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第十六射 崩壊と再会
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「ホムラさん・・」
「あの人、本当にやりやがった・・」
プイーレの基地は、音を立てて崩れて行く。基地の頂点から、火柱が上がったのがきっかけだった。外壁には、一ヵ所を除き傷一つなかった。その壁にヒビが入り崩れていく。中の柱が、全てなくなったからだろう。
あの、寒さのきっかけの象徴が、瓦礫の山と化していく。
「おい、人質は・・親父は・・」
「ホムラさん、あそこ!!」
基地の瓦礫から少し離れたところに、人だかりがあった。
「あ、あれは・・良かったあ・・」
「ホムラさん、良かったですねえ。」
瓦礫の上に、砂煙があがる。
「まさか、こんな風に壊れるとは・・」
天宮は、瓦礫から這い出た。
「無茶苦茶するなあ、天宮!!まさか、最大火力を出すとは。」
「すいません。」
「けども、そこまでの道のりは完璧だ。見取り図と能力からあれほどのものをだすとは・・」
ヘロティカは、天宮を見て呟いた。
「あああああーっ。」
大の男の悲鳴によって、ヘロティカの呟きは、かき消された。
「おい、あんたあ。あのリボンを何とかしてくれえ!!」
人質が、大声で天宮を呼ぶ。その人質の指し示す先には、中年の大男が亀甲縛りされていた。
「ああっ、締め付けがああ。」
「なあ、天宮。これは、デシャブってやつか?」
「いやいや、数時間前に似たようなの見てますから、デシャヴとは違うと思います。」
「そうか。まあ、あの男の家族が誰かは、なんとなくわかる。」
「奇遇ですね、僕もです。」
「ほほう、親父も、嫌いじゃないみたいだな。」
「へえ、血は争えないですねえ。」
青年と女神は、笑いをこらえるのが必死だった。
「親父ーっ‼」
ホムラは、亀甲縛りの男に近づいていく。
「ホムラ!!来るなあ、見ないでくれえ。ああっ。」
ホムラの父の声は、虚しく響き渡る。彼の亀甲縛りが解除されたのは、女神と青年の笑いがおさまる、三十分後だった。
「あの人、本当にやりやがった・・」
プイーレの基地は、音を立てて崩れて行く。基地の頂点から、火柱が上がったのがきっかけだった。外壁には、一ヵ所を除き傷一つなかった。その壁にヒビが入り崩れていく。中の柱が、全てなくなったからだろう。
あの、寒さのきっかけの象徴が、瓦礫の山と化していく。
「おい、人質は・・親父は・・」
「ホムラさん、あそこ!!」
基地の瓦礫から少し離れたところに、人だかりがあった。
「あ、あれは・・良かったあ・・」
「ホムラさん、良かったですねえ。」
瓦礫の上に、砂煙があがる。
「まさか、こんな風に壊れるとは・・」
天宮は、瓦礫から這い出た。
「無茶苦茶するなあ、天宮!!まさか、最大火力を出すとは。」
「すいません。」
「けども、そこまでの道のりは完璧だ。見取り図と能力からあれほどのものをだすとは・・」
ヘロティカは、天宮を見て呟いた。
「あああああーっ。」
大の男の悲鳴によって、ヘロティカの呟きは、かき消された。
「おい、あんたあ。あのリボンを何とかしてくれえ!!」
人質が、大声で天宮を呼ぶ。その人質の指し示す先には、中年の大男が亀甲縛りされていた。
「ああっ、締め付けがああ。」
「なあ、天宮。これは、デシャブってやつか?」
「いやいや、数時間前に似たようなの見てますから、デシャヴとは違うと思います。」
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「へえ、血は争えないですねえ。」
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「親父ーっ‼」
ホムラは、亀甲縛りの男に近づいていく。
「ホムラ!!来るなあ、見ないでくれえ。ああっ。」
ホムラの父の声は、虚しく響き渡る。彼の亀甲縛りが解除されたのは、女神と青年の笑いがおさまる、三十分後だった。
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