難易度でしたから。でも、それはあるじ様の生まれた国の教育レベルが高いだけで、この世界全体から見れば、今回の試験内容は簡単過ぎるという内容ではありませんわよ」
「まぁ、そうなんだろうな」
計算は簡単な足し算引き算。語学も、俺がハイナのおばちゃん達に習って覚えたので十分通じる内容だった。
まぁ、日本の教育が世界的に見ればかなり高い水準だってのは何となく判ってるし、この世界は特に現代から数百年くらい遡った西洋レベルぐらいに考えれば、要求される知識量がそこまで高くないのは、まぁそういうもんだろう。
「まぁ、何だかんだで金ランクの傭兵団のタグも手に入ったし、これで金を稼ぐ為の下準備は済んだな」
「ですわね。いくつか仕事をこなして、当面の活動費を確保しましょう。銀等級であの程度であれば、金等級の依頼難易度もリスクと呼べるほど高いものではないでしょうから、妙な対人トラブルを避けるためにも討伐系に絞ってみてはいかがですか?」
「そうだな。変に人が関わるよりも単純な討伐が一番いいか」
イブリスの言う通り、多分金の依頼難易度だとその対人トラブルが最大のリスクになりそうだからな。標的を倒してハイおしまい、の討伐が一番安定しそうだ。
「という訳で、幾つか依頼を取っておきました」
「え、いつの間に!?」
「ついさっきですわ。試験が終わってすぐに」
やべぇ、イブリス超有能なんだが。俺なんかよりも遥かに賢いと言うか有能と言うか……
未だにこいつがなんで俺にこんなに懐いてるのかよく分からんのだよな。一目惚れみたいなものだという話だけど、俺のアバターはイケメンって感じはないというか、俺に結構似せてるからむしろゴリ系なんだが。精霊の感性はよく分からんな。
「せっかく依頼を受けてきてくれたんだし、手っ取り早くそれで金稼ぎするか」
「それがよろしいかと。私は兎も角、あるじ様は活動資金がないと動くに動けないでしょうし」
「うーん……」
今更ながらちょっと気になってるんだが……イブリスって有能ってだけじゃなくて、色々と知識がありすぎるように感じるんだよなぁ。
これってもしかして……
「あのさ、実はイブリスも実は管理者側だったりする?」
「いえ、私はそういった特権は何も。この世界が仮想の中で作られた箱庭であるとか、ヒトとNPCの違いだとか、そういう知識は人脈のせいと言うか、聞いても居ないのに情報が流れてくるので把握してはいますが、さて、どう説明すれば良いでしょうかね? 立場的にはシーシアマータやあるじ様の記憶にある黒兎……ハティに近いですわね。NPCともプレイヤーとも違うので説明が難しいですが……」
ありゃ、管理者側……中身が居るって訳じゃないのか。テスターである俺にそこを伏せる理由も思い当たらんし、イブリスの言う通りなんだろうな。実際、シアとは面識が合ったみたいだし、人脈で情報が入ってくるっていうと、あの男とは別に管理者側の誰かとパイプがあるのかもしれないな。
……にしても、イブリスもハティのことを黒兎って呼ぶのか。
確かに耳は長いしモフモフだけど、やっぱりどう見ても狼にしか見えないと思うんだがなぁ。俺の慣性がおかしいのか?
いや、でも王様とか村長達は月狼だってひと目で言い当ててたしな……そういやハティを兎って呼ぶのは女性陣だけだよな? 何か男女で見え方が変わってくるのか……? って、今はそこはどうでも良いか。
「ハティやシアと同じタイプでNPCでもないというと、モンスター枠?」
「モンスターと言われると少々思うところがありますが、まぁカテゴリとして人とは違うという意味では間違いないですわね。狼のエネミーは他に居ても、そのハティの様に対話可能な狼はそう居ないでしょう? ヒト種とは別の対話可能なモノだと思っていただければ」
シアは何かオンリーワンっぽい感じ出してたけど、ハティにしろイブリスにしろ、月狼や精霊っていう同種のモンスターが居る上で、その上位というか特殊存在みたいな感じだよな。
ファンタジーモノでは喋る狼とか喋るドラゴンとか結構メジャーだったりするし、多少メタい知識を持っているけど、モンスターアバターにNPC用の対話AIが入ったレアタイプだと思えば良いのか?
「違いを細かく説明しても、恐らく理解するのは難しいと思いますし、概ねそんな理解で問題ないと思いますわ」
説明が面倒臭い……というよりも、する意味が無さそうな雰囲気だな。まぁ、知ってどうなるかと言えばどうなるわけでもないしな。
まぁ本人の了承が得られた訳だし、そういうモンだと思っておこう。
「そんな事よりも、さっさと活動資金を確保しましょう。最低でも宿代は確保しないと、またあの裏路地で野宿することになりますわよ?」
「それは勘弁だな」
日本のような治安の良い訳ではないこの世界で街中での野宿はゾッとしない。それならいっそ街の外で野宿したほうが安全な気すらする。
「それに、着るものも何とかしないと問題がありますわね」
「確かに服とかもなんとかしたいな。生まれる前のNPCアバターだっていうから装備とかも初期装備なんだろうと勝手に思ってたんだけど、まさかホームレススタートで、服までズタボロだとは……」
リアリティに死ぬほど拘ってるから、てっきりNPCは全部赤ん坊スタートしてるもんだと思ってたんだが、こういう中途スタートのNPCも存在するんだな。
でもよく考えれば、異世界転生よろしく赤ん坊の体に俺の意識押し込められたらエリスたちと合流するどころじゃないからな。少し考えればそういうNPCが存在するんだとあの男と喋った時点で気付くべきだったんだよな。
いうても普段からそこまで注意深く物事考えてないから、その『少し考えれば』というのが出来ないわけなんだが。
「あまりこういう事は言いたくありませんけど、正直あるじ様でなければ近くを歩きたくない有様ですわね」
「そこまでか……って、まぁ自覚はあるんだけどな。自分の体から汗の匂いをハッキリ感じるくらいだからなぁ」
妙に俺のことをヨイショしてくるイブリスですらこう言うって事は、そこまで俺の身なりは悲惨だってことか。
自分の体臭って何だかんだで匂いが分からんもんだけど、自覚出来るほど臭うって相当だからな……
「じゃぁ、まずは宿代と食費、あと俺の身だしなみをなんとかするところからか」
「そうですわね。装備に関しては受けられる仕事のランクを考えれば、今の所今の武器があればしばらくは大丈夫でしょうし、生活の質を上げるところから始めましょう。3つ依頼をほど受けましたが、いずれも街のすぐ近く。対象が潜んでいる訳では無さそうなので、早ければ今日中に終わらせることが出来るかもしれませんわ
「そりゃ良い。野宿しなくて良いならそれに越したことはないしな」
やることは協会のときと同じで、至ってシンプルだ。標的を倒して標的と判断できる体の一部を持ち帰るだけ。
標的の強さも大したことはない。なら、さっさと済ませてしまうとしようか。
5
お気に入りに追加
630
あなたにおすすめの小説
VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
異世界転生? いいえ、チートスキルだけ貰ってVRMMOをやります!
リュース
ファンタジー
主人公の青年、藤堂飛鳥(とうどう・あすか)。
彼は、新発売のVRMMOを購入して帰る途中、事故に合ってしまう。
だがそれは神様のミスで、本来アスカは事故に遭うはずでは無かった。
神様は謝罪に、チートスキルを持っての異世界転生を進めて来たのだが・・・。
アスカはそんなことお構いなしに、VRMMO!
これは、神様に貰ったチートスキルを活用して、VRMMO世界を楽しむ物語。
異世界云々が出てくるのは、殆ど最初だけです。
そちらがお望みの方には、満足していただけないかもしれません。
俺と幼女とエクスカリバー
鏡紫郎
ファンタジー
憧れた世界で人をやめ、彼女と出会い、そして俺は初めてあたりまえの恋におちた。
見知らぬ少女を助け死んだ俺こと明石徹(アカシトオル)は、中二病をこじらせ意気揚々と異世界転生を果たしたものの、目覚めるとなんと一本の「剣」になっていた。
最初の持ち主に使いものにならないという理由であっさりと捨てられ、途方に暮れる俺の目の前に現れたのは……なんと幼女!?
しかもこの幼女俺を復讐のために使うとか言ってるし、でもでも意思疎通ができるのは彼女だけで……一体この先どうなっちゃうの!?
剣になった少年と無口な幼女の冒険譚、ここに開幕
「専門職に劣るからいらない」とパーティから追放された万能勇者、教育係として新人と組んだらヤベェ奴らだった。俺を追放した連中は自滅してるもよう
138ネコ@書籍化&コミカライズしました
ファンタジー
「近接は戦士に劣って、魔法は魔法使いに劣って、回復は回復術師に劣る勇者とか、居ても邪魔なだけだ」
パーティを組んでBランク冒険者になったアンリ。
彼は世界でも稀有なる才能である、全てのスキルを使う事が出来るユニークスキル「オールラウンダー」の持ち主である。
彼は「オールラウンダー」を持つ者だけがなれる、全てのスキルに適性を持つ「勇者」職についていた。
あらゆるスキルを使いこなしていた彼だが、専門職に劣っているという理由でパーティを追放されてしまう。
元パーティメンバーから装備を奪われ、「アイツはパーティの金を盗んだ」と悪評を流された事により、誰も彼を受け入れてくれなかった。
孤児であるアンリは帰る場所などなく、途方にくれているとギルド職員から新人の教官になる提案をされる。
「誰も組んでくれないなら、新人を育て上げてパーティを組んだ方が良いかもな」
アンリには夢があった。かつて災害で家族を失い、自らも死ぬ寸前の所を助けてくれた冒険者に礼を言うという夢。
しかし助けてくれた冒険者が居る場所は、Sランク冒険者しか踏み入ることが許されない危険な土地。夢を叶えるためにはSランクになる必要があった。
誰もパーティを組んでくれないのなら、多少遠回りになるが、育て上げた新人とパーティを組みSランクを目指そう。
そう思い提案を受け、新人とパーティを組み心機一転を図るアンリ。だが彼の元に来た新人は。
モンスターに追いかけ回されて泣き出すタンク。
拳に攻撃魔法を乗せて戦う殴りマジシャン。
ケガに対して、気合いで治せと無茶振りをする体育会系ヒーラー。
どいつもこいつも一癖も二癖もある問題児に頭を抱えるアンリだが、彼は持ち前の万能っぷりで次々と問題を解決し、仲間たちとSランクを目指してランクを上げていった。
彼が新人教育に頭を抱える一方で、彼を追放したパーティは段々とパーティ崩壊の道を辿ることになる。彼らは気付いていなかった、アンリが近接、遠距離、補助、“それ以外”の全てを1人でこなしてくれていた事に。
※ 人間、エルフ、獣人等の複数ヒロインのハーレム物です。
※ 小説家になろうさんでも投稿しております。面白いと感じたらそちらもブクマや評価をしていただけると励みになります。
※ イラストはどろねみ先生に描いて頂きました。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる