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悪夢の始まり
しおりを挟む1998年9月
この世に生まれてきてしまった。
人生の中で1番の過ちだろう。
今でも鮮明に覚えている
保育園の先生に
「どうしてもあの子を愛せないんです」
と笑いながら言った母の姿を。
私はW不倫の末に生まれた子
しかも不倫相手は外国人。
生まれてきた私は勿論
戸籍上の父親になど似ても似つかない。
当たり前に不倫がバレ、両親は離婚。
物心ついた時から責められ続けた。
「あんたのせいで」「あんたなんか産まなきゃよかった」
「あんたを産んだからママの人生は狂った」
なんでそんなこと言うの?
疑問に思い自分を責め、殴られながらも
「ごめんね。生まれてきてごめんね」
と繰り返していた。
笑って欲しかった。
抱きしめて欲しかった。
生んでよかったって思って欲しかった。
ただそれだけで家事、勉強、妹の世話
なんでも頑張った。
でも、どんなに頑張っても認めてもらうことはできなかった。
信じたくなかった
親に愛されていないなんて
そんな日が続いて双子の弟が生まれた
大事に可愛がられてる弟達が羨ましかった。
けどそれも長くは続かなかった。
殴りもしないし一緒にいる時は可愛がるが
パチンコ屋が開くと同時に出かけていき
閉店すると、そのまま呑みに行き
朝になり帰ってきて少し寝ると
またパチンコ屋に行くようになった。
小学校4年生だった私は1人で双子の世話をした。
学校にも行けなくなった
ただ1日中家の中で
赤ん坊の世話をする毎日。
それでも、これでママが遊べるなら
笑ってるなら辛くないとまだ思えていた。
それから1年程たち
大変から可愛いが大きくなった頃から
弟達の世話を母親がするようになった。
育児のストレスは勿論、私にまわってくる。
蹴られ、殴られ、髪の毛を掴んで引きずりまわされ
首を絞められる。
「ごめんなさい。ごめんなさい。」
なにが悪いのか分からないまま
逃げ惑い、逃げられてイライラが増した
母親は包丁で私の脇腹を切りつけ
足を掴んでくるぶしの下を刺した。
未だに消えない傷跡が
何度も私の心をえぐる。
それでも母親が好きだった。
大好きだった。
その半年後
私は4階のベランダから
母親に突き落とされた。
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こんにちは、akiと申します。
最初の部分だけでしたが読ませて頂きました。
自分も特殊な経験ありましたが、ほんとに人それぞれ辛いこと、悲しい経験ありますよね。
すこしでもお話できたらなと思って書かせていただいてます。